↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
31/40

少年、戦慄する。


「……覚悟を」

「それが何かを成し遂げる者の条件だ。力を持つ者の必然だ。そして、タクシャカの死から始まるのだ。この帝国の崩壊が―――ノインのための世界が」


 そのとき、僕の背筋に悪寒が走った。


 クロの演説を聞いたから―――ではない。


 背後から強烈なプレッシャーのようなものを感じたからだ。


 危険を感じた時には既に僕の体は動いていた。


「伏せろ、クロ!」

「!?」


 僕は階段を駆け上り、剣の柄でクロを弾き飛ばしていた。


 同時に僕の足元の階段が爆ぜた。


 その衝撃で僕は階段から転がり落ちた。


「……っ!?」

「今のを躱すとは、ただものじゃあないみたいだねぇ」


 足音を響かせ廊下の奥から現れたのは、大柄で筋肉質な、長い髭を生やした男だった。


 男は、刀身の細い剣を握っていた。


「お前は、一体……!?」


 立ち上がり剣を構え直した僕に対し、男は驚いたような顔をする。


「へぇ、まだ戦う気かい。今の一撃で戦意を失ってくれればお互いに楽だったろうにねえ」


 男が着ているのは真っ白な礼服のようなものだった。


 どこかの軍服のようにも見える。


「質問に答えてもらってない」

「うん? ああ、お前は何者か、という質問だねえ。まあ、同じようなことを訊かれたとき、俺はいつも同じ答えを返すようにしてるんだ。……教える必要はない(・・・・・・・・)ってね」

「!」


 男の気配が変わる。


 凄まじい気迫―――殺気だ。


 僕は思わず一歩引きさがっていた。


 引き下がって――――いた?


 何を怖がっているんだ、僕は。

 何のために素振りを続けたんだ。

 何かを守り―――そして。

 何者にも負けないためじゃなかったのか?


「っ……」


 僕は歯を食いしばり体の震えを止め、男に向かって剣を構え直した。


「向かってくるかい。自分の心には素直に従うべきだと思うけどねえ……ま、良いでしょう」


 そう言うと、男は剣を鞘へ納めた。


「……?」

斬ってみなさい(・・・・・・・)逃げないから(・・・・・・)

「『この斬撃消えるよ(バニシングセイバー)』!」


 体は動いている。

 剣は敵を捉えている。


 なのに。


 ―――なのに。


「いやあ、驚いた」

「……!」


 僕の剣は、男の指先で止められていた。


 音を超えた、光速の抜刀が。


「この技を使える人間が居たなんてねえ。やるじゃない、君」

「う、嘘だ」

「嘘じゃない。これは現実さ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブクマ・評価いただけると励みになります!
― 新着の感想 ―
[一言] こんな序盤で、早速必殺技破られる展開きましたか笑
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。