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魔天  作者: 雨宮 瞬壱
10/11

【魔天(第10号)】

~魔天~Vol.10



★連載1〈義経の首塚を追え〉第10回


この東北の地が黄泉比良坂であり、この存在がイザナミである事は理解できた。イザナミを前にして、超神秘的な存在を否定するのもなんだが、結局現実的に考えれば、当時の人間では生きていくのに苛酷な環境である東北の地を黄泉比良坂と呼び、死出の旅とは文字通り黄泉比良坂=死(後)の世界に旅をする事を指していたのではないだろうか。かつて天津神と呼ばれる集団があり、そこでは死が近付いた者、怪我や病気で余命いくばくも無いと判断された者を、黄泉醜女、黄泉戦ヨモツイクサと呼ばれた者達に運ばせた、共に旅をさせたという風習があったのではないだろうか。そして、その風習に疑問を感じたイザナギが黄泉比良坂にイザナミを追って行った。そうしたら、死なずに生き延びた者達の手によって国が作られており、そこで禁を破り追われる事となった…というのが辻褄の合う話しではないのだろうか…

 と、ここまで思い至った時、イザナミは言ったのだ。

「その通りです」

と…。そして更に続ける。

「しかし、先程も言った通りに、我々は国創りの神。創世の力を与えられていました。そして、その力は善いモノばかりを創るわけではないのです。

 イザナギの負の感情が、この黄泉比良坂を人の精神内界の深い所に植え付け、〈死後の世界〉を物質界よりも高次の精神世界として存在させてしまったの…」

 記者は話しは分ったつもりである。だが、記者をここまで導いてきたのは彼女だ。何らかの意図をもって…

 そして、それが語られた時、全ての調査報告が終わりを告げるのだった。(つづく)


記者 御名神




★連載2〈南極の氷塊にうもれたミイラの謎〉第10回


オリジナルM、S、L全てが完全に展開されない事についての疑問が我々を悩ませた。永久原子までたどり着けず、それらの能力を完全に解明できずにいたのだ。この期間時間にして半年である。しかし、それも二人目の研究参入であっさり解決する事となった。いや、別な道を見出したと言うべきかもしれないが。二人目の意思疎通者藤守ミサヲの手によりArkのコピーが完成したのだ。その方法とは、オリジナルの全てを、入れ物ごとデジタルデータとして1と0の配列に変換してしまったのだ。コピーは〈A-0m〉、〈A-0s〉、〈A-0l〉と名づけられた。この方法はPCデータを展開するソフトは無いが、データそのものをコピーする事ができるのと同じものなのだ。そして、その場合、テキスト等で記号の配列を確認する事が出来る。と言うことはだ、その数字の配列を並び替えるだけで、全く別な能力を持ったArkを生成する事が可能となるのではないのか。だが、それでは上手くいかなかった。三つのオリジナルデータを比べ合わせ、共通する配列とそうでない配列を選び出した。これは、共通配列はArkを形成するのに必要な配列であろう事が考えられ、逆にそうでない配列はそれぞれの個性を示していると考えられる。これはDNAの解析と同じであった。そして、三つのオリジナルデータを交配させる事で〈Advanced Ark〉…通称〈AA:ダブルA〉と呼ばれる調整されたArkが完成した。最も、デジタルデータ上だけであったが…(つづく)


記者 永瀬




★連載3〈神代オカルト調査ファイル〉第4回


『藁人形』

日本で最も有名な呪詛儀式である丑の刻参りで使われる人形をいう。

~呪う方法~

①呪者(主に女性)は、丑の刻(午前二時頃)に神社に参る。

②藁人形には、予め身体の一部(主に髪の毛や爪)を埋め込むか、写真を貼る。

③鳥居か神木に藁人形を木槌(か金槌)で五寸釘を藁人形の心臓に打ち付ける。

④これを七日間続けると、呪う相手は死ぬ。

~呪う時の装束~

 白衣を着る。頭には五徳を逆さに被って、その脚には蝋燭を三本立てて火を灯す。髪は振り乱し、胸には鏡、足は一本歯の下駄である。

~呪う時の注意~

①儀式を他人に見られてはいけない。

②呪詛反しを受けると自分が呪われる。

~藁人形他の使い方~

 害虫の姿を模して虫送りと言われる、虫の形の人形を、行列を組んで村境まで送る儀式に使うなど、日本の民間呪術に広く使われているようだ。


記者 新堂




★信者募集!


カルトNo009 PPT業務企画課

代表:新堂 真さん

活動地区:神代市

つうか、ウチの会社です。業務拡張の為有能なスタッフを募集しています。

~募集要項~

現実世界でペーパ-配布してくれる方

情報通の方

週1回でいいからオカルト情報を提供してくれる方

私書箱にメール下さい。よろしくです。


はい。と言うことです。何処かの宗教団体みたいに人材も人員も足りないのでして…っと、失言失言。 


記者:藤守



(つづく)

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