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ねがい

 連休中、更新されたないのは……

 “女王はかえらない”が悪い!!

 おもしろすぎた

 小さい頃から憧れていた――


 乳母が昔、酒場で聞いたという吟遊詩人の詩を、まだ幼い私を寝付かせる為に聞かせてくれた。

 勇者が魔王を倒す為に旅をし、旅路の果てに魔王を倒す話。魔王を倒した功績に勇者は一国の姫と結婚し幸せに暮らす。他愛の無いその物語を私は好きになり、寝る前はいつもせがむ様になった。


 成長し、私にも婚約の話が出てくる。出てくる婚約の話は同盟国との結びつきを強くする為の政略結婚ばかりだ……私の意志はどこにある? もちろん王族に生まれた一人として責務を全うする気持ちはある……あるが、顔も見たこともない他所の国の王子と婚約されるのはごめんだった。市井の人の様に恋愛と言う物をしてみたかった……そしてできるならば――




 お飾りの父と大臣たちが話し合いを続けるうちに状況は変化する。

 魔王の出現。境界線に比較的近い位置にある私たちの国はその対応に追われるようになる。

 これはチャンスだと思った。私は顔も見たこともないどこかの豚王子と結婚したくはない。

 幼い頃よくせがんでいた話が私の脳裏を過ぎる。

 普段は笑顔を絶やさず何も発言しない私だが、魔王の対応の為に慌てふためく会議の場で、力強く言葉を紡ぐ。

「勇者様を、異世界から召喚しましょう」

 私の言葉を聞き、一斉にこちらを向く大臣たち。続けて私は言う。

「数年前、タビロホ国は自らを犠牲にして勇者を召喚し人々を守りました。私たちも同じ様に世界の犠牲となりますか? 国を犠牲に捧げ、守りますか? 世界を守り、我々と国民を守るために先んじて行動に移しましょう」

 自分たちの保身の為にだけは頭が働く大臣たちは、すでに私の言葉に耳を傾け頷いている。

 もう一息だ。私はトドメを刺しにいく。

「世界を守るために異世界から来て頂くのです。報酬も何もなしとは虫が良すぎます……国民の為、世界の為、魔王を倒した暁には勇者様には提案者である私自身を差し上げましょう」

 自身の身を犠牲にしてでも人々の平和を願っているとでも思ったのだろうか。眉間に皺を作っていた大臣たちも感動した顔で頷く。

 会議の場は、勇者様を迎え入れる準備の話へと移っていく……


 順調に勇者様が召喚される準備が整い、私はひとつ懸念していたことを解消する。

 過去の情報だと基本的に異世界から召喚される勇者様は戦闘をしたことがない。そもそも戦いとは無縁の世界からやってくるのだ。そんな人が目的もなく魔王を退治してくれるのだろうか……懸念を払拭する為、我が国に伝わっている返還の儀が記された書物を、パネェ宅急便で魔王の住処へと郵送した。




 私はただ、ただ全力だった。政略結婚をさせられない為に、私の心が燃えるような恋をしたい為に。

 それなのに……なぜ……

 ドアがノックされ入室を促す。

 現れたのは、ビキニアーマーを着た女戦士とデレデレした顔をした……私が召喚した勇者だ。

 もうどうでもいい……

 私の願いはこの瞬間に、完全に崩れ去った。


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