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たんさく

 良いお年をー

 森の中を進みながら、オークの集落を探していく。

 あのあと、復旧作業を手伝った私は宿の女将の好意で一晩泊まらせてもらった。

 お金がない私には助かった。

 一晩ゆっくりと体を休め朝食を頂いていると、村長からお礼を言いたいとのことで話を聞きに行き、集落の経緯を教えてもらった。

 集落か……ちょうどいい、青い鳥もそこにいるのだろう、探すついでに魔物たちも退治しよう。

 そう言えば、村長に聞いたが私を手助けしてくれた黒髪の少年は勇者らしい。

 どこかで見覚えがあると思ったが、私が聖剣を手に入れるときに順番をゆずってくれたあの少年か……

そう考えながら森の中を探索していくと私の耳が豚の鳴き声を捉える。

 声のする方へと向かっていった。


 木陰に隠れながら、慎重に声がする方を観察する。

 確かに、そこには集落ができていた。

 周囲を木の枝で粗末に作った柵、入り口には門などはなく開け開かれている。見張りだろうか? オークが1匹立ちながら眠っている。

 聞こえてきたのは、このオークのいびきか……

 中はここからでは見えないが、建物が作られているようには見えない。

 オークは人のように集まり、生活していく習性がある。討伐されていないオークの集落は人の町のように発展していく。それを考えると、この集落はできたばかりなのかもしれない。村を襲ったのも資源の獲得が目的か?


 私は思考を切り替え考える。

 こんなに村の近くに集落があるのだ。もし魔物たちを取り逃がした場合、村へとまた被害が出るかもしれない……ここは、慎重に、一匹残らず退治したいところだな。

 私は、見張りへとゆっくりと近づき、寝ているオークの顔に拳を叩きつけた。

 ……力加減を誤ったのだろうか? 地面に叩きつけるつもりで殴ったのに寝ていたオークは地面を滑りながら、集落の中心へと飛んでいった……

 ……しょうがないな。慣れないことはするものじゃない……いつも通りにいこう。

 私が殴り飛ばしたオークに気づき怒声をあげ近づいてくる数体のオークを見ながら思った。




 私に近づいてきた数体のオークに向け、聖剣を振るい叩き潰していく。

 思ったよりも魔物が少ない……ノカコド村への襲撃の時に粗方、退治していたのかもしれない。

 暴れまわりながら観察すると、怪我をしているオークも多数いる。怪我を圧してでも集落を守ろうとするか……考え方は人に近いはずなのに、なぜ共存する道を選ばなかった……せめて……村へと襲撃をかけなければ。森で静かに暮らしていれば。こうして私がここに来ることもなかっただろう……


 周りの魔物を退治し終え、周囲を確認するとこれだけの騒ぎの中、焚き火の前で黙々と鍋を食べているオークが目に入った。

 家宅侵入オークだ!!

 家宅侵入オーク。群れ、単体を問わず人の集まっているところへと進入し、民家に突撃する。人に危害を与えることはないが食料を奪っていくオークだ。奴らの突撃は主に晩御飯時が多く、夕食を一口食べ、おいしいと感じると奪い去っていく。

 ただ、大して美味しくないと厚かましい豚の声を響かせながら帰っていく。

だったか……

 よく、仲間がやられている中で食事をしていられるな。

 私を見ようともせず、黙々と鍋を食べているオークを蹴り飛ばす。

 もったいないな……


 私は、鍋を食べながら異形のオークと青い鳥を探して集落の奥へと進んでいった……


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