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003:朱雀ダンジョン

「フォルゼンのスキル構成は男気を感じるな」

「一本気ですね。フォルゼンさん」

「かっけえ!」

「あのフェルゼンさん」

「グ」

「少し手合わせ願えませんか。えーと。訓練です」

「ググ」

「少し待ってください、レドさん。言語系のスキルとかありますか」

「あっ。忘れていたわ。フォルゼン少し待ってね」

「はいストップ」

「何ですか?」

「レド、なんかあったの?」

「大量に余っている1次派生前のLV+3チケットを使ってくれ、三名なので15枚使える。後13枚だ」

「まだ余っていたのかマスター」

「合計38枚もある、処分に困っているのだ」

「ごめん、私も余っているのよ。19枚。一人5枚が限界だから、全体に+4ね」

「後28枚に足すとか」


 二人の従者にチケットを渡し、5枚ずつなので、スキルLv+3×5でのランクが上がりⅡを選択、初期の1と合わせてⅠ・Ⅱの20個構成だ。

 スキルポイントから5個のスキルが取得できるが、フォルゼンは真っ先に言語系を取得する。プレイヤー、NPCの人族の言語の四個だ。


「マスター」

「フォルゼン」

「よろしくマスター」

「ええ。もちろんよフォルゼン」


 □


 アリサ、フォルスト、フォルゼンも騎乗スキルを取り、騎乗用ペット専門店の〖ユニコーン〗で購入してから、〖イーニャ・南側平原エリア〗の入り口ら辺での訓練を積む。

 ツグミと同じ武道家、同じ格闘士のフォルゼンとは訓練を積むのが楽しいらしく、ツグミはよく訓練していた。

 145㎝のツグミと、2mのフォルゼンとは全く体格が違うが、フォルゼンの動きは敏捷で、2mの体格には鈍さがない、ツグミの手足での格闘技が連発すると、直ぐに飛び跳ねて避ける。


「おし、ユウヤ始めるぞ」

「おう!」


 騎兵訓練、騎乗してからの訓練で、レドは騎士盾に騎士槍の装備だ。ユウヤは十文字槍のみ。

 突っ込む二人、互いに槍を真正面に構え、馬上の槍試合の訓練を行う。

 所謂ジョストという物だ。

 槍の先端にはカップがつけられ、ぶつかった時の衝撃を和らげる。

 同じタイミングで加速し、構える槍がぶつかる瞬間にレドの槍かせ回転してユウヤの槍を弾き、そのまま右側の胴を突き、落馬させる。


「お~♪」

「槍で槍を弾くとか、どういう訓練を受けたんだよ」

「さすがはマスター、武術の達人だな」


 観客の三名が言うが、他の観客も随分と面白がっていた。


「立てるか?」


 ユウヤに手を伸ばすレド、ユウヤはその手をがっしりと掴み、立ち上がる。


「もう一本行くぞ」

「了解」

「同じPTだからダメージはないが、それでも治療は受けたほうが良い、それからでも遅くはない」


 武装を外してから、フォルストの治療を受ける。

 意外にも鎧がダーメジを受けてた。

 このの訓練なので、勝つことよりもより己を向上させる事、訓練が主目的の物だ。

 この訓練試合には、剣と盾を持った訓練、弓を使った訓練も行う。

 こんな騎士の訓練内容を知っている事に、プレイヤーも従者も素朴な疑問だ。

 何回かの訓練試合で、分かったことはレドはこんな古風な戦いに詳しい、長けているとも言ってもいい。しかし。現代でこんなことを学ぶところは仲間のプレイヤーは知らない。

 訓練を終えたレトに、素朴な疑問をアリサがぶつける。


「レド♪」

「ん」

「何処で学んだの?」

「小学校だ」

「冗談じゃなくて?」

「いや。冗談じゃない。小学校時代の二倍速VRMMOで学んだ」

「つまり教育を受けたの?ゲームで?」

「ああ。その通りだ。久し振りにやるのもよいな幼い頃を思い出す。いや~懐かしいねえ」


 最後から砕けたが、従者のピローテス、ウルカなどに通じる生真面目そうな口調だ。

 PTメンバー共通の悩みであるレドの不真面目、おふざけには従者であるピローテスの悩みの種だ。


「兄ちゃん。もう一本」

「愛騎を休ませる時間だ」

「おう!」


 レドからしても懐かしい小学校時代に、色々と思い起こす。

 武道家二人による格闘訓練も激しく打ち合う。

 リーチが足りないが敏捷性とその小柄な体格を生かした打撃技に、フォルゼンも慣れてきたとはいえ、大きいだけに動きには隙が多い。

 愛騎を済ませる間は徒歩での訓練を積む。

 こんな古風な武器での戦闘に長けるレドの鍛練もあり、アリサなども訓練に参加、大鎌での訓練に参加し、ユウヤとアリサの二人纏めてレドが訓練相手になった。

 対人戦の訓練を積む中、騎馬戦での訓練も積み。

 格闘に関していえば、レドもそれほど詳しくないので、格闘だけは教えなかった。

 観客のプレイヤーの中には、このレド達の訓練に影響され、騎士のような格好と大型二足歩行の陸鳥に乗り、仲間と訓練する者も居た。

 そんな4時間近い訓練も終え、馴染みの店に行く。

 訓練ではLvとしての経験値は入らないが、プレイヤースキルという物ではかなりの上達だ。


「遅かったな」


 ウルカが不機嫌そうにフルーツパフェを食べながら、話す。

 忍者装束から極普通の恰好をすれば、かなりの美人さんなのにともフォルストは思う。


「そういじけるなよ。二人とも結構上達したぞ」

「ふん」

「これから準備だ。訓練も考えると平原が良いかしれない」

「彼奴は?」

「ヒリュウならリアルの午後8時、今からのこの世界での計算なら40時間後だ」

「とすると。ダークエルフ騎士二名、ウルフマンの侍一人、フェルパーの武道家一人、忍者の私と言う事か」


 そこにアリサと従者の二人が階段を登ってきた。


「アリサ!フォルスト!フォルゼン!」

「やっほ~ウルカ♪」

「お久しぶりだぜ」

「元気そうだ」

「お~フォルゼンは話せるのか、言語系スキルなのか」


 フォルゼンが頷く。


「そうだウルカ」

「なんだレド?」

「全スキルLV+3チケットを使わないか」

「私も余っている。かなり困る」


 ダークエルフの騎士のレド、ピローテス、ウルフマンの侍のユウヤ、フェルパーの武道家のツグミ、ハーフエルフの獣使いのアリサ、ドリアードの召喚士フォルスト、エルダーナイトの武道家のフォルゼン、忍者のウルカの構成だ。

 夕方頃に再び平原に戻り、乗馬の訓練、乗馬しての白兵訓練、射撃、投擲武器の訓練も積む。

 陸鳥に騎乗した、長柄武器の暗黒槍のレド、ピローテス。十文字槍はユウヤ、薙刀のツグミ、大鎌のアリサの5名がジョストを行う。

 騎乗してから弓を使う、騎射用の弓を持つウルカは騎射の練習だ。

 フォルスト、フォルゼンはペットの世話をしつつ、訓練の雑用を行う。

 これらの訓練を二時間ほど行い、

 徒歩での訓練も併せて行う。

 徒歩での白兵戦、片手用の盾・槍に切り替えたレド、片手用の片手剣、盾を使うピローテス、忍者刀のウルカ、大鎌のアリサ、杖・盾のフォルスト、素手にフォルゼンとツグミ、二刀流のユウヤ。

 双子にはレドが指導する。

 リーチが違い過ぎる相手と戦うときの訓練だ。

 ユウヤが持つ十文字槍は凡そ2m、ツグミが持つ薙刀は2m

 二人の2mに対し。

 レドの持つショートスピア、3m程度の全長の長槍だ。

 かつての軽歩兵が使うような武装だ。

 盾で防ぎ、槍で突くこの二つの単純な物だ。


「おし。礼」

「よろしくお願いします」

「よろしく頼むぜ」

「じゃあ。行くぞ」


 二人が両手で構える、両手持ちのスキルが発揮されるものだ。

 レドの場合は、両方に別々の物を使う為、両手利きのスキルが発揮される。

 二人が同時に突っ込む。そこにレドは一回転して二人に真横に当たる様に振り回す、避ける為に槍を向けるユウヤに、レドの槍の軌道は変化し、足払いを掛けてユウヤの足を払う、そのままツグミの足払いに依るが、槍を盾てこれを防ぐ、筈であったが、レドが槍を引いたために、防げずに再び槍を前に出したレドの足払いがツグミの足を襲い、二人を倒す。

 特にダメージはないが、先々攻撃によるリーチの違いを実感したユウヤ、ツグミの二人だ。

 直ぐに起き上がり、また突進するも、直ぐにユウヤは足払いを受けて倒れる。

 実りは薙刀のレンジに入ったレドを突くが、盾によっていなされて、カウンターの足払いで倒れる。

 本来の突き刺すやり方とは違うが、訓練としては何度も倒されて、実感していくのが基本とレドは考える

 二人も学習し、今までの経験から、左右に分かれての攻撃を行う。

 槍のみの為に突きを基本とした突撃に、槍で一人を倒し無力化すると、片方の盾で攻撃を防ぎ、カウンターの一撃で倒す、倒れた二人目に対し、槍で突き倒した後に、体勢を整えた一人を倒す。

 こうした二人に対する攻撃法で、何度となく倒される。

 少しずつ接近すると、槍を使い捨てに使い、片方の二人目に盾を使ったチャージ、近接すると片手剣での近接戦を行う。


「マスター。そろそろ門が閉まるぞ」


 ピローテスが伝える。

 訓練が終わりだ。


 □〖イーニャ〗〖クック〗


 二足歩行の大型の陸鳥に騎乗した5名のプレイヤー、3名の従者の8名の一行。


「騎獣を預かりましょうか」

「頼む。俺を含めて8名なので、二階の一部は使えるか?」

「名前はないですが、よく利用する方々は知っていますので、ご安心を」

「ありがとう」


 こうして夜が始まる。


 ◇◆◆◇


 ゲームよりログアウトし、午前11時丁度から、2時間30分後の午後13時30分、ゲーム時間でいえば5月21日午前6時だ。

 始まりの町の〖イーニャ〗のレストラン〖クック〗の二階の溜まり場に現れる。

 褐色の肌、白髪に近い銀髪の長髪に、騎士系暗黒騎士の暗黒全身鎧を着込むダークエルフのピローテス、この真正面に白色の肌に、栗色の長髪を後ろに伸ばし、召喚士系の丈の長い服装をするドリアードのフォルスト、黒一点のエルダーナイトのフォルゼンは、特に装備はないが、衣類だけは着込んでおり木製の巨漢、所謂ゴーレムとよく似る。

 三名の従者が食事中だ。


「おはようさん。」

「おはようマスター」

「おはようだぜレド」

「おはよう。リーダー」

「じゃあ。混ざるぞ?」

「ここでは当たり前のことだが、マスターは少し礼儀が正し過ぎる気がする。もう少し、なんというか」

「フレンドリー、アットホームとか?」

「そうそれだ」

「なら戦闘中にいきなりふざける頻度が増えるぞ」

「勘弁してくれ」


 やってきた店員に朝飯の料理を頼む。

 和食党が基本のこのレドがリーダー代理を行うPT、名前は適当に毎日かえていたが、従者の三名から是非固定してくれと頼まる。何やらPT名が一定ではないために色々と不便だったらしい。

<星空の記録>

 記録に残る祈りを込めて名付けた。

 仲間にはメールで送り、今は世話する二人の姉弟にもメールを送る。

 始まりの七日間での行動を共にしたPTの三名にも送る。

 ウルカ、アリサはリアル時間の15時に参加するらしい、姉弟の二人からは後ほど時間を伝えてきた。

 そこに共闘する事も多いPTの<南十字星>から久し振り会わないかと言うメールが届き、従者の三名に伝え、ピローテスは後から来ると話す。


 □〖イーニャ〗


「お久しぶり~」

「久し振りだ」

「懐かしい奴だな」


 間延びした声の女の子のチャイム、ピローテスやウルカに似た男性口調のリード、懐かしむのは黒一点のバッシュだ。


「お久しぶりです。レドさん」

「久しぶり~元気で何よりです」

「元気?」

「グ」


 名前を呼んだチャイムの従者のホウヅキ、その後にはバッシュの従者のディードリット・エント、同じくバッシュの従者のホタテ、最後にリードの従者のアロマだ。


「おう久し振りだな。元気そうで何よりだ」

「まあ座れ」

「ありがとよ」


 座ると隣のチャイムがお茶を出す。

 茶を飲み、落ち着いたところで切り出す。


「ウルカ、アリサは二人はゲーム時間で6時間後なので暇なんだ」

「そうか。面白い訓練をしているらしいな」

「ジョストの事か?」

「放送で知った」

「なるほどねえ。なら試してみるか」


 三名と四名に騎獣の店〖ユニコーン〗を紹介してから、騎獣に乗り平原マップでの馬上試合を行う。


 □


 汗を流した数時間、俺のPTの<星空の記録>の面々も集まる頃に〖クック〗に戻り、店の二階部分一角を占める<星空の記録>の居場所。

 相変らずの黒装束のウルカ、白と黒のコントラスのワンピース姿のアリサ。

 現代風アレンジの武道家の恰好のツグミ、侍風の恰好のユウヤ。

 従者の二人もアリサの傍で茶菓子をボリボリと食べる。

 ピローテスも従者の席に座る。


「よう。ウルカ、アリサ、ツグミ、ユウヤ」


 四人から返事が返り、いつもの席に座る。


「で、今日はどうするのだ」

「そうだあ。ダンジョンに行こうと思う」

「白虎ダンジョンか?」

「いや朱雀ダンジョンだ」

「とりあえず、眼力系、索敵系のスキル取得ね」

「あの~そのがんりきとか、さくてきとか何でしょうか」

「俺も全然わかんない」

「簡単に言うと、眼力系は視界内の物を調べるモノだ。例えは天然の罠とか、人工的な罠とか、お宝とか、薬草とか、エネミーの弱点とかな。」

「便利ですね」

「お役立ちツールみたいだぜ」

「それで索敵系は敵対するものを探り当てるのだ。例えばエネミーとか、危険な動物なんかな、成長すれば眼力系の様にも使える便利な物だ」

「レーダーみたいなものですか。このゲームも良く考えますね」

「他にも地図作りの測量、罠を解除する罠解除なんかもダンジョンには有効なスキルだな」


 メールが届く、ヒリュウから今ログインすると。

 そしてログインしてきたヒリュウは、Tシャツ、ハーフパンツ、サンダルと言う格好だ。


「お初です。僕はヒリュウよろしく」

「ユウヤだ。よろしくな」

「ツグミです。よろしくお願いします」

「おいおい、、ヒリュウ」

「時間なら大丈夫。ちょっと頑張って逃走してきた。顔も知らない親戚の葬儀とか、意味が解らないよ。僕はもう高校生になるんだよ!なんで、まあいいや。せっかくログインできたし」

「ヒリュウはレドと同じ位か」

「え?レドってそんなに若いの?」

「俺は小学から中学に上がる頃、ツグミも同じだ。レドは今度から高校生に上がる頃。ヒリュウもレドと同じ位なのか」

「年齢バレ乙」

「ぶっちゃけると私も同じかな。今度高校生に上がる年齢だし」

「うむ。私も同じ位だ。意外に全員若かったのだな」

「この世界ではリアル世界の事はなるべく控えないといけないわよ。トラブルの元だし」

「では、ヒリュウには全スキルLV+3チケットを」

「うん。持っているよ。ウルカから聞いたよ。チケットが大量にあまり処理に困っていると」

「私が19枚、アリサが19枚、レドが38枚、ヒリュウは」

「19枚。どうも緊急クエの報酬のようだよ」

「しかし。なんで俺の場合は二倍なのかが疑問だが、まあよし。俺が10枚使い、ウルカが5枚、アリサが15枚、ヒリュウが15枚か」

「+3だから5枚だよ」

「召喚従者の二人がいるじゃないか」

「使えるのかな?」

「まあまず試せ」


 ヒリュウの召喚獣は、海岸の召喚獣の水の精霊、水の上位の精霊、森の木の精霊、木の上位の精霊、風の精霊、風の上位の精霊、この6体だ。

 ヒリュウの特にお気に入りで、このPTでも古株のドリアードのセリルが現れる。


「お久しぶりですマスター。及び皆さん。新しい顔の二人もお初です。後フォルスト、言葉遣いは治しましたか」


(お母さんみたいな人なのね)

(教育ママって感じの人だな)


「おう直したぜ」

「直って居ませんではないですか。では早速本日のドリアードの教育につてて」

「セリル落ち着け」

「レド様。若い子を甘やかすのはよろしくありません」

「しかしだ。若い時しか出来ない事も有ると思うぞ。何より言葉遣いに込められた感情という物が豊かなフォルストには、少しの言葉を直す程度でよいのではないか?」

「なるほど。確かに一理ありますし。そうですねえ。ゆっくり直していきましょう」


 ヒリュウがセリルに使う。


「あっスキルLvが上がりました」


 更に四枚使い


「スキルランクが上がりました。マスターどうした方がよろしいですか」

「ALLⅡ」

「了解です。ちなみに私とフォルストのスキル構成は同じです。ただフォルストはテイムされたエネミーに対し、私は召喚獣の一人です。ちなみに年齢は秘密です。スリーサイズの方は」

「もしかして暇だった?」

「はい。暇すぎて寝る以外の選択肢がないのですよ。他の方々も暇だぁと言っておられましたし。Lv上げ、ランク上げも行うとよいですよ」


 他の従者も召喚し、一人ずつランクを上げる。

 スキルランクが三名まで上昇し、残る4枚になってからウルカの14枚、アリサの4枚が提供される。

 残る2名のスキルランクを上げてから、最後に自分のランク上げる。

 従者6名に対し一人5枚×6=30、自分の5枚。

 合計35枚を使う。

 残るのは2枚だ。


 ▽ヒリュウの構成スキル

 身長:157㎝

 種族:エルフ

 ジョブ:召喚士

 クラス:召喚獣士

 スキル枠38:

 スキルLV:ALLⅠ・Ⅱ

 武器スキル:ハルバード、クロスボウ

 防具スキル:布製

 装飾スキル:

 魔法スキル:召喚獣召喚、兵器召喚、弱体化

 補助スキル:召喚才能、同時使役

  魔法才能、魔法制御、魔力向上、魔力回復向上

    眼力、索敵

 生活スキル:採取、伐採、採掘

 生産スキル:鍛冶、木工

 ▽

 互いのスキル構成も伝え。


「あれ?」

「?」

「え?」

「あ~兄ちゃんとピローテスは失敗して全スキルLV+1、+3が使えないんだった」

「忘れていました。皆さんの1次派生スキルチケットを使えばどうでしょう」

「まずは自分を使ってみる。」

「マスターのスキル総数は46個、内1次を終えたのが6個です。残るチケットが40枚ですので丁度です」


 何故かピローテスがですます口調でいう。

 残ったスキルをのランクを上げ、全スキルが1次派生済みのランク2だ。


「使い切りましたね」

「じゃあ。ピローテスの分の1次派生スキルチケット。14枚」

「私のも使い道がありませんから14枚です」

「ありがとう」

「はいあたしから」

「僕からも」

「私も提供しよう。」


 28枚+19×3=85枚だ。

 ピローテスの派生前のスキルが56個の為に、29枚が余る。


「皆さんありがとう。それとマスター」

「ん」

「コーティング剤はどうされました?」

「ちゃんと作っているのだが、スキルLvの影響か、まだ満足の行く物は作れない。悔しいが、こんな物だ」

「眼力系、取得と」


 ウルカ、ユウヤ、ツグミ、フォルスト、フォルゼン、セリルは新しく眼力系スキルの基本的な眼力を取る。

 ヒリュウ、アリサ、ピローテスはスキルを入れ替えてからレドの出した原液を見た。


 ▽コーティング剤

 名称 :草原と森と海の混合液

 素材 :エルダーの涙の原液

 ウルフの涙の原液

 クラブの涙の原液

 品質 :☆+3

 耐久度:30/30

 効果:

 速力上昇+2:速力系に6%増加

 木・水属性+2:木・水の属性増加+2

 木・水耐性+2:木・水からの被ダメージ減少

 HP・MP増加+2:HP・MP6%増加

 対植物属性+2:植物エネミーに特効6%、植物系ダメージ緩和4%

 対動物属性+2:動物エネミーに特効6%、動物系ダメージ緩和4%

 対水棲属性+2:水棲エネミーに特効6%、水棲系ダメージ緩和4%

 備考:

 上質な原液、食品、ポーション、餌、染料、趣向品、ガスなどの物に使える。

 ▽


「品質が随分と落ちたな」

「始まりの七日間の装備の方が性能が良いかも」

「でも特効効果もあったりするから。ある意味上かも」

「非常に役に立ちそうだ」

「良い物だ」

「よい」

「何に使うのですか?えーとこの混合液は」

「飲むんじゃねえ」

「え?これを飲むの」

「だってポーションだろ」

「ポーションという物に転用できるみたいだけど、厳密にはポーションの前の混合液なんじゃないかな」

「兄ちゃん。これは」

「とある生産スキルの調合で作った衣類の染料、薬品のポーション、王などの原材料になる物だ。この町ではメジャーな衣類、防具に使われる薬品でもあるし、食べても美味しいぞ?」

「食べてというより飲んで」

「じゃあ。試す」


 こういうユウヤにレドが手の平に垂らす、ユウヤは直ぐに口に入れる。


「なんか高いハチミツみたい。味がまろやかで、口に広がる匂いもとても良い、これなら食パンに着けると美味そうだ」


 中々豪胆な少年と誰もが思う。

 普通このような原液という素材の薬品を、直ぐに口に入れようとは思わないからだ。

 エネミー、召喚獣の従者四名もかなり驚く、普通プレイヤーと同じような料理で食べられるが、従者用の専用メニューなどは、プレイヤーが食べられる物ではないために、普通は口に入れない。

 ただピローテスは納得する。

 レドは生産分野でいえば調合だが、この調合で作るどんなエネミーにもプレイヤーでも使え、食べられる物を作るために、テイムエネミーや召喚獣の間では有名な食品開発者だ。


「ほれ試してみろ」


 残った8名にも一滴舐めさせる。

 非常に高価なハチミツのような味わいに、芳醇な香りまである紅茶に入れるのもよいかもしれないと思うほどに上品な味わいだ。

 効果からの食品ボーナスが発生し、かなりの能力底上げだ。

 ただよくわからない二人は、食品を作るスキルなのかと疑問を持つが、ハチミツを調合して作るスキルと言うと調理なのか、それとも養蜂なのか、素朴な疑問が湧いて仕方がない。

 双子の二人が悩む中、レドは小中学生に上がる頃のことを思い起こしていた。


「作ってみるか?」

「うん。作ってみたい」

「私もです。ところでレドさん。これは養蜂なのでしょう」

「いや。これでも調合なんだ。本来は薬品などの開発だな」

「マスターの調合からは誰もが美味しく食べられる超貴重な素材みたいなものをよく作る」

「ほえ」

「ツグミ、ツグミ」

「あ、はい」

「別に大したことではないが、この混合液などが使われるのは、衣類、アクセ、防具、乗り物で、武器を除いたもの殆どに使われるものだ。しかも原材料が分かれば誰でも作れる訳ではなので、非常に貴重なモノだ。」

「ちなみに一つ当たりのお値段は?」

「金銭的価値にするのなら、☆+2:耐久度1/1:追加効果10個の平均的な物だとしても、うーん。タダ同然だ」

「タダ同然ですか?とても貴重そうな物ですけど」

「色々と使えるから高い物じゃないのか兄ちゃん」

「染料に値段がつかないからだ。ベースとなる、衣装、装飾、防具、乗り物などに使って初めて価値が生まれる。それに満足できるのならお金を支払ってもよいと思う者は多いが、身内の使う分が生産出来れば好いし、な」

「格好つけるな」

「よく言うね」

「家のリーダー代理の考えには賛同だけど、生産系の取りたいものはあるの二人は」

「え~と。どんな物があるのですか」


 ▽スキル商会


 ベース生産スキル

 鍛冶:金属を扱う、主に鉄など

 細工:細かな物を作る、主にアクセ

 革細工:革製の細工を作るが、革製の防具なども手かげる

 裁縫:生地を使う、主に衣類などがある

 彫金:金属を加工した装飾品などの生産

 木工:木材を使った生産

 調理:食品を使った料理

 調合:二つ以上の物を混ぜて生産する

 筆写:地図、書類などの複製

 行商:露店をどこでも開ける


 特化生産スキル

 調薬:薬をメインに生産する

 調香:香水などの生産

 製菓:お菓子をメイン生産


 [備考]

 生活スキル

 商人:商人に対し有利な効果を持つ

 騎士:騎士として扱われる


 ◆


「こんな感じだ」

「はいはいはい。ロール系を取ろうよ」

「あ、り、さ」

「ウルカ。愛嬌が出て可愛いわよ」

「実に鉄拳制裁がしたい」

「ウルカの場合はちょっと控えようか、鉄拳制裁のコンボはレド限定だよ」

「ぬぅ」


 □


 〖イーニャ〗から南へと出た〖イーニャ・南側平原〗、この平原を通り、南へと下った場所にある〖朱雀ダンジョン〗。

 このダンジョンには召喚獣が眠るなどと言われるが、それを確かめた者は居ない。

 ここを目指し二足歩行の陸鳥に乗り、向かっていてた。陸鳥の足の速度は歩行速度の20倍の時速20km。

 このダンジョンの近くには一つの小さな村がある。獣人の村〖イズミ〗という名前の村だ。

 〖イズミ〗に到着した固定PT〖星空の記録〗は、まだ日が有る内に到着したこともあって、宿屋に向かう。


「冒険者の皆さん」


 話しかけてきた犬人族の男性に、リーダーのレドは止まってから挨拶を返す


「こんにちは、村の方でしょうか」


「ええ。もしやレドと言う錬金術師の方でしょうか」


「そうですが?」


「町まで薬を買いに行こうと思ったのですが、よろしければ薬を分けてもらえませんか」


「薬ですか?何の病でしょうか」


「あっ。農薬の事です」


 男性が慌てるとレドは少し考えたが、ここは一つにすることで、恩を売っておくほうが利益として叶うと、打算的に判断した。


「手持ちにはあるのですが、小麦でしょうか?」


「ええ。」


「これを使うといいでしょう」


 植物成長促進+3、植物発病率低下+3、植物治癒率上昇+3の農薬だ。

 これを渡すと男は礼を言って去った。

 特に利益が有ったわけではないが、そういう事も長い目で見ればあると納得し宿屋に方に再び歩き出す。


「片道2時間か、結構走ったな」


 レドが呟く。


(意外にも変化のない村か、何かのクエストもあると思ったが、特になしか)


 クエストがないのが少し残念だが、村の宿屋は大きく、家族経営のようだが、若い少年が騎獣の綱を掴み、宿屋近くの厩舎に入れる。

 中に入ると、見知った顔の一行がいた。


「よう<南十字星>の7名さん」


 固定PT<南十字星>の7名だ。

 リーダーのリード、黒一点のバッシュ、生産メインのチャイム。

 チャイムの従者のホウヅキ、バッシュの従者のディードリット・エント、ホタテ、リードの従者のアロマの7名だ


「おや<星空の記録>か、こんなところで会うとはな」


 リードがジョッキを掲げて話す。

 店員に案内されて近くのテーブルの周囲に座る。

 食事と飲み物を注文し、顔見知りではない、ユウヤ、ツグミの双子姉弟も挨拶する。


「お初です。ツグミです」

「こんにちは、初めましてユウヤだ」

「何やら懐かしい話だ。<南十字星>のリーダーのリードだ。一応召喚士だ。」

「一応?」

「うむ。獣使いでもある。両方のジョブ、クラス、そしてスキルを取得した現在の職業は召喚士だ。そしてこっちがアロマだ」

「ぐ」


 エルダーナイトのアロマが挨拶した。


「こっちがチャイム」

「ハロ~ハロ~」

「チャイムの従者のホウヅキ」

「始めましてね。ホウヅキです」

「バッシュ、ディード、ホタテだ」

「よろしくな」

「よろしくね」

「よろしく」


 双子と7名の自己紹介が終わり、料理と飲み物が運ばれる。

<星空の記録>と<南十字星>は顔見知りで、レドの身内指定の面々だ。

 その為に〖始まりの七日間〗の最終的なクエストの防衛戦の時は一つのPTとして参戦し、結果として大きな功績を上げた。

 この二つのPTが組んだ時には、忍者のウルカを除く、召喚士2名、テイマー4名、6名のPCメンバーに従者14名と言う、数で押すタイプの構成で相応な成果を発揮した。


「それで、レド」


 リードが話しかける。

 レドはほんの少し前のリードの事を思い起こし、微笑ましい顔になる。


「何も掴んでいないぞ」

「む。何かクエストがあると思うが、進展が分からないのだ」

「農薬なら渡したぞ」

「同じか。朱雀でも手に入れるのか?」

「家のサモナーの強化だ」

「む。ふむぅ」

「共闘すべきか悩むのか」

「我がPTには壁がアロマ一人だからな。盾使いでもあるレドの様なプレイヤーがいないし、一度崩れると弱いから、バッシュも、ディードも、ホタテも、重装甲とは言えない、回避メインだが、それでもラスボスと戦うのは少し不安だ。タゲが安定しないのはPTとして不安が残るからだ」


 リーダーとして成長しているリードに、レドは微笑ましそうに微笑む。

 自分たちの長所と短所を心得ているらしい。

 同じPTリーダーでもあるので共感することは多い。


「召喚獣に関しては両方で話し合う、ドロップに関しては半々でどうだ」

「了解だ。教え子が成長するのはなんとも感慨深い」

「かな、私もレドより習ったが、状況に応じて指揮を執るのがやはり難しいものもあるのだ」

「指揮に絶対はないからな。二つのPTのままではいけないから新しいPT名を使うぞ」


<星空の記録>+<南十字星>=<南十字星の記録>が結成される。

 久し振りに組むので、互いにスキルを公開し、プレイヤーのスキル枠:38~50、スキルLvは2ランクのランクⅡ、構成はⅠ・Ⅱの物だ。

 スキル枠50=Ⅰ・25、Ⅱ・25 

 武器スキル:剣、片手剣、騎士剣、暗黒剣、槍、騎士槍、暗黒槍

 防具スキル:布製、革製、金属製、暗黒鎧、盾、騎士盾、暗黒盾

 装飾スキル:

 魔法スキル:暗黒魔法剣、神聖魔法剣

 補助スキル:魔法剣才能、使役才能、眼力、発見、夜目、両手利き、両手持ち、

 生活スキル:使役、同時使役

 生産スキル:

 こんな風に数としては25個、Ⅰ・Ⅱを使うのでスキル枠50ではスキル数が減っていた。


 ◆◇◇◆



「という訳で共闘するが、反対の者はいるか」


 反対の意見はないのだが、色々と面倒なドロップアイテムなどのエネミーから落ちる物、緊急ミッションクエストの初回成功特典ボーナス、成功報酬、ノーダメージボーナスなどの報酬など、ダンジョンで手に入るお宝etc、etc。

 色々と定め、基本的なことは等分だ。一つしかない物に関しては持ち帰ってからの話し合い、もしくはオークションだ。

 召喚獣、テイムエネミーの場合のみ、両者の話し合いで解決するとした。


(基本的には相性の良い面々なので安心か)


 レドはそう考えた。

 数少ない男仲間のプレイヤーのバッシュと、ユウヤがスキル構成の事で熱く会話していた。バッシュは弓を中心に使うが、双小剣と言う小剣の二刀流を扱う。

 バッシュと同じく、二刀流のユウヤからすれば、好奇心が寄せられるという訳だ。


「双小剣か」

「少年は双刀か、やはり防御ではなく回避の方なのか?」

「兄ちゃんから、あ。レドの兄ちゃんから防御は習うけど、とても無理だよ。シールドパリィ、ソードパリィ、受け流し、インターセプト、カウンターなんて難しくて」

「確かに1日、2日では無理だな」

「他にも騎獣戦もやるしね」

「相変らず戦士としては破格の強さだな。やはり特別な鍛練法でもあるのだろうか」

「レド兄ちゃんは、何子と言うか凄くのこの世界の戦いに慣れているからね。似たようなVRMMOをしていたのかも」

「なるほど、それで長けているのなら納得だ」

「あくまで予想だ」

「別に好い。VRMMOをやっていたなら今の能力にも納得できる。レドはプレイヤースキルが高い。他の面々もプレイヤースキルは高いが、レドほど多くの事に長ける者は少ないからな」


 そこにレドが寄る。


「俺の秘密に興味があるのか」

「ズバリ、VRMMOを幾つからしていた」

「小学校1年生、年齢でいえば6歳だな。最初は魔法も銃もない硬派なゲームの〖ナイツ・オブ・ナイツ〗の騎士をしていた。時間は2倍でやっていたな懐かしい」

「じゃあ。兄ちゃんはずっとそれを?」

「いや6年間で1日3時間の6500時間ほどしていたが、中学に上がった時に〖ナイト・オブ・ナイト〗は休業に入ってしていない」

「なるほど、道理で騎士の役割に長けるはずだ」

「でも兄ちゃんは2倍でやっていたんだろ?」

「そうだ」

「ってことは、1万3千時間?」

「主観的にはその時間だな」

「と言うとは精神的に成長するのか?」


 ユウヤの何気ない言葉に、バッシュはなるほどと理解した。

 現実の時間より多くの時間を過ごしたので、当然の様に精神的年齢は他の人々とは違っていく、時間の流れから成長は一定ではないにしろ、多くの事を得ることになったのは好かったことなのだとバッシュには思えなかった。

 レドが黙る。


「不味かった?」

「いや。肉体は若いままだが、確かに精神的には成長する。言い換えれば老化するのだ。それから中学に入って別のゲームをやり出して、こっちは銃も魔法もあるゲームだ。楽しかったが、3倍速だったから約1万時間だ。合計して2歳ほどの時間を過ごしたな。危うく時間に食われるところだ」


 □


 朱雀ダンジョンに入る。

 天然の作りのダンジョンは、17名が挑む。

 前衛担当の盾はレド、ピローテス、アロマ、フォルゼン、

 前衛担当の火力はウルカ、アリサ、ユウヤ、ツグミ、ディード、ホタテ

 後衛担当の回復はセリル、ホウヅキ、フォルスト

 後衛担当の火力はチャイム、バッシュ、ヒリュウ、リード

 奥を目指して進む。


 ヒンヤリとした冷たい空気が流れる。

 己を含めて総勢17名が歩く。

 襲ってくる巨大な蛇、2mはある蛇だ。体重も重そうだが、後衛の火力であるチャイムの、単体系元素魔法の攻撃用スペルによって創り出された炎に、焼き尽くされた。

 他にも巨大な蝙蝠、巨大なネズミなどの動物系エネミーの3種類だ。

 エネミー使い兼召喚士リードは個人的な戦闘能力が低く、努力もするが向いていな酸いだが、リーダーとしての指揮能力にはレドも信頼を置き、後衛の指揮を任せてある、また戦闘に参加しないので、地図なども作り、時には罠の発見など、戦闘以外に徹底した25個のスキルにより、運用面に大きく貢献した。

 動物系エネミーをひたすら狩りながら奥に進み。

 大きな門の前に来る。


「一休みするぞ。総員休憩」


 前衛も後衛も、本格的なダンジョンは初めての者も多いく、慣れないことに緊張するなとはレドには言えない、経験を重ねるしか対処がないからだ。むしろこう言った緊張感を持つのは珍しい経験なので、半分はPTメンバーの成長の経験値でもあった。


(さてどうしたものか)


 レドは思案する。


(このままダンジョンを調べるのも一つの手だが)


 今回の朱雀ダンジョン攻略は、初のダンジョンと言う事も有って挑戦的な意味合いが強く、ヒリュウ、リードも含めた召喚士の戦力強化の一面も強い。

 また大所帯での慣れも必要であり、色々と経験を積み、ゲームにはある大規模戦闘の所謂にレイドと言うボス対集団の戦いがある。

 この共闘PTの<南十字星の記録>のプレイヤーは9名。現在の従者が8名だ。

 最大まで従者を増やせば14名が増加する。

 エネミー使い&サモナーのリードを除けば、一人2名が最大だからだ。

 リードは召喚獣を2体、テイムエネミー2体の4体を同時に操れる。その分スキル構成には大きな影響を与え、またサポートに特化したスキル構成でもあってか個人としての戦闘能力に欠ける。

 ゆっくりと休み。

 再びダンジョンの中を彷徨う。

 朱雀ダンジョンから引き上げた。

 特に収穫はなかったと言えたが、このダンジョンに関していえば小手調べの偵察と言った所だ。

 〖イズミ〗の村人から店の場所を聞き、その後にドロップアイテムオークションを行う。

 欲しい素材を最低金額を設定し、これでオークションを行う。

 生産スキルでいえば<南十字星>のリードは調合、栽培、バッシュは調合、細工、チャイムは鍛冶、商売。

<星空の記録>のウルカは裁縫、革細工、ヒリュウは鍛冶、木工、アリサは細工、彫金、ユウヤ、ツグミは生産スキルを取っていない。


「じゃあ。これで終わりなので、チャイム頼んだ」

「了解~」


 チャイムが、店でドロップアイテムを売却しようとした。


「ちょっといいかい、冒険者のお嬢さん」

「はへ~い?」

「もしかしたらだが、ダンジョンでも潜ったのか?」


 チャイムが首を傾げる。


(もしかして、イベント?)


 チャイムがそう考え、レドに向く

 レドも察していたらしく、進んでよいと頷いた。


「うん。ダンジョンに潜ったよ~」

「ほ、本当なのか?」

「もしかしてダンジョンに潜ってほしかったの?」

「・・そうか。あんたらは強いのか?」


 チャイムの言葉を無視する様に、問いに対して問いで答える。


「おじさん~ダンジョンに潜ってほしかったの?」

「ああ。生きて帰られるのなら歓迎だ」

「ねえおじさん」

「なんだい」

「あのダンジョンの話を伺ってもよろしいでしょうか」

「構わんぞ」


 雑貨屋のおっさんが話す事。

 〖イーニャ〗では朱雀ダンジョンと呼ばれるが、この村の〖イズミ〗ではダンジョンと呼ぶ。

 この村の住人は何度なく挑戦したが、いずれも失敗し、帰ってくる者は居なかった事も有って昔は賞金までかけていたが、今では誰も寄らない天然の迷宮と化した。

 村の発展には欠かせない側面もあるので、今後ともよろしく締めくくられた。

 13時から片道2時間をかけて〖イズミ〗にやってきた。そり後に朱雀ダンジョンに入る、そこで3時間の時間をかけて引き上げた。

 すでに外は暗い夜の世界だ。

 夕飯である。

 レドがクラシックギターを取り出し、牧草的な旅の途中、リンゴ日和、蜜の夜明け、Perfect Worldなどの狼と香辛料の楽曲、テガミバチの始まりの日、ラブレターの代わりにこの詩を、果てなき道、光の記憶、小さな魔法、約束、勿忘草、ペルセウスなどだ。

 楽器が扱える者も参加した。

 バッシュはハーモニカ、アリサはバイオリンの二人の加勢だ。

 3人でジブリを演奏する。

 最初にはカンリートリーロード、となりのトトロなどの楽曲を引く。

 しっかりと調和する音楽を選び。

 この夕飯時の騒ぎに、村人にも聞こえたようで、不思議そうな顔で宿屋に近寄る。

 騒いでいた夕飯時、この村の村人も聞き慣れない音楽に、聞き慣れない楽器の演奏に、途中からジブリの歌も流れ、かなり盛り上がった。

 そんな夜も過ぎた頃。

 10時には宿屋で就寝し、そのままログアウトした。


 ◆◇◇◆3月16日19:00、5月22日


 本日3度目のログイン。

 朝方の4時。

 〖イズミ〗の宿屋の一部屋で起きる。


(この世界の飯が美味すぎる、よく考えられた胃袋掴みだぜ)


 部屋から出ると、男仲間のバッシュがちょうど出てきたところだ。


「はようバッシュ」

「おはよう。リアルだと夜だがな」

「全くだ」


 2階から一階に降りる。

 一階ではすでに他のPTの姿も見かける。

 他のメンバーも起き始め、朝食を食べる。

<十字星の記録>の面々にレド一つの提案をする。

 少数の人数分けだ。

 第1部隊:リード、アロマ、チャイム、ホウヅキ、ユウヤ、ツグミ

 第2部隊:バッシュ、ディード、ホタテ、アリサ、フォルスト、フォルゼン

 第3部隊:レド、ピローテス、ウルカ、ヒリュウ、セリル

 再び朱雀ダンジョンに挑む。


 少人数に分けても総合的には変わらないので、それぞれのプレイヤースキルが役立つ。

 そうして最深部の大きな門の前に進む。

 ここを調べる前にリードが門に触れる。

 前回とは違い門が開き、巨大なコロシアム風の空間に出る。


「フル人数で挑もう」

「異論はない」

「その方が都合がよいだろう」


 リードが上位精霊のエント、ジンを召喚し、テイムエネミーのニクシーのパフォーリス、元々のアロマの四体を同時に操る。

 バッシュ、アリサも元々に同時使役の二体の為に関係なく、ヒリュウは元々いるドリアードのセリルの他に、上位精霊の召喚獣のエントを召喚した。

 チャイムは元々のドリアードのホウヅキに、エルフのコヅエを出す。

 レドももう一体を出そうとすると警告か出る。


『すでに二体目を出しています』


 これを仲間に伝え、了解を得て一体のみにする。

 第1部隊はリード、エント、ジン、パフォーリス、アロマ、ウルカ

 第2部隊はバッシュ、ディード、ホタテ、アリサ、フォルスト、フォルゼン

 第3部隊はチャイム、ホウヅキ、コヅエ、ヒリュウ、セリル、エント

 第4部隊はレド、ピローテス、ユウヤ、ツグミ。

 内部に入る。

 コロシアムの中には、一体の獣がいた。


(朱雀?)


 リードがそんな事を考える


(これはまたすごい威圧感だね)


 ヒリュウも同じぐらい感じ取り、戦いの予感を感じた。


「貴方が朱雀か」


 リードが話しかけると、巨大な赤い鳥は翼を広げる。

 威嚇するようであったが、リードが一歩前に歩き、アイテムボックスから餌になりそうな物を取り出しておく。

 他の召喚士のヒリュウはどうすべきか考え、リードの行動がベストであると判断し、同じ行動をとる。

 大きな赤い鳥は、二足歩行で歩きだし、一歩前に出た召喚士の二人の前に歩く。

 ヒリュウの所には寄らず、リードの餌をついばむ。

 リードが正式に契約し、他のメンバーは戦闘もなかったので、肩透かしを食らったようなものだ。


『朱雀の封印が解けました』

『朱雀はリードと正規に契約しました』

『残る封印は3個です』

種族:固有スキル

ダークエルフ

固有スキル:

剣、槍、弓、布製、暗黒魔法、魔法才能、発見、夜目、鷹の目、狩猟、


職業:固有スキル

錬金術師:

固有スキル:

杖、魔導書、魔導球、布製、長衣、錬金、鑑定、錬金術、錬金術才能、錬金術の心得


騎士:

固有スキル:

片手剣、騎士剣、騎士槍、盾、騎士盾、金属鎧、全身鎧、眼力、両手利き、両手持ち


クラス:固有スキル

調合士:

固有スキル:

フラスコ、天秤、釈、短衣、靴、実験予想、記録、分割、調合才能、調合士の心得


暗黒騎士

固有スキル:

格闘、暗黒剣、暗黒槍、暗黒弓、暗黒盾、暗黒鎧、暗黒魔法剣、暗黒騎士の心得。暗黒具、暗黒具生産


聖騎士:

固有スキル:

聖剣、聖槍、聖弓、聖盾、聖鎧、神聖魔法、神聖魔法剣、聖騎士の心得、聖具、聖具生産

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