序
残酷描写ありとタグをつけましたが、必要以上の残酷描写はしません。
とは言え、戦争場面や暗殺なども描く予定なので一応の予防線として。
読後感は、軽めのファンタジーにするつもりですので、よろしく。
「なんて、美しい……」
狭いカプセルの中に、小さな体を折りたたむようにアムネ姫は収まっている。
『うん……綺麗だ』
土岐洋介は、感動していた。
彼らの眼下には、青い巨大な球体があった。
惑星『ファレン』--彼らが『ファレン・ハン』と呼ぶ、世界そのものだ。
青い球体は、単色の青ではない。
濃い青から淡い青、点々と白い模様、緑やオレンジや茶色。
万華鏡のように複雑に色が重なり変化してゆく。
だが、それでも、この惑星の色は『青』だった。
自分の設計した宇宙ロケットに乗っているのだ。
操縦しているのだ。
それは、洋平がただの夢と諦めていた目標だった。
(僕は、ここまできた。姫様のおかげだ……)
だが、それは洋介の夢が叶っただけ。
アムネ姫の夢には、まだ届いていない。
『軌道を変えます。姫様、よろしく』
「分かりました。操縦は任せます」
アムネ姫がシートの前にある魔法球に手をかざし魔力を送る。
すると、シートの後ろで振動が起こり、カプセルが少し加速した。
『進路 ヴォードへ』
洋介と姫を乗せたロケットは、徐々に軌道を上げてゆく。
ここで、物語は、この数週間前へと時間を戻す。
前作では未完で終わってしまいました。すいません。
今回は、少し書き溜めて作品イメージを固めました。
文章も数回書き直し、キャラも気に入ったものができました。
なんとか、完結までもっていくつもりです。
どうか、よろしく。