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ゴケンテーはピクリとも動かない。
次郎は訳が分からなかったが、
何者かがゴケンテーを倒したので、
大木を下ろしヤイバを背負った。
「おぃ…あんた…」
次郎は口を開きかけた。
「おやおや、また会ったね。」
皺が目立つ顔に笑みが浮かんだ。
「え?前に会ったっけ?」
「お前さんじゃないよ!」
次郎は大声で怒鳴られた。
次郎はきょとんとして
背中に背負ったヤイバを指差す。
「あぁ、そいつじゃ。全く無茶しおって。」
老婆はヤイバの頭を触った。
すると、ヤイバは頭を上げた。
「んぁあ…?あぁ…江口さんか…」
「おやおや覚えててくれたんか。これをお飲み。」
ヤイバは口の中に
何か薬らしき物を押し込まれた。
すると、ヤイバの腹の痛みはすっと消え、
出血もしなくなった。
「おぉ、ありがとな、江口さん。
お陰様で楽になったぜ。」
「そうかい。それは良かった、じゃあね。」
江口はさっと目の前から消えた。
「知り合いか?」
次郎はヤイバを背中からおろした。
「まぁな。」
ヤイバは少し考え言った。
「あいつは精鋭百隊だ。」
すると、誰かがこちらへ走ってきた。