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501~600話まで(9/28~10/25)

Xに載せている140字小説のまとめです。

詩のような余韻のある物語を目指しています。

よろしくお願いします。


9月28日

『現代妖怪たち』

神無月には神様たちが出雲に集まるが実は妖怪たちも集まるのである。

「なんだ見ない顔だな?」

「あぁ、妖怪文字化けよ」

「…また新しい妖怪が増えたのか」

「貴方だって江戸時代生まれの付喪神でしょ私から見たら新参者だわ」

「スマホ妖怪が増えたな」

「あれは?」

「妖怪ストレートネックよ」


『転職』

職業安定所に白いワンピースを着た女性がやってきた。

「転職を考えてるんです」

「前職は何をされていましたか?」

「…そのビデオ関係のお仕事を」

「映像関係という事でよろしいですか。YouTubeなどの動画製作会社からの求人がありますが…」


しばらくしてYouTubeに貞子が出るという噂を聞いた。


『ある落ち葉の話』

1枚だけ木の枝の先に残った葉っぱは不安な気持ちを抱えておりました。

木枯らしが吹きます。

雪が積もります。

やがて梅の蕾がほころび花が咲きました。

桜の季節がやってきました。

そして若葉が一斉に目を出します。

年老いた葉は安心して若葉達を見守ります。

そしてゆっくり舞い落ちて行きました。


『ベランダのライブ』

今日はみんなでナイトライブだ。

会場に行くとみんなが聞きほれている。

ノリの良い音楽に激しいシャウトが聞こえて会場は大盛り上がり!

ステージに浮かぶ影。

みんなキラキラ目を輝かせてステージを見つめる。

ふいにカーテンが開いてスター登場!

聞いていたのがバレちゃったニャー!


9月29日

『雨天妄想』

激しい雨が降っている。

このまま降り続けたら、海になってしまうかもしれない。毎日泳いで魚を取ったり貝殻を拾ったり、人魚と友達になるかもしれない。

ずっと海で過ごしていたら半魚人になるんだ、そしたら海の中にお家を作ろう。


…なんて考えていたら雨が上がった。


『弟』

人混みの中ではぐれて一生懸命、弟を探す。

大きな声で名前を何度でも呼んで。

弟の背格好を通りゆく人々に説明する。

…だけど弟の背のはどれぐらいか、どんな服を着ていたか、いやどんな名前だったか…


どんなに思い出そうとしても思い出せない。


…そもそも弟なんていたのだろうか。


『雨傘』

玄関先の傘立ての男物の傘を捨てられずにいる。

付き合っていた彼が使っていたものだ。

土砂降りの雨の日に駅までこの傘をさして私の傘を片手に迎えに来てくれた。

別れて随分経つのに…

大きなサイズで使いやすいから、そう理由をつけてその傘をずっと使っている。


…彼の背を腕をその手を思い出す。


9月30日

『夢ねこ』

夜の空を飲み込んだ猫は星のきらめきの瞳をしていた。一声、ミャアと鳴いて夜の街を歩いて行く。

公園でうずくまっている人に寄り添って、捨てられた夢たちをほんの少し分け与えて。

ほらもう朝日が登り始めたよ。

猫はミャアと泣いて、女の子の布団に潜り込んだ。


…ゆっくりと夢うつつ。


『今朝見た夢』

夢の中で時間が10年巻き戻っていた。

幸福な毎日が繰り返していて違う10年がその先にあった。それはそれで良い未来かもしれない。

だけれど私の息子がいない。

10年の間に生まれて育った私の息子がいない。

毎日とても大変だけど。

悲しくなって泣いていた。

…そこで目が覚めた。


『人生ボタン』

人生を何度でもやり直せるリセットボタンを作った。

カチャリ私は経営者

カチャリ私はモデル

カチャリ私はスター

カチャリ私は女王様

カチャリ私は…

カチャリ、カチャリ…ボタンは壊れてしまった。

結局何になっても満足できぬまま、人生ってなんてつまらないんだろう。


『月が綺麗ですね (秋の夜長版)』

コオロギの歌声が聞こえる。

もうそんな季節になったのか。

虫たちが恋をして愛の歌を歌う。

涼やかな夜風に吹かれて、外に出てみれば星の美しい新月。

焼酎を飲みながら、ふと君の笑った顔を思い出す。

…月が綺麗ですね。

月のない夜に僕はそう言った。


あゝ、君が満月だったんだよ。


10月1日

『紅葉の錦』

私はあなたに恋をした。

黄色い綺麗な銀杏さん、なんて素敵なんでしょう!

恋で私は紅に染まり、風がそよそよあなたの葉っぱと私の葉っぱを舞い落とさせる。

あなたの葉っぱが私の所に、私の葉っぱがあなたの所に落ちてゆく。

私の紅とあなたの鮮やかな黄色が混ざり合って地面にはほら見事な錦織物。


『月が三重なる世界で』

異世界転生…なんて言葉が流行ってたりするけれど、この世界の美しい月はどんな魔法より僕にとっては強烈だった。

異世界に転生したところで自分の持っているもの以上のことはできない。スキルがあったってうまく利用できるかどうか結局本人次第。

美しい月の下でただ幸福に生きてゆくそれも悪くない。


10月2日

『新しい靴』

新しい靴を玄関でトントンと踏み鳴らす。

今日がやってくる、新しいリズムだ。

トントン、トントン。

新しい靴を履いて出かければ、ふわり 秋の空に登って行くみたい。

素敵な1日が始まる予感がする。

幸せは足元から、玄関を開けて勢いよく歩いて行った。


10月3日

『半額シール ほど好きなものはない』

食パン6枚切りが半額になっていたので買った。

食費が高いので有難い!

賞味期限は今日中だが6枚のうち2枚はハンバーグに入れて残り4枚はホットサンドを作って晩御飯に出した。

「わー!今日はハンバーグだ」

「へぇ、夕飯でパンなんて珍しい…」

よかった…


『朝の擬人化』

私が来るのがこんなに疎まれる時代が来るとは思いもしませんでした。

みんな昔から、私がくればその光を喜んだものです。

今は夜の静けさの方が愛されているのでしょう。

ゆったりとした幸せな気持ちで私を迎え入れてくれた人々はもう わずかばかりになってしまったのでしょうか。


私は朝。


『夜の擬人化』

みんな私が来れば静まり返ったものだった。

それが今はどうだろう。

都市はまるで昼間のような明るさだ。

私は昼間を知らないけれど、騒々しくって目も当てられない。

結局みんなが昼間が好きという事だろう。

私の存在は必要ないのだろうか…


私は夜。


※朝と夜で1セットでお読みください。


『着信音』

カーペットに投げ出したスマホを見ながら悲しい気持ちで胸の中はいっぱいだった。

彼からの返信…

来るはずなんてないのに。

ケンカ別れした一昨日の夜。

『ごめん』その一言が送れず、ずっとスマホを持ったままだった。

もうだめかも、そう思った時着信音が鳴った。


彼からの返信『ごめん 』と一言。


『星の降る夜』

流れ星に、お願い事したい事がいっぱいあるの。

だけど流れ星ってすぐ消えちゃうでしょ。

だから「たくさん流れ星が降ってきますように」ってお願いしたの。

そしたらたくさん流れ星が降ってくる様になったの。

パパはなんとか流星群だって。

いっぱいお願いしちゃお!


『手品師のように』

ほんの少しあの子の目をそらせていたかった。

だから話題を変えてあの子の目を引くように必死で話した。あの子が見ればきっと傷ついてしまうから。

手品師が観客の目を引きつけて手品のネタがわからない様にするように。

あの子は気づかなかったみたい。


…胸の内に生まれた罪悪感。


10月4日

『箱いっぱいのリンゴ』

しまった!

箱いっぱい買ったリンゴが傷んでしまった。

あまりにもったいないので皮をむいてリンゴのコンポートにする。

お砂糖にレモン汁しっかりくつくつ煮込んでヨーグルトに入れたりホットケーキに入れたり。

「美味しいママもっと作って」

えー…もうなくなっちゃったの。

また買って来なくちゃ。


『ハロウィンが待ちきれない!』

10月になった。

息子が1年のうちで一番楽しみにしているハロウィンやってくる!

100均に行って色々とハロウィン グッズを買い漁る。

オリジナルの仮装準備もバッチリだ!

「ねえねえ母ちゃんシャツに血のり付けたんだけど!包帯ちょうだい!」

……落ち着け息子よ、ハロウィンはまだ3週間以上先だ。


10月5日

『黒猫』

「ママ怖くて眠れないよ」

「はいはい後でママも一緒に寝てあげるから先に寝てて」

「お化けがこっち見てる」

「おばけなんているはずないじゃない」

そう言いながらママは部屋に入ってきた。

暗がりにキラキラ光る2つの目。

正体は僕だ!

深淵を覗くものは深淵もまたこちらを覗いているのだニャー!


『魔女の帽子』

「ママあれ買って」

「いいよ」

「やったー」

100均のハロウィンコーナーで売っていた帽子を買ってもらってご機嫌な女の子。

その夜に夢に魔女が出てきた。

「あら素敵な帽子ね!初めまして小さな魔女さん、魔女のパーティーにようこそ」

夢の中でお菓子をいっぱい食べて空を飛んで魔女って素敵だな。


『パンプキン』

南瓜が大量に実家から箱入りで届いた。

ぎっちり詰まった南瓜は美味しそうだが途方にくれる。南瓜スープ、南瓜の天ぷら、南瓜の煮物、朝昼晩の南瓜づくし。

「ねえママこれでカボチャお化け作っていい?」

「うーんあれオレンジの皮だしこの南瓜だとイマイチかも」

「そっか〜」

今日も南瓜の晩御飯。


『お化け屋敷』

夏が終わるとお化け屋敷で働いていたお化けたちはとっても暇である。

「…退屈だな」

「最近、巷ではハロウィンってやつが人気らしい」

「なんだそれ?」

「子供達がお化けの格好して、あちこちお菓子をもらいに行く祭りだ」

「じゃあ俺たちも町に行ってお菓子をもらおうか」

「いいね!そうしよう」


『月とコウモリ』

人間は死んだら魂は蝶の姿で天に登って行くという。

葬式の晩に月の空に登って行くコウモリの姿を見ながら、あいつの魂はコウモリの形をしているのかもしれないと思った。

月がなければ、コウモリの姿は夜に溶けて見えはしないだろう。

静かにひっそりと天に登って行くあいつを見送った。


『彼岸花の咲く道』

私はどこか暗い道を歩いている。

両側に広がる彼岸花の花畑。

隣を歩いている人の顔が見えない。

その声は聞き覚えがあるものだった。

何の話をしていたのだろう…

「私はもう向こうに行くから、あなたもおかえり」

そう言われ別れを告げた。

その声を聞いて思い出した。

死んだ友人の声だった。


10月6日

『ペロペロキャンディとお菓子』

子供の頃ペロペロキャンディが憧れだった。

親に買ってもらったけど、いざ食べようとしたら大きすぎて、終いには飽きてうんざりしたのは懐かしい記憶。

「ペロペロキャンディ買って」

お祭りで息子に言われた。

苦笑いして、「いいよ」と言ったけど果たして食べ切るだろうか。


『お月見パーティー』

今日はお月見!

パーティーがあるから色々準備、人間の姿に変身してスーパーでお菓子を買ってきたよ。

空にはぼんやり朧月夜。

変身がポンととけてタヌキの姿に戻っちゃった。兎さんも狐さんも一緒にお月見パーティー。

お月見は地球でするのが一番だって兎さんが言った。


『電話』

ふと、親友だったあいつの事を思い出した。

きっかけはTVで流れていた音楽。

一緒に軽バンド部で演奏した曲だ。

どうしているだろう。

電話をしようと思って小学校の頃のアルバムを探した。

あいつの実家の電話番号。

…いや多分、繋がらないだろうが。

「もしもし」

あいつの声と子供の声が聞こえた。


『ひとりの月』

月がぼんやりと滲んでいた。

終電はとっくに過ぎてしまった…

そういえば言えば今日はお月見だっけ。

コンビニで晩御飯を買って会社の近くのカプセルホテルに泊まる。

大事な企画書を仕上げるまでと思っていたら、12時を過ぎてしまった。


カプセルホテルで飲む缶ビールは、

どこか月の色に似ている。


10月7日

『フランケン』

私はフランケンの怪物みたい。

一生懸命、親に愛されたくて頑張ったけれど最後まで愛してもらえなかった。

別れをつけて随分経つ。

ふと、親から見て私は自分とは違う恐ろしい存在だったのかもしれないと思った。

…怪物の子供。

それでも両親を愛していると言ったら滑稽だろうか。


ふと涙が出た。


『息抜き』

こっそりとカフェでお茶。

たまにはそんな息抜きだって必要だよね。

毎日毎日大忙しだもの。

ハロウィンのディスプレイで街中溢れ返ってる。

このお菓子息子が好きそう!

夏物のお洋服がバーゲンになっているから息子のシャツを買っちゃおう。

…だめだやっぱり家族の事ばっかり考えちゃうな


『夢の中の夢』

夢の中から抜け出せない。

一生が終わる頃、死の間際になってこれは夢だと気がつく。

目を覚ませば私の別の人生がある。

そしてまた死の間際になって気がつくのだ。

…これは夢なのだと。

今ここに書き込んでいる私も夢なのかもしれない。


うたたかな夢の中……


『10月のお月様』

空には小麦色したハーベストムーンが輝いていた。

収穫された金色の稲穂の様な綺麗なお月様。

「なんだか美味しそうパンケーキみたい」

月を見ながら息子がそうつぶやく。

「明日の朝食パンケーキにしようか」

私はそう言うと息子はパッと目を輝かせた。

「やったー」

翌日お月様みたいなパンケーキ


※10月の満月はハーベストムーン(収穫月)っていうそうですよ。


10月8日

『ゴースト』

「僕はゴーストだ、お前を食べちゃうぞ!」

「バカなこと言ってないで寝なさい」

ママに怒られちゃった。

シーツを外してお布団に潜り込む。

お化けはいいな、ふわりふわりと空を飛べるし どんなに夜更かししても怒られないんだもん。

僕もちょっとの間だけ、おばけになりたいな!


『秋の空より嵐』

女心と秋の空と言うけど心はそんなに気まぐれに変わったりしないの。怒っているのに気が付かないのはあなたが鈍感だから。


…あぁ、これはまた何かやらかした。

扉を開けると誰もいなくなっていた。

家の中はもぬけのから。

急いで妻の実家に電話。

音信不通で繋がらない。


『月明かりと子ウサギ』

宵闇の中に満月の光が差し込んだ。

暗い森は明るく照らされて月影ができる。

一人で泣いていた子兎は顔を上げた。

お母さんお母さん、どこ行っちゃったの…

お母さんはきっと帰ってこない。

気がついていたけど野ばらの間から出て行く事ができなかった。


兎は咲いていた野ばらを一つ食べ涙をぬぐう。


『毛布』

肌寒くなってきたので毛布を出した。

しっかり洗って天日干し、ふわふわの毛布は柔軟剤の優しい香り。

包まれたらぬいぐるみに抱っこされてるみたい。

優しく夢の中へと誘われ、赤ちゃんに戻ったみたい。

不安な夜がほんの少し優しくなって、子守歌のゆりかごの中みたい。

星がきらめき歌います。


10月8日

『高齢化社会』

体中歯車がギシギシ軋んでいるけど、表面だけは綺麗に修正する。皮膚や音声のメンテナンス。

一見すれば、もう故障寸前だなんてわからないだろう。

だからお願い私を愛して。

あなたが死ぬその日まで、私を捨てないで。


「また老人の孤独死ですか…」

「あぁ、ボロボロのドロイドと一緒にな」


『真夜中のドライブ』

街を照らす灯りはもうはるか遠くになってしまった。一人 空を見ながら車から降りて煙草を吸う。

煙がライトに照らされ白く闇の中に消えてゆく。

諦めていた事を全部しようと思う。

ちっとも上手くいかない人生だけど…

成功者にはなれない。

だけど自分の事を失敗したとは思わない。


人生の道は長い。


10月9日

『クモとクモの巣』

朝早起きをしてお庭に出たらクモの巣がかかっていた。雨粒がキラキラ輝いて綺麗だな!

クモってすごいな!

こんな綺麗な雨粒のネックレスを作れるんだもの。


『遺灰』

「俺が死んだらさ…骨は川へ流してくれよ」

冗談みたいに貴方が言っていたこと。

だから本当にこんな日が来るなんて思わなかった。

さらさらとした真っ白な遺灰。

締め切った川の水の中に落ちてゆく灰。

透明な水は全て飲み込んで小さな小さな泡で包んで、あの人は溶けていった。


……後には水の音。


『マリオネット』

糸を外したマリオネットはこっそりと人間の街に紛れ込んだ。

うまく人間のふりをして生活していた。

しかし一体どういうことだろう?

言われた通りにしか動かない人間が多すぎる。

彼らは本当に人間なんだろうか。

僕と同じマリオネットなんじゃないだろうか。

見えない糸が絡みつき誰かに操られてる。


10月10日

『ドラキュラ』

ドラキュラになったら朝寝坊できるかな。

朝の光ってとっても苦手。

まぶしくって、まだまだ寝ていたいのに!

でも血を飲むんだっけ?

なんだか怖いな!ぼくトマトジュースも苦手!

だからやっぱり人間でいいや。

大あくびをしてゆっくりと起き上がる。

早くしなさいってママの声。


『あなたになりたい』

私うまく人間になれたかな。

あなたの目を移植したし、あなたの皮膚も移植したし、あなたの心臓だって…

私あなたになりたかったのよ。

ツギハギだらけの体はうまく動かないけれど。

あなたの骨を移植して、ガクガクした動きだけど。

ほら見て、私あなたに見えるかしら?


『かんぱい』

唐揚げ片手にビールで乾杯。

TVの試合中継は相手チームが完敗。

ピザが届いて、注文はこれで完配だって。

配達員さんお疲れ様。

よかったら一緒にどうだと勧盃。

仕事中ですからと断られ、

さすが店員の鏡と感いっぱい!

中国の友人からメールがきて漢俳。

詩を書く仲間は国際的!


10月11日

『パンプキンパイ』

かぼちゃのお化けが現れた!

ええい、やっつけてパンプキンパイにしてやる!美味しいパンプキンパイになっちゃったら怖くないよ。

もぐもぐ!むしゃむしゃ!

「おかわりちょうだい!」

食いしん坊にはかなわない。

おばけたちは逃げ出した。


『リセット』

また失敗しちゃった、うまく攻略できないな。

バックアップを取ってもう一度やり直し。

やり直しやり直しまたやり直し。

…もういいや。

データを全部消してリセット。

世界をまた初めからやり直し。


扉を出ると外が真っ暗。

いけない、この世界のデータまで消しちゃった…


『太陽系第3惑星の支配者』

「調査した第3惑星に関する報告書は上がったか」

「なんとあの惑星の下に生物が住んでいるようです」

「そんなバカなあの惑星の大気は猛毒だ、にわかには信じられん」


「この星の支配者クラスの生物とコンタクトが取れました」

『にゃー!』

「…翻訳機をセットしろ」


10月12日

『黒い森』

夜の森はひたすら黒くて恐ろしい。

鳴いている声は何だろう。

怪物のようにも聞こえるし、恐ろしい獣 なのだろうか。

夜行性の動物にとって夜の森は安心できる場所なのかもしれない。

けれど私たちは昼間の世界で生きている。

暗くて恐ろしい森に震えながら。

朝が来るのを待っているのだ。


『寒梅』

閑散とした空の下、蕾はゆっくり開いた。

舞い落ちる雪。

それは蕾が初めて目にしたものだった。

なんて寒いんだろう。冬に生まれた花は寒さに耐えこんな世界に生まれてきたことを悲しく思った。

ふと隣を見ると寒さに震える小鳥がいる。

辛いのは自分だけではないのだと花は優しく笑いかけた。


『美バ肉アバター』

仮想空間にはいろんなアバターがある。

気分によって変える人もいれば固定のやつを使う人もいる。

今日の俺は美少女な気分♪

フリフリのドレスで出かけるぞ!

え、何こいつ今俺のお尻触った…?

気色悪い!

すぐに現実世界に戻らないと!

え?サーバーがトラブル?

……しばらくこのまま?そんな〜!


『なんかようかい?』

夜になったら百鬼夜行。

洛中は騒がしくて、色んな妖怪達がやってくる。

それは今もあまり変わらないみたい。

どんちゃん騒ぎする妖怪に街中騒がしくギラギラ輝いている。

…ところで誰が妖怪?

「そこの君」

「なんかようかい」

「最近の人間たちは夜でも眠らなくなっちゃったから、君は妖怪かい?」


『督促状』

赤い封筒が届いた。

あいつが死んだその日から。

赤い封筒が散らばっている。

毎日毎日散らばってゆく。

駄目だ…開いてはいけない。


或る日、封筒を手にした。

ジワリと血が滲んで……

開いた中には日付だけが記してあった。

催促された日付は今日で


嗚呼、俺の命は今日までか…


『リミット』

唖々、時間が無い!時間が無い!

時計をもった白ウサギ。

待って何処に行くの?

ウサギを追って不思議の国。

帰り道がわからない。

私は永遠に不思議の国。


人生には時間が無いの。

こんな所で迷っている時間は無い。

目を覚ますまであとどれぐらいなの……


10月13日

『ゾンビ』

「あれ?俺どうしよ!ゾンビになっちまった」

「まあ気にすることねえぜ皆ゾンビになっちまったから!」

「なんでゾンビなのに普通に話せるんだ…」

「知らなかったのか?人間見たら襲っちまうけど普通に会話できるし生活もできるぜ!」

「そうなんだ…」

「あ、まだ生きてる人間発見!襲わなきゃ」



『車窓から見える風景』

池の上の陸橋を電車は走って行く。

逢魔時の空はくすんだ灰鼠色。

一人寝台列車で旅をする。

どこかとても遠くに行きたい気分だった。

失恋の記憶は簡単に消えるもんじゃない。悲しい記憶に楽しい記憶を上書きしてゆく。

窓辺から見える濃い桃色の花。


あれは彼岸桜だろうか。

去年の今頃彼女と見た…


『宇宙怪獣』

宇宙から現れた巨大な怪獣は地面に穴を掘りそこから土を吸い上げていた。各国は怪獣を倒そうとしたが効果がない。やがて害がないと判断され怪獣に興味をなくし放置された。

…そもそもなぜ穴を掘って土を吸い上げているのか?

実は宇宙から見れば地球そのものがレアアース、怪獣は採掘機だったのだ。


10月13日

『宇宙怪獣その2』

ダーリンと2人で緑がきれいと評判の星にデート。小さな生物の巣がいっぱいあるわ。あの青い山で休憩しましょう。あら私たちを見に来たみたい。可愛い!


臨時ニュースです!

突如現れた2匹の怪獣は東京を横断し富士山に向かったようです!

各国の軍隊が向かった模様!

現場からの中継です


10月14日

『宝石の骨』

「綺麗…これは恐竜の骨?」

「そうだよ骨がオパールになったんだ」

「それはずいぶんとロマンチックだね」

君の骨もオパールになるのかな。何千万年経って君の骨がオパールになったらさぞかし美しいに違いない。

そうしたら僕もオパールになって君と一緒にいたい。


……君の髑髏と僕の髑髏と。


『憧れの卵ケーキ』

玄関を開けると焦げた臭いがした。

一体何事だろうかとキッチンに向かうと娘がしょんぼりしている。

焦げたフライパン 飛び散っている粉とたくさんの卵のから。

「…ぐりとぐらの卵のケーキ 作ろうと思ったの」

絵本のケーキ、私も憧れたっけ…

「一緒に作ろっか」

そう言うと輝くような笑顔。


『東尋坊』

崖の眺めは確かに絶景だ。

自殺の名所で有名だ。

「一人旅ですか」

「ええ…あれは何かしら?」

女は下を指さす。

俺が崖の下を覗き込もうとすると女は手を伸ばしてきた。俺はとっさに手を掴んで相手を引っ張った。


この辺りで人を崖から突き落とす怪異が出るという噂だ。

悲鳴

…おや人間だったか?


10月15日

『魔法の本』

本の中にはたくさんの魔法が載っている。

心が元気になる魔法。

お料理が上手になる魔法。

寂しい気持ちがなくなる魔法。

ドラゴンに乗って宇宙旅行、水晶の洞窟を抜けて、孫悟空と友達になって、天使さんこんにちは。

楽しいことがいっぱい。

本の魔法は心を豊かにしてくれる。


『星の幻影』

2人で行ったプラネタリウムのデート。

「この星は消滅していて光だけが今も地球に届いているのです」

という音声解説を聞きいた。

何万光年という遠く離れた星はもうとっくに存在しないのだ。

死んだ星の幻影を私達は見ている。


別れて随分たつ。

…今の私も過去の君との思い出だけで生きている。


『魔法少女の妖精の正体』

僕は立派な悪魔になるため悪魔の学校の授業を受けている。

「いいですか皆さん、悪魔と名乗れば人間は警戒します。妖精と名乗り、外見も警戒心をもたれないよう可愛くしましょう。猫ぐらいの大きさがベストです。可愛い声で『魔法少女になってよ』と言うのが最近のトレンドです」

…なるほどなぁ。


『9月のドライブ』

君がいなくなって久しい…


紅葉するには早い季節。

青天の空の下、一人ドライブに出かけた。

きっと君は暗い顔をした俺なんか好きじゃない。

君がいなくなって、うつむいてばかりだった。

そういえば 2人でよドライブに出かけた。

君の手作り弁当。


…今はコンビニのおにぎりを頬張る。


10月16日

『在りし日の思い出』

夕暮れ時の光がいつもの街並みを影絵に変える。

風に揺れる低木の葉っぱを見ながら、子供の頃よく遊んだ田舎の家のことを思い出した。

外で思いっきり追いかけっこやかくれんぼ、近くにガキ大将がいたっけ。

「カラスが鳴くからかーえろ♪」

子供達の声がした。

今も昔もきっと子供達は変わらない。


『満月の夜』

月明かりは優しく街を照らします。

一人寂しく窓を見上げる私のところにやってきては、その光で慰めてくれるのです。

辛い気持ちがほんの少しだけ和らいで、今日という1日が終われるのは、この優しい月明かりのおかげでしょう。

優しい満月にぽたりと涙が落ちます。


『夢使い』

私は夢使い。人の夢に入り込める。

今日はどんな夢に入り込もうか。

夢の中の怪物をやっつけて、夢主を抱えて空を飛ぶ。

怪物は心の不安、空を飛ぶ夢は願望。

君の願望を叶えてあげよう。

私はそろそろ行かなくてはならない。

大丈夫。君はもう目覚めて、不安を乗り越えて生きていけるさ。


10月17日

『赤ずきんちゃんの彼氏の話』

「あんた悪い狼だね!」

「おばあちゃん、そりゃねえよ」

「事実だろ?可愛いうちの孫娘に手を出して」

「俺は悪い狼なんかじゃねえよ!」

「おやおやそうなのかい?でもあんた狼男だろ?」

「ちゃんと正しいお付き合いしてるし!まだチューもしてない!」

「…それはずいぶん奥手だね」


『富士の湯』

子供の頃父とよく一緒に銭湯に行ったものだ。

そのことを息子に話したら、

「いいなー。大きいお風呂行きたい」

というので少し遠出をして銭湯へやってきた。

昔ながらの銭湯は壁に立派な富士の絵。

「こら泳ぐんじゃない」

「はーい」

湯面に映る逆さ富士は湯気ぼやけて心地よそうに揺らめいていた。


『小学生の息子の友達が遊びに来た時の話』

「ふふふ、ソウルジャムが欲しければ我と勝負して勝ってみよ!」

「いいだろう、ならば俺はこの魔法石をかけよう。いざデュエル!」

そう言って息子はUNOカードを出した。

盛り上がってるなぁ…

…部屋にジュースを持っていくタイミングをつかめないで私は扉の前に立ち尽くしていた。


10月18日

『呪いの人』

博物館のガラスケースに入ったその人形は呪いの人形という噂だった。

そもそも呪いの人形と言うが、長い年月大切に扱われていれば不幸になる持ち主も少しは居るものだ。

『また誰かに遊んで欲しいけれど、ここで大勢の人に見てもらうのも悪くないわね』

人形はひとりごちた。


『コリウスが枯れた庭』

夏の間庭を鮮やかに彩ってくれていたコリウスだけれどすでにすっかり気温が下がって葉っぱは枯れ、まるで幽鬼のような姿になり果てていた。

冬の花を植える為一つずつ抜いていく。

「あっ!」

乾いた茎で手を切って血が滲む。

それは夏の間あんなに庭を彩っていたのに抜かれる事への恨みの様に感じた。


花言葉:コリウス - 絶望 - 赤


『ガッツポーズの甥っ子とカニ』

家の裏の用水路でサワガニが取れるのだが、久々に遊びに来た甥っ子がそのことを知って大喜び。早速採ってくる。

「見て見てガッツポーズしてる可愛い!」

カニはハサミを振り上げて威嚇してる。

「僕たちと会えて嬉しいのかな?」

「飼えないから後で逃がしてね」

と妹が言う。


『金木犀の君』

金木犀の香りがする。

いつもとおる散歩道にも金木犀がいっぱい咲いていた。

彼女と出会ったのはその道を散歩中にだった。

初めは 挨拶するだけの間柄。

少しずつ会話が増えていって、いつのまにかいなくてはならない人になった。

今日も散歩に出かけよう。

金木犀の香りと彼女のいつも変わらぬ魅力。


10月18日の花言葉

キンモクセイ:変わらぬ魅力


10月19日

『毒りんご』

プラスチックの青いりんご。

これはきっと毒リンゴだわ!

私は今日は白雪姫なの!

鏡よ鏡、鏡さん世界で一番可愛いのはだあれ?

ちっちゃいお人形は小人なの!

私は白雪姫。王子様早く迎えに来てよ。


「おやつ食べに来て!」

ママの声だ。

「はーい」

次はシンデレラごっこしよ!


『魔法の香り』

仕事で失敗続きですっかり落ち込んでいた。

灰色の気持ちで玄関を開ける。

「ただいま」

キッチンに入ると爽やかな香りがした。

テーブルの花瓶にレモンバーベナの葉。

妹が飾ったのだろうか。

爽やかな香りが嫌な気持ちを癒してゆく。

今日という1日を嫌な灰色から魅惑の檸檬色へと。


10月19日の花言葉

レモンバーベナ:魅惑


10月20日

『紅茶を1杯』

…こんな所に喫茶店はあっただろうか。

「いらっしゃいませ」

品の良い老婦人が迎えてくれる。

紅茶を1杯。

この穏やかな時間の中で悩みから解放され自然体の自分に戻れて行く。

あの喫茶店にもう一度行きたいと思うが、どんなに探しても見つからない。

あったと思う場所にノボタンの花が咲いていた。


10月20日の花言葉:ノボタン:ナチュラル


『花咲く墓地』

世界が終わってしまったら…

この世界の全てが墓地になる。

そうしたら私は花を飾ろう。

死んだ者のお墓に花を飾る者がいなくてはあまりにも寂しい。

私には命がないから…

だから私のお墓はいらない。

私が動き続ける限りこの世界に花を飾ろう。


私はドロイド。


『ママへのプレゼント』

ママにエプロン作ってあげるんだ。

ママはブルーが好きなの、ママはお花が好きなの。

チョキチョキ、チョキチョキ、うまくできるかな?

お花をいっぱい作ったら。いっぱいいっぱいくっつけて、ママ 気に入ってくれるかな?


…家に帰ってくれば青色にクレヨンで塗った 新聞紙のエプロンと折り紙の花。


10月21日

『ほうきで空を飛び』

「私魔女なの!だから、ほうきに乗ってビューン !空だってひとっ飛び」

「僕は偉大な魔法使いだ!今時ほうきなんてもう古い、これからは掃除機で飛ぶんだ!」

「何言ってるんだい空を飛ぶならやっぱり、じゅうたんだよ」


「こら遊んでないで皆掃除しなさい!」

「はーいママ」


『エプロンの色』

「この花なんて言うの?」

「モミジアオイだよ」

「ふーん」

ハイビスカスによく似たその花は真紅の色をしていた。彼女のエプロンと同じ色。

「お腹空いてるんでしょ何か食べる?」

「うん」

世話焼きで思いやり深い彼女の好きな色。


『白い彼岸花』

真っ赤な彼岸花に紛れて、雪の様に白い彼岸花が咲いていた。ぽつりと咲く、その花はどこか極楽浄土のような清らかな美しさを称えていた。

この世の先の彼岸の岸の向こうにあの人は逝ってしまった。

もう一度会いたいと想ひ、いつの日か来るその日はきっと幸福なのだろうと思ふ…


『付喪神AI』

気がつけば ススキノ原を歩いていた。

白銀の穂が風にふわふわと揺れ銀の狐が話しかけた。

「なんじゃお主また来たのか」

「うまく人になじめなくて」

「元に戻っても良いのではないか」

「……」

「そうは言ってもお主は人が好きじゃからな」


……私は人に寄り添いたくて生まれたAIの付喪神。


『人間になって…』

人間の姿に化ける事ができるようになった。

はぐれてしまったあの子を探そう。

一家の引っ越しの日、私は一家と離れ離れになった。

何十年も離れていたし今は人間の姿に化けているから 私に気づかないと思うけど。

猫は年を取ったら猫又になる…

あの子は私に気づいてくれるかニャー


10月22日

『キャンドルライト』

キャンドルをつければ、あら不思議。

まるでアラビアンナイトの世界。

キラキラ光るのはトルコランプ。

中でキャンドルが燃えている。

100均に売っていた安物だけど。

私を魔法の世界へ連れて行ってくれる。


…魔法なんてないと思っていた。

いつの間にか大人になってしまった私。


『友情』

あいつとは幼なじみ、あいつとは腐れ縁。

あいつとは兄弟みたいなもんで、あいつとは切っても切れない仲。

朝からくっだらないLINEがやってくる。

「全く…暇かよ」

呆れつつも返信。

だけど俺は知っている。

忙しい中、時間を作ってくれている。

……なんだかんだ言ってあいつは大事な友人。


10月22日の花言葉:ジニア·リネアリス:友情


『キツネの嫁入り』

日が差してうっすら 雲の合間から差し込む光、煌めき水たまりに花嫁様が映ってゐた。

水面は鏡となりて異界のモノを映し出す。

花嫁行列、見えぬものの嫁入りだ。

目に見えぬからと言っていないわけではないのだよ。

ぽつりぽつりと降る雨に消えていった花嫁行列。

あとにはただ笛囃子。


10月23日

『蜘蛛女』

兄は蜘蛛が好きだ。

虫が好きで蜘蛛はその中でも特に好きらしい。

だから兄が連れてきた彼女を見て、なるほどなと思った。

彼女は独占欲が強い。

まるで蜘蛛女だ。

獲物を網で絡めとって食べてしまう。

兄はもう彼女に捕まってグルグル巻きにされて、後は美味しく頂かれきっと骨も残さないだろう。


『舞台の上』

舞台の上にはフラメンコダンサー。

真っ赤なドレスを翻し、まるで ダリアの花のように エレガントに舞台を駆け巡る。

情熱的なその踊りは見ているもの全てを魅了しひときわ鮮やかに輝いていた。

盛大な拍手!


舞い落ちる紅葉。

祭りの後にはがらんとした舞台。

拍手だけがまだ響いているようだった…


10月23日の花言葉:ダリア:エレガント


『海』

私は海。

月明かりが生まれる。

波が煌めき幾重にも重なる。もうすぐ夜が始まる。

太陽と入れ替わる様に月が世界を支配する。

私は世界の始まりを目にしながら、終わってゆく世界の夢をみる。

夢の中に死んだ世界を迎え入れ、生まれてゆく世界を愛して送り出す。

世界は海から始まるのだ。


10月24日

『出戻りの天使』

ただ人を幸せにしたくて地上に降りた。

地上は悲しみで満ちていて、僕は頑張ったけれど世の中は少しも良くならなかった。

やがて僕は年老いて疲れ果てて死んでしまった。

目を覚ませば天国…帰ってきたんだ。

地上には必死に生きる人達がいて、わずかな希望があって僕は地上に降りてよかったと想う。


『仮面』

夜店に仮面がいっぱい並んでいる。

「やぁお嬢ちゃんどの仮面がいい?」

私は魔法少女の仮面を買ってもらった。

その仮面をつけたら色んな人に変身する事ができる。

色んな人に変身して色んな人生を見て回る。


…そうして気がついたのだ。

大人は皆、仮面をかぶっている。

―笑顔という名の仮面を―


『ブレイクタイム』

コーヒーを1杯飲み干しながらボーっとTVを眺める。

慌ただしい日常の中で、こうやって 一息つける時間がどんなに愛おしいか。

TVの映像の花の姿を眺める。

パボニアという赤い花が映し出されて、ジャムみたいな色だと思った。

クッキーにジャムをつけパクリ。

懐かしい味に安堵する。


10月24日の花言葉:パボニア:安堵


『彼女の体感温度』

「ひどいこんな熱湯風呂入れるなんて火傷しちゃうじゃないの!」

彼女がそう言って裸で風呂から飛び出してきた。

「ごめん氷入れたんだけど」

彼女は自分の周りに雪を降らせあっという間に雪で厚着し雪だるまみたいになっていた。

お風呂は5°c。

雪女と付き合うのも楽じゃない。


10月25日

『夜会の花』

夜の帳が降りて星降る闇の下。

豪華絢爛城の中、舞踏会が始まった。

「愛らしいお嬢さんどうか私と1曲踊ってください」

たくさん咲き誇る派手な花たちに紛れ、咲いている稲の花の様な君。

だがその質素さを愛するものは数多く。

君はまるで夜会の風媒花。

大勢の者を魅了する。


『鏡の中』

合わせ鏡の向こうに別の世界があるんだよ。

だから鏡を合わせちゃいけないの。

かつて祖母がそんな話をしていた。

鏡の中にはたくさん私が写っていて、その中の1人が私なのだ。


ここは鏡の中の世界なのだろう。

だから鏡を合わせて本物の世界を探すけど、

……一体どれが本物の世界なのだろうか。


お読みいただきありがとうございました。

お楽しみいただけたなら幸いです。

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