終局
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【一年後・ルクト帝国王都、クシャナガラ】
「久しいな……元第13皇子、リュウガ・シャルル・ルクトよ」
玉座にその巨体を預けた皇帝、サガラ・ゴルド・ルクトは荘厳な声色でそう言った。
僕の足元に拘束された状態で転がるクロに向けて。
「貴様……ッ!」
対して、怨念の込められたクロの視線は、皇帝に向けられたものか――それとも、僕に向けられたものなのか。
「タクシャカの暗殺、帝国に対する反逆罪、民衆の扇動……お前がロニ区で引き起こした大規模反乱は数千の死者を出した。罪状には事欠かぬな、リュウガ」
「貴様が俺の名を呼ぶな! 汚い手で皇帝の座を得た貴様が!」
「『リュウビ』の起こした反逆行為はロニ区新総督ノイン・ロニの手によって鎮圧。『リュウビ』は解体、そしてリュウガ、貴様は腹心であるその男――ニル・ジェーンの手によって捕らえられた。稀代の反逆者にしては情けない結末ではないか」
「……皇帝陛下、お願いがあります」
僕の声に、サガラがこちらを向く。
「褒美を要求するというのか? 言ってみろ」
「はい。私を皇帝陛下の親衛隊に加えていただきたいのです」
「ニルっ! お前は、俺を利用するのか!? 俺を売るつもりか!?」
「少なくとも、今は君と話しているつもりはないよ、クロ」
「……っ!」
「皇帝陛下、何卒」
「ふむ、よかろう。ニル・ジェーン、貴様に我が親衛隊への加入を許可する。下がってよい」
「ありがたき幸せ」
「ニルぅぅ! 貴様あぁあッ!」
今にも噛みついてきそうなクロに背を向け、僕は王の間を出た。
「よお、君が来るのを待っていたよ。ようやくここまでたどり着いたんだねぇ」
その先で僕を待っていたのは、ムーメだった。
「運が良かったんですよ、ムーメさん―――いや、ネーモさん」
「……いつから気付いていたんだい?」
「予感はありました。ですが、総督府であなたと再戦したとき、あなたの太刀筋を見て気づいたんです。……でもまさか、悪魔と接触して若返っていたなんてね」
「それは順序が逆だねぇ。君と出会った時、既に俺は契約していたんだ。君を鍛えたのは、好敵手たりうる人間が居なきゃ、俺が面白くないからさ。しかしそんな君も今や俺と同じ親衛隊だ。まあ、仲良くしようじゃないの。君の狙いが何かにかかわらず、ね」
そう言うと、ネーモさんは片手を上げて踵を返し、どこかへ歩いて行ってしまった。
僕は王の間を振り返り、呟く。
「ここからが本当の始まりだね、リュウガ」
体力の……限界っっ!
時間的な余裕もなくなり完結することとなりました。
今まで応援ありがとうございます! 次回作にご期待ください!




