憲法第44条 治安維持 8
実行犯の3人のうち、
ノビルを除く2人は倉庫へと忍びこんだ。
ノビルは倉庫前の見張りだ。
(この倉庫にはセンサーがある。
センサーは関係者しか切れないため
我々は倉庫から証拠を出すと共に、
皆カジノから出て、本社へ向かえ。)
ボーンの指示はこれだった。
倉庫から証拠品を持ち出すとセンサーが作動し、
警報音が鳴る。
それが開始の合図だ。
2人は証拠品となるシャッフル機と
磁石入りカードを見つけた。
シャッフル機は大きいため、
シュンカの空間学を応用している
“エアバック”に入れ、小型化した。
(ノビル、行くぞ。)
外のノビルに言った。
それと同時にノビルは倉庫の扉からずれて、
逃げる体制を取った。
そして、ボーンとシュンカは倉庫の扉を蹴り、
外に掛け出た。
警報がカジノ中へ鳴り響いた。
ウゥー、ウゥー、ウゥー。
サイレンの音が鳴り響く。
皆、何が起こったのかと辺りを見回している。
だが、あの10人は違った。
サイレンと同時に走りだした。
ゲームをしていたナナミさえも
勝負を投げ出してやってきた。
「何事だ!?」
カジノの支配人が怒鳴る。
「倉庫から何かが盗られました。」
「映像を確認しろ!」
防犯カメラの映像を見ると、
そこにはあの3人の姿が。
そして、別のカメラには3人と同じように
カジノから逃げる男女10人の姿が。
「支配人!
例のシャッフル機とカード一組が
なくなっています!」
「奴らめ、勘づいたか…」