裏社会 17
「畜生。全く当たらねぇ…」
「当たり前だね~。
僕の姿を歪めてるんだから。」
次郎はもう一度蹴りを入れた。
しかし、ボンヌに当たったと思ったら、
いつも足は空を切っている。
「僕に当てるつもりあるの?」
ボンヌは少し距離をとった。
「スライム。」
次郎はボンヌが離れた所で
パンチをした様に見えた。
しかし、腕はぐにゃりぐにゃりと
蛇行するかのように曲がり、
次郎の腹を直撃した。
次郎は膝を付いた。
「ふふふ。僕の独り試合になってるよ?
つまんないな~。」
ボンヌは次郎の側まで歩み寄った。
そして、次郎の手を踏みつけた。
「ぐあぁ!」
次郎は鈍い声を出した。
しかし、反対の手でボンヌの足を掴んだ。
「なに?」
「さっきからよくも俺を虚仮にしてくれたな。」
次郎はぐっと足を引っ張り、
踏まれた手を救いだした。
そして、胸ぐらを掴み、立ち上がった。
「マラカナン!」
次郎はボンヌの腰に渾身の蹴りを入れた。
ボンヌは体を曲げながら
3メートルほど吹き飛んだ。
「なにを…」
ボンヌは腰を押さえながら立ち上がった。
「だが、貴様はミスを犯したね~。
俺との距離が広がったよ。
もう僕の歪の意識を使い放題だ!
かかって来なさい!」
ボンヌは次郎を指で挑発した。
次郎はボンヌ目掛け走る。
「ジョルトブロー!」
次郎はボンヌの顔を殴ろうとした。
ボンヌは意識を使おうとした。
そして、ボンヌの顔面に
痛烈なストレートパンチがヒットした。