咳の病
どうして長く休め無いのかな。
蓄膿症からくる、忌まわしい咳。それはもう、単なる身体の不調ではない。社会的にも私を殺しに来ているんじゃないかな。まるで、私という人間を、社会という名の病室から隔離しようとするかのように。
身体は必死に抵抗している。たんを出し、気道をクリアにするために、懸命に咳き込んでいる。それは、まるで、この病室から抜け出そうと必死にもがいているようだ。しかし、周囲の人々は、私の咳を、ただの迷惑なものとしか見てくれない。流行り病への恐怖と、私の咳がうるさいという理由で、私は避けられる。
長い休みを取れるわけでもない。咳以外は健康なのに、ただ咳をしているだけで、まるで社会から追放されたような気分になる。厄年という言葉が、いままで以上に重くのしかかる。年末に向けて、この厄年はクライマックスを迎えているのだろうか。
仕事でも、タイミングの悪い不調が続く。周囲の冷たい視線と、自分のやるせない気持ちが重なり合い、やる気をなくしてしまう。世の中は、負の側面ばかりが目につく。怒り、嘆き、そして絶望。
それでも、私は諦めない。温かいご飯を口にすると、ほんの少しだけ心が安らぐ。身体は元気だ。まだ、できることはたくさんある。そう自分に言い聞かせながら、今日も一日を乗り越えようとする。
いつか、この咳から解放される日が来るのだろうか。それとも、私はこの病室に永遠に閉じ込められてしまうのだろうか。そんなことを考えながら、窓の外の景色を眺める。
負けっぱなしは性に合わない、世の中にも蓄膿症にもね。
出来るなら遊んで過ごしたい。
どんなに嫌われてても仕事に依存してしまうのも世の中の病ですよね。