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憲法第44条 治安維持 16
「俺を覚えているか?次郎よ。」
鎖を握りしめ、次郎に言った。
「いんや、覚えてねぇな。見たこともないぜ。」
「なら、これは覚えるだろ!隔離の円!」
ボーンと男の周りに突然ドームが現れ、
二人を閉じ込めた。
「これは…」
「うちのモルワイデの秘技だ!
あのドームから出るのは勝者のみ。
つまり、モルワイデだ。」
その瞬間、ドームは解かれた。
そこには、一人の男と何か
さいの目に切られた黒い物体が
山積みになっていた。
勝者はボーンであった。
「少しやり過ぎましたかね。」
「どういうこった、こりゃ」
「どうだっていいだろ。」
大きめの剣を背負った男が
リーダーのメルカトルに言った。
「おい、そりゃなんだ。」
「だから、どうだっていいんだ。
こっちはあと六人、あっちは四人。
マッチングさえ考えりゃ
あのトールマンだって崩せるさ。」
「なるほど。」
メルカトルはニヤッと笑った。
「俺とサガは帽子の男を、
サンソンとボンヌ、ワインは次郎、
そしてアメンボさんは
後ろの二人をお願いします。」
「おう!!!」
すると、そこへ無線が入った。