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006:平原合戦後

 〖イーニャ〗南側平原からのエネミー侵攻における攻防戦においてプレイヤー側の勝利で終わる。

 それらからリアルでは一日たった。

 ログインする前のメンバーにメールを送り、ログイン出来るのなら予定を聞いた。

 やきはり正式サービス前のプレイヤーはチュートリアルを受けていないので、冒険者育成学府、通称学校には期待が集まる。

 正式サービスからの参加者は、チュートリアルを受けるも、今回の集団戦術など学ぶこともないので、本格的な訓練を受けたがった。

 そんな訳で、固定PTの<十字星の記録>は、学校に参加を希望し、運営側の募集期間でもあったためにこれに参加した。

 従者の方も同じく訓練を受ける予定だ。

<十字星の記録>

 リーダー:レド(生産時は錬金術師、戦闘時は騎士の二足の草鞋を履く)

 レドの従者のピローテス(レドと同じく騎士職を行うダークエルフの女性従者)

 サブリーダー:ウルカ(忍者、時々侍のヒュムの女性プレイヤー)

 アリサ(獣使いの、大鎌使いの、ハーフエルフの女性プレイヤー)

 アリサの従者のフォルゼン(エルダーナイトの武道家の男性従者)

 アリサの従者のフォルスト(ドリアードの治癒士の女性従者)

 バッシュ(獣使いの、弓使いの、エルフのプレイヤー)

 バッシュの従者のディード(エルフの学者の女性従者)

 バッシュの従者のホタテ(ニクシーの戦士の女性従者)

 チャイム(商人の元素魔法使いの、ドワーフの女性プレイヤー)

 チャイムの従者のホウヅキ(ドリアードの召喚士の女性従者)

 ツグミ(フェルパーの武道家の女性プレイヤー)

 ユウヤ(ウルフマンの侍の男性プレイヤー)


 ◆◇◇◆


 リアルの金曜日の午後から、日曜日の夜までの三日間、ゲーム内では12日間の学校期間だ。

 この学校の学校制度を考えれば、単位制で、好きな学科が学べる、騎士職の俺、ピローテス、忍者職のウルカ、侍職のユウヤ、戦士職のホタテ、武道家職のツグミ、フォルゼンの前衛職の7名。

 獣使いのアリサ、バッシュ、学者職のディード、商人職のチャイム、召喚職のドリアード、治癒職のフォルストの6名の後衛職。

 それぞれが学ぶ。

 ログインし、学校エリアに飛び、そこで制服を支給され、男女別の格好だ。

 武器スキルの科目、防具スキルの科目、装飾スキルの科目、魔法スキルの科目、補助スキルの科目、生活スキルの科目、生産スキルの科目

 これらを行い。

 スキルの項目をこなしながら、リアルの6時間が1日の相当するゲーム時間、午後6時から翌朝の午前9時まで休憩期間だ。

 そんな9時間もの授業を受けて終わり、ゲーム内での教育を受けるのだからVR通信教育のような物だ。

 そんな放課後には、学生を経験する者が殆どの為に、レドは放課後になってから従者のピローテスと共に騎士職の同じ学生でもあるが、ダークエルフのプレイヤーは居ても、ダークエルフの従者は見かけず、しかも女性と言う事も有り、注目が集まったりする。ダークエルフの男性であるレドにも妙な言いがかりをつけてピローテスを渡すように言う変人のプレイヤーも居たが、こういう事が第きらすなレドはあっさりとトラブルを起こし、その要求してきたプレイヤーをその場で切り捨ててしまった。

 他の騎士職の者もこんな要求をしたプレイヤーが悪いという嘆願書も集まるなど、大事に発展し、この名前こそ伏せられたが、運営からしてもあまりに横暴すぎるやり方に、GMなどからの仲裁もあって、このプレイヤーの行動から処分が与えられた。

 一時的な学校・ゲーム停止処分だ。

 従者を持つプレイヤー、女性プレイヤーなどが主に支持した。

 この結果。

 運営もこの事件を受けてプレイヤーと従者との関係、また従者の自由意思がなければ主人に従わないことも決まった。

 見た目の良い従者を強制的に集めていたとあるPK集団らは、一斉にアカウント停止を受ける。悪質なプレイのし過ぎだと。

 こんな風に運営が動いた事で、今まで悪質なプレイヤーの中でも特に悪質なプレイヤー集団の一つであるヘルハウンドは、PK目的だったこともあって、スキル初期化を受ける。

 この為、今まで悪事を働いてきたプレイヤーは鳴りを潜めた。

 そんな翌日も同じように授業も受けるが、有名人になったピローテスと話したがる女性プレイヤーは多く、主人のレド以上に人気が大爆発。

 本人は人を悪く思わない性格なので、時間の余裕がありしだい話していた。

 こんな時に、獣使い、召喚士の双方からどっちが従者を愛しているかと言う、周りからすれば非常にどうでもよい従者自慢などのもめ事に発展し、運営は直ぐに活発な議論を求むと答えた。


「大丈夫かマスター」

「お前こそ大丈夫なのか?戦乙女騎士団なんかに追い回されている様だが」

「問題ない、彼奴らも放課後の一時間程度だ。夜はゆっくりと勉強中だ」

「それは好かった。ピローテスの私生活も必要だからな」

「よくわからないことを言われるが、知り合いが10倍以上に増えたりした」

「良かったのかはわからないな」

「そんなマスターに、色んな所からお誘いの話は多かったのではないか」

「まあ、色々と有るものだ。どのみちリーダーをしているし、断るさ」

「偶には他の者と触れ合うのもよい事だと学んだ」

「それは大いにあるな」


 そんな会話をした金曜日最後の放課後を過ごし、土曜日の午前からログインし、授業を受け、放課後になり、再び授業、放課後と、あと一回繰り返し、日曜日の最初の授業を受け、放課後になった頃。


 3月20日10:30=6月1日18:00

 授業を受けて終わった後、プレイヤー、従者で賑わう学食、美味く安い学生食が大変な人気を呼び、初日のトラブルなどもなくなって、レドとピローテスは学食を食べながら、今後の予定を考える。

 何も言わずダンジョン攻略もよいが、暢気な生産プレイも楽しい、悪党討伐などの生活系クエストを受けるのもよい、仲間との冒険も最高に楽しい、PVPの対人用の闘技場に出るのもよい、ひたすら美味い料理を食い続けるのも楽しい、新しい生産に手を伸ばすのもよい。

 などと暢気に考えるレドだった。


「そういえばスターの世界でいう学校もあるのではないか」


 思いっきり頭を殴られるような精神的衝撃を受ける。

 すでに三月の下旬に入り、来月の4が7日からは学校だ。

 それも非常に面倒なリアルの学校だ。

 大変な日々が待っていると言っても過言じゃない。


「どうしたマスター」

「学校は嫌だと思ってな」

「つまり。この世界の学校はまだ良い、妥協内だ。しかしマスターの世界での学校はどうも妥協できないから、好きになれないと言った所か」


 大当たりの言葉だ。伊達に従者はしていないらしい。

 しかし。ゲームこそが人生の全てと言うゲーマーにとってみれば、ちらりと考えがよぎる。


「マスター、言いたくはないが、学校をさぼろうと考えていないか」


 よく見ているらしく、ちらりと考えたことを見抜かれた。


「マスター、悪い事は言わないしっかり勉強して生産に活かせばよいではないか」

「なるほど、それは一理ある」


 生産好きのレドにとってみれば確かに美味しい話だ。

 周りの者達は、この会話に首を傾げるのもあるが、勉強によって大学なども考えることになるのだから、もう少し真面目に考えたほうが良いともいえた。

 ただレドからすれば、真面目に勉強したのもゲームの為だ。ゲームの為にひたすら勉強し1分1秒でもゲームをやるために励んだのだ。

 そんなログアウトし、朝早くログインした。

 騎士、侍の固定スキルの騎乗。

 特に強力なアーツがあるわけでもないが、騎士、侍職の者は必ず騎獣に乗るのが基本と言わるへど密接なモノだ。

 騎士職にはレド、ピローテス、侍職にはウルカ、ユウヤの二人がいる。

 乗馬のようなものだが、リアルでの経験を持つ者は恐ろしく少なく、騎獣の陸鳥に乗るのが初めてという、そんなプレイヤーが殆どだ。その中でレドの様な騎士のゲームをしていたプレイヤーなど当たり前にいない。

 こんな日も終わってのは6月3日。


 ◆◇◇◆

 3月21日月曜日。

 冒険者育成学府の学校期間も終えた頃。

 月曜日の面ても無事に予定通り終え、ゲーム内の時間でいえば6月4日の一日分がメンテに使われた。リアルの時間でいうのなら真夜中の0時から翌朝の6時までの6時間だ。

 教育制度としては冒険者育成学府があり、リアルでの三日間、ゲーム内の12日間の期間内に必要単位を取ることだ。それらは全部授業で教わるから特に困ることはない。

 またスキルランクはⅢまで解放され、種族Lv、職業Lv、クラスLvの三つのLvがランクⅡ、数字でいうのなら30まで解放されている。

 これらのLvが上がると、ステータス、スキル、装備に補正がつく、1次派生を除くLv30毎ごとにランクが上昇、1次派生のみ15だ。

 マイハウスも導入され、あちらこちらの町で固定PT内のメンバー同士でのシュアハウスを建てるモノか続出する、これによって生産スキルの価値が見直された。のた生産スキルを支える素材の価値も急騰し、その為プレイヤー間の物価も上がる。

 学校に参加した者も居れば、興味がなかった者も居るのは世の常だ。

 固定PTの<十字星の記録>のメンバーの俺も含め7名、従者の6名も居る。

 そこに久しぶり現れた召喚士の二人。

 一人はリード、この固定PTは二つの固定PTがひっついただけの共闘PTだった。

 まだ共闘PT制度が導入される前だったので<星空の記録><南十字星>の合同PTだ。


「さてと、二つのPTに分かれるぞ」


 色々と有った事も有って、名残惜しいが二つのPTに分かれる。

 リード、バッシュ、チャイム、従者の3名の<南十字星>

 レド、ウルカ、アリサ、ヒリュウ、従者3名の<星空の記録>


「そして共闘を申請」

「いっそのこと一つのPTにしたら」


 ヒリュウの言葉に誰もが頷くが、レドはニコリと柔らかに笑い。


「一つの部隊として扱える」


 納得する言葉だ。

 結果的に共闘を申請を了解したリードにより、集団で行動することになる。


「んじゃあ。今日の所は生産活動をしたいと思う」

「その前にマイハウスでも買うべきじゃないかな」

「1Mはかかる」

「結構高いね」

「そういう訳で金欠PTには無理なのさ。んでヒリュウ」

「なんだい?」

「朱雀は手に入ったか」

「うん」

「そいつは好かった。家のPTは火力不足だからな」

「だよね。前衛は充実しているのだけど」


 小さなPTの集まりの為に悩み所も似通っている。

 レドもリードも強制を好まないために、自分でスキル構成を考えて楽しむのが第一の前提のような物だ。

 その為にレド、ウルカ、アリサ、ユウヤ、ツグミの五名は揃いも揃って前衛だ。

 従者でいえばピローテスは前衛、フォルゼンも前衛、フォルストはヒーラーの後衛

<星空の記録>唯一の火力の後衛はヒリュウただ一人だ。

 実に7名が前衛、2名が後衛と言った所だ。


 これに対し、<南十字星>の構成はリード後衛、バッシュ後衛、チャイム後衛、ディード後衛、ホウヅキ後衛と言う極めて火力に偏って後衛のみ、唯一のホタテが前衛だ。

 この為に二つのPTの相性は抜群なのだ。


「リード先輩の悩みもよくわかるよ」

「前衛の少ないPT<南十字星>、後衛が少ないPT<星空の記録>」

「レド」

「リードも多分同じだろう。一度構成を変えてみるか」


 誰もがその方が良いのか、それともこの二つの相性抜群の組み合わせで動くべきなのか、誰もが悩む。


「一度だけでもいいからバランスの良いPTで居たい」


 リーダーのリードの言葉に、レドもその悩みは似通っているために悩んだ。


「よし、全員よく聞いてくれ、二つのPTだが、構成を変えてみる」


 誰もが思う事はバランスの良いPT。

 第1PT<星空の記録>

 前衛:レド、ユウヤ、ツグミ

 後衛:ヒリュウ、チャイム

 従者前衛:ピローテス

 従者後衛:ホウヅキ

 第2PT<南十字星>

 前衛:ウルカ、アリサ

 後衛:リード、バッシュ

 従者前衛:フォルゼン、ホタテ

 従者後衛:フォルスト、ディード


「長かった」

「ああ。長かった」

「後衛がいる喜び」

「前衛がいる頼もしさ」

「漫才していないで、今後の予定を決めるわよ」

「そういうアリサも」

「そりゃあね。後衛がいるPTはないかと思ったわよ」


 どちらも喜べる構成の為に、リーダー二人の苦悩も似通っていた。


「よしこれより方針会議を行う。」

「あっ。ちょっと待って」

「どうしたヒリュウ」

「新しく、召喚獣、テイムエネミーを一人ずつ常時出しておきたいと思う」

「従者の方は人型が望ましい、やっぱり装備が身に着けられる強みは高い」

「分かったよ」


 召喚獣ドリアードの人型のセリルが現れる、テイムエネミーは人型のニクシーの女性。


「セリルですよろしく」

「アニキスです」

「私の場合は」


 リードの召喚獣ウィンデーネの人型の女性、テイムエネミーのエルダーナイトのアロマ。


「グ」

「セレーネアです。よろしくお頼みします」


 □


 方針会議での南の平原の、初級エネミーより一ランク高い上位エネミーを狩に行くことが決まり、二つの固定PTの共闘と言うより一つのPTの二つのチームのようだ。

 まず騎獣専門店〖ユニコーン〗での騎獣の購入。

 二つのチームに分かれた19名は、町の武装街で装備を整える。

 騎士職のレド、ピローテスの主従コンビ、忍者から侍に変えたウルカ、元々の侍のユウヤ、武道家のフォルゼン、アロマ、ツグミ。戦士職のホタテ、アニキス。獣使いのアリサ

 前衛職の5+5の10名。

 獣使いのバッシュ、治癒士のフォルスト、学者のディード、元素魔法使いのチャイム、召喚士のホウヅキ、召喚士&獣使いのリード、ヒリュウ。

 召喚従者のドリアードのセリル、ウィンデーネのセレーネアの二人は後衛。

 4+3+2の9名だ。

 第1PT<星空の記録>5+4名

 前衛:レド、ユウヤ、ツグミ

 後衛:ヒリュウ、チャイム

 従者前衛:ピローテス、アニキス

 従者後衛:ホウヅキ、セリル

 第2PT<南十字星>4+6名

 前衛:ウルカ、アリサ

 後衛:リード、バッシュ

 従者前衛:フォルゼン、ホタテ、アロマ

 従者後衛:フォルスト、ディード、セレーネア

 男性プレイヤーのレド、ユウヤ、バッシュ、男性従者のフォルゼン、アロマの5名。

 残りは女性の為に何かと肩身の狭い感覚を覚えることもない訳ではない、特に買い物に関していえば長いので男性はメンバーは暇潰しを兼ね、男性用の装備をじっくりと考えて購入する。

 獣使い用装備専門店〖キリン〗を巡り、和風装備専門店〖ブシロード〗に入り、ユウヤの装備を整え。武道家専門装備店の〖達人〗でアロマ、フォルゼンの装備を整えた。最後にレドの騎士装備専門店〖ナイト・ナイト〗を巡り。

 暇になったところで、騎獣に乗って近くの店による。

 西部劇のようなデザインの店の前には騎獣が止められ、水と餌が置かれる。

 そこには知り合いのPTが居た。

 魔法使い職の女性プレイヤーのアプリ、大剣使いの戦士の女性プレイヤーのビルド、ヒーラーの治癒職の女性プレイヤーのマキ、黒一点の騎士職のアシル。


「お!久し振りだな」


 四人の中で黒一点のアシルが声を出す。


「久し振りだぜ」


 四人の中で一番のロールプレイ好きのビルドが声を出した。

 アプリはグラスを掲げ、マキはホッとした顔で頭を下げた。


 久し振りの再開に挨拶が始まる、アロマには取ってみれば初めてなのだが、言葉を学んだアロマも挨拶し、初顔合わせの四人と自己紹介を行っていた。


「他のメンバーは?」

「買い物だ。非常に長い」

「それは、まあ女性だしな」

「もし買い物が直ぐに終わったとしても、最後の甘い物を食べるのが長い」

「バッシュ兄ちゃんの苦労がよくわかるよ」

「お疲れ」


 アシルが気遣い、バッシュは注文にノンアルコールビールを頼む。


「同じく、ユウヤはコーラでよかったか」

「ああ。だってビール苦いし」

「そこがいいのだが」

「フォルゼンのロックビール?」

「ああ」

「アロマはホットコーヒーでよかったか」

「頼む」


 店員に注文し、さすがにリーダーだけあってレドの気遣いは出来た。


「そういや生産は学んだか」

「私は裁縫とか、鍛冶とかやっています。みんなの消耗の回復です」

「なるほどねえ。俺達の<星空の記録><南十字星>ではユウヤとツグミを除けは最低二つの生産スキル、多ければ4つ、5つは行くな」

「生産も行うのは知っていたが、噂では色々と開発しいていたそうだな」

「コーティング剤、布製、革製の染料だ。始まりの七日間では有名過ぎる生産されたアイテムの一つだ」

「なあ兄ちゃん」

「ん?」

「その染料ってバカ高いのか?」

「いや一つ当たり100G程度だ」

「・・・貴重品じゃないのか?だってすげえ物じゃないか。下手な武具を買うよりコーティング剤の方が有効じゃないか」

「う~ん。ま~な。それは生産プレイヤーの組合のクラフト・クラフト・クラフト、通称【C】の組織が調整している。元々は生産者の保護を考えた組織であったが、今は生産者に価格帯の調整を行うこの町に根付いた組織の一つだ」

「統治機構と言う奴か」

「いや。生産者の保護、それは加盟する者も含め、素材などを提供する者も守るために居る、このゲームには欠かす事の出来ないものだ。この生産者の調整には運営すらも一目置くために、この町でも長い間活動している、しかも年中無休24時間休みなし、だ」

「ふーん。でもどうやって組織を維持するんだ?」

「寄付金を受けて維持される。ボランティア団体の様だが、このゲームの生産者、素材提供者にも伝手を持つ、巨大過ぎるが、プレイヤーにとっても町の住民にとっても喜ばしいので、寄付金は相応に集まる。ちなみにそこに行けばプレイヤーの依頼もも斡旋するぞ」

「へー。立派な組織なんだ」

「ああ。まあ今は二代目に変わった事も有って、前以上に発展している」

「詳しいな」

「ちょっとな。」


 注文の品が届き、しっかりと支払い。

 飲み物を楽しむが、リーダーには仕事が多いのも仕方がない事だ。


「うーん。やはりビールは美味い。ところでアプリ」

「なんだ」

「最近物価が上がっていることは知っているか」

「・・・何が言いたい」

「可笑しいなと思うのさ」

「何かと機敏な男だなお前は、確かに物価は上がり、素材の買取値段は上がった」

「そうか。さっきの話は聞いていたと思うが」

「・・・分かった。とある組織がある。所謂PKとかMPKとかではない、素材の利用価値から値段を設定しようとする。素材屋の組織だ」

「ふざけた真似をしてくれるものだ。結果として自分たちの利益追求ではないか」

「それを悪いとは言えまい」

「悪くはないさ。だが善くもない」

「意外にも全体主義者だったのか?」

「巡り巡って自分達の首を絞めるのは好きじゃない。戦闘・生産プレイヤーの意見からいえば、安く買い取り、安く売る。これに反する者はどう考えてもガラガラヘビの革で喉を縛るようなものさ。自由経済だけじゃ行かないのも一つの現実ではないか」

「だが、儲かりたいという人の欲を止められないのも一つの現実の一員ではないのか」

「そうだな。確かにその側面はあるが、高い収入が高い出費に繋がれば、必然的に低所得者は苦しくなり、結果として賃金の値上げ、後はこの繰り返しだ。誰もかれもが得するわけではない一部の仕掛人が得するだけの経済ゲームだ」


 レドの言葉にアプリも同意するように頷く、飲み物のコーヒーを口に着け。


「共産とは言わないが、抑制の利かない自由より、多少の損がある秩序の方が遥かに人の生活をよくするものと思うがね。安くて美味い飯、安くて美味しい飲み物、その他の生活雑貨も高品質で低価格、結果としては誰にとっても生活のし易さがある」

「そうするのにも理由がある」

「ああ。上がり続けるマイホームか」

「その通りだ。あれが今までの稼ぎでは無理だった。そこに素材屋の付け入るスキが有ったという訳だ」

「あ~くそ。面倒なことになるぜ。これはよう」

「やはり【C】に報告でもするのか」

「しねえよ。俺は俺の恩人に物を売るだけだ。露店街の有名な商人のヒラメさんだ」

「彼女か、確かに有名人ではあるな。唯一の染料を扱い、タバコ、お香の強化アイテムも扱う、他の商人とは一線を画す、露店街の顔役だな」

「元々面倒見のよい人だからな」

「私からも一つ良いか」

「ああ。一つな」

「素材屋と喧嘩でもするのか、<十字星の記録>のリーダーレド」


 名前を言ったのは総意なのかという意味合いなども含まれる。


「つまり。安く仕入れる、安く売る、高く買い取り、高く売る、この二つのどちらが良いのか、一度は考える必要があるわけだ。なら高く買い取り、安く売るという選択肢はなくなる、必然的に安く仕入れ高く売るのが流行るわけだ」


 レドの口にした言葉にアプリも同意し、二人のリーダーはどうしたものかと考える。

 買い取り専門店の事はよく知られる。素材屋だった現製菓職人のライも居る。


「まあぼちぼち話に行くしかないか」

「ヒラメか、噂に聞く凄腕の召喚士だったとか聞くな」

「テイマーでもある」

「召喚士兼調教師か」


 ◇◆◆◇


「久し振りだねえ。」


 気だるげな雰囲気にキセルのタバコを吸うヒラメと言う露店街の顔役だ。

 レトが唯一生産してたアイテムを下ろす相手でもあり、その為にコーティング剤を唯一扱う商人でもある。

 他の露天商にも顔が利き、元々召喚士兼獣使いだったので、リード、ヒリュウなどの師匠でもあり、レド達の様な高いプレイヤー集団にも顔が利く、最高峰のプレイヤー集団にグローリースターもヒラメからアイテムを買う事が多い。


「お久しぶりですヒラメさん」


 レドが姿勢を正し、言葉も正す。PTメンバーでもこの珍しい珍事にはびっくりだ。

 少なくてもユウヤには正すべき相手に思える。


「そろそろ必要かと思い提供に来ました」

「そうさねえ。まあ、在庫が結構なあるのさ」

「精々計算しても千も行かないのでは」

「中々鋭いねえ。そうあと数百、10万も作ったのに残った方さ染料に関していえば、【C】から色々と注文も上がっているそうだよ。まああんたは儲けようというより楽しいから作る筋金入りだがね」

「まあそうなのですが、騎獣に関しての報告書を作成しました」


 渡された報告書をヒラメはよく読み、特に速力の項目はじっくりと読む。


「積載量に変化はない事になっていねえ」

「プレイヤーが運べる量は変化しますが、騎獣が運べる量は変化はないに等しいのです。しかし。積載量が軽いほど速力は上がります」

「ふん。よくまあ調べ上げたねえ。あの二人はどうしたのかい」

「この前までは朱雀ダンジョンに籠っていましてた」

「そうかい。まああんたのピローテスも運営が出るほどの大ごとになったし、運営からじかに意見を求められるとか、ありゃあ大変だったよ」

「御迷惑をおかけして申し訳ありません」

「いいさ。しかし、もう一匹は?」

「狩りに出かけて帰らないのです。何処に行ったのやら」


 この言葉にヒラメは微妙に口元を引き締める。


「新しい従者は要りませんし。ユキカゼの帰りでも待ちまよ」


 飼い猫の帰りを持つようなセリフだ。

 もう一つの従者のユキカゼは、ハイウルフから上位のリトルフェンリルになった第二成長のモノだ。

 そこにある微妙な感情が少年の顔に哀愁にも似た複雑なモノが見え隠れした。


「別にいいさ。あのちっこいオオカミの子がねえ。まあ、何かあったかい」

「物価が上がりました」

「自由経済でもあるのだからとはいえ、生産者の多くが組合の者だ。上がるはずもない物価が値上がりするのは、妙な話ださねえ」

「妙な話も聞きました。高価買取素材屋です」

「高値販売、周りが安いから利幅もすごいだろうねえ」

「だから一つの事を考えています」

「商品を販売しないかい?」

「知り合いに話、こんな店には寄らないことを頼んでみます」

「確かにねえ。一見高い値段そうだけど、高い値段で売りつけるのだから、これはこれで正しいが、安値で扱う店の事も考えるとこりゃあ納得がいくとはとても言えないさ」

「儲かるのはその店を利用する者ではなく、その店を操る側です」


 意外にも年齢相応の正義感のような言葉に、PTのメンバーはびっくりだ。


「あんたも熱血なところがあるね。まあいいさ。ちと協議でもしよう」


 この一つの素材屋の組織が行う高価買取の問題は、ヒラメが集めた露天商たち、プレイヤーも居るがNPCも多い、他にも素材の提供を行う素材屋、この高価買取を行うプレイヤーも集まり、長い議論になるが、素材屋を利用するのは誰にとっても自由だが、その店と取引するのも自由だ。

 阿漕に儲けようと画策し、結果としては成功したかもしれないが、関係先の反発を受け、当然のように経済的な被害を受けたところは黙っていない、〖イーニャ〗での高価買取の素材屋は、買い取り価格の調整を提案した。

 素材屋、戦闘系プレイヤー、生産系プレイヤー、商人系プレイヤー、NPCの商人達も巻き込み、値段の調整と、その他の調整を話し合う。

 何処も必死である。

 当然だ下手したらその店の先の未来が費えるかもしれないからだ。

 ヒラメは問題を提案したが、この問題は物価の値上がりは好い事かと言う事であり、そらの仕組みなどを説明し、これを皆で考えるという趣旨の者だ。

【C】のチェアマンの三名も呼ばれていたが、物価の変動は仕方がない物とする意見もある一方、変動する事での安定した収益が激減する問う意見もある。

 これを纏めるのは無理だとは言えなかった。

 ヒラメはゆっくりと進行させ、皆の意見を要点のみまとめ上げて一つ一つを話し合わせ、最後まで持っていく手腕は参加した者たちにとってみれば心強いモノでもあった。

 戦闘系プレイヤー達も高価買取は嬉しいが、それで物価が上がるのは痛し痒し。

 生産系プレイヤーは、高価買取は全く嬉しくないが、物価が上がるのは少しだけ嬉しいという控えめ。

 商人系プレイヤーは、高価買取、高価販売も喜ばしいが、低価格買取、低価格販売もずいぶん助かる。失敗しても費用が掛からないからすぐに回収できる利点がある。

 この中で分かる通り、戦闘系、生産系が様々な場面で主要だが、このような経済的なことに関していえば商人の方が力はある。

 買取値段については相応に話し合う、いわゆる談合の様ではなく、PC、NPCの商人も納得し、戦闘系プレイヤー、生産系プレイヤーも納得する価格設定が基準となった。

 これによりこの町では安定した相場から、定期的に変動する変動制と変わる。

 全体が納得できたのは、今までの価格設定基準は低すぎたからだ。

 会議の場所を貸してもらった店には礼とお礼としての寄付金を提供。


「兄ちゃん。好かったのか?」


 12歳のユウヤには難しい事も有ったが、自分たちの収入源でもある狩りで得られる素材価格には興味があったために聞いていた。

 レドは思案もせずに頷く。


「みなが納得する値段なら誰も困らないさ。まあ新しい基準に従う事になるな」

「買取値段が上がるけど、食品すら値上がりするのは、ちょっと辛いです」

「む。私は少し不満だ。価格帯の技術に従えばよいが、餌の価格が高騰する」


 こんな感じにどうしても不満は残るが、それでも天井知らずよりは遥かにマシだ。

 NPCの不動産業者も、高く売り過ぎると反発を受けていた。

 生産系の人々は製造にかかるコストの上昇から、頭の痛い事だ。

 戦闘系の人々は、買い取り価格の上昇は大変うれしいが、生産品の高騰もあるので嬉しいやら苦しいやらだ。


 □


「改めて狩りに行くぞ」

「「おう!」」


 二つのPTに分かれて狩りに出かける。

 バッシュ、レドの合作の騎獣用衣装(速力+10:速力2倍)の40kmで移動する事が可能になる、染料と、ウルカの布製の衣装、アリサの細工装飾が使われた。

 平原の狩場を回り、初級の☆+1モブの緊急ミッションクエストの三か所、上級の☆+2モブの緊急ミッションクエストをこなし、19名の為に20体を倒すのが一人一体程度で狩れる。

 3時間の狩を終え、『イクツキ』に入る。

 生活系の依頼もあるこのキャンプ場で休む。

 10名のプレイヤーに9名の従者がいるわけだが、しっかりと馴染んでいるので特に変わることはない、召喚獣などの召喚従者の二人もしっかりと馴染んでいて、よく騎獣の世話などもしていた。


「<十字星の記録>のレドさんでしょうか」


 話しかけてきたのは一人の騎士のような恰好のプレイヤーだ。

 それも全身鎧と言う普通は着込まない重装備をした奴だ。


「だったらなんだ」


 レドは有名な従者の主人の為にそこそこ知られているが、それ以上に〖イーニャ〗南側平原の南門攻防戦での新しい戦術を行った特別賞の<十字星の記録>のリーダーとしても有名になっていた。


「何やら不機嫌そうですが、一つご指南いただきたい」

「面倒だから嫌だ」


 断られるとは思っていなかったのが、全身鎧の騎士のプレイヤーは黙る。


「ふっふっふっ」


 騎士が笑い始める。

 レドからすればまた濃ゆいメンバーが増えかねないと思い、盾と剣を握る。


「問答無用だあ」


 何やら逆上したかのような声を出し、一本の槍をと握る騎士。

 ちなみに<星空の記録><南十字星>の二つでは重装備を着込むのはレドとピローテスの騎士職の者、侍職の二人も和風甲冑を着込むので重装備の者は全体の4/19と言うシュアを占めるが、決して重装備の者がいない訳でもないが、全身鎧は当然のように重く動きは鈍重だ。

 全身鎧スキルを持つのでレドは知っているが、防御力がバカ高い代わりに敏捷性などに激しい低下を招くものだ。

 槍を突くプレイヤーは威力の高そうな大振りの槍で突いてくるが、レドは片足で槍を横から蹴る。

 槍は大きく揺れて外れる。

 そこにレドが突進し騎士の顔面を蹴る。

 反撃の一撃を受け吹き飛ぶ。


(とても弱い)


 恐らくどんなプレイヤーより弱そうな悪い意味で期待を裏切るような雑魚だ。

 しかし。防御力は本物らしく、ダメージは受けていない。


「ぬう。この顔を蹴るとかどんな鬼畜だ」

「おい小さい騎士さんよ。いきなり襲ってくる騎士道としてどうよ」

「強い奴は殺してよし」

「無茶苦茶なことを言うなこいつ」


 騎士が起き上がる。

 そこに一人の武者がやってくる。レドの仲間のユウヤだ。

 何度かこのキャンプの休憩所で働いた経験があってか、ここでの交渉も行うほど成長した男の子だ。


「兄ちゃん。店先でトラブルは困るよ」

「悪い、こちらの騎士さんがいきなり襲ってきた」

「また女じゃないかな。そして前衛」


 すでに呪いのような単語の連結具合だ。

 レドの仲間には前衛の女性が非常に多いからだ。

 ウルカ、アリサの二人に限らず、ヒリュウ、チャイムも前衛を務められる腕前は持つ、更にピローテス、ホタテの二人も前衛の女性だ。

 6名にもおよび比率を持つのは決して多くはなさそうだが、6/19という大きな比率だ。ちなみに男性は5名だ。男性より前衛の女性が多いという珍しいPTでもあるのだ。


「参るぞ!」

「しゃあないか」


 弱体化の魔法スペルを使い速度を落とす。

 筈だったが、速度が落ちない。


「何?」

「我は鉄壁のアルマ、どんな攻撃も通用せん」

「鉄板の器?」

「鉄壁!」

「でも元々は鉄板だろ?」

「最初から鉄壁!」

「兄ちゃん。面白いけどさあ。ウルカ姉ちゃん呼ぶ?」


 レドがふざけ始めたらウルカがすっ飛んできて物理的な突っ込みをいれる。


「仕方ない、少し戦ってやるから落ち着いて話を聞け、騎士さん」


 この言葉に全身鎧の騎士は何故か納得し黙る。


「騎士と言えば騎獣だ。騎獣には乗れるな?」

「モフモフの事か?」


 レドとユウヤの二人には、同じようなことを言う一人の少女の顔が浮かぶ。

 ユウヤの双子の姉のツグミだ。


「モフモフだろうか、ハフハフだろうが、騎士なら乗れるはずだ」

「うむ乗れるぞ」

「じゃあ。そこで待っていてくれ、装備を整えていくから」

「了解した」


 騎士が去っていく中、ユウヤはこの兄貴分のようなレドの滅多に行わないことを初めて見る。


(口先で騙すとか)


 もめ事を起こすわけにもいかないので、仕方がない面もあるが、あの鉄板騎士には悪い事をしたなと心の何で謝った。

 更にもう一つ謝る


(悪い人じゃないんです)


 □


 騎士の事を忘れて飲み食いをしつつ休み、1時間後。


「出発するぞ」


 と〖イーニャ〗に向けて走り出す。

 後方からあの時の騎士が追いかけてきたが、騎獣の速力が違い、あっさりと置いてきぼりだ。


 ◆◇◇◆


 〖イーニャ〗に戻り、エネミーは集団で襲ってくるが、一点突破で突破し続けた。

 〖イーニャ〗の〖クック〗で一旦解散し、自由時間だ。


 30分後出発し、〖イーニャ〗西側山林エリアの、☆+1エネミーの緊急ミッションクエをこなし、☆+2ランクエネミーの一つであるエルダーナイトを容易く攻略し、毒スポア、マーリンと攻略、その後に〖イーニャ〗に戻り、東側の海岸エリアにもより、こちらの緊急ミッションクエストも攻略した。


 ◆◇◇◆


 ログアウトした午前11時、午後1時まで食事やらなんやらを過ごした。

 ログインし、〖クック〗に現れる。

 従者9名は宿屋で休んで朝食を終え、少し暇を持て余していたところだ。

 全員が揃い。


「今回はリードに指揮官だ。という訳でよろしく」


 レドよりは指揮官としては不安だが、それでもよく考えるタイプの指揮官なので少しの実績が作れば安心できる。


「む。では召喚士、調教師は二体まで従者を出してもらたい、レドとチャイムだ」

「俺は無理なんだ」

「同時使役を持っていないのなら」

「いや。すでに二体は出している」

「?どういう事だ」

「ユキカゼは知っているな」

「あの子犬か?そういえば見かけないな」

「狩りに出て帰ってこないのだ」


 レドの言葉にテイマーのメンバーは悲哀に似た顔になった。


「大丈夫とは思うが、どこまで行ってるのかわからなくてな」

「それはすまなかった。チャイム」

「私は大丈夫だよ。ユキカゼちゃんが戻ってくるといいね」

「ああ」


 平原ルートの緊急ミッションクエスト巡り、その後に山林ルート巡り、昼食を挟んで海岸ルート巡り、その後に山岳エリアのキャンプ場〖美鈴〗に入る。

 森の住人のエルフ、ドリアードなどの妖精、精霊のキャンプ場だ。

 ここの代表とも話、レドはリードの頼みでサブリーダーを引き受けており、二つのチームの上手くまとめていてた。


「特に収穫はない」

「リード成果を出そうと焦り過ぎだぞ。もう少し落ち着け、後だが気付いたか」

「いや」

「さっきからプレイヤーが集まり過ぎだ。なんかあったと思うぞ」


 リードも改めて周囲を見る、短期間で人が集まる理由がなければ説明できない人が多すぎる上に、騎獣、従者も多い。


「ちと調べる」


 こう見えてレドは知り合いが多い、所謂フレンドと言う奴だが、PT以外にも共闘したPT<ノラノラ>、ギルド【C】のプレイヤー、露天商街のヒラメ、学校の騎士過程で知り合った面々、トッププレイヤーのグローリースターのリーダーなど。

 レドが調べる間に、リードも近くのPTなどのリーダーに話しかけ、そうやって情報を集めると、とある情報が手に入る。

 つまり<星空の記録><南十字星>の合同の時の<十字星の記録>の面々を見かけた様々なPTがかつてのエネミーによる攻撃が始まると噂になり、それも電撃的かつ大規模に広がり、すでに西側に人が集まり始め、一つのお祭りが起きていた。

 アプリも向かっているらしく、レドに共闘の提案をした。

 戦力としては4名だが、アプリの参謀としての能力は確かで、他の面々も十分戦力と言えるし、何よりその信用できる人柄がよい。

 仲間に伝えると全員が微妙な顔で、がやがやと相談し始める。

 戦力としてはプレイヤー10名、召喚従者も合わせた10名のレギュラー従者。

 そしてどんな部隊より厄介なのは、エルダーナイトと、毒スポアの組み合わせだ。

 武器を使うエルダーナイト、毒を使う毒スポアはこのゲーム世界でも飛っきりの厄介さを持つ。特にエルダーナイトの盾と剣の組み合わせは、レドのような攻防一体を使いその集団的な統率の取れた動きから、まさに騎士のような連中だ。

 毒スポアはエネミーには気かないプレイヤー専門の毒をまき散らす、その厄介さから毛嫌いされるエネミーの代表格だ。

 南レベルの戦いでは済まない、相当な被害が予想できるだけに、何処も機会でもあるが、下手したら全滅の危険すらある一つの賭けなのだ。


「そこの暗黒騎士」


 数名の刀を持った集団、目つきの緩い温和そうな剣士が愉快そうにレトドに笑う。

 レドは既視感にとらわれる。確かにどこかであった独特の雰囲気を持つ。


(誰だ?)


 普通に暮らすのなら接点などあるはずもない剣士風の男だが、レドには見知っていると断言出来た。


「もしかしてサーフか?」

「ほう。雰囲気だけで言い当てたか、大きくなったな小僧」

「よく言うぜ、腐れ仕事ばかり押し付ける厄介な老人がよう」


 そんな言葉を言うが、レドは歓迎するように手を振る。


「そうだ。俺の仲間を紹介するぜ。ついでにあと少しで大規模戦闘だろ」

「うむ。そこでえーと。共闘と言う奴をやってみたい、特にあのエルダーナイトとの合戦は楽しみだしな」

「最近の噂じゃあ。エルダーナイトの騎兵を見かけたという話もあったな」

「お主の所だと思ったがのう。しかし。若い者はいいの、発想が新しい、敵のど真ん中で拠点を作り、其処を中心に戦うというのはリアルではまず無理じゃ」

「少しは勉強したのさ」

「まあええ」


 仲間を紹介し合い、特に侍のウルカ、ユウヤの二人は有名な侍集団に少し指南をつけてもらう。

 サーフは全く嫌がらず、木の枝で稽古をつける。

 侍集団も剣士の者で構成され、レドの過去にプレイした騎士同士の戦いをテーマにしたVRMMO<ナイト・オブ・ナイト>のプレイヤーでもあった一人の剣士とも話が合う。

<ノラノラ>の面々も間に合い、4つのPTで共闘する。

 こんな風にゲームでの試合と共闘するPTは多く、どんな大きなPT、どんな小さなPTも、等しく平等に参加するので、すべきことは山ほどあり、四つのPTのリーダーが出席し、共に始まりかけた☆+1~☆+2の〖イーニャ〗西側門攻防戦は怒りかけていた上に、今回はプレイヤー側の対応が早く、運営は出遅れた感じだ。

 エネミーが人々の居住区に集まる中、共闘PTの<十字星の記録>は、出番を待ちつつ、指揮を任されたリード、レドは数少ない盾役として暴れることになる。

 だが、レドには前衛を担当する者達の指揮が任され、サーフは参謀役として立ち会うなど、かなり組織的なPT構成を組み。


『これより西門攻防戦を行います。各員健闘を祈ります。なおこのクエストのみ、テイムエネミーの従者は死にません』


 運営グッジョブの声があちらこちらから上がる。

 〖美鈴〗を囲むエネミー、初級の☆+1モブエネミーのエルダー、スポア、プリン、その背後に一ランク上のエネミーの毒スポア、マーリン、エルダーナイト十重二十重と囲む。

 運営の粋な計らいもあってプレイヤーの戦意は非常に高い、仲間に従者がいるのも当たり前になりつつあるからだ。


「おーし。前衛横一列に並べ、皆で仲良く一番槍だ」


 このふざけた言葉に直ぐにウルカの拳がレドの顎を打ち抜き、浮かび上がるレドのボディブローを食らわせ、くの字に折れたレド顔面にストレートを撃ち込む。


「ストップ、ストップ、ウルカ姉ちゃん死んじゃうよ」

「一片死ぬ。マジで死ね。というか殺す、殺して」


 真面目なウルカにとってみれば許し難い事だ。

 いつもの事に、今回は三発かあ、などと仲間から残念そうな声が上がる。

 切れているウルカをユウヤが何とか宥め。


「死ぬかと思ったぜ。ほんの冗談にそうカッかするなよウルカ」

「一度死ぬか?」

「分かったよ。真面目にやるとするのなら、横三列にならいいのさ。最後の列まで槍で武装し、重装騎兵の総突撃、これを止められる歩兵は居ない、あのスイス傭兵のファランクスぐらいだ。いや~なつい」


 前列、後列が主な戦闘を行い、最後の列が予備として回る。

 考え得る限り騎兵の突撃力を利用した物だが、そんな騎兵の恐怖を見たものは少なく、本当に大丈夫なのかと顔になるが、レドへの仲間の信頼は厚く、直ぐに戦列を組む。

 他の共闘PTもこの三列の騎兵の戦列に、協力を提案する者も居る。

 そんな共闘PTの協力もあり、騎兵の戦列が出来上がる。

 こういった集団戦術への知識が有るものは少なく、特に現実ではすでに忘れられた騎兵の戦術を知る者は恐ろしく少ない、唯一サーフが居た程度だ。

 後衛の方はヒーラー、火力を二人一組に、一つの騎獣に乗せ、馬車の様な大量輸送可能な物は荷運びようだ。

 4個のPTの共闘PTの<十字星の記録>の30名、同じく協力する共闘PTの<アマツカサ>の前衛10名、後衛10名の20名。

 前衛は凡そ29名、後衛21名だ。


「おうし。戦列準備よし、重装騎兵の突撃準備完了、後衛はどうだ」


 後衛の戦列を固めていたリードが手を振る。


「おし。突撃開始まで呼吸を整えろ、安心しろ。俺達は勝つのは約束されたことだ、誰も死にしないさ。ちょっとはっちゃけて暴れるだけだ。」


 レドのとても落ち着くような穏やかな声に、初めての経験の者も多く、緊張しつつも体の力が抜ける。


「所で、戦いが終わった後は報酬が待っているのは知っての通りだ。目指せ一位だ」


 やる気を出させるような言葉に誰もがニヤリと笑う。


「じゃあ。そろそろ行くぞう。突撃開始!」


 一斉に飛び出す。他の共闘PTなども飛び出し、激しい衝突が起きるが、レドがの騎兵戦術により、凄まじい突撃が成功しており、初級エネミーなどを蹴散らし、どんどん進む。

 他の共闘PTなどが盾アーツを使う、突撃に成功した連中に対する援護だ。

 壁の様にエネミー達を蹂躙する<十字星の記録><アマツカサ>の前衛たち。


「最前列アーツⅠ!」


 最前列の10名の槍アーツを使う、接触しかけたエルダーナイトの壁に衝撃を与えた。


「最前列アーツⅡ!」


 レドの怒声が、響くたびにエルダーナイトに槍アーツが炸裂し、エルダーナイトの壁が崩れ始める。


「最前列騎士槍1!」


 騎士槍の攻撃が繰り出され、最前列が進むことが可能になった。

 エルダーナイトの壁も前方に出ようとする。


「最前列騎士槍Ⅱ!」


 繰り出されたアーツにより、前に出ようとしたエルダーナイトが攻撃を受けて硬直する、その隙に突撃する最前列の波にのまれる。


「最前列三列に回れ!次列、最前列にすすめ!」


 直ぐに隊列を組みかえ、二列から最前列になった面々はこのやり方に、集団戦術というモノに長けるレドに喝采だ。

 繰り出される槍Ⅰ・Ⅱのアーツ、騎士槍Ⅰ・Ⅱのアーツで突撃は続き、初期の最後尾の三列目が、最前列に回る頃に、この共闘PT2個分の後に続く他のPTやソロプレイヤー達が続き、包囲しようとするエネミーの意図を徹底的に破壊し、より出血を強いる。

 20m近い道が出来ていた。

 分厚い壁はまだあるが、後衛の火力も行われ始めると、〖美鈴〗包囲網の一角が崩れ始めており、レドの騎兵戦術によってすでに半分近い道が出来ていた。


 激しい攻防戦に、怒涛の勢いで2個共闘PTは突き進み、すでに2/3を過ぎ、敵の後方に抜け始める。


「前衛、突破した後は後衛の支援を行うぞ。そっちの方が大変だから、怪我をするなよ」


 前衛の者からすれば、あれ程の厚みもあるエネミーの壁を抜けたことに、舌を巻く者も居る。<剣客商売>のリーダーのサーフも久しぶりの合戦の戦術に意気揚々と手近なエルダーナイトを叩きのめし、最高の気分の様だ。


「サーフ、何若騎士みたいなことをしてんだよ。死に殴りはマナー違反だぜ」

「お主も随分と成長したの、正直、個人的な剣技も随分じゃが、この戦術には驚かされるの」

「そうか?どっかの爺さん悪辣な策力を好むと思ったが」

「確かに好む、分かっているとは思うが、汚いやり方が結果として自らを救う事も有るのだと」

「知っているが、若い連中には納得がいかないだろう」

「そうじゃ。考えてみればあの頃も楽しかった」

「あの頃もか、早死にするなよ爺さん」

「しかし。後衛の火力もすさまじいの」


 後衛の21名は全スペルを使い広範囲に渡るスペルで敵陣中を焼き尽くしていた。

 その光景はまさに火の海だ。何とかの暴風という言葉があるが、これは火力の暴風だ、圧倒的な破壊という単語のみのそのものだ。


「前衛!」


 切り抜けた者たちが再び三列を作る。


「これより後衛の援護をする、次を考えるな!」


 全力でエネミーの壁に叩き込み、エネミー達は慌てて、後方に向くが、後方に抜けられたことが、プレイヤーの道となり、そこに数百人のプレイヤーがいる。


「前衛!後衛を援護しつつ、次のエネミー軍に行くぞ!」

「「応!」」


 □


 〖美鈴〗を囲むエネミーを掃討した後、幾つかの共闘PTの協力を得て、更に巨大化し、すでに100名に上る数だ。

 次のエネミー軍とぶつかる。

 激しい戦闘が繰り広げられた。

 最前列で陣頭指揮を取るレドに率いられる前衛は、三列騎兵と名付けられた突撃戦術で絶え間ないアーツの連続使用によって破壊力を発揮し、後衛からの火力支援もあり100名程度でその数倍の成果を発揮する。

 二番目のエネミー軍を突破し、他のプレイヤーも続き、破竹の勢いで進軍を買薦める<十字星の記録>には、他のPTなどにも影響を与え、騎兵戦術、集団戦術の二つがこのような戦術イベントには有効であることが立証されていた。

 千名程度のプレイヤー、千名程度の従者の二千名の中から、100名程度の集団に分かれ、この集団の指揮官はレドに意見を求め、幾つかの戦術を提案し、歩兵、騎兵により集団戦術に、弓兵、弓騎兵による集団戦術も編み出した。

 時間がないので訓練ができないが、レドは指揮官に一つだけ頼む。

 下の者を労わってほしいと。

 この言葉だけで人柄が分かりそうなものだ。

 更にぶつかる西門に押し寄せるエネミー軍の背後を突き。


「押せ!押せ!押し潰せ!」


 歩兵、騎兵、弓兵、弓騎兵の四兵科により、圧倒的な成果を発揮する。

 背後を突いた事も有り、エネミー軍は大混乱、前後に挟まれたエネミー軍に、西門が開き、〖イーニャ〗からプレイヤー達が切り込みを始める。

 AI制御のエネミー軍は浮足立つことはないが、前後に挟まれた結果、大きな陣形の変更に迫られるのだが、レド率いる二千名はそんな余裕を与えずに絶え間なく背後を突く。


 □


「将軍、後方よりエネミーの援軍」

「全軍一時的に引くぞ!」


 勝っているが、慢心はしないレドの直ぐに判断に、100名20個の集団は一時的に引く。

 レドは素早く指示を出し、軍を二手に分け、一つにはサーフに任す。

 その間にエネミー軍も体制を整え、両軍は暫くの間、睨み合う。


「弓兵、敵前方めがけて射よ。」


 サーフが指示し、放たれ始める弓が切っ掛けになり戦闘が再び始まる。

 レドの指揮とは違い、サーフは全軍を巧みに使い援軍の軍を易々と押し止め、弓兵などの射撃部隊に加え魔法兵などの支援を行い、敵に出血を強いる。

 サーフの指揮ぶりは自らは動かず敵を動かすというモノだ。

 老練した指揮官の指揮ぶりはレドのような力強さはないが、確実に敵戦力を削っていった。

 前後に挟まれるも、体勢を整えて終わっていた西門攻撃軍。

 開始された先頭に乗じ、前後に進軍し始める。


「全軍落ち着け、どうせもう援軍はない、目の前の戦力のみだ」


 レドの言葉に軍の面々も納得する。


「という訳で後衛全火力解放!」


 後衛より放たれた火力により、エネミー軍の壁が崩れる。

 誰もが逸る気持ちを抑えるので必死だ。

 今なら崩せる。そんな心中もあってか、ついレドの言葉を待つ。


「おし。前衛よく聞け、逸る気持ちも分かるが、そろそろ突撃準備にかかるぞう」


 火力に依る敵軍の崩れもあるが、率いられる騎兵、歩兵は逸る気持ちを抑え込み、突撃準備にかかる。


「おし。行くぞぅ。前衛!突撃開始‼」


 始まる前衛の突撃に、友軍の戦意が急上昇する。

 敵の目の前で槍アーツ、その後に騎士槍アーツ、交替し、槍アーツ、騎士槍アーツ、交替し、槍アーツ、騎士槍アーツ、交替しetcetc

 後衛も火力支援を行っていた。


 組織的に戦う事に強さが発揮されたこの戦い、僅か二千名でその5倍の1万を撃破したこの戦いは、運営のむちゃぶりもあるが、粋な計らいもあって大好評だった。

 ちなみにサーフには剣豪参謀の名前が付き、レドには暗黒将軍のあだ名がつく。

 そんな戦いを超えた者たちに、運営からゲーム情報の提供もあり、次の戦いまでには必ず必要になる指揮に関係するスキル、軍に関係する軍学スキル、歩兵、弓兵、魔法歩兵、騎兵、弓騎兵、魔法騎兵などに関するスキルも公開される。


 □


 〖美鈴〗攻防戦、中間攻防戦、〖イーニャ〗西門攻防戦の功労者には、運営からのアドバストに、成功報酬、ノーダメージボーナス、特別功労賞だ。

 他にも役立つ武装などもあり、共闘PTも互いの事を称え合い、解散した。


 この戦いで二つのPTである<星空の記録><南十字星>も分かれることになった。

 どのみちいつでも会えるが、名残惜しむように別れるまでの話で盛り上がり、従者同士でも無事と別れを惜しむ。

 リードは再び三名になるので気楽な旅になると寂しげに笑う。

 レドも教え子でもあるリードに最後まで指揮官の事を教えていた。

 何度も戦いを共にした事も有って、互いにモラトリアムのような物でもあったのだ。


「安心しろレド」


 リードの言葉にレドも頷く、かつてのリーダーなど無理だと言っていた少女は大きく成長し、今や一端のリーダーだ。


「仲間は死なせないさ」

「分かってはいるが、どうしても行くのか」

「珍しいなお前がそんな事を言うのは」

「分かってはいるさ。ただ。なんというか」


 心中には複雑なモノがあっての事で、リードもそれを察して朗らかに笑う。


「時には少数で居ることも大切な物なのだと、知っているのではないか」

「それはそうだが、分かったよ」


 □


「行っちまったな」


 レドのぼやきにサブリーダーのウルカがレドの腹を叩く


「また会える」

「なんつうか。寂しいなんて気持ちだな」

「・・・だな」

「兄ちゃん、姉ちゃん、飯でも食いに行こうぜ」

「ユウヤ!」

「美味い物を食って、懐かしむのもよいモノだぜ」

「ユウヤ・・」

「先輩も、バッシュも、チャイムも、他の奴らも必要な物なのだと思うよ」

「凄い集団も解散かあ。あーちょっと残念かも」


 ◇◆◆◇

 西門攻防戦の翌日。

 レド、ウルカ、ヒリュウ、アリサ、ユウヤ、ツグミの6名に、ピローテス、フォルゼン、フォルスト、アニキスの4名も暇そうに茶を楽しむ。

 報酬で得られた現在のベースジョブ(基本職)、ベースクラス(基本役職)から1次職になる。

 しかし。これは一回のみなので、全員が悩んでいた。

 ウルカは侍か、忍者かの選択肢でもあって、侍も攻撃重視か、防御重視かの大別される、忍者に関していえば物理攻撃重視か、忍法攻撃重視かに大別されていた。

 アリサは獣使いだが、使役する従者の数を重視する者か、それとも質を重視する者か、主に攻撃を重視する者か、主に防御重視する者かと四択だ。

 ヒリュウも召喚士だが、召喚獣を重視する、戦技を重視する、兵器召喚を重視する、物理攻撃重視するなどの四択だ。

 ユウヤも侍だが、攻撃力重視、攻撃回数重視、防御力重視、回避力重視の四択だ。

 ツグミも同じく武道家だが、格闘能力重視、一撃の攻撃力重視、攻撃回数重視、氣功能力重視などに分かる。

 レドに関していえば運営が提供した将軍職、騎士の能力をベースに指揮能力などを上昇させた職業だが、他の通常の四択もある5択だ。

(将軍を選択)

 折角選択するのなら専門職もよいと判断し将軍を選択した。

 選択出来るクラスは4個。

 全体指揮:全体の指揮能力・微上昇

 歩兵指揮:歩兵の指揮能力・小上昇

 騎兵指揮:騎兵の指揮能力・小上昇

 兵站指揮:生産能力・中上昇

 レド:

 騎士:暗黒騎士→将軍:総指揮騎士


 ウルカは、侍か、それとも忍者かの二択に悩みまくったが決断した。

(侍選択)

 現れた侍の四択

 これを攻撃力重視を選択した。

 選択したジョブのクラスが出る

 徒歩武者:歩兵能力強化

 槍武者:騎兵能力強化

 弓武者:遠距離攻撃強化

 鬼剣士:個人能力強化

 当然のように鬼武者を選択した。

 ウルカ:

 侍:剣舞士→鬼武者:鬼剣士

 アリサも決断した

 従者の質を選択した。

 単体使役:一つの単体運用による能力の大幅な補正

 二体使役:二体運用による能力の大きな補正

 攻撃力:単体運用による攻撃力のみの超強化

 防御力:単体運用による防御力のみの超強化

(二体使役)

 今の数を保つ選択を行う。

 アリサ:

 獣使い:森獣使い→使役士:二体使役士

 ヒリュウも決断した

(召喚獣)

 選んだ選択肢により召喚獣の強化を選択し、クラスが現れる。

 大召喚士:召喚獣の数の強化

 強召喚士:召喚獣の個体能力の強化

 智召喚士:召喚獣のAI強化の強化

 従者士:召喚獣へのサポートの強化

(召喚従者士)

 数を選択した。

 ヒリュウ:

 召喚士:召喚獣士→召喚獣士:従者士


 ユウヤは侍の手数を選択した。

 現れる四択の選択肢、ジョブ変更に伴うクラス選択だ。

 双刀士・攻:攻撃力を強化

 双刀士・坊:防御力を強化

 双刀士・速:速力を強化

 双刀士・威:威圧力を強化

 ユウヤは考えた。

 ありとあらゆる戦う機会の中で真正面からぶつかることの多かったが、自分に足りない物は何かと、幼い頃から騎士のVRゲームで鍛えてきたレド、侍、忍者のとしての資質に優れるウルカ、大鎌使いとしては信じられない緻密な攻撃を行うアリサ、召喚士として優れていると言えるヒリュウ、他にも従者たち。

(攻撃力だ)

 攻双刀士を選択した。

 ユウヤ:

 侍:双刀士→剛力士:攻双刀士

 ツグミも決断した




レド

種族:ダークエルフナイト(Lv1、騎士適性+1

性別:男

ジョブ:上位錬金術師(Lv1、錬金術適性+2、錬金術装備適性+1

    将軍(Lv1、指揮適性+2、盾適性+1

クラス:上位調合士(Lv1、調合適正+2、錬金術装備適性+1

    聖騎士(Lv1

    竜将軍(Lv1、竜騎士装備適性+2、テイム適性+1

身長:177㎝

瞳色:黒

髪色:白髪に近い銀髪

肌色:褐色の肌

騎獣:ライノ(ドラオット:二足歩行の地竜

適正:錬金術適性+2:錬金術に強い適性を持つ

   錬金術師装備適性+1:錬金術師装備に強い適性を持つ

   調合適性+2:調合スキルに強い適性を持つ

   騎士適性+1:騎士に関する数値に+1

   指揮適性+2:指揮に関する数値+2

   盾適性+1:盾に関する数値+1

   竜騎士装備適性+1:竜騎士装備に+1

   テイム能力適正+1:テイムスキルに+1

スキル構成

武器スキル:剣Ⅰ・ⅡLv10、片手剣Ⅰ・ⅡLv10、騎士剣Ⅰ・ⅡLv10、

      竜騎士剣Lv1、竜騎士片手剣Lv1、竜騎士魔法剣Lv1

防具スキル:布製Ⅰ・ⅡLv1、竜騎士鎧Ⅰ・ⅡLv1

      盾Ⅰ・ⅡLv10、騎士盾Ⅰ・ⅡLv10、

      竜騎士盾Lv1、竜騎士大型盾Lv1

装飾スキル:アクセⅠ・ⅡLv1

魔法スキル:暗黒魔法剣Ⅰ・ⅡLv10

補助スキル:魔法剣才能Ⅰ・ⅡLv10、使役才能Ⅰ・ⅡLv10

      眼力Ⅰ・ⅡLv10、夜目Ⅰ・ⅡLv10

      索敵Ⅰ・ⅡLv10

      両手利きⅠ・ⅡLv10、両手持ちⅠ・ⅡLv10

      敏捷Ⅰ・ⅡLv10、ステップⅠ・ⅡLv10

生活スキル:同時使役Ⅰ・ⅡLv10



固有スキル:種族:闇の木香Ⅱ:MP/TP自然回復率上昇

      職業:錬金術適性+2:錬金術に強い適性を持つ

      職業・役職:錬金術師装備適性+1:錬金術師装備に強い適性を持つ

      役職:調合適性+2:調合スキルに強い適性を持つ

      職業:騎乗Ⅱ:騎乗可能、騎獣能力+1、補助スキルの影響可

      職業:指揮Ⅱ:指揮下の者に対し補正+1

      職業:軍学Ⅱ:軍学スペルⅠ・Ⅱを使用可

      職業:錬金術:錬金術使用可能

      役職:竜騎乗Ⅱ:竜騎乗可能、竜騎能力+1、補助スキルの影響可

      役職:テイムⅡ:捕獲、説得、勧誘、調教のⅠ・Ⅱスキルと同じ

      役職:調合:調合可能

      役職:暗黒剣:与えるダメージの10%吸収

      役職:神聖剣:攻撃が命中するとと神聖属性の追加効果

【装備】

 近接武器:竜騎士暗黒魔法片手・両手剣、チャイムの片手剣(チャイム作)

遠距離武器:ヒリュウの連発クロスボウ(ヒリュウ作)

 盾 :竜騎士大型盾(暗黒・神聖

 頭 :竜騎士の兜(暗黒・神聖

 首 :ウルカのマフラー(ウルカ作)

 腕 :竜騎士の小手(暗黒・神聖

 手 :アリサの手袋(アリサ作)

 胴 :竜騎士の鎧(暗黒・神聖

 腰 :竜騎士の腰当(暗黒・神聖

 足 :竜騎士の具足(暗黒・神聖

 外着:フード付きマント(暗黒・神聖

 内着:インナーシャツ、靴下

 下着:ボクサーパンツ

アクセ:バッシュの指輪(バッシュ作)


ピローテス

種族:ダークエルフナイト(Lv1、騎士適性+1

性別:女

ジョブ:将軍(Lv1、指揮適性+2、盾適性+1

クラス:聖騎士(Lv1

    竜将軍(Lv1、竜騎士装備適性+2、テイム適性+1

身長:168㎝

瞳色:黒

髪色:白髪に近い銀髪

肌色:褐色の肌

騎獣:ビーア3号(二足歩行の地竜)

適正:騎士適性+1:騎士に関する数値に+1

   指揮適性+2:指揮に関する数値+2

   盾適性+1:盾に関する数値+1

   竜騎士装備適性+1:竜騎士装備に+1

   テイム能力適正+1:テイムスキルに+1

スキル構成

生活スキル:

武器スキル:弓、短弓、複合弓、

      竜騎士弓、竜騎士短弓、竜騎士複合弓

      剣、片手剣、竜騎士剣

防具スキル:布製Ⅰ・ⅡLv1、竜騎士鎧Lv1

装飾スキル:アクセⅠ・ⅡLv1

魔法スキル:元素魔法・暗黒魔法・神聖魔法(状況によってスキル構成を得る

補助スキル:魔法才能Ⅰ・ⅡLv10

      眼力Ⅰ・ⅡLv1、発見Ⅰ・ⅡLv1、看破Ⅰ・ⅡLv1、

      鷹の目ⅠLv1、蛇の目ⅠLv1、梟の目ⅠLv1、

      索敵ⅠLv1、敏捷Lv1

      ステップⅠLv1、ジャンプLv1、ダッシュLv1。


固有スキル:種族:闇の木香Ⅱ:MP/TP自然回復率上昇

      種族:騎士適性+1

      職業:騎乗Ⅱ:騎乗可能、騎獣能力+1、補助スキルの影響可

      職業:指揮Ⅱ:指揮下の者に対し補正+1

      職業:軍学Ⅱ:軍学スペルⅠ・Ⅱを使用可

      職業:錬金術:錬金術使用可能

      役職:竜騎乗Ⅱ:竜騎乗可能、竜騎能力+1、補助スキルの影響可

      役職:テイムⅡ:捕獲、説得、勧誘、調教のⅠ・Ⅱスキルと同じ

      役職:調合:調合可能

      役職:暗黒剣:与えるダメージの10%吸収

      役職:神聖剣:攻撃が命中するとと神聖属性の追加効果

 ピローテス固有 :夜の加護:夜間能力上昇、HP回復

         闇の加護:光が差さない場所なら能力上昇、MP回復

         日光浴・小:1時間に20%まで空腹値を緩和する

         食いしん坊:食欲旺盛になる

         剣豪:剣系統のスキル能力上昇、与えるダメージ上昇。

         採集者の素質:採集率上昇

【装備】

 近接武器:竜騎士剣

遠距離武器:竜騎士複合弓

 盾 :

 頭 :竜騎士の兜

 耳 :ピアス

 首 :マフラー

 腕 :竜騎士の小手

 手 :手袋

 指 :竜騎士の指輪

 胴 :竜騎士の鎧

 腰 :竜騎士の腰当

 足 :竜騎士の具足

 外着:フード付きマント

 内着:インナーシャツ、靴下

 下着:スポーツタイプ


アイリス

種族:ニクシー

性別:女

ジョブ:戦士

クラス:槍使い

身長:150㎝

瞳色:碧眼

髪色:真っ赤な赤毛

肌色:陶磁器の肌

主要武装:

衣類:騎士装束

騎獣:

武器スキル:長柄武器、槍、射撃武器、弩。

防具スキル:布製、水着

装飾スキル:アクセ

魔法スキル:

補助スキル:眼力、発見、看破、

      鷹の目、蛇の目、梟の目、

      索敵、

生活スキル:騎乗

生産スキル:

固有スキル:種族:清水〖清水のカノン〗

      種族:水中移動可能

      職業:武器使い:武器の扱う能力上昇

      役職:槍使い:槍のアーツのクールタイム短縮

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