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301話~400話まで(8/10~9/8)

Xに載せている140字小説のまとめです。

詩のような余韻のある物語を目指しています。

よろしくお願いします。

8月10日

『止まない音楽』

頭の中でずっと音楽が流れている。

ある時は囁く様に優しく、ある時は怒る様に激しく。

うまくいかない事ばかりだけど、頭の中の音楽は楽しそうにリズムを刻む。それはきっと生命のリズムなんだ。

今日生きている時間がリズムになって歌になって心の中から溢れているんだ。


『雨空の下で』

「気分で色が変わる傘?」

「おすすめ商品だよ」

たまたま立ち寄った怪しげな雑貨店で白い傘を買った。

気分で色が変わるなんてそんな事ないじゃん。

ポツポツと雨が降ってきてた。

コンビニの前で先輩と出会う。

「傘忘れちゃってさ」

だったら一緒にと相合傘。

傘がほんのり桃色に染っていた。


8月11日

『名探偵』

うちの猫が毎日同じ時間に出かける。

これは謎だ調べなくっちゃ。

猫を追いかけて行くと近所の別の猫といた。なんだ友達ができたんだ!

お母さんが忙しそうにしている。

これは謎だ調べなくっちゃ。

いい匂いのホットケーキが出来上がり。

玄関に見たことのない靴。

これは謎だ調べなくっちゃ!


『青い靴』

憂鬱な朝、ため息から始まる。

TVで今日の占いのコーナー、

「今日のラッキーカラーはブルー。青いものを身につけて!きっと心も青空のように晴れるはず」

バカバカしい…

私はTVを消して玄関に行く。

おととい買った青い靴。

そうだこれを履いて出かければ、空だって飛べるかもしれない…


『真夏に降る雪』

…失恋しちゃった。

泣いても泣いても涙は止まらず蒸し暑い熱帯夜の夜に喉ばかりが渇く。

チューハイを出して一人晩酌。

棚の上のスノードームを手に取った。

2人で行った旅行の思い出の品。

あの日のまま時が止まればよかったのに。

…永遠に雪が降り続ける。

記憶の底で。


8月12日

『公園の隠れ家』

公園に息子を連れて行くと木にレジャーシートがかけてある。

「ここ僕たちの隠れ家なんだ」

と近所の小学生の子たちが教えてくれた。

こんなに立つ場所で隠れ家も何もないじゃないかと思ったが、その後レストランに変更され探偵事務所、宇宙ステーションへと変貌した。


…楽しそうだからまあいいか。


『道しるべ』

道に迷ってしまった。

どういう訳だか車のナビが反応しない。

一体ここはどこだろう、胸を不安が覆い尽くす。

道で矢印の標識が見えた。

『しめた、これに従えば道がわかるかもしれない』そういった思いと『だめだこれに従っては二度と戻ることができない』がせめぎ合う。

行くも戻るも不安しかない…


『遠くのお星様』

僕たちは空の地図を片手に旅に出た。

253万光年の夜を超え、この星にやってきた。

故郷の星がどうなっているかは知らない。

この世界に降り注ぐ

  光の粒子となって…


「ねえお父さんオリオン座どこ」

「あそこだよ」

「じゃあ、あれがアンドロメダ銀河?」

「あんな遠くのお星様が見えるんだね」


8月13日

『銀の指輪』

「結婚してください」

「まあよろこんで」

銀の指輪を指にはめ私はスカートを掴んでお辞儀をした。


「何そのアルミホイル?」

「パパからプロポーズされた時にもらったのよ」

「…それっていつ?」

「4歳の時」

宝箱の中にはアルミホイルの銀の指輪。

もう何十年も前の思い出だ。


『ドラゴンの羽』

「…懐かしいな」

私は子供の頃に描いた絵を撫でた。


子供の頃綺麗な羽を拾った。

大喜びで遊んですぐ羽はボロボロになってしまったけど捨てるのがもったいなくて絵に貼り付けた。

私は空想していた。

これはきっと美しい羽のあるドラゴンのなんだ。

想像のドラゴンは今も空を飛んでいるに違いない。


『秘密の花園』

家の近くに古びた城跡があった。

石垣ばかりの何もないところだが子供の頃は恰好の遊び場だった。

そこに朝顔の種を持って行って蒔いたことがある。

勿論ほとんどはダメになってしまったが、少しだけ花を咲かせたものもあった。

秘密の花園ができたようで嬉しかった。

朝顔を見るたび思い出す。


8月14日

『魔法の種』

「手品なんてできたの?」

「まあね!」

「すご…いつから?」

「ガキの頃にデパートで手品ショーがやってて、ひまわりの種を植木鉢に落としたら立派に咲いて、それがすごく感動した」

「ふーん」

「魔法の種だと思ってひまわりの種を庭に撒いたっけ」

「あーそれで…」


庭は一面のひまわり畑。


『アレンジレシピ』

「ねえお盆が終わったら食べてもいい?」

「うーん、あんまり美味しくないと思うよ」

娘はしょんぼりした顔をしている。

「じゃあさお盆が終わったらそれでドーナツ作ってあげる」

「え!本当?」

お盆が開けて落雁を片付けるとすり鉢で潰してドーナツを作る。

娘と一緒に、ご先祖様にもお供えする。


『ソラノウタ』

私は歌うのが好きだった。

何よりも歌っている時間が最も幸福だった。

だから歌声を録音して残すことにした。

電波塔の上で歌声はシグナルに代わり宇宙へ向かって発信される。

私の歌を聞いてほしい 私の歌を聞いてほしい

あなたに伝えたいこの想いを

きっと何億光年先にだって私の歌は届くだろう。


8月15日

『追いかけっこ』

蝉しぐれの夕暮れ、この辺りは団地だから子供たちがよく遊んでいる。

「まてー」

「逃げろ!俺は新幹線より早いぞ」

「じゃあ俺は光速だ」

そんな会話をしながら横を走っていく子供たち。

…こうも暑いのにみんな元気だな。


『赤いランプ』

事故にあってから特殊なスキルを手に入れたらしい。

その人が持っているMPやHPが数値として見える。

危険な数値になったら赤いランプがつく。

街中赤いランプだらけだ。

無理をしないと生きていけない世界。

…とっくに世界は詰んでいるらしい。

空を見上げれば太陽ではなく赤いランプが輝いていた。


8月16日

『ダンスと靴音』

タン!タン!タタタン!

コンクリートの上で靴を踏み鳴らす。

映画のシーンを真似て軽快に踊るタップダンス。

「おじいちゃんダンサーになりたかったんだ」

と話してくれた。

「ぼくにも教えて」

「もちろんいいさ」

そう言って笑うおじいちゃんは映画スターみたいだ。


『ゲタ箱の手紙』

ゲタ箱の中に手紙が入っていた。

『なんだよ俺あてじゃ無いじゃん』そう思って捨てようと思ったが、俺は「宛先間違っています」と書いてゲタ箱に戻した。

その日から文通が始まった。

会ってみたいと思ったが言い出せないまま3年が過ぎた。


…彼女が死んだ生徒であると知ったのは卒業した後。


『おしゃべりな冷蔵庫』

最近の家電はお喋りだ。

AIスピーカーは勿論、掃除機も洗濯機も冷蔵庫も喋る。

冷蔵庫からビールを出そうとすると、

「警告をお伝えします。今日はもう既にカロリーが500kcalオーバーしています。アルコール摂取量を控えましょう。適度な……」

俺は冷蔵庫のスピーカーにガムテープを貼った。


『夜航船』

一人、夜航船に乗った。

港の灯がどんどん遠くなっていく。

夜風を浴びながら、これからの事を考える。

行き先など決め手はいない。

ただこの街から出てきたかった。

降る様に輝く星空と半月が波に映る。

汽笛の音ばかりが聞こえて、ふと涙がこぼれた。

涙に月明かりが映る。


8月16日

『インストール』

記憶をインストールしてゆく。

人間の記憶がコピーされる技術が開発されて久しい。

元々は認知症の治療や技術の継承の為だったが、すっかり一般化され幸福な記憶、有名人の記憶、不幸な記憶すら販売されている。

こうなってくると自分が誰なのかというのは非常にあやふやだ。

…一体私は誰なのだろう。


『黒い花』

黒い花が咲いていた。

翌日そこで車の事故で人が死んだ。

店の前で黒い花がたくさん咲いていた。

翌日火事で人がたくさん死んだ。

街中で黒い花が咲いていた。

俺は慌てて街から逃げ出した。


翌日…一つの爆弾で街が壊滅した。


8月17日

『花火大会!』

今日は家で花火大会だ。

それぞれ近所で持ち寄ってはじめはロウソクをつけて吹き出し花火から、ねずみ花火にロケット花火、吹き出し花火それからパラシュート花火!

小さな落下傘を拾おうと子供達は大騒ぎだ。

小さめの打上げ花火の後に線香花火で最後。


…名残り惜しそうにジジッと火の玉が落ちた。


『自転車で応援!』

自転車に乗って2Lのペットボトルをグランドまで持って行く。陸上部の朝練で土曜日だって頑張っているんだから応援しなくちゃね。

そういえば息子が同じ部内の女子のことが好きみたいだけど一体どの子だろう?


「ありがとうございます」

…この子かな?笑顔が素敵な子!


『永遠の君』

「石というのは嘘をつかない。地層なって太古からの記憶を残してくれているのだよ」

考古学者の先生はそう言っていた。

「どんな記憶媒体よりも石が最強だよ。化石になれば何億年も残り続ける」

その通りだと思う。


だから私は石像にして君の姿を残した。

…私にとって永遠の存在だから。


『おみくじ自動販売機』

家の近くの小さな神社で自販機のおみくじを買った。

【中吉】

出会い:懐かしい人と再会

失せ物:モノの方から出て来る


神社を出たところで同級生と再会した。

思い出話に花が咲き連絡先を交換。

家に帰れば1月前いなくなった猫が帰ってきた。


…自動販売機のおみくじも伊達じゃないな


『精霊馬競争!』

極楽には次々と精霊馬たちがやってくる。

「どこだみんなで競争しないか!」

うちの初代ご先祖様がそう言い出した。

みんなノリノリで馬にまたがる。

…血は争えないなぁ。

夫もノリノリだ。

「何してるんだ母さんいくぞ」

元気な孫たちの顔は私だって早く見たい。


『皆一緒に!』

ブラジル生まれの遠い親戚の子が遊びにきた。

何でも僕の大叔母さんの子孫らしい。

とても陽気な性格なんだけど僕にもダンスを踊れって言ってきた。

何でも彼は踊るのが大好きらしい。

どうしよ…どうしよ…

そうだあれだ!ボンダンス!

ご先祖様とボンダンス!皆一緒にボンダンス


8月18日

『真夜中のバス停にて』

闇の中、甘いにおひがした。

「素敵、百合の季節になったのね」

真夜中のバス停。

「見えなくてもわかるのよ。空襲で目を失ってしまったけれど香りも肌触りも何もかも」

お盆に帰ってきた祖母を見送る。

あの世行きのバスが出発する。

百合の花が電灯に照らされて輝いて見えた。


8月19日

『桃源郷』

父と二人でどこかの山里を歩いていた。

降るように咲く花は桃の花だろうか。

…きっとこれは夢なのだろう。

仙境の様な美しい場所に父はいるのだ。

生前の父とあまり仲が良くなかった。

父が亡くなって10年。

ふと、父が好きだった蘇州夜曲を口ずさむ。


♪髪に飾ろか接吻しよか

君が手折りし桃の花〜


『夜の底』

夜の底で目が覚めた。

月明かりがはるか遠くで輝いている。

遠くの電車の音が聞こえる。

屋上で1人歌を歌う。

聞いているものは 誰一人いない。

寂しさと安らぎと不安と悲しみと歌声は全て内包して響きわたる。

電車の音ビルの下のざわめき静かな静かなオーケストラを夜の闇が全てを飲み込んだ。


『銀河博物館』

螺旋階段を上がると碧い水晶の花が咲いていた。

ここには全ての記憶が眠っているらしい。

博物館には星屑を本に閉じ込めた一冊の銀河が並んでいる。音楽でできた銀の靴を履いて本を握りしめ全ての世界の扉を開けた。

ご覧屋根から天に登っていくのはまだ生まれていない明日だ。


8月20日

『恋の勝負!』

「俺と勝負をしろ!」

テストでいつも絡んでくる男子がいる。

勝負はいつも平行線だ。

「俺と勝負をしろ!」

「いい加減にして!受験勉強で勝負してる時間ないの」

「…じゃあ志望校教えて」

「いいけど」

「高校でも勝負しようぜ」

「…はぁ?」


志望校に合格した日

「付き合って」

と告白された。


『君と歌と世界の終わりと』

私は子守歌を聞いていた。

はるか彼方、時の終わりの世界の果てで。

これは君の歌声だ。

気が遠くなるほど遠い昔、君が歌った歌が私のところに帰ってきたのだ。

もうすぐ世界が閉じて終わるだろう。

私は君の歌を抱きしめて死んでいく世界と共に在り続けよう。


8月21日

『百合の園』

白い百合がたくさん咲いている。

車でいつもの道を走りながら群生する百合を見るのが目下の楽しみである。

正直に言えば車を止めゆっくり花を愛で香りを感じたい。だが忙しい朝のラッシュ何故その様な事が出来ようか。毎日花を愛でる事が出来て幸福な時間が訪れるのならばそれ以上望むまい。


『誤爆音声入力』

音声入力で「白いユリが生えてゆく」と喋ったら「白い指が生えてゆく」と入力された。

おやおやこれは富田間違いだ!

これではホラー小説になってしまうじゃないか!

呉ランよ音声入力の適当なこと(笑)こんな琴を入浴していたら飛んだ怪文書が出来上がる。

シャープ14重時小説


『学校の怪談』

「学校の怖い話教えて〜」

「えーあんま知らない」

「そんな事言わずにさ」

「じゃあ理科室の骨格模型あれ本物、あと音楽室で夜に先生がピアノ弾いて泣いてる、校舎の下は防空壕だから地盤悪い、体育館の蝙蝠が狂犬病持ってる」

「さすが花子ちゃん」

「怪異より事実の方が怖いよ〜」

「ぽぽぽぽ〜」


『いつもの失敗』

しまったやってしまった!

バス停に子供のお迎えに行くが、バス停から去ってゆくスクールバスの姿が見えた。

あと三十秒速く着いていれば!と後悔するも後の祭り。学校に先回りして、SNS で愚痴っている。

こんなんだから遅れるんだよ…

すまん息子よダメな母で。


『テセウスの船』

「こちらのドロイドを寄贈という事ですか」

「そうだ私が死んだらよろしく頼む」

老人は愛おしそうに彼女を見た。

「これは妻なんだ。妻が病死する時に記憶を心を…移した。だが法的に彼女は物に過ぎない。君テセウスの船を知っているかね」


…死んだ人間の心を持つドロイドは人間なのだろうか。


※テセウスの船:船の部品をすべて換えても、果たしてそれは同じ船なのか? と言うものの本質を問う哲学


8月22日

『目覚ましリレー』

目覚まし達のリレーが始まった。

まず1号が大音量で鳴り始める。

続いて5分間隔で2号3号!

次々とベルを止められ再起不能にされてゆく。

なんの負けてたまるものか!

いよいよ俺の出番だ!

「遅刻するよ」

持ち主は母親の一声で飛び起きて、俺は一人で部屋で鳴り続けた。

えぇ嘘だろ…止めてくれよ。


8月22日

『庭の花』

庭にキラキラと笑うような赤い花が咲いていた。

挨拶をされた様なみずみずしい気分で私も花に話しかける。

「おはよう綺麗だね」

あまり手入れのされていない庭は雑草たちもとても元気だが、そんなことに負けはせずに咲いている花は美しくてとても強い。


『竹馬ビギナーズ』

「お婆ちゃんが子供の頃の遊び教えて」

「えーファミコンでマリオとか」

「…竹馬とかじゃないの?」

「それはお婆ちゃんのお婆ちゃんが子供の頃だと思う」

「えーやってみたかったのに」


孫がそう言うので竹馬を取り寄せ2人で初めて乗ってみた。案外楽しい。


8月23日

『初めてのカレー』

「今日はママにカレー作ってあげる」

風邪気味の私を見て、息子はルーを棚から出した。

「ありがと」

そう言って少し様子を見守る。

玉ねぎを切るのに涙がポロポロ、人参は薄すぎてペラペラだけど生懸命作ってくれる。

「「いただきます」」

ちょっぴり辛いルーが多めのカレーが完成。

美味しいね。


『植物戦争』

一面にキバナコスモスが咲いた。

美しく光るようなその花は他の植物を駆逐し、咲き誇っている。

…まいったな。

今日はお昼ご飯、親子丼にして三つ葉を散らそうと思ったのにこの様子では負けてしまったに違いない。

ガレージ裏の紫蘇は大丈夫だろうか。

素麺に入れるだけまだ生えているだろうか。


『夜は墓場で…』

ほら誰かいらっしゃいましたわ!

うらめしや〜

そのビルは今やすっかり人気の心霊スポットである。温暖化でクーラー無しがありえないのは幽霊も一緒。最も墓地も納骨堂になってビルの中なのだが。

幽霊達も今やオフィス勤め。

会社のオーナー?勿論幽霊が使ってくれたらお金が入るのでウハウハである。


8月24日

『猫じゃらし活用法』

そろそろ秋が近づいてきて家の近くでも猫じゃらしが生えている。実は猫じゃらしは文鳥の好物。お散歩の帰り道猫じゃらしを摘んで文鳥たちにプレゼント。

「ねえ美味しい?」

鳥籠の中の文鳥たちは 争って猫じゃらしを突いていた。どうやら気に入ってくれたみたい。

キュルキュル チチチ…


『井戸と金魚』

井戸の底を覗いてはいけない。

別の世界につながっているから。

そんな話を近所のおじさんから聞いた。子供の頃井戸の底を覗き込むと、真っ赤な金魚が泳いでいるのが見えた。

金魚は深く深く潜っていく。きっとそこには竜宮の様な世界が広がっているのだろう。

真っ赤な衣を翻し…

深い深い水の底


『ねこねこフェスティバル!』

月の明るい宵。

「仕事の事は忘れて俺についてこい」

気がつけば僕は猫になって飼い猫の後ろを歩いている。猫たちがいっぱい公園に集まって歌ったり跳ねたりまるで猫の野外フェスだ。

「ボス達の通りだ」

他の猫たちが道をよけ僕たちを通す。

俺たちは猫だ自由だ!お前も自由に楽しめニャン!


8月25日

『金色の朝』

空に滲んでゆく日の光はこれから始まる今日を指し示していた。夜明けの光の中でゆっくりと思考が動き出す。今日やらなければならない事を頭の中で反復する。朝日は喜びでもありこれから始まる今日という1日の騒々しさを物語っている様にも思えた。

幸福の苦痛も金色の光の中に溶けてゆく。


『夢か現か』

夢をコントロールする機械が作られた。

夜その機械をベッドにして寝ればあっという間に夢の世界だ。初めは個人で夢見るだけだったがやがてインターネットの様に夢同士をつなぐようになった。

夢は一つの社会になった。


夢の中で生活し仕事をし…

一体どっちが現実なのだろう。


『ガラスの宇宙』

ガラス箱の中に小さな銀河が浮かんでいた。

正確にはこれは銀河同士が星に見える大銀河らしい。

「宇宙を作る実験だよ。人工的にビッグバンを起こして。ケース外には影響しない」

博士の答えに「すごい」としか感想が出ない。


…我々の宇宙もこんな風なのかもしれない。


8月26日

『歌♪歌♪歌♪』

私は歌うのが好きだ。

機嫌が良いといつも歌っている。鼻歌に歌詞がのりやがて色んな曲が混ざりだす。太陽と月と星が手を取り合って歌い合い、花と蝶が愛をささやく。

けして上手いとは言えない歌だけど、それはきっと私の日常のルーティンの中で何よりも大切な事なのだ。

るるる~ららら


『カボチャのなる木』

南瓜のツルが伸び放題で無花果の木に絡まっている。木は迷惑そうだけど、鈴なりになった南瓜は風に揺られてダンスしているみたい。

ハサミでチョキンと切って、息子に手渡して行く。

「晩御飯カボチャの何にしようか?」

「えっとドーナツ」

「それおやつだよ」

「食べたい」

仕方ないな…作ろうか。


『タイムカプセル』

建て替えの決まった学校で少年少女達がタイムカプセルを埋めた。それぞれ思い思いの品を入れていく。部活のユニフォーム、皆の夢が書いた学級文庫、集合写真とラブレター。


……彼らは知らない。

建て替えの土台としてタイムカプセルはコンクリートに覆われ数億年後に掘り返される事を。


8月27日

『夢のまた夢』

私は夢を見ていた。

幸福な夢だった。平凡な役に立たない妻を愛するだけの男になって彼女の事を守って変わらない日常を過ごす。

目が覚めれば戦場。私は英雄でだが大勢の仲間をなくして孤独だった。

私は夢を見ていた。

目を覚ませばたった一人。

幸福で平凡な日常も英雄でも無く…ただ一人涙が出た。


『まちの星空』

都会の空を見上げれば星が一つもありません。

一体どうしてしまったのだろうとたぬきは思いました。

故郷の森はなくなってしまったので人間に化けてここにやってきたのです。

ビルの屋上からまちを見下ろします。

キラキラ輝く星が下には広がっていました。

夜空は地上におりていたのでしょう。


8月28日

『おままごと』

うちの子はおままごとが大好きだ。

いつでもどこでも始めてしまう。おやつを食べながらおままごと。バナナを耳に当ててお皿がノートパソコン?それはリモートをしているパパのマネかな?


『認識と受容と愛について』

たまたま、今見えている世界というのは色覚受容体が認識しているだけに過ぎない。視覚神経で捉えられるものなど一体世界のどれほどだと言えよう。


「…だから本当のものなんて見えないんだよ」

と君は言う。

「いいや、見えているさ」

君への愛は本物だ。


『サメと目覚まし時計』

「ない!ない!どこ行っちゃったんだろ〜」

目覚まし時計が見つからない。

あれがなきゃ朝起きられないじゃないか。

けど、どんなに探しても出てこないのだ。

はぁ~

…仕方なくサメの抱き枕を抱きしめてベッドにダイブ!

サメの口からチクタクチクタク

もしかして…

サメの口の中から時計が出てきた。


『星屑のランプ』

裏路地を抜けると不思議な雑貨屋にたどり着いた。

下から上へと風船の様に浮かんでいる不思議なランプが売っている。

「これはね。燃料が死んだ星屑さ。だからけして中身を見ようとしちゃいけないよ。星屑が逃げてしまうからね」

私はひとつ買って帰った。

それは毎晩キラキラと美しく輝いていた。


『星空の猫』

幻燈機の明かりがついて辺りはほんの少しだけ明るくなった様でした。


 猫が町を歩きます。

暗いくらい夜の底で仲間を探して歩きます。

友人たちと出会いお互いにおしゃべりをして悲しみは小さな星になって空へと上がってゆきます。

星がキラキラ瞬いて猫の瞳に映ります。

もう何も悲しくありません。


8月29日

『船とカモメ』

海の上を1羽のカモメが飛んで行く。

「お前、仲間とはぐれてしまったのかい」

船の上の看板でどうにも売り物になりそうにない魚を1つ投げてやる。

カモメは死肉を貪る鳥だ。

港には漁が終わるまで何日も帰れない。

カモメはずっとずっと船のそばにいた。

海の上で一人と1羽…


『金魚のスカーフ』

そろそろシーズン的に夏物がセールだ。

ふと見れば淡い水色の金魚の柄のスカーフが目に飛び込んできた。

家に帰って鏡の前でスカーフをつける。

金魚の鮮やかな赤と水の波紋が心を和ませてくれる。

心の中はほんの少しだけ涼やかな気持ちになった。


まだまだ残暑は厳しい。


『ボカロの鼻歌』

ボーカロイドが壊れてしまった。

人型ボーカロイドが発売されすっかり一般化している。毎日毎日歌や挨拶を楽しんでいたのになぁ…

今は歌がなくなってまるで鼻歌みたいなメロディだけだ。

♪〜〜♪〜♪♪〜


…これはこれで可愛いので修理しようか迷ってしまう。


『夏の終わり』

家に帰ってくると冷蔵庫を速攻開ける。

サイダーをグラスに注いで氷をたっぷり。カランと氷の音がする。

夏はもうすぐ終わり。

だけれど涼しくなるのはまだまだ先だ。

枯れた庭の向日葵が物悲しい。


夏休みは今週いっぱいでおしまい。

…まだ片付いてない宿題の山を見てため息をつく。


『赤富士』

夜明けの鳥の声がする。

夏の終わり朝焼けの光が富士山を包み込む。

ごらん赤富士だ。

朝日が昇るまでほんのわずかな時間。

もう少しでこの色は見えなくなってしまう。

まぶたの裏に浮かぶ色はフィルムの様に焼き付いて、鳥の声と共にこの美しい光景を何度でも再生させてくれる。


8月30日

『嘘と現実』

冗談すら言えなくなった世界。

現実の世界はどんどん怪しくなってゆく。

戯曲や物語の世界を楽しむ事ができるのは世界が平和だからだろう。日々世界の情勢は変化する。

「嘘だっ」

辛くて悲しいことがそう言えるほど、

世界が優しくて美しければいいのに。


『ススキ野』

赤い半月が宵の空に浮いてゐた。

ススキの穂が銀色に光る。

こんな夜には妖怪たちが集まりて宴を始めると言ふ。

亡くした者たちに会いたくて私は1人ススキ野へと行った。静寂に虫の声があたり一面に響いた。


…だが会うことはできず。

ただ私は泣いた。

静かに静かな秋の夜に。


『夜の空の小さな風船』

小さな風船がぽつりと夜空をただよっていました。

風船は昼間の結婚式の時にお祝いで空に放たれたのでした。ある風船は屋根に引っかかってパチリとわれました。海に落ちて海月になった風船もいます。

風船はただ一人さびしく思いました。月明かりで中のガスが光ります。

風船は小さな星になりました。


8月31日

『ピアノの魔法』

駅前のストリートピアノでたまにとても素晴らしい曲を弾いている老人がいる。

その音を聞いていたら心がどんどん明るくなっていく みたいだ。1つずつ音が弾けてふわりふわりと心が浮いてゆく。

灰色の心が一つずつ色づきカラフルに変わっていく。

ありがとう拍手の雨。

パチパチパチパチ…


『エレベーターに乗って』

子供の頃から百貨店のエレベーターに乗るのが好きだ。大理石の床もガラス張りの内部もそこから見える都市の風景も。

子供の頃エレベーターに乗って空を飛んでいるような気分だった。足元にが広がって青空の間を抜けて行く。

大人になった今、夜の百貨店のエレベーターは足元に星が広がっているようだ。


『世界のスイッチ』

停止した世界で様々な歪みを修正して回る。

神というのは自分が創ってしまった世界に責任を持たなきゃいけないし思い通りになるわけじゃない。おまけに作った人間達は好き勝手言いたい放題。

それでも僕はこの世界を愛していた。

スイッチを入れると新しい世界が動き出す。

ため息と感嘆がもれた…


『並木道にて』

晴れ渡った空に、紅葉した葉っぱが輝いていた。

いつもと違う散歩道を歩いていけば何か違う素晴らしい出会いに巡り合えるかもしれない。

ふと向こうから自分を呼ぶ声。

顔上げて前を見れば、同級生が手を振った。

懐かしさと喜びと、これから始まる物語に胸が高鳴る気晴れの空。


9月1日

『9月1日の朝』

今日から新学期。

「学校行きたくない」

と言ってぐずぐず泣き出してしまった息子をなだめる。楽しい夏休みが終わっちゃったもんね。

でも昨日友達に会えるって嬉しそうにしてたからきっと大丈夫、息子を抱きしめて送り出す。

母だって寂しい。

だって毎日いる時間が減っちゃうんだもの。


『Xのおすすめポスト』

待って待って!

どこに行っちゃったの?

さっきの素敵なポストもっともっと見ていたかったのに。頑張ってスクロールするもどこに行ったのかさっぱりわからない…

そうだ検索すれば出てくるかな!

でも、なんて検索すればいいんだろう?

出会いは一期一会なんて言うけど…こんな刹那じゃ切ないよ。


『真夜中のサーカス』

真夜中のサーカスは歓声に満ち溢れてゐた。

片足の空中ブランコ乗りに玉乗りのクマ飛んだり跳ねたりとびっきり陽気なピエロ。

見るもの皆が陽気に笑う。

だからきっと知るよしもあるまい。

昼間の空中ブランク乗りの努力を、自分を人間だと思っていたクマの悲しみを、ピエロにしかなれなかった男を。


9月2日

『家路』

明るい月明かりが宵闇を照らしていた。

心を覆う重い悲しみはゆっくりと溶けてゆく。

電灯の灯りがポツポツと道を照らして私の行く先を教えてくれる。

うまくいかなかった今日。たった一人の家路。

「ただいま」

誰からの返事も返ってこない。

ミャア

…あぁ、お前がいてくれたか。


『夜空のゼリー』

「いただきます」

今日のおやつはゼリーだ。

中に星型のゼリーが入っているの を深い青色のゼリーで固めてまるで夜空みたい。

キラキラしてて綺麗だな!

つるんと飲み干せば 喉の中を流れ星が流れてゆく。

願い事を思い浮かべて…

「ごちそうさまでした」


『喫茶店』

カランカラン…

「いらっしゃいませ」

マスターの優しい声がして今日もお客がやってくる。レモネードを飲み喫茶店の本をめくるとふと昔を思い出した。

そうだ檸檬だ。

学生時代好きだった小説がその中にのっていた。

忘れた心だったり記憶だったり何かを取り戻して皆喫茶店を後にする。


今日もまた…


『選択』

「吸血鬼の血を飲んで吸血鬼になるのと人魚の肉を食べるのどっちがいい?」

「え?何その二択?」

「君を不老不死にしようと思うんだけど!」

「ちょっと待って!冗談だよね?」

「僕と永遠の時を生きてもらう!それで材料を用意しないと」

「…君の血を飲ませる訳じゃないわけね?」


9月3日

『雨上がりの世界』

雨上がりの水たまりには空が逆さまに映っている。

澄み切った空気と雨に濡れた緑たちがキラキラと雫を輝かせほんの少し世界が鮮やかになる。

水たまりに移った逆さまの雲と白い月。

きっと 水たまりの向こうに別の世界が広がっているのだろう。

子供の頃、私はずっとそう思っていた。


『歌うサボテン』

ずっと歌を歌っていた。

けして上手くはないけれど。

いつも外れた調子で歌い続けていた。

だけどそれを変な事の様な目で見られるのがとっても辛くていつしか人前で歌うことをやめた。

歌わない心は少しずつ栄養をなくして枯れていくみたい。

…心はトゲトゲのサボテンみたい。

歌ったら花が咲くかな。


『ある隕石について』

インド洋に落ちた隕石について所有権をめぐり各国で議論がされた。

その隕石は純金でできていた。

当然自国の物だとインドは主張。隕石を発見した米国が自国のものだと主張。その他関係ない国も主張。


宇宙では、その様子がバラエティで中継していた。

「バカだな〜金なんてただの石ころじゃんW」


9月4日

『天国は雲の上』

最近は何でもクラウドで管理だ。

僕は重要なことは手元に置いておきたい。

けれど考え方を改めよう。

亡くなった妻が帰ってきた。クラウドのデータで復元された彼女は生前と変わらない。

天国は雲の上にあるという。

天国には僕のデータがあっていつの日か2人でそこに行こう。


『夏休みの思い出』

夏の思い出はキラキラしたラメ入りのビーチサンダルを履くたび思い出す。

夏休み家族みんなで海に行ったんだ。

いっぱい泳いで貝殻を拾ってシーグラスもガラス瓶いっぱい詰め込んだ。

もう一度行きたいな。


お父さんとお母さん、どうして離婚しちゃったのさ…


『秋の空と猫』

真っ青な空に猫の形の雲が浮かんでいた。

可愛いなあ。

もしもボタンで空に貼り付ける事ができたらずっとくっつけていたいな。

けれどもちろんそんな事はできないからスマホを取り出してパシャリ!

猫好きな友達にLINEで送ろう、喜んでくれるかな。

おやおや、もう消えてしまった…


9月5日

『台風準備』

子供にとって台風は一大イベントだ。

ガタガタやって雨戸を閉めたり、玄関先の鉢植えを中に入れたり。

「僕もやる〜」

そう言い出して聞かない。

「明日は台風で学校お休みかな!」

ワクワクしてるけど母は大変だ。

電車やバスもストップするかもしれない。

そう話すとますます喜ぶ息子。


『台風一家』

僕ね子供の頃、台風一過を台風の一家のことだと思っていたんだ!だから台風にもお父さんとかお母さんとかいて、時々日本に遊びに来るの!

大雨を降らせて散々遊んだらお家に帰るんだ。

いやいやさすがに今はそう思ってないよ!

だってもう6年生だし。

それはそうとして今日学校お休みになるかな?


『動かぬ証拠』

「過去を見ることができるメガネを発明したぞ〜!」

「マジすか博士!?じゃあちょっと30分前を…」

「あれ博士どこに行くんです?」

メガネに映し出される30分前の映像。

『ふふふ助手君のプリン今の内にこっそりいただくか』

「ちょっマジ!?博士!」

「…わしゃ知らん!」


9月6日

『月と君の声と』

「月が綺麗ですね」

ふと君の声が聞こえた気がした。

君はそうよく言っていたな。

俺は意味もわからずただぶっきらぼうに、

「ああ、そうだな」

とだけ返した。

君はいつもニコニコ笑っていた。

その言葉の意味を知ったのは君が亡くなってから。

仏壇に月明かりが差し込む。


『夏の幻燈』

山道を走っているとエンストしてしまった。

…困った。カーサービスに電話してペットボトルのお茶を飲む。

山道はそれでも 数ヶ月に1回は草刈りされるが雑草はたくましくアスファルトの間から花を咲かせる。

カナカナカナ…カナカナ…

蝉の声がアスファルトに染みてゆく。

うだるような夏の午後。


『さんま雲』

天の川で昼寝をしていたらサンマ雲の大軍がやってきた。網で捕まえ、星の子たちにお腹いっぱい食べさせてあげた。

今年はまだまだ暑いけれどサンマ雲の美味しい季節だ。いつか地上に降りて本物の海のサンマを食べさせてあげたい。

次はいわし雲の大群がやってくるかもしれないな。


『夏の終わり』

どこからともなくコオロギの鳴き声がする。

こんな都会の片隅で一体どこにいるのだろう。

季節というのは目から耳から、ありとあらゆる感覚から入ってくる。

…あぁ、やっと秋になった。

ショーウィンドウは随分前からハロウィン 一色だ。

暑い夜に涼しい声が響き渡る。


『空飛ぶペンギン』

…水族館のペンギンは悠々と空を飛んでいる


水槽から見える深い色の水は夜明けの空に似ていた。

30年前、父に連れて行ってもらった水族館で泳ぐペンギンの姿を一生忘れることはないだろう。

「パパまた来ようね」


それはもう叶う事のない幼い日の約束。


9月7日

『鉱石ラジオ』

鉱石ラジオをつけると

ジジッ…

という音とともに陽気な音楽が流れ出す。

「すごいね本当にラジオになっちゃった」

「だろ?仕組みさえ分かってれば簡単だ」

水晶と鉱石とコイル。

ノイズと音楽。

15年も前に弟の作った鉱石ラジオは未だに家で音楽を受信する。


きっとこの先もずっと…


『小さい秋見つけた』

どこの店もすっかり秋の装いだ。

たっぷりとマロンや秋色パッケージのお菓子がスーパーにはいっぱい並んでいる。

「ママ〜これ買って」

パッケージだけでも子供たちは喜ぶ。

ついでに100均でハロウィンの飾りを買ってリビングに飾る。

キラキラ目を輝かせた我が子を微笑ましく見守った。


『銀河鉄道の夜の一人旅』

どこにでも行ける切符を買った。

電車に乗ってガタンゴトン

南十字星を見に行こう。

きっとそこには尊敬する宮沢賢治先生もカムパネルラもいるはずだから。

気がつけば銀河の星屑の上を走っている。

白鷺のお菓子

終点駅に輝くサウザンクロス。

本当の幸いについて考え、

僕はまた元の世界に戻るのだ。


『魔法の時間』

日が沈むほんのわずかな魔法の時間。

2人で浜辺を歩いた懐かしい記憶。

「マジックタイムと言うらしいよ」

2人で手をつないで歩くってその時間は確かに私にとって魔法の様な幸福な時間だった。

とっくに終わってしまった恋を諦めきれずに一人で浜辺を歩く。


……波の音は泣いてる声に似ている。


9月8日

『野に咲く花』

その人は野に咲く花の様な人だった。

野に咲く花は誰も気づかないけれどひっそりと美しく咲いている。

その人がいなくなって周りがギスギスし始めて、けれど誰もその人がいたからという事に気がつけない。

その人はひっそりと消えてしまった。

けれどきっと僕の知らない所で花を咲かせているのだろう。


『君より…』

きっと僕は君より先に死ぬのだろう。

君はずっと長生きで僕が死んだら違う子と暮らすんだろう。

ずっとずっとそう思っていたのに、ある朝目が覚めたらしっぽが2つになっていた。

もしかしたら君より僕の方が長く生きるのかもしれない。

でもきっと君より好きな人はできない…ニャア。


お読みいただきありがとうございました。

お楽しみいただけたなら幸いです。

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