表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ルピナス  作者: 桜庭かなめ
最終章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

146/302

Memories 6

 部活か。

 俺もかつては剣道部に所属していたけど、唯の死をきっかけに剣道を辞めることにした。剣道ができなくなった唯に申し訳ない気がして。

 それと、剣道をすることが怖くなってしまったからだ。

 唯が亡くなった事件があってもずっと続けている笠間の影響や、高校入学という一つの節目で剣道をもう一度始めようかと思った。だから、高校を入学して剣道部の見学をしてみたんだ。

 月原高校の剣道部は男女では別れていないため、もちろんそこに竹刀を握る女子生徒の姿があった。素振りをする女子生徒もいれば、防具を付けて実戦形式で練習する生徒もいた。当たり前だけど、全員が一生懸命練習していた。その風景を見て、剣道はやはりいいものだと思う瞬間が何度もあった。

 しかし、練習後に汗を流しながら、爽やかな笑みを浮かべる女子生徒達が、唯のように見えてしまったのだ。唯もいつも練習後は汗を流し、頬を少し赤らめながら笑っていたから。


 ――唯から剣道を奪ってしまった。


 そんな罪悪感を抱き、再び剣道をすることが怖くなってしまい、勇気が出なかった。それはその日以来、見学もしなければ入部することもなかった。



 そういえば、俺が見学に行ったとき、もう既に入部していた同級生がいたな。女子生徒なのは覚えている。あと、その子は妙に気合いが入っていたような気がする。返事をするときなどの声が大きかった。面を被っていたから顔は覚えていないけど。

 その女子生徒は今も剣道をしているのだろうか。きっと、しているだろう。当時のやる気が続いているのなら。

 俺は、彼女ほど剣道にそこまでやる気があって熱くなっていたのだろうか。いや、それはないだろう。それならきっと、唯が死んでも普通に続けていただろうから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お気に入り登録、評価、感想、レビューなどお待ちしております。よろしくお願いします。
小説家になろう 勝手にランキング ツギクルバナー

最新作『高嶺の花の高嶺さんに好かれまして。』は全編公開中です。学園ラブコメ作品です。宜しくお願いします。
『高嶺の花の高嶺さんに好かれまして。』のURL:https://ncode.syosetu.com/n3283fx/

『アドルフの微笑』は全編公開中です。学園ラブストーリーです。宜しくお願いします。
『アドルフの微笑』のURL:https://ncode.syosetu.com/n1088ft/

『管理人さんといっしょ。』は全編公開中です。同居&学園ラブコメです。是非、読みに来てみてください。よろしくお願いします。
『管理人さんといっしょ。』のURL:https://ncode.syosetu.com/n9156fn/
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ