意識・職業習得所 24
森をしばらく進むと老婆は茂に頭を突っ込んだ。
しばらくすると、老婆は箱を取り出した。
「これを買って欲しいんじゃ。」
見てみると、箱の中には輪が10個並んでいた。
「ばぁさん。これは?」
「意識じゃよ。
普通に売ってる意識より威力はデカイぞぃ。
この極塔出身の名だたる猛者たちは
ワシから意識を買ったんじゃ。
ただし、あんたの意識力が低いと
威力の高さ故に死ぬかもしれん。
どうじゃ?」
ノビルは興味津々だがヤイバは冷たく見ている。
「なぁ、やっぱり危ねぇモンだろ。
俺はいらねぇぜ。」
「ばぁさん!ばぁさん!俺、欲しい!
教えてくれねぇか?」
老婆は皺の寄った笑顔で説明し始めた。
「右から、銃、痛、変、気、恐、神、殺、龍、首、死、だ。
内容はワシも分からんから着けてからのお楽しみにじゃな。」
しばらくノビルは悩んだ。
悩んだ末にようやく決めたようだ。
「ばぁさん。右から3番目のやつをくれ。」
「“変"じゃな。ほれ、体のどこかに輪を巻け。」
ノビルは輪を手首に通した。
すると、輪はノビルの手首に溶け込んで行った。
「これで完了じゃ。
この意識は威力が強いから気をつけろ。
代金の一円くれるか?」
「安いな!ほいよ。」
「どうも。じゃあ、あっちを真っ直ぐ行け。
そこが極塔裏じゃ。」
「ありがとよ…名は…」
「江口じゃよ」
こうしてノビルは意識を手に入れ、
二人はようやく森を抜け、極塔にたどり着いた。