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1 噂

BLです

苦手な方はお読みにならない方が賢明です


18禁のレベルが分からない為、途中で

削除されていたらスミマセン

うちの学校には特殊なシステムがある。


私立にある意味ありがちではあるが、

もともと進学校で、入るのだって相当

苦労したというのに更に……


C~以降は普通コースBは準特進、Aは特進、

そして超特化クラスとでも言うべき

全てにおいて別格扱いの”AA”というクラスが存在するのだ。


このクラスのみ10人以内で構成されていて

学年で当然10番以内。しかも全国模試50位以内

だかなんだかの条件付。


このクラスに入るのは並大抵の事では無いんだけど、

わざわざこんなふざけたモノが存在するのには

それなりの理由がある。



学校側には有名大学への進学率の向上。

“AA”卒業生の名前やその就職先・地位

たるや俺ですら名前だけでも知ってる奴は多い。


従って、寄付もパねぇから潤うし

自然、設備・環境の揃いまくったうちに誰もが来たがる、

つまり”AA”の存在=格好の宣伝材料の一環って訳。

目の色変えた優秀な受験生と親が多くなり、名立たる名門

に成り上がる目論みタラタラの図式が成り立つ、って寸法。



まぁ学生にとっても学費は全額免除どころか

学食、制服、備品至るまでこのクラスに在籍してる

期間は全保証付き。


厳しい競争の先には前にも

言ったとおりの揚々たる未来が約束されてるし、

付けてるピンタグもタイの色もAAのみ違う。


つまり、何よりも他の学生や先生からさえ

尊敬と畏怖という得難いプライドと名誉の付与の

超おいしいオマケ付なのだ。



だから、この学校に席を置くもの皆が一度は

そのタグやタイを着けてみたいと憧れる。


で、必死にお勉強してまた偏差値が上がるという仕組み


まぁ、学費免除や努力に見合うだけの恩恵と旨味が

生徒と学校側に充分過ぎるだけあるって訳さ。


実にエゲつないシステムだ。



……俺には関係ないけど。







の、筈だった。


事情が変わったのはつい先日のこと。


教室に入ると何だか皆、やけにザワついてる

何事かあったのかと思いつつ机に着くと、

すかさずダチの小西がやってきた。


「噂聞いたか?」


「ウワサ?」


「副担が手術休暇取るじゃん、その代理誰と思うよ?」


着いた早々質問と謎々かよ……メンドクセー。


「さぁ……」


いまさら誰でも良いし、

そんな俺の態度に業を煮やしてか単に言いたいだけなのか

すぐさま回答を有難くも教えてくれた。


「あの十朱だって」


「……お前さ……驚かせるならもっと面白いこと言えよ」


ったく、有り得ねぇ。



十朱と言ったら”AA”専属じゃんよ。


専属――


例の超エリート集団の”AA”クラスを

教えるのは一般教師ではない。


この学校で選び抜かれた専門教師陣達のみだ

しかも、その並み居る教師の中でも

十朱大先生は、はえ抜き中のはえ抜き。


なのにその主任の座を「若輩者ですから」と自ら断ったとの

逸話を持つ曰くつきの人物なのだ。



他の先生からも一目も二目も置かれてる

所詮、俺達一般生徒がおいそれとは口をきくことが

無い別格の教師だ。


見かけ、コレがフツーのおっさんならそこで

終わる話なのだが、

この学校で一番俺達に近い年齢という若さで。


しかもだ、加えてこの男子高で嫌味なぐらい浮き立つ程の

美形ってのは限りなく詐欺に等しい。


そういう意味でも、

間違いなくこの学校で一番の有名教師だった。



そんな大先生が、


「副担とかでもうちなんかのクラス受け持つ筈ねーじゃん」


一笑に伏しても尚、小西はしつこく食い下がってくる。


「だって担任の宮っちがさっきスゲーはしゃいで

受けてくれそうだって言ってたんだぜ」


「はぁ、宮っちのことだから

大方そんな夢でも見たんだろうよ」





「ありえねーての」



挿絵(By みてみん)

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