少年、疑問に思う。
「だけどよ、あんたの言うことが本当ならあの人はどういうことなんだ?」
Dの五番――ディーゴと呼ばれた男が僕の方を見ながら言う。
「質問の意味を図りかねるな、ディーゴ?」
「いや、もちろん俺はあんたを信頼してるんだぜ? ルクト帝国を倒しロニ公国を取り戻すって目的には共感しているし、そのために今まで協力してきた。でも、あの人はシュニ人だろ? どうしてシュニ人がルクト帝国を倒すのに協力してくれるんだよ」
「それは……」
答えようとした僕を、やはりクロが片手で遮る。
「私が代わりに説明しよう。それは彼にもナパ人の血が流れているからだ」
「!?」
どうしてそのことを知ってるんだ!?
僕がナパ人とシュニ人の混血であることを話した覚えはないのに。
「彼もまた、シュニ人至上主義を掲げるルクト帝国に対し反感を持つ人物だ。彼の優秀さは私が保証しよう」
「……ということだよ。よろしく、ディーゴ」
「あ、ああ。疑うようなことをして悪かった。あんた、クロの知り合いだったんだな?」
「う、うん、まあ、そんなところ」
あれ?
でもそうなると僕がディーゴにクロの居場所を尋ねたのはおかしな話になるよな?
「つまりあんたが俺に接触したのは、クロに会うためのテストみたいなものだったってわけか。なるほど、納得だな」
おっと、勝手に納得してくれたみたいだ。
疑問に思われずに済んで内心ほっとした。
……逆に、こんな単純な人が仲間で大丈夫なのだろうか。
※※※
「まったく、疲れたぜ」
僕らだけになった基地のソファで、クロは一人寝転がりながら覆面を外した。
「あれだけ大見得を切ったんだから、そりゃあ疲れるだろうね」
「でけえ風呂敷を広げとかなきゃ相手を騙せねーからな。これからが大変なんだぜ、ニル。覚悟は出来てるんだろうな」
「当たり前だよ。乗り掛かった舟だからね。それよりもクロ、訊きたいことがあるんだけど」
「お前まで俺を質問攻めにするのかよ」
文句を言いながらもクロはソファから体を起こす。
「どうして君は僕が混血であることを知ってるんだ? 話した覚えがないんだけど」
「なんだ、そんなことか。あれはハッタリだよ」
「……ハッタリ?」
「ああ言っとかなきゃお前の立場が悪くなるだけだからな。まさか本当だったとは思わなかったぜ」
この男……。
詐欺師になった方が良いんじゃないのか?
いや、既に詐欺師のようなものか。
次回の更新は2月24日です。




