【魔天(第6号)】
『魔天』(第六号)
★連載1〈義経の首塚を追え〉第6回
本誌記者は、とうとう、裏山の深くに進入することとなった。
麓はきれいに手入れされているのだが、入り口はどこにも無く
どうにかある獣道が祠を繋いでいた。また中央に侵入する道は
なく、ヒトが入った形跡もない。いよいよもって怪しい……
いや妖しいというべきか。何故、人が入っていかないのか?
以前も報告したが、人を寄せ付けない雰囲気を強く醸し出して
いる。やはり、祠による結界が内側に何者をも寄せ付けまいと
しているのだろう。入るまいと思う意識を押しのけ、道無き道
を突き進むことにした。しかし、介入してくる意識は、裏山の
中心部に近くなるほど増してきた。そして、見てしまったのだ。
黒い者を……。この存在の情報は以前も得ていた。
夜間、神代病院の入り口にある喫煙所の三つの椅子。
その真中に座る人は、黒い塊に覆われ周囲の人間に姿が見えな
くなってしまう。というものと、院長の霊視をした際に仏の姿
は無く、人型の黒い塊が操るように背中から生えていたという
ものだ。その黒い塊と同類であろうそれは、ゆらゆらとたゆた
いながら、記者と一定の距離を保っている。一歩下がれば塊は
進み、進めば進んだだけ下がっていく……。
これは、記者を導いているのか?
中心に何者をも寄せ付けない結界とは別な意志なのか?
とすると、これは何を記者にもたらすのだろう。しかし、記者
に恐怖感は無かった。それにも勝る好奇心でその黒い塊につい
て、中央部に辿りついたのだった。 (つづく)
記者 御名神
★連載2〈南極の氷塊にうもれたミイラの謎〉第6回
今回の調査で手に入れた王冠と水晶球を解析すべく、神代病
院の協力を得る事となった。神代病院ではCTスキャン、MRI、
超音波検査等を行っていった。しかし、それらの検査では特筆
する問題は見られなかった。CTの断面図でもよく見られる水晶
と変わりなく、エコー、MRIもまた然りであった。しかし、温度
検査でちょっとした疑問点は出た。室温が如何に変化しても水
晶球に温度変化が見られなかったことだ。様々な検査を重ねて
いくうち、水晶球より、エネルギーが放出されている事が分っ
た。これはロシアのセミョン・キルリアンが創始した、オーラ
を映像に収める技術、キルリアン写真(高電圧写真)を試した
事でわかったのだ。さらに、水晶球に電極を取り付け、水晶球
が持つエネルギーを波形化しようと試みた。この事により、こ
の水晶球が人間の脳波に近い波を持っていることを発見したの
だ。この事より、波のデジタル信号化を成功する事となる。し
かし、最近は彼から声が聞こえてこない。何か意図のあること
なのだろうか…… (つづく)
記者 永瀬
★信者募集!
カルトNo005 道化師教会
代表:純愛さん
活動地区:埼玉県ストロベリー市
私達は、いわば黒い集団です。
LOUISを愛してやまない人達が集まって、コスプレとバースディ
集会をメインに活動しております。
入会条件は、たまごおうじが星矢に見える人。
グル~ミ~が羊介に見える人です。
各ライブ、ツアーで出没しますので、見かけたら声を掛けてく
ださい。
おぉっ! 何やらファン魂まっしぐらな人達からのお手紙のよ
うですね。でも、埼玉県は「さいたま市」では?ストロベリー
市って、一体……
記者:藤守
(つづく)