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天使(笑)にパシられてます

作者: 明日香
掲載日:2013/09/15



「おい!さっさと買ってこいよ!この愚図!」



私の目の前でさっきからギャンギャンと吠えているのはいったい何なんだろう。

というか、何故私がこの男の昼食を買わねばならんのだ。

その思いは今でもある。だが、私が買ってこない限りこの私への罵倒は止まるどころか勢いをつける。

以前昼休みのチャイムと同時に逃げたら私の鞄がグランドに落ちていた。砂まるけの教科書とノートはジャリジャリして不快極まりなかった。ありえん。

だから私は身を守る為にこいつの我儘を仕方がなく、聞くのだ。

自分自身にそう言い聞かせてなんとか気持ちを鎮め、口を開いた。


「……すみません。」






そう言って焼きそばパンとゼリーとフルーツ牛乳を買って渡したが、不味い!とか言ってゼリー以外の物を食べた。それだけで済めばいい。

だが、こいつは口直しだとかなんやら言いながら私の弁当をたいらげた。その後に続くのは弁当への文句。しね。


私は目の前で腹を満たして満足げに座ってる男を俯きながら睨み付ける。

染めなくとも日に少しでも当たると茜色に輝く髪はふわふわとしていて、

大きな瞳の色は薄く、まるでガラス細工のような透明さ。

そしてすっと通った鼻筋に形の良い唇。

美少年というより美少女の様な容姿をしている。

おまけに頭脳明晰、スポーツ万能で言うこと無し。

この前クラスの女子がこいつの事を天使だとか妖精だとか言ってた気がする。

まぁ、中身は最悪だけどな。


この男、藤條 楓は私の幼馴染み兼、天敵である。

昔は私の後を鬱陶しいぐらいに付きまとっており、私に置いていかれる度泣いていた。当時はそんなところが嫌いだったし、面倒くさかったが、今考えると可愛く感じる。だが、今ではこんなクソ男になってしまっている。

何処で道を間違えたのか不思議だ。


気づいたら始まっていた私への暴言は日常茶飯事になっていた。たしか小学校4、5年生ぐらいから始まった気がする。

私だって最初からこんな事に付き合ってた訳じゃない。

反抗だってしたし言い返したりもした。だけど、その度に様々な嫌がらせをされた。

ある時は蛙をランドセルに入れられたり。

またある時は雑巾を投げつけられたり。

そしてまたあるときは綺麗なお顔と涙を使って私を悪者に仕立てあげた。



そのうちに私から人は離れていき、反抗するのも面倒くさくなって今の私が完成された。



睨み付けていた私に気がついたのか奴がこっちをさっきからチラチラと見てくる。うざ。


「おい…。」


恋する乙女みたいな事すんなよとか心のなかで毒づいていたら急にかけられた言葉。


「腹、減ってんならこれでも食えよ…。」


頬を赤く染めながらさっき私が買ってきたゼリーを差し出す天使(笑)。どうやら私が弁当とられてショックだったとでも思ったらしい。

そう思うなら弁当食うなよ。まあ、自分の分はこうなると思って別で用意してあるけど。



まぁ、ここで逆らえば後が面倒だ。大人な私はありがとうと呟いてゼリーを受けとる。


昼休み終了まで時間が無い。早く帰って便所飯しなければ。

教室なんかで食べれる訳がない。幼馴染みでありパシリにされてる私は何故か女子の方々から目の敵にされており、教室で昼食をとった暁には何かアクションが起きると予想している。女の勘がそう告げている。

というか、以前教室でご飯を食べていたら横から雑巾が飛んできた。運が良いのか悪いのか落ちた唐揚げを拾おうとして当たらなかったが、結構びびった。


それ以来はこいつから屋上に呼び出されるようになり、私はこいつと食べるときもあれば一人静かに便所飯を堪能するときもある。


この学校、私立だからか設備だけは無駄に整っている。

トイレも個室一つをとってもとても広く、常に誰かが掃除しているかのように綺麗だ。おまけに消臭機能みたいなのがあるのか、トイレ独特の臭いが無い。森のような爽やかな香りが常にしている。正直にいうと住みたいぐらい居心地が良い。


さっさと帰りたい私は頭を下げ、屋上の扉へ向かう。


「ちょ、待てよ!!」


ドアを手にしたとき、私の肩に力がかかる。結構痛い。


何事かと思って肩を掴む手の先を見ると、顔を赤くしながら俯く楓。

残念な事にこいつ、背が低い。もしかしたら私より低いかもしれない。

だから表情が見えないのが惜しい。



「……で……ろよ…。」



は?




「だから、ここで食べろよ!!」



顔を上げた楓は頬が赤く色づき、目は涙で潤んでいた。おまけに噛み締められた唇はふるふると震え、白い肌に反して主張するかの様に綺麗な赤色。

おいおい、この美少女はなんなんだよ。女の私より女じゃないか。これ、男が見たら禁断の扉開いちゃうわ。

軽く殺……苛立ちを感じた。決して殺意とか感じてないから。うん。



そんなわけで私はこいつの要望通りゼリーを食べた。

苺の甘酸っぱさがふわりと口に広がり、自然と口角が上がる。

幼いときから好きなこのゼリーは私の好物だ。たしか楓も好きでよく楓と取り合いになって喧嘩したっけ。

結局はあいつが天使の泣き顔を周りの大人に見せて私から毎回奪ってたよな。それで悔しそうな私の横で笑顔で食べてたっけ。あ、ちょっと苛々してきたわ。



あぁ、明日もパシられるのか……

卒業まで続くのだろうか。もしそうだとしたら引きこもりたい。そろそろ関わりを断ちたい。



ちらりと楓の方に私は視線を移してみた。


うん。取り敢えず、男も悩殺してしまう様な艶っぽい顔でこっちを見ないで欲しい。鳥肌が立つから。いや、ほんとに。


最近ふとして楓を見るとこんな顔で見られてる時がある気がするようなしないような。


これは新手の嫌がらせでしょうか。



取り敢えず、卒業するまでパシられない方法を探したいと思います。






因みに鞄をグランドに捨てたのは嫉妬した女の子達です。

主人公の名前は出てきてませんが、藤堂 ひなたといいます。


またまたぐだぐだですみません…(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

少しずつ直していきたいと思います。

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