四季天王の私は、他の役立たずな季節をぶっ壊す!!
私は秋である。
四季で最も好かれている季節だ。
しかし、それだけに妬みや嫉みは多い。
そして今も、精神的に未熟な「夏」が私に詰め寄ってきていた。
「ふん。この上なく不服だね。今年も君なんかに日本の季節を譲ることになるなんて」
「馬鹿を言う。日本国民はみな喜んでおられるではないか。やっと――あのいまいましい《夏》が終わると!」
「僕を愚弄するのかい? 僕を好きな人だってそれなりに……」
「ふっ。夏よ。しかしおまえは、同時に大量殺人犯でもある」
「……なんだって?」
「わからんか! 暑くなった途端に相次ぐ熱中症! いままで多くの者が亡くなった! さらにおまえは《地球温暖化計画》と称し、日本国民のみならず、地球の全生命を恐怖に陥れている! これ以上、貴様の悪行を許すわけにはいかぬ!」
私は全魔力を解放した。
地球を支配する《四季天王》のみが使用できる、禁断の魔法。
神級魔法、ペッペラペーンペ。
「な……なんだ、この力は!」
夏は驚きを隠せない様子で数歩後ずさる。
「これぞ私の最強の力! 人類の安全のため、夏よ、貴様は死ね! ペッペラペーンペ!」
「ぎゃああああ! 尻が痛い!」
と言って夏は死んだ。
のだが。
少々やりすぎてしまったようだ。
「「ぎゃあああ! 尻が痛い!」」
私のあまりに強大な魔力に、地球の全生命は尻を痛めて死んだ。