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おーくだっていきている

短めですがちょっと挑戦を

 この世界では別種の魔物が徒党を組むと言うことはない。人が集まり社会を作る様に、彼らもまた種族ごとにコミュニティを作り生活している。オークにはオークの、ゴブリンにはゴブリンの……各々で社会を作り、人間とは境界線を保って生活している。

 人の社会がそうであるように、集まり数が増えると統率するリーダーが出てくる。魔物のリーダーたちは仲間を取りまとめる為に努力を惜しまないが、長くリーダーとして統率していると解決のしようもない問題にぶつかることもある。例えば食料問題。仲間が増えれば増えるほど生産性は必要になってくる。狩りをして畑を耕し、それでもどうしようもない時に彼らは人の領土へと侵略してくる。ただ、ただ彼らも生きていたいのだ。


 それとは別に統率者が暴走して人に襲い掛かってくる時もある。

 勇が召喚される3年程前、人の領土へと侵略してきたゴブリンがいた。

 小さなな集落のリーダーだった彼は、後に人々から魔王ゴブ太と恐れられる。

 彼は狡猾でずる賢く、この世界の魔物としては異例なことだが、他の種族の魔物の村を襲い勢力を増やしていき、力をつけていった。

 一大勢力となったゴブ太の軍は、人と魔物の境界線にある国へと攻め込む。人類の防波堤となり、人と魔物の境界線となっていたその国の名はタビロホ国。

 魔王ゴブ太軍に果敢に交戦したタビロホ国だが、すでに一国を滅ぼせるほど巨大な軍となったゴブ太軍に太刀打ちできずジリジリと疲弊していく。そしてついには城にまで攻め込まれる。時の王は人類の為にひとつの決断を下す。

 異世界から勇者となるものを呼ぶことを――

 そして勇者に、先祖代々抜かれることのなかった伝説の聖槍を

使わせ人々の希望へとさせようとした。

 自国が滅びようとも人々を魔物の脅威から救おうと……


 さらに王は、異世界から召喚されこちらの世界がまるで分からないであろう勇者のため、自分の娘を勇者の従者として一緒に旅をさせるつもりで、当時13歳だった彼女を城から遠く離れた洞窟へと行かせ勇者のサポートができるように鍛錬をさせる。


 時が悪かったのだろうか……彼女が鍛錬中にゴブ太軍の侵攻は、さらに激しくなり、国が滅びる。

 彼女が鍛錬を終え、故郷へ戻ってきた時には、破壊された城と蹂躙された城下町しか残っていなかった。


 その後行く当てもなく旅をし、魔物を倒し続けていた彼女は風の噂を聞く。

 それは召喚が成功しており、タビロホ国崩壊の時に逃げ延びた勇者が自国の伝説の聖槍を手に魔物の軍に立ち向かっていく話。

 元々、勇者の従者となる為に鍛錬を積んだ彼女は、勇者と合流し祖国の無念を晴らす為、噂を頼りに勇者を追いかけることにした。

 一向に勇者と会うことができずに1年の時が過ぎる。そもそも先代の勇者は滅多に人前には顔を出さず、活躍は知られているが勇者の特徴すら曖昧で情報集めにさえ彼女はひどく苦労した。まだ14歳ほどの少女だ。見つけられないのも仕方がなかったのかも知れない……

 彼女が勇者を探している間に、勇者は魔物の侵略を押し返し、すでに攻勢は魔物の領土へと伸びていた。

 それから数ヶ月後、彼女は補給の為に立ち寄った村で、魔王が討伐されたことを知る。

 勇者を見つけられなかった彼女は、魔王を倒した英雄に感謝を伝えたい一心でその後も勇者の噂を集めていく。しかし不思議なことに勇者が元いた世界に戻ったと言う話も聞かず、その後の足取りは掴めない。時が経つにつれ魔王を倒したが人々と交流をまつまったくしてこなかった英雄は人々から忘れ去られていった。


 目的を失い、祖国の無念も晴らせなかった彼女は冒険者となる。旅を続け、せめてもの救いに目の前の人たちを異常な腕力で助けていく……




 セラ――滅びた国の王女の名だ。

 彼女は今、赤い髪を風になびかせ、軽薄そうな騎士の襟首を持ち、引き摺りながら勇と一緒に城へと歩いていく。


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