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010:刀京。其の3

 ユキカゼを抱えて、エキストラクエストの一つを受ける。

 プレイヤー一人につき1つが用意されているために、全てにおいてオリジナルと言えるような展開が待つらしい。

 暗黒騎士剣を腰に差し、反対側にはグロッグ18Cを帯び、背中には竜騎士の小盾のドラゴンナイト・バックラーを取り付け、両手でユキカゼンを抱える。


「マスター肩にでも乗せればよいのでは?」

「ん?ああそうだな」


 肩に乗せ、両手の指だけを操作し【従者召喚:ピクシー】【従者召喚:リャナ】の二人を召喚し具体化する。現れた二人に説明し、これからの事の希望を聞く。


「マスターの行く道の傍に」

「マスターと一緒でいいよ~~レアチーズもつけてね~~」


 リャナは重く言うがピクシーは軽い調子でいう。

 真面目なリャナに、明るい性格のピクシーだ。

 レドはこんな二人に朗らかに笑う様な口元を上げる。


「そうか。まずは装備だな。その前にピクシーの名前はピュシーだ」

「了解」


 ▽従者一覧

 スキルLv1

 従者ネーム:ピュシー

 種族:妖精

 ジョブ:従者

 クラス:妖精魔法使い

 身長:15・5cm

 瞳色:赤

 髪色:茶色

 肌色:乳白色

 武器スキル:

 防具スキル:布製

 装飾スキル:

 魔法スキル:元素魔法 回復魔法

 補助スキル:魔法才能 魔力才能 瞑想 

 生活スキル:NPC言語 モブ言語 浮遊 飛行

 生産スキル:

 固定スキル:


 従者ネーム:リャナ

 種族:地母神

 ジョブ:従者

 クラス:妖術師

 身長:167cm

 瞳色:紅

 髪色:金髪

 肌色:乳白色

 武器スキル: 

 防具スキル:布製

 装飾スキル:

 魔法スキル:元素魔法 暗黒魔法 神聖魔法 状態変化魔法 即死魔法 支援魔法

 補助スキル:魔法才能 魔力才能 魔法使いの心得

 生活スキル:

 生産スキル:

 固定スキル:

 ▽


「大所帯になったなあ」

「カーツ!」


 いきなり大声を出したのはヒリュウだ。


「サモナー1年生のルーキーに警告だ」

「なんだ?」

「サモナーはMPを消費して召喚する、その中には絆のない者の言う事を聞かない者もいるのだ。故にだからこそ絆を育むと言い」

「おう」

「だからこそ常に召喚従者の分のMPを消費する、つまり分かるかね」

「つまり従者召喚分のMPが常に引かれた状態訳か」

「その通りぃぃぃぃぃ」

「テイマー1年生も気をつけなよ」

「あい」


 □


 レドと従者たち、アリサと従者たち、ヒリュウと従者たち、指輪使いの3名、生産プレイヤーの3名も、それぞれ装備を整えてからダンジョンに挑む。

 PTにカウントされるのはプレイヤーのみなので、1個6名のPTに従者が8名という数に上る。片や共闘中のPTの3名が呼び出した従者のピクシーの3名の従者だ。

 MP最大値が1/10にまで下がっていたレドも、魔力、魔力才能、瞑想、MP最大向上をつけることで1/5まで回復する。しかし通常のプレイヤーよりMPが少ない事には変わらない、むしろMPがないモノとした方が正しいような数値だ。

 その為に銃器と剣の二つをメインに扱う事になった。


「ほんじゃあ行くぞう」

「「応!」」


 内部へと入る、ダンジョン化したマンション。

 内部に入ってから班分けを行う。

「ユウヤ、ツグミは俺と来てくれ、ウルカ、アリサ達、ヒリュウ達は一塊での第2班だ。指揮は今回はアリサに一任する。質問は」

「特に異論はないが、良いのか?」

「今は手分けした方が手っ取り早いと思ってな、大所帯だと経験値がたまらないだろ?」

「そうれもそうか」


 別れて探索し、後衛が充実しているとありがたいというべきか、かなりの速度で狩れた。


(さてと経験も積んだな。しかしウルカは参謀向けだな)


 あの少女が言った言葉は、このままだとPTその物が分裂するぞと警告したのだ。

 入口の方で合流し、召喚従者ま2体を収納した。


「基本的に2体までな、3名だから6体、丁度12名分だ」

「まっ今回の事は多目にみよう」

「ああ。貸し一つという事にしておいてくれ」

「ああ、サモナー1年生はこれだから困る」

「そうね」

「悪かった」

「まあいつもお世話になっているし、今回は勘弁しておくよ」

「そうね。でも気になる事があるのよ」

「ん?」

「なぜあの女は貴方を選んだのかしら?」

「リャナの事か、いずれ聞かないといけないな」

「OK許す」

「感謝するぜ。じゃあ気を取り直してGO」


 何やら色々と合ったらしいことに、同じ女性として気持ちの分からないツグミではないのだが、何やら苦労の堪えない話である。


 □


 12名+6名になってから、ダンジョン化したマンションに入る。


「ウルカ偵察を頼む。誰かつけるか?」

「わん!」


 ユキカゼが鳴く、レトが温かくふっと笑い、ウルカもユキカゼを知っているので手で合図する。


「行くぞユキカゼ」

「わん!」


 1名と1匹が前方に消える。


「ユキカゼちゃんも健気だね」

「だろ?」

「でもユキカゼちゃんは何処から来たんだろ」

「さふあ」

「もかしたら隠しダンジョンがあるかも」


 そんな会話をしていると1名と1匹が戻ってくる。

 細いパンツスーツ姿のウルカ、その後ろを白狼のユキカゼが歩く。


「ムーンフットマンが10体ほど居た」

「わん」

「厄介だな。回避は出来ないのか?」

「一本道だから殲滅するしかない」

「仕方ないか、各員殲滅するぞ」


 それぞれが武具を構える。

 三日月の顔をした非常に太ったモブが10体を待ち伏せる。

 角から現れた三日月形の顔を持つ太った人。


「アンカーシールド、アンカーハウル、ドラグーン・アンカーシールド、ドラグーン・アンカーハウル」

「アリサ姉さんのお通りよ!」


 ヘイトを稼いだレドに向かうムーンフットマンの群れに、アリサが突進する。

 デス・レギオン(大鎌Ⅰアーツ・1HIT)の突進しながら大振りの一撃を与え。

 デストロイヤー・ダンシング(大鎌Ⅱアーツ・8HIT)連続技系の大鎌の連続斬り。

 ヘルレイザー・グリープ(大鎌Ⅲアーツ・5HIT)回転斬り系の連続した4HIT、バックステップし、突進しながら突進し大振りの一撃を食らわせて決めた。

 全てシステムアシストのある範囲内なので非常に高速に行われる。


「ヒリュウさん突撃行くよ!」


 ハルバードを構えるヒリュウが突撃する。

 《ダイナミック・カタパルト》(ハルバードⅠアーツ・4HIT)

 突進系の振り下ろしの1撃、突き技系の3撃。

 《ヴァイオレンス・ランバー》(ハルバードⅡアーツ・3HIT)

 振り回し系の範囲攻撃の3連撃。

 《ジャック・エクスプロード》(ハルバードⅢアーツ・3HIT)

 振り下ろし系の1撃、そのまま突き技系の1撃、そのまま薙ぎ系の横薙ぎの1撃。


「忍法木遁の術」


 残ったムーンフットマンの足元から草が伸び掴む。


「忍法火遁の術」


 ウルカを中心に巻き起こる爆炎、ムーンフットマン達は灰燼と化す。


「余裕過ぎるぜ」


 レドが盾を背中に回し片手剣の剣先を地面に突き刺す。


「まあこんなものね」


 アリサが大鎌を一回転させて肩にかける。


「簡単すぎたね」


 ヒリュウがハルバードを頭上で回転させて構え直す。


「所でノリよく決めているところ悪いのだが」


 そう言ったウルカだが、忍者刀を一閃し腰の鞘に戻す。


「ウルカ姉ちゃんも決めているじゃないか」

「ウルカさんはノリがいいから」


 双子は呆れながら言う。


「やはり戦闘後の決めは必要不可欠だね」

「全くだあ」

「当たり前よ」

「日々の鍛練ニン」

「阿保をしていないで行くぜ」

「ユウヤもう少し言葉は柔らかく」


 従者たちはちょっと気恥ずかしい一面を、主人たちが見せたのがちょっと辛い。

 次に遭遇したのは下半身が蛇の両手剣を持つ女性。

 20体と数が多い。


「アンカーシールド、ドラグーン・アンカーシールド」

「木遁の術」


 ヘイトを稼いだレドに、木遁の術で蛇女の体を固定したウルカ。


「行くよアリサ!」

「任せて♪」


 二人の怒涛の突撃。


「火遁の術」


 ウルカを中心に爆炎が巻き起こる。


「ほんじゃあ死んどけ暗黒魔法剣Ⅰ」


 範囲系に分類される暗黒魔法剣Ⅰスペルの【ダーク・アタック】の黒い波動が突き抜ける。


「援護するぞ」


 ピローテスが凛々しく言う。


「暗黒魔法剣Ⅰ」


 レドと同じ暗黒魔法剣のスペルを使う。


「神聖魔法剣Ⅰ」


 範囲系に属する神聖魔法剣Ⅰスペルの【ホーリー・アタック】を使い、白い波動が蛇女を飲み込む。


「わん」


 リトルフェンリルの【アイスブレス】により、極寒の氷獄の吐息を食らい、怒涛の連打を食らった蛇女たちは淡い光を放ち粒子と化して消える。

 プレイヤーの四人が決めポーズ中、何故かユキカゼも同じように決めポーズのように吼える、戦闘に参加したピローテスは気恥ずかしいらしく俯く。

 とある音楽が流れそうな場面だ。


「ユウヤ、ツグミはP90での火力支援を頼むぞ」

「「了解」」

「フォルゼン、アイリスはそのままでいい、その理由は後衛への守りだ。後温存という意味合いも強い」

「・・(こくり)」

「心得た」

「残るセリル、フォルストの二人は徹底して消耗を抑えてくれ」

「了解したぜ」

「承りました」

「生産3名も火力支援を頼むぜ」

「OKOK」

「了解~」

「分かった」

「ピクシー3人娘は、周囲への警戒を頼む。特に後方からの襲撃が有ったら全力で対応してくれ」


 ピクシー3名も頷く。

 次に遭遇したのは両手斧を持った蛇男の18体の群れ。


「火力支援GO!ウルカ足止めをするぞ!」

「うむ。木遁の術」

「アンカーシールド、ドラグーン・アンカーシールド」

「暗黒魔法剣Ⅰ、神聖魔法剣Ⅰ」


 レドのヘイト稼ぎ、ウルカの足止め、ピローテスの魔法剣火力、この間にアリサ、ヒリュウの二人が突撃、ユウヤ、ツグミ、マリ、ユーリー、ユックの5名がP90での火力支援を行い20秒足らずで殲滅し終えた。

 戦闘に参加したプレイヤーのユウヤ、ツグミ、従者のピローテスを除いた7名がそれぞれ決めポーズを行う。

 次に遭遇したのはかなりの大規模な獅子の顔の鳥が20体、蛇男が18体、蛇女が20体という数だ。


「はいはい、いつも通りいくぞ」


 レドの盾アーツを使いヘイトを稼ぎ、今回はⅠ.Ⅱ.Ⅲの盾、竜騎士盾のアーツを使い丁寧にヘイトを稼ぎ、元素魔法耐性を上げる。

 しかもリミテッドアーツの護りの盾も使い、全体のDEF上昇・防御障壁を与える。

 銃器組からの火力支援が始まり、ウルカの木遁の術が範囲内の者たちの足に絡みつき、そのまま火遁の術で焼き払う。それだけではなく氷遁の術での氷漬けを行い、追撃のように雷遁の術を使い再度灼く、その間にピローテスの暗黒魔法剣Ⅰ、神聖魔法剣Ⅰのスペルがぶち当たりモブの前衛達を削る。


「奥を目指して突撃♪」

「はいはい乗ったよ~」


 二人が生き生きとした顔で突撃し、アーツを連続して使う。

 戦闘も始まり、中頃につく頃。


「「後方よりエネミーが来るよ!」」


 ピクシー三人娘からの警告を受け、レドは素早く後方を考えて決断し指示を出す。


「ユウヤ、ツグミ、マイ、ユーリー、ユックは後方へとシフト、セリル、フォルストの全体回復支援、フォルゼン、アイリスも後方へシフト、ピクシーたちは主人の補佐に切り替えてくれ、ユキカゼは前方への攻撃」


 呼ばれた者達からの返答が入り、先頭は中頃に来て山に入る。


「PT前方、直ぐに殲滅するぞ」


 残ったアーツやスペルを使い、前方の残りを殲滅する。

 そこにウルカからの叫びが入る。


「索敵反応在り!前方より増援!数20!遭遇まで約2分!」

「雲隠れの術とかないか?」


 ちょっとふざけた感じのレドに、ウルカは久し振りにボディブローを入れ、くの字に折れたところの顎をアッパーで撃ち抜き、浮き上がったところにスマッシュでボディーをに撃ち込む。


「真面目にしろ!」


 平常運転ながらも戦闘中である。

 最近は真面目になったと思うものの、レドのおふざけ癖は変わらずにPTの古参達を悩ませる。

 レドも久しぶりに殴られたなとは思うもののすることは変わらず。


「アーツもスペルも使い切って今はクールタイムだ。休むぞ」

「ふむ。射撃での支援は」

「特にも角にも休む」


 珍しくレドが強制するので言われた者たちは休む。

 レドはスキル構成を変更し、呪音楽、呪音楽才能、楽器、演奏、演奏才能を組み込む。

 アコースティックギターでとある物語の音楽を奏でながらスペルを使う。

 ⦅生命の曲⦆という物、HPの自動回復率を上昇させるものだ。


「悪い知らせだ索敵反応さらに追加、前方より増援其の2だ。数は20、凡そ2分で遭遇する。其の1は遭遇するまであと1分」

「クールタイム終了」

「僕も終了」

「私も」

「わん~♪」


 音楽が止まり、ギターを収納し、スキル構成を切り替えた。


「おしウルカ、アリサ、ヒリュウ、ピローテス、ユキカゼ、前方を殲滅するぞ。ユウヤ一時的に指揮を任せるぞ!」

「ええ!?無理って!」

「ならツグミ」

「なるべく奮闘してみます」

「よし」

「索敵反応在り其の3接近中、数凡そ18」

「悪い知らせばかりするなよウルカ」

「なにそれが忍びってもの」

「格好つけても似合わないぜ。まあ冗談はこれぐらいで狩るぞ」


 既に最初のPT前方での四肢鳥、蛇男、蛇女の58体との遭遇より10分が経過、後方よりも遭遇し、前方には波状攻撃の様に分刻みでの20/20/18との遭遇がある。

 遭遇した瞬間に盾系アーツを使いヘイトを稼ぐレド、その後に火遁の術、暗黒魔法剣、神聖魔法剣、アイスブレスの範囲攻撃での打撃を与え、射撃に切り替えたアリサ、ヒリュウの二人がベネリM3での近接射撃戦に移行する。

 レドの制作した特殊塗料により強化された武装は強力ではあった。

 しかし等級=品質の点に置いてはそれ程高くなく、当然の様に総合的に高い汎用性のある武装でも、次第に消耗していく。

 更に悪い知らせが届く。


「度々すまん。後方より増援を確認、凡そ30秒で遭遇するぞ」

「異常なPOPだな。どう見るウルカ?」

「かなり稼げるのは別によいが、このままでは危険だともいえる、加えるのなら弾薬はそれほど多くはない、撤退時かもしれないと私は踏むな」

「なるほど、もしかすれば、かもしれないな」

「・・・」

「幾つかのシナリオは考えられるが、前方を殲滅し突撃するぞ。」

「このまま前進するつもりか?」

「そうだ。相応に考えはあるさ」

「だとよいが」

「前方を叩いて、ボスを倒すぞ」

「正気なのだな?」

「いざとなった時の道具はある気にするな」

「了解した」


 後方より人員を抜いて前方に回す、そのまま前進しながら遭遇戦を繰り返した。


 □


 ボスのフロアの前に来る。

 弾薬は既に尽き、TP/MPもギリギリで有り、このままだと危険なのはわかる。

 レドの演奏とウルカの踊りの二重バフにより、TP/MPが自動的に回復し始めていた。

 全員から回復の話が届く。


「隠しアイテムを配るぞ」


 そう言ってウェアラブルPCを操作し、召喚従者の二人を呼び出す。


「事情は理解しております。事前に渡されたアイテムはこちらに」


 まさか従者にアイテムを運ばせるやり方は誰もが思いつかずにいただけに、こう言う用意周到な上に切り札の斬り方を心得るのは頼もしいのだが、おふざけが過ぎるのが玉に瑕だ。

 特に弾薬の提供は有り難く、火力担当の者は喜んで受け取る。


「よしボスに挑むぞ」


 中に入る。

 □□□□□□□□□□

【唱える猿】

 種類 ボス

 種族 妖

 Lv ???

 HP 1010/1010

 MP 540/540

 TP 303/303

 STR 10

 INT 28

 MND 24

 VIT 11

 DEX 21

 AGI 10

 LIK 19

 CHR 1

 耐性 刺突 斬撃 打撃 貫通 即死系 神聖 暗黒

 弱点 念

 スキル 核熱ミサイル 炎の海 魔力チャージ

 □□□□□□□□□□


「はいはいいつも通りね」


 ヘイトを稼いで、他の前衛が突撃し、アーツをひたすら叩き込む。

 その間にスペルや銃器での支援も行われ、ボスはあっけなく倒れた。


 □□□□□□□□□□

【ボス撃破】


 [初回撃破報酬]

 猿の涙

 猿の骨

 猿の爪

 猿の毛皮

 猿の肉


 [撃破報酬]

 妖の涙

 妖の骨

 妖の爪

 妖の毛皮

 妖の肉


 [ノーダメージボーナス]

 ウェアラブルPC

 ストック拡張


 [コンボ記録]

 ダイヤモンド(最高級)


 □□□□□□□□□□


「帰還するぞ」


 □


 裏ショップでの報酬を受け取り、補充などを終えてから不要なアイテムを売却する前に全員で一つの種類ごとにオークションを行い、集金した後に分けた。


「このウェアラブルPCとUSBの方も修復は終わったが、一種類ずつ売ってくれないか?生産のめどがつくかもしれない」

「では私のを売る」


 ウルカが売却し、残る者に渡されたのはウェアラブルPC(幻神型)とPC拡張USBだ。


「この幻神型は特殊な物でな。サモナー型の様なモノとスペル型を混ぜた様な性能を持つ、召喚従者を自らの力に帰るもので、従者の能力が+される。能力なら全てだ」


 一同がどよめくが、サモナー型を持つのはヒリュウ、マイ、ユーリー、ユックの4名だ。


「テイマー型の方とは相性が悪いらしい、また戦技型とも相性が悪い、PC型専用なので、装甲型とは相性はすこぶる悪い」

「へー僕向けだ」

「私にも使えるわね」

「ボクにも使えるね」

「俺にも役立つそうだ」

「まあ品揃えは明日にでも変えよう、時間的には午前0時頃だな。店が最も繁盛する頃だ」

「後これなのだが」


 ダイヤモンドを見せる。


「・・・・やはり手に入れていたか」

『刀京編を攻略の際に必要です。持ったまま攻略すればレアなアイテムと交換てきます』

「適当に交換するよ」

「ふむ。まずは鑑定からして方がいい、最高記録を出し物だと思うから間違いはないだろうが、何かの役に立つのかまだ未知だが、使い道は多い奴だ」

「そうか。なら一つを鑑定に出す。じゃあ俺達は生産所にこもる」

「ビルは有効に活用してくれ、あれはかなりの好物件だ二度と手に入らない確率の方がはるかに大きい」

「了解した」

「後だが、明日でもよいのだが、とある依頼を請け負ってほしい」

『エキストラメインクエストです。プレイヤー12名、従者24名まで参加可能です』

「了解した。ちなみに下見とかはできるか」

「可能ではあるが、まあ今までの妖ではない。所謂機甲兵という物だ。二足歩行のロボットだな。これと妖の融合を研究する地下組織の研究の破壊だ」

「それはまたSF的な」

「頭の悪い狂人共の頭に、銃口でも突き付けて治るのなら、よかったのだがな…」


 何やらあったらしく近くのボトルから度数の高い酒をグラスに注ぐ。


「何故かそんな事に興味を持ったらしい、最強と最強をかけ合わせれば何が出来るのかという事に興味を、な…」

「請け負う事は前向きに検討するさ。人数には伝手がある限界まで集めるよ」

「飲めるか?」


 勧められたグラスを受け取って久し振りにアルコールを摂取する。

 酩酊感はなかったものの、強いビールの味わいが広がりやや苦いが


「悪くない味だ。2、3ボトルでくれ」

「酷い安酒の上に生ぬるい味なのに、用意しておく」


『星空の記録』この本拠地の敷地にある借家の所に集まる。

 いつもの共闘相手の『南十字星』の面々だ。

 間延びした口調が特徴の鍛冶屋&商人のチャイムと、この従者の種族はドリアードのホウヅキ、渋い感じの弓使い&テイマーのバッシュと、この従者の種族はドリアードのディードリット、種族はニクシーのホタテ、南十字星のリーダー兼召喚士&獣使いのリードと、この従者の種族はエルダーナイトのアロマ、種族は聖獣の朱雀だ。


「ちわ~っす~」

「久し振りだな」

「懐かしい顔ぶれだ。妹弟子もいるしな」


 間延びした声のチャイム。クールで渋い感じのバッシュ、男性的な口調なリードの三名だ。


「くぇ」

「グ」

「久し振りですね」

「久し振りだ」


 朱雀が鳴き、アロマが声を出し、ディードリット・エントが丁寧に挨拶を行い、ホタテが男性的な口調で挨拶を行う。


「まずは事情を話すぞ」

「私達も色々と合ったから話すまずそちらから」


 この元のゲーム世界での南平原合戦後の学校、その後の西門合戦、その後の刀京編のここ初日からの3日目のエキスとメインクエストを控える前日まで。

 3名のプレイヤーは静かに聞いていた。

 そして頷くようなリードが顎を何度か引き、かつての弱さはなく、強い自我の輝きを放つ瞳で真っ直ぐにレドを見て桜色の唇を開く。


「行き方は違うが、同じ目的のエキストラクエストを、引き受ける事となった」

「そうか。まあ飲め」


 スープに垂らした18素材使用の☆×1の一滴、陶磁器のような肌のリードの手が受け取り、一口啜る。

 絶妙な塩加減に、最高峰なうま味、贅沢な具材を大量に煮詰めて作った様な一口で高級と分かるスープの味わいが味覚を刺激する。

 つい二口目も飲み、後で購入を希望することを決めた。


「?」


 凄まじいバフ効果が表示される、全部Lv1かもしれないが、全18種類ものバフ効果に、両目が信じられないようなものが数多い表示に、少しの納得もあった。


(さすがはレドか)


 レドは奇妙なまでの調合士だ。味わいと、その贅沢な種類のバフ効果を持つ、個性的ユニーク生産クリエイト級を作る。

 味も最高なら性能も最高という一風変わったところがある。しかも価格帯は最近こそ値上がりしたが、性能を考えれば確かに割安だった。ついでに言えば従者もプレイヤーも安心して食せる物なので、従者への贈り物に購入するテイマーやサモナーは多い。


「皆に出してほしい」

「よりマシになったな、ピーピー言っていた雛とは思えないぜ」


 口こそこんなこと言うが表情は嬉しそうな顔で、南十字星全員の飲み物を作る。

 ちなみに従者たちは喜んで飲む。主人である残るプレイヤーの二人も、ゆっくりと飲む。


「まあ家らもこんな大所帯だ。共闘中の生産3人組もいるしな」

「お久」

「お久~♪」

「久し振りだ」

「お久しぶりです。」

「まあ色々と有るので、話は少し待て、こいつに見おぼえないか?」


 ダイヤモンド、ウェアラブルPC、ストック拡張USBの3個だ。

 リードは深い青色の碧眼でこの3個を見る。

 アイテムボックスから取り出した同じものだ。


「裏ショップに行く必要があるな。かなりの戦力強化が出来る。装備はしていないな?」

「使えないからな」

「よし。俺とピローテス、ユキカゼで裏ショップにって南十字星の装備を強化してくる」

「了解」

「わん!わん!」

「「ユキカゼ?」」

「わん~♪」

「長らく行方不明だったが、特殊なアイテムで帰還させた」

「わふ!」


 振り回し過ぎてこのまま外れるのではと思うほどの、振り回す尻尾のユキカゼだ。

 リードはついついこんなことを考えた


(か、可愛い)


 モフモフ好きの加盟者1名だ。


「ユキカゼ~懐懐~」


 チャイムは直ぐに反応のスープの残りを腕に垂らして出す。ユキカゼがこれを一舐めし喜ぶように懐く。元々人懐っこい子犬ではあったので誰もおかしくは感じない。


「次に育てるのならリトルウルフだな。ハイウルフもよいが」

「同意見だ」

「じゃあ行くぞ。他のメンバーは休んでいてくれ、一応言っておくが、休めるのは常にある事と思うなよ。貴重な時間だ。じゃあ行くぞ」


 という訳で裏ショップに行き説明し、またボスにより説明を受けた後に、南十字星のエキストラメインクエスト、これに星空の記録、この共闘中の生産者の心得も加わる。

 従者は一人当たり2名までなので、ウルカ、ユウヤ、ツグミの三人の分はレドに一任される。この為にレドは三人分の合計6体を預かる計算だ。

 残った後に帰還し、借家で説明を受けて終えてから、日も暮れ初め、休んでいる内に話が弾み、プレイヤー12名、従者17名だ。

 当然の様に食事となれば調理スキルを持つ者と、レドの生産する調味料が活躍し全員に胃袋を心地よく温めた。


「リード、これを渡しておく」


 ボスより渡されたチケットの余りだ。


「好きな召喚獣が来るそうだ」

「感謝するぞ」


(ユキカゼ来い)


 と使い、現れたのは白装束の一人の男、いかにも古風な武人姿の男は槍を振り回しリードの前に片膝をついて首を垂れる。


「お前さんに忠誠を誓うという奴だ。高確率で相性の良い奴が来るらしい」

「・・・別にいいけど」

「名前を付ければ知性が生まれるぜ」

「ならクーと名付ける」

「我が名はクー、喜んで散りましょう」

「絶対に散るなそんなことを言うのはお前はバカか」

「我は召喚従者、不死でありますマスター」

「命は無駄にするな、それだけは頼む」

「はい」

「あんたもしかして槍の使い手だよな?」

「いかにも」

「なら少しでいい、指南してもらえないか」

「貴公程の使い手が?」

「どうも最近は使ってないせいで腕がさ、鈍るんだ」

「マスター」

「許可はするが、破壊活動はするなよ」

「心得ました」

「よし裏側に川が流れている、丁度良い広さがあるからそこな」


 レドも購入しておいた暗黒騎士槍を具体化させて握る。

 裏側に移動すると、暇があったメンバーや槍の使い手なども集まる。


「いや~懐かしいね」

「かもしれぬ」

「あんたみたいな使い手と相対する事が、幸運だ。武人の神に感謝しなきゃあな」

「我が名はクー」

「星空の記録のレドだ。軽く行くぜ」


 高速の突き技が放たれる、言うが早くの早業に、誰もが驚くがクーは愛槍で優しく薙ぎ払う様に動かすも、レドはあっさりと引いてから更に高速で突き技を放ち、しかも全く同じ軌道なのが驚かされる。

 クーも変わらずに槍で受ける。その前に二度目の引きがあり、その刹那に超加速した突き技が放たれる。これもクーは冷静に受ける。受ける前にレドの槍が引かれ、また加速が超えるような動きで何度も同じ軌道を描きつき続ける。

 クーも冷静に受ける払うを繰り返すも全て回避される。


「じゃあそろそろ技を出すぜ」


 レドの口が動き、雫崩しと唱える。

 同じ軌道を、今までの加速が嘘のような高速の突きが放たれ、殆ど刹那の時間にクーの槍が高速に回転支払う。

 二度目の技を放つ。

 雫崩し・妙。利き足の方を前に出し連続した突き技を繰り出す。前進しながら高速の突きをひたすら同じ軌道を描く。これをクーは全て弾く。

 三度目の技を使う。

 雫崩し・閃

 初めて軌道が変わる、正しく一閃、漆黒の穂先が光るような弧を描く。先程と同じ個所を狙うかのような一撃に初めてクーが回避する。

 そこにレドが弾かれたように動き、前方に飛び込むように飛び出し回避した一転を突く。

 ひたすら同じ個所を狙う執拗ともいえる様ながらも、同じ個所狙う事が分かればそれだけ不利ながら、だからこそ強烈な一撃を繰り出し続け、まるで吸引力を持つかのようにクーの持つ槍に吸い込まれる。観客の方も吸い込まれるように見る。

 回避や受けに払いを繰り返すクーではあるが、攻撃を繰り出すべきか悩む顔が見て取れる。同じ個所を狙うために読まれる、なら素朴な疑問は何故同じ個所を狙うか、また同じ個所を狙うのならとも思えるが、槍の速さが桁違いなのだ。

 通常のプレイヤーでは考えられない高速の突き、槍の寸前を見切る引き戻す速さ。

 絶えず槍の鍛練を積んでいるだけでは説明がつかないような高速の技だ。

 だから、なお一層に不気味と言えるようでもあり、これだけの速さを持つのなら他の技を使わない理由がない、つまりこの心理的な落とし穴が不気味なまでに対戦するクーにはのしかかる。


「次は何処に来るかな?」

「同じ個所という保証はない」

「引っかかってくれなきゃ、次に入れないぜ」

「敗れる必要もなかろうに」

「じゃあ奥の手だ」


 雫崩し・妙閃。前進しながら高速の一閃を連続して繰り出す。

 槍の使い手同士高速に攻防戦を行う、クーも初めて反撃に出る。

 レドが初めて回避するが、片手を態と突かせてそのまま握る。

 暗黒騎士槍が同じ軌道を描き、違う首元に当てられる。


「見事」

「中々楽しかったぜクー。まさか妙閃を弾かれるとは思わなかった」

「妙な閃、妙な線とかけたのか?」

「似た様なモノさ。回復したら次の試合でもしよう」

「私ではなく貴公だがな」

「だった」


 と快活にレドが笑う。

 自らの体の一部すら犠牲に勝利をもぎ取る、業の深いモノである。

 手を取らせて首を取るようなものだ。

 少し休み今度は、小楯を具体化させて左手に取り付ける。

 攻防一体なのがレドのバトルスタイルだ。

 クーも素早く小盾を調べる。

 眼力による調査によれば、恐ろしいまでの付加価値を持つ、あり得ないほどの☆×3のバックラーだ。しかも攻防一体な事に攻撃を受けると電流を流す。

 厄介な効果を数多く持つ小盾だ。


「なんだ気になるか?」

「物騒な盾だな」

「最近作った奴でな。中々性能が良く愛用する予定だ」

「そうか。それは盾なのか」

「気付くとは中々の眼力だな。こいつは盾に見えるが実際の使い道はもっと別だ」

「盾の形をした武器、という事か」

「まっそう言う事さ」

「レド兄ちゃん俺も加わっていいか」

「私は別によいが」

「じゃあバッシュも加わるか?」

「槍か、まあ使えない訳でもない」

「バッシュの道具は気をつけない、非常に強力というレベルじゃないぜ」


 注意を促すレドに従い、クーもバッシュの武装を調べる。

 一日に何度も驚くのもなんであるが、限界を知らないような武装ばかりだ。

 レドの武装はまだ常識的だが、バッシュの武装は破格というレベルに収まらないほどの物だ。ちらりとユウヤの武装は特に脅威とは言えない。


 四人が対峙する。

 十文字槍のユウヤ、愛槍を構えるクー、半分が穂先のような特殊な槍を使うバッシュ、レドは暗黒系の騎士槍と、攻防一体の小盾を構える。


「ほんじゃあ二撃勝負で行くぜ。二発食らったやつは退場だ」


 誰も異論はなく頷き、リードが合図のコインを弾く。夕暮れ時の中、コインが夕陽に反射して回転しながらキラキラと輝いて、宙を舞う、風が吹き始め、雨が降り出す、突然夕立の中でコインが落ちる瞬間にキーンと音が鳴る。

 一瞬で距離を積めたクーの槍がバッシュの槍を弾き、滑るような一撃がバッシュの体に吸い込まれる。相反する様にバッシュの槍が輝き、持ち主のダメージを請け負い砕ける。


「槍が砕けた場合は悪いが退場だ。何せ槍の試合だからな」

「次はもっとましな物を揃えよう」


 バッシュの退場によって、クーはレドと向き合う。

 ユウヤは、格上過ぎて、話にならない、このハイレベルな戦いに感心し観戦していた。


「じゃあ行くぜ?」


 レドがこう言うと、クーは槍を構える。

 かつての軽装歩兵の様な槍を逆手に持つわけではないが、体を傾けて一瞬で加速したレドの右手が一閃を行い、クーは槍で弾かずに傾くように避け、刹那に槍での反撃を行うが、レドの左手の小盾が邪魔をする。

 非常に厄介なバトルスタイルの持ち主ではある。

 敏捷性(AGI)、照準性(DEX)の高いプレイヤーの特徴的なモノであり、この手のプレイヤーは手数とその最大の武器である敏捷性で戦うのが常だ。

 かつてバッシュが試合をしたときの感触でいえば、鎧をつけている時それほど強くはない代わりに硬く、鎧という重りがなくなると途端に素早くなり捉えられない。

 この点のクーも素晴らしい防御技術と、精密な槍裁きが拮抗する。

 どちらも敵に回せは厄介なタイプで有り、味方とすれば心強い事をバッシュは理解できた。

 夕立の滂沱と零れる様な雫の塊が草木を揺らし、近くに流れる川の水面はボトン、ボトンという音をたて、次第に嵩を増し、流れのはやくなかった皮は今や平穏な顔から、獰猛な牙を抜く前の様だ。

 クーがちらりと川を見る。レドもつられてちらりと見ると、川の流れが速くなっていた。


「長くはない」

「だな。なら決めるぜ」

「参る!」


 互いの全力の一撃を繰り出す。レドは盾を投擲し、槍も投擲する。しかし深々と下腹をクーの槍が突き抜く。

 しかし二撃を食らったクーの敗北だ。


 クーが槍を引き抜き、レドの槍と盾を拾い渡す。


「良い戦い方だった」

「また槍試合でもしようぜ。すげえ楽しかった」


 戦いなんてそっちのけで観戦していたユウヤは、そっと離れる。

 何故なら川の水かさが危険水域まで急上昇していた。


「二人とも飲み込まれるぜ?」


 二人が川の方を見てから、槍をぶつけ合い歩き出す。


 □


 夜は更け全員分の個室で休み、翌朝近くになってから誰かがふと気づいた。

 偵察に行くのを忘れ、また真夜中の装備強化を忘れたことだ。

 翌朝全員で食事していたところに気付いたユウヤが告げた。

 食べ終わってから店は休み、裏ショップに行く。


「まあ別にいいが、装備品のリストはこれだ」


 提示されたリストの装備品に、PC使いの物は最新鋭の物に買い替え、ストック拡張USBは01,02,03とあり、01をインストールしていなければ、02,03にはインストールできない、他にも幻神型も追加されていたが、サモナー型ののが使い悩む、その理由はスペル型の側面を合わせる為に、このサモナー型の者は魔法使いが一人もいないからだ。

 結局幻神型は誰も使わず、記念に持つ程度だ。

 従者用の戦技召喚仕様の戦技型、武具召喚仕様の武具型の二種類もある。


「まずは簡単な装甲型、指輪型ともいう、これを持つ者を指輪使いともいう、特殊な装甲を展開するための物ではあるが、ウェアラブルPC、とは相性が非常に悪い為に料率は出来ない、どちらか一方に絞り込んで使った方が良いだろう。さてこの装甲型なのだが、現在開発が進み、レドの特殊な塗料を使う事で幾つかの試作品も完成している」


 幾つかの試作品、一つは強襲型アサルト・タイプ、実弾系の属する銃器で武装した強力なガンナー用のタイプだ。同じく実弾系に属する銃器を使うガンナー系統に位置する狙撃型スナイパー・タイプの二つがガンナー用だ。

 近接戦闘を主力に置いた近接型ファイター・タイプ、ガンナー用や近接戦闘用とは違う系統に位置する潜入型スパイ・タイプは、所謂盗賊や忍者に義賊と言った者達が購入すると思われるようなもの、高いアシスト能力はないがその分潜入などには活躍する。

 この強襲型、狙撃型のガンナータイプ、近接型の真っ向勝負用のファイタータイプ、潜入や偵察などの情報系に潜入型のスパイタイプが推進される。

 テイマー&サモナーが一般的な3個PTの共闘PTは、ウルカ、ユウヤ、ツグミの三名を除く9名が該当し、主力とも言える様なモノだ。


「あの私はアサルト・タイプトスナイパー・タイプを購入したいです」

「ツグミ?」

「銃もよいかなって、最近思う様になって」

「・・・危ない真似はするなよ?」

「ユウヤもね」

「俺はファイター・タイプを」

「私はスパイタイプと、ファイタータイプの二つを購入したい」

「俺は全種類購入したい、使い道が多すぎる」

「他の物は、もしかすれば二度と手に入らないぞ?」


 他の者は購入せず、購入希望の者にボスの部下が代金と共に渡す。

 続いてウェアラブルPC。


「ウェアラブルPCはテイマーとかサモナーとかだが、PC使いとも一括りに呼ぶ場合もある。従者支援用PCというのが本来の使い道だがね大きく分けて二つ、主人用、従者用だ。まずは従者用は戦機型アーツ・タイプは戦機召喚重視型だ。次に武具型アーナー・タイプは武具召喚型だ。

 主人用の召喚型サモン・タイプは大きく分けて従者召喚型、調教従者重視型の二つに分かれる、従者召喚をサモナータイプ、調教従者タイプをテイマー・タイプともいうな。

 最後にサモナー・タイプと、スペルタイプを混ぜた様な幻神型ファントムゴッド・タイプは従者召喚型の召喚する従者の力を、自らに加算し、力とする強化型と胃も言うべきブースト・タイプだ。この幻神型はそのままスキルまで加算される強みはある。やはり召喚する従者が居るのならお勧め物だ。悪い事は言わん一つぐらいは持っておけ。また幻神型はテイマー・タイプ、アーツ・タイプ、アーマー・タイプとは相性が悪く併用は不可能だ。召喚従者を主力とするのなら購入しもしくし主力とするのも一つの手ではある」


 長い話を終え裏ショップのボスは、濃いビールの炭酸とあるコールを抜いて、生暖かくしたような飲み物を飲む。

 喉を潤したボスは最後の話をする。


「このダイヤモンドだが、色々と判明した」


 短く言葉を切ったボスが再び話す。


「こいつは魔宝級という、通常の物の一ランク上、生産すると作られる創作級の一ランク下の物だ。価値としちゃ色々だが、このダイヤモンドは従者を強化することが可能な奴だ。いうなられば種族ランクを上げるタイプだな。他にもステータスの強化にも使える」

「なら従者用の装備には使えるか」

「どんなふうにする?」

「塗料や染料に使う為に粉末状にしたい」

「なるほど、試す価値はあるな。所謂の所の、ユニークな発案だが、ふむ。分かったこれはどうにかしよう」

「すまんな」

「いやいい。従者を主力とするようなPTなら自然の流れだ」

「後なのだが、6名分の従者が余っている。召喚タイプの従者か、調教タイプの従者かを揃える必要がある。PCの方はそろっているからな」

「なるほど、まずは装備の更新からだな」

「南十字星にはサモンタイプのサモナー型を頼む。後、幻神型は要らない」

「私達生産者の心得には幻神型は要らないわ。後、テイマーかサモナーか迷ったけど、サモナーにするわ」

「俺達星空の記録には一通り購入したい、従者用にはアーツ・タイプでもいいがな」

「分かった。ダイヤモンドを従者用にする者を渡してくれ」


 全員がレドに渡し、従者の居ないウルカ、ユウヤ、ツグミも気にせずに渡した。


「これ位だ」

「大量にあるな。一応言っておくが買取値段は一つ億単位だぞ?」

「気にしない」

「分かった。暫くまで、装備の更新もあるし、銃器の事もある。まずは使い慣れてみてくれ」


 購入を希望した物を受け取り、代金を支払い。

 指輪使いやPC使いにも分かれるが、ストック拡張USBを受け取ると従者の使役する事が出来る数が増え、召喚従者でも+3、調教従者でも+3なので合計+6される。

 色々と新しい玩具(装備)を使いまわし、様々な手法を試し、特にレドの考案した一つの使い方は、PC使いにとってみれば画期的な発見の一つであり、直ぐに試される。

 召喚する従者たちに物資(ポーションや弾薬等のアイテム)を持たせる方法だ。


 □


 渡されたダイヤモンドの粉末を受け取り、生産所を借りて調合し、従者用の染料や塗料を作り、その間に裁縫師のマリ、同じく裁縫師のウルカが衣類などに毛皮などの革製の衣類や防具を作り、細工師のユック、同じく細工師のアリサがアクセサリーを作り、木香氏のユーリーが木製の物を作り、鍛冶師のチャイムが鍛冶で武器を作り、バッシュ、リードもチャイムを手伝い、ヒリュウが調理でドーピング薬を作っていた。

 一度めどがついてから共闘用のPTチャットで生産者同士会議し、何を作るかではあったものの、目指すものは最適な物ではない、使い易い最高の物だ。

 この方針の為に☆×1でもある為に、誰もが頭を使い工夫に工夫を重ね、試行錯誤を繰り返し、何度も失敗を重ねてから調整し、繰り返す過程で発見したモノを共有し、そうやって完成した。

 □□□□□□□□□□

 名称  従者シリーズ

 素材  各種様々

 品質  ☆×1(最高級ダイヤモンド粉末使用済み染料・塗料付き)

 耐久度 平均は20/20

 装備箇所

【装備】

 近接武器 :各種近接武器(格闘武器・刀剣・槍・鈍器)

 遠距離武器:各種遠距離武器(弓・弩・銃・手裏剣・投擲ナイフ)

 予備武器 :各種予備武器(手榴弾・格闘用ナイフ)

 盾 :革張り木製金属プレート入り小盾

 楽器:職人不在のためになし

 頭 :

 顔 :特殊塗料付き戦技型ウェアラブルPC

 首 :特殊染料付きマフラー

 胴 :特殊染料付きジャケット

 肩 :特殊染料付き革製肩当

 腕 :特殊塗料付きウェアラブルPCの入力端末

 手 :特殊染料付き布製手甲

 指 :特殊塗料付きリング

 腰 :特殊塗料付きベルト

 脚 :特殊染料付きパンツ型スーツ

 足 :特殊塗料付きレザーブーツ

 外着:特殊塗料付きプロテクター

 内着:ワイシャツ

 下着:スポーツタイプ

 備考:男女別を用意されている。また各種種族対応。人型・獣型など

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 一応16名分と、1匹のリトルフェンリル、1匹の朱雀の分もある。

 従者人型の基本的な体格から言って150cm~200cmと言ったところだ。

 体重の方は45kg~100kg。

 女性は150cm・45kgに近く、男性は200cm・100kgに近い。

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 名称   特殊染料(コーティング剤)

 素材   各種素材(18種類)

 品質   ☆×1

 耐久度  10/10

 作製方式 素材増加方式

 効果   各種18種類

 備考

 極めて特殊な染料。味わいが良く調味料に転用できそうな原液から作られた物の、染料の添加により味が悪くなった物、高い汎用性を持ち、妖などに対する特攻性能には目を見張る物が有る。特に大型の大妖に対するその特攻能力はずば抜けている。

 □□□□□□□□□□

 名称   特殊塗料(コーティング剤)

 素材   各種素材(18種類)

 品質   ☆×1

 耐久度  10/10

 作製方式 素材増加方式

 効果   各種18種類

 備考

 染料と同じ

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 名称   特殊原料使用ドーピング剤

 素材   各種素材

 品質   ☆×1

 耐久度  /1/1

 作製方式 素材増加方式

 効果   各種18種類

 効果時間 約1時間(59分)

 備考

 強化バフが効果を発揮する強力無比なドーピング剤。生産者の真心が加わったおかげで味わいが非常に良い。各種素材の中にはフルーツが使われ、極めて高いHP回復効果もある優れ物。

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 名称   特殊原料使用弾薬

 素材   各種素材

 品質   ☆×1

 耐久度  1:10(1/1,10/10)

 作製方式 素材増加方式

 装弾数  各種口径を揃える

 攻撃力  ハイレベルな値(平均的な数値の軽く4倍)

 効果   各種18種類(デバフ効果とバフ効果の両立)

 備考

 強力な弾薬、等級が☆×1とは思えないほどに強力な弾薬。極めてレアな素材も使用されているために、特殊効果も豊富でありながら高いATKも実現している。

 □□□□□□□□□

 名称   特殊原料使用弾薬

 素材   各種素材

 品質   ☆×1

 耐久度  1:10(1/1,10/10)

 作製方式 上級分解降下方式

 装弾数  各種口径を揃える

 攻撃力  ハイレベルな値(平均的な数値の軽く10倍)

 効果   各種50種類以上(デバフ効果とバフ効果の両立)

 備考

 他の方式とは異なる方式によって生産された特殊なタイプ、☆×1としてはあり得ないほどの高い付加価値を持つ、また特殊な塗料により隙間なく塗られた結果、強力過ぎて限界突破というユニークなスキルも併せて使われているために、一般的なクリエイト級をぶっ飛んだ性能を持つ。

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 ▽装備変更

 ▽指輪使い。

 ウルカ:ファイター・タイプ、スパイ・タイプ

 ユウヤ:ファイタータイプ

 ツグミ:アサルト・タイプ、スナイパー・タイプ

 備考:レドは全種類。

 ▽PC使い

 テイマー型:レド、アリサ

 サモナー型:ヒリュウ、マイ、ユーリー、ユック、リード、チャイム、バッシュ

 幻神型:星空の記録全員(予備PC扱い)

 ▽PC(アーツ型)使い

 人型従者全員

 ▽従者シリーズへの変更

 従者全員

 ▽銃器変更

 サイドアームはグロッグ18C×2

 近接・中距離タイプ:ベネリM3、P90

 中距離・遠距離タイプ:P90、HK416、HK50

 重火器タイプ:MGL・140、NTW-20、RPG(使い捨て)

 アサルト・タイプ(強襲型):ラインメタルMG3、NTW-20/14・5

 使用弾薬:12ゲージショットシェル、5・7×28mm、5・56×45mmNATO弾、40×53mmグレネード、20×83mm、14・5×114mm、RPG。

 ▽装備変更終了


 □


 裏ショップでの装備を整え、大量の資金がお互いを出入りし、結果としてはそれ程の損失はない上に装備を強化できたことは喜ばしい。


 説明を聞いた後に、妖と機甲兵との融合を目指す集団の場所を強襲する。

 裏ショップのボスが手配したバスに乗り込み、従者が6名足りないがこの場合は仕方が居なと判断し、そのままバス停から降り、町の外れにある大きめな工場の正面に立つ。


「作戦は説明したとおりだ」

「了解。第02チーム行くぞ」


『南十字星』『生産者の心得』のプレイヤー6名、従者12名が突撃し囮となる。

 共闘PTの二つが手を組んだ一つのチームは派手に暴れて気を引きつけつつ殲滅を繰り返し的の消耗を強いる作戦の一環だ。

 余った従者3名分は割り振り、+3名までの従者を召喚できる。


 強襲したところで、スパイ・タイプのウルカが忍者刀の〝忍丸・壱式〟銃器の〝グロッグ18C〟を確認していた。

 ファイター・タイプのユウヤも愛用の双刀の〝虎徹・双刀式〟と愛用の十文字槍の〝十字星〟を確認する。

 アサルト・タイプのツグミは新しく購入した武装の銃火器の〝ダネルNTW―20・カスタム〟を確認する。このカスタム品は対物狙撃銃の20mm機関砲弾を撃ち込むタイプだが、今回の作戦に使用するためにチェーンされたタイプでもあり、強襲型により強化されたツグミが持てる最大量の弾薬を取りけてある。


 近くには唯一のサモナー型のヒリュウと従者の二人が確認中。

 サモナーメインのヒリュウは愛用のハルバードの〝ギガント・レイド〟と、使用する予定の銃火器の〝グロッグ18C〟と、〝ベネリM3〟と、〝P90〟の三種の銃火器を確認していた。ハンドガンの方はサイトアームで有り、ショットガンの方は近接火力戦用であり、サブマシンガンの場合は中距離戦用だ。

 従者のセリル、種族はドリアードの女性であり、戦技召喚士アーツ・サモナーの回復・支援・防御等の魔法を担当するタイプの、所謂の所のヒーラーで、使用する愛用の杖の〝ユニコーン・ブレス〟と、使用する銃火器の〝グロッグ18C〟のサブアームズのハンドガンと、中距離専用の〝P90〟のサブマシンガンと、遠距離戦用の〝HK50〟のスナイパーライフルを使う。

 ヒリュウの従者のアイリス、こちらはテイムエネミーであり、種族は水中戦を得意とするニクシーの女性だ。戦士職ジョブの槍使い(クラス)であり、重火器を好むタイプの女性で愛用の槍〝トライデント・スカイ〟と、使用する〝MGL-140〟を使用する。


 テイマーメインのアリサは、愛用の大鎌の〝リトルネイル〟と云う可愛らしい名前とは全く違った大鎌を持ち、愛用するのはハンドガンの〝グロッグ18C〟と、ショットガンの〝ベネリM3〟と、サブマシンガンの〝P90〟というスタイルだ。ヒリュウとはよく似た構成であり、使用する近接武器も似通る事から相性は抜群でもある。

 従者の種族ドリアードのフォルスト、戦技召喚士アーツ・サモナーの回復・支援・防御などの魔法も担当する。所謂の所のヒーラーの様な後衛で、使用するのは愛用の杖の〝サンシャイン・ラック〟と、〝グロッグ18C〟〝P90〟〝HK50〟というヒリュウの従者のセリルとはよく似た様な装備ではあるが、セリルが攻撃的なバトルスタイルに対し、フォルストはヒーラー的な一面の方が上回る。

 同じ従者のフォルゼン、種族はエルダーナイト、性別は男性という従者の中では数少ない男性だ。愛用するシールド・ガンレッドの格闘・防御用兵器の〝グランド・クロス〟に、対装甲用の為の使い捨て弾薬の〝RPG・カスタム〟は、極めて強力な塗料が使われているために一撃必殺の使い捨てだ。この為にサブアームズとしては強力無比な〝ラインメタルMG3〟も装備してある。


 軽装甲重火力の面々に対し、PTのレドは少し違う。

 使い始めた暗黒騎士剣の〝ダークネス・フェンサー〟と、竜騎士の小盾の〝ドラゴンナイト・バックラー〟に、愛用するハンドガンの〝グロッグ18C〟を二挺、ミドルレンジ用に〝HK416〟を使う。

 同じ様な武装の従者のピローテス、使用する暗黒曲刀〝ダークネス・ファング〟と、竜騎士の小盾の〝ドラゴンナイト・バックラー・カスタム02〟に、〝グロッグ18C〟の二挺、〝HK416・カスタム〟というレドのより軽量化された物だ。

 小さなリトルフェンリルのユキカゼは特に武装はないが、アイテムボックスには大量の特殊な使い捨て弾薬の〝RPG・カスタム〟が満載だ。


「各員潜入するぞ。練習通りすれば怖くない、という訳でレッツGO」


 気の抜けるような台詞ではあるが、別に手を抜いたわけでもないハイペースでの生産と、潜入の為の訓練もを受けたために少々お疲れ程度の物なのだ。

 HPは確かに回復できても、隠されてゲージである疲労度は有るのだと誰もが理解できる。


「ああ。忘れていた。全員ドーピングポーションは飲むぞ。効果は初回限定版としてはそれほど長くはない1時間もない59分だ。まあ味の方は俺の好みで高級蜜柑味だ」


 何かと芸の細かい男だとウルカは思う。手芸というべきなのか外も独特のポリシーの様な誰にでも使える美味しいものへ拘り、そんな風に言うべきなのか困る。


「次はマンゴー味で」

「僕は夏も近いしスイカ味かな」

「おう揃えておこう。ウルカはないのか?」

「蜜柑味が好きなのだ。ただ何の品種だ?」

「味的には蜜柑王だ。知り合いから分けられたオリジナルブランドだ。ちなみに一つ千円と高い」

「・・・それは蜜柑なのか?」

「見た目はな。まあまあ飲んでみなって」


 言われて飲むウルカ、味わいは糖度は程よく高くし、まろやかにした後に清涼感のある柑橘系特有の味わいに追加することもなく、さっぱりとしたフレッシュな味わいだ。

 飲み終わった後に、こみ上げるような舌を軽く刺激するほどの、よい甘みがなんとも楽しめる、珍しい味わいだ。


「これは良い」

「へーウルカでもそう言うのかぁ。なら試すべし」


 と言ってヒリュウが一気に呷る。

 ウルカの飲んだ味わいと同じような味わいが味覚を刺激する、2段構えの味わいが楽しめる割と味わえる物だ。


「珍しいね」

「珍しい?美味しいじゃなくて?」

「美味しいよ。でも珍しい」

「蜜柑味よね?」

「まあまあ飲んでみなって」


 アリサも一口で舐めてから味わいを確かめてから飲む。

 清涼感が割と好みの味わいだ。


「これは売れるわね」

「今度製菓でも取ろう」

「蜜柑アイスを所望する」

「いいね。ミルクから作ってこれを入れて」

「ママレードの様なジャム入りもよいわよ」

「でもあれは皮がいるからね」

「加えるのなら保存食と生ものは合うのか」

「うーん。もう少し考えてみるのもよいわね」

「おいお前ら、今から突撃だぞ?」

「珍しいなレドがそんなことを言うのは」

「まあな。同も何というべきか、嫌な感じがするのでな」

「嫌な感じとは?」

「思い過ごしとか、考え過ぎとかなら別によいが」


 珍しくレドが迷う様な歯切れの悪い台詞を吐く。

 付き合いが比較的長い三名でもこんなレドは珍しい。


「あんまり言いたくない、気分の好い物じゃないからな」

「ならよいが、でリーダーとしてはどう潜入したい?」

「囮が暴れている分あちらこちらが手薄だろう。だからこそではあるのだが、恐らくあるであろうと思われる個所から進む。人が暮らすのなら絶対にある物だ。ただまあこんな季節だしな。微妙ではある」

「もしかして通気口か?」

「いや下水溝だ」

「「絶対に嫌」」

「割と広いぞ?」

「「嫌」」

「なら別ルートか、まあ出来るかもしれないな」


 レドの視線の先にあるのは一つの建物、先程から放置された様々な作業機械がある。


「機械か、まああれなら楽だな」

「乗り物の資格は騎乗だけだぞ?」

「安心しろ快適とは言えないかもしれないが、適切ではある」

「僕は全く安心できないよ」

「あたしも全く安心できないわ」

「アイリス」

「ん?」

「身長は150cmだったか?」

「そうだが?」

「座高は?」

「70cmだ」

「なるほど、可能なのかもしれないが、ふむ」


(可能か、しかし、それだと単独で行動することになるし、かといって)


 レドはこのプランを破棄した。テイムエネミーの従者一人の単独有働は無謀過ぎるからだ。

 そうこうしている内に、中央の建物から機械の兵士、性格には機甲兵という乗り物型の二足歩行の機体と、四脚型という足が四個あるタイプの脚部を持つタイプの機甲兵が現れる。どちらも特別にチェーンされるているのか、動きが妙に滑らかであり、最大の特徴は武装らしい物がない、所謂の所の高機動な格闘戦タイプのような動きだ。


「ふむ。丁度良いか、MGLでの煙幕弾準備、同時これもな」

「RPGは良いのか?」

「別にいい。むしろ邪魔だろうな。頭の二つある兵器なんて何の役にも立たないのにな」

「そうなのか?」

「ああ。まあ馬に乗るのは良いが、その馬、言い換えれば騎獣との信頼関係のないモノが乗ればどうなるか分かり易いだろ」


 騎乗経験のある者はわかるほどだ。


「無理矢理融合させられた挙句に、乗り物扱いされた妖は、さぞご立腹だろうよ」

「気性の荒い乗り物は大変だ」


 フォルゼンがそういう。

 戦闘は思いの外苦戦することもなく、あっさりと破壊された二機、その後朱雀の1鳴きで当たりが爆炎に包まれ、周辺を容赦なく焼き尽くす。


「言わんこっちゃない」

「屋上の方にヘリを確認」

「だろうな。まあそうなるよな、近寄って破壊してそのまま潜入するぞ」

「「了解!」」


 星空の記録の戦いが静かに始まる。

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