町へ 29
ドカァーン!
という破壊音と共に
空き地に誰かが転がってきた。
勝利だ。
その後からは、ベタインが歩んでくる。
水野は指を下ろした。
「早く立て、軟弱野郎。いつまで逃げてんだ。
テメェは親父の面影もねぇ、カスファイターだな。」
勝利はこの言葉にカチンと来たのか、
近くに転がっていた長い石を握り、
ベタインの膝を攻撃した。
思いもしない奇襲にベタインはグラリとした。
『おっと!勝利がまさかまさかの反撃だ!
いつもはリタイアするが、一体何があった!』
勝利は立ち上がり
倒れたベタインの胸ぐらを掴んだ。
「テメェ、俺が親父の子じゃねぇってのか?
俺はれっきとしたファイターの息子だ!
親父の名に恥じないようにやってんだ!」
「そうは見えんがね。」
と水野は言って
ヒョイと勝利の首根っこを掴んで投げた。
グヘッと力無い声を出して
勝利は仰向けに着地した。
「立てよ、茶番は終わりじゃ。」
勝利はやっとのことで立ち上がり、
前屈みになりながら水野を見た。
しかし、
水野は立つや否や勝利の腹にパンチを入れ、
爆発させた。
勝利の身体は放物線を描き飛んでいった。
『これは、両者!
まさかまさかのノックアウトか!』
「俺がトドメを刺す。」
ベタインはそう言い、
もう動けない勝利へ走った。




