パッションピンクのあの子。
痛いと思うのか、羨ましいと思うのか、ただそうありたいと願うのか。
黒や寒色の鎧を纏い、(鞄)剣を手に戦場へと赴く者達。通勤ラッシュは英雄物語の一節の様に人々の覚悟と戦意を伺わせる。しかしてその最中、私は一輪の花を見た。
彼女が身に着けているのは、華やかなパッションピンクのドレスだ。黒の重厚な世界に現れた、一際鮮やかな色彩。それは、まるで暗雲を裂き射し込む一筋の光のようだ。
周囲は彼女を異端と捉えようとするだろう。黒の重みに慣れきった世界で、ピンクのドレスは異質な存在だ。しかし、彼女はそんな視線など気にせず、己の道を突き進む。それはまるで、中世のフランスを導いたジャンヌ・ダルクが、神の声を聞き従い、戦場へと駆け出した姿のようだ。
彼女の武器は、剣ではなく、そのドレスかもしれない。それは、彼女の信念、そして周囲を照らす希望の象徴だ。黒という重苦しい空気を軽やかに切り裂き、新たな世界を切り開くための、彼女の盾であり剣なのだ。
私は、彼女のような勇気を持つことができない。周囲の目を気にし、群衆に同調してしまう。しかし、彼女の姿を見る度に、心の奥底から何かが沸き起こる。それは、自分自身にも眠っているかもしれない、何かを成し遂げたいという強い願いだ。
彼女が向かう先は、決して平坦な道ではないだろう。嫉妬や中傷、そして様々な困難が待ち受けているはずだ。それでも、彼女は恐れることなく、前へと進んでいく。その姿は、私にとって、暗闇の中で光を放つ星のような存在だ。
私は、彼女を心から称賛する。そして、いつか私も、彼女のように、自分の信じる道を堂々と歩んでいけるようになりたい。彼女の勇気と情熱は、きっと多くの人々に勇気を与え、世界を明るく照らしてくれるだろう。
彼女の行く先が、嫉妬の炎に焼かれるものではなく、希望と光に満ち溢れたものであることを心から願っている。そして、いつか、彼女の様に、新しい時代を築き上げることができることを夢見ている。
個性の表明って凄いですね。