表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/183

12.お出迎え2

アルチュール・ユーゴ・デュフィはオティーリエの前に来ると、颯爽とボウ・アンド・スクレープで挨拶をした。

左腕が完全には伸びきってなくて、右手も腹の左脇ではなく腹の前に添えている。

と言う訳で、完璧まであと一歩。


でも、その崩したところが様になってもいるので、わざと崩しているのかもしれない。

これはこれで、相手の印象にも残るだろう。

いい印象か悪い印象かは人によるだろうけれど。

ただ、同じ立場の人にはいいかもしれないけれど、立場が上の人にやるのは悪手ではある。


「初めてお目にかかります。

 アルチュール・ユーゴ・デュフィと申します。

 この度はご招待いただき誠にありがとうございます。

 このように拝謁する機会を設けていただきましたこと、深く感謝いたします。」


アルチュールは緊張した様子もなく、さらっと挨拶の口上を述べた。

いかにも場慣れしている感じ。

跡取り息子ということで、幼い頃からお客様周りにも連れ回されているのだろう。

と、言うことで、ボウ・アンド・スクレープはわざと崩しているのだろうとオティーリエは判断した。


「ご丁寧なご挨拶をいただきまして、ありがとう存じます。

 どうぞお顔をお上げください。」


顔を上げたアルチュールは、オティーリエを真っ直ぐに見て、にこやかな笑みを浮かべる。

オティーリエの方はというと、ご挨拶用の笑みのまま、挨拶を続けた。


「オティーリエ・セラスティア・ロートリンデです。

 アルチュール、本日はご出席いただきまして、心より感謝いたします。

 公式な場ではありませんので、どうぞお気を楽にして、ごゆっくりおくつろぎ下さい。」

「ありがとうございます。

 後ほど、ゆっくりと語り合いましょう。」

「はい、よろしくお願いいたします。」


そこで、オティーリエは侍女に視線を送った。

その侍女がオティーリエの横に出て来て、アルチュールに一礼する。


「それでは、会場へご案内いたします。」


そう言うと、庭園の中に向かう。

アルチュールは、一度オティーリエに軽く頭を下げた後、その侍女の後に続いて、庭園に入って行った。

少々短いですが、キリがいいところで。

アルチュール君をお出迎えする令嬢でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ