満天のゴミ空
ああ、また今日が終わっていく。
俺は、このゴミ箱をひっくり返したみたいな星空が大嫌いだった。
今日が終わって、また、明日が今日になる。
くっだらない日常の繰り返しの中で俺の中に蓄積されていく、憎悪や嫌悪たち…。
けれど、それもこれも今日で捨てることができると思うと、今日のこのゴミ空は嫌いではない。
ゴミ空を写すこの凪いだ海はゴミ箱そのもので、今から俺も、俺自身をこのゴミ箱に捨てる。
ゴミはゴミ箱へ捨てましょう。
今日学校で見かけたポスターを思い出す。
最期までマナーを守るなんて、誰かに褒められてもいいんじゃないか、なんて思って、ふ、と笑いを漏らす。
あと一歩足を進めれば、この世とおさらば、というところまで進んで立ち止まる。
改めて見ると、煌めくゴミもゴミ箱も、悪い景色ではないな、と思う。どうでもいいけど。
星程度の光でも俺の心は翳るのだから、また明日太陽の光でも受けたら木っ端微塵になりそうだ。
そうなる前に、と足を一歩前に進める。
コンクリートに打ち付けられたような衝撃の直後、俺の視界いっぱいに満天の星が見えた。
ゴミ箱の中から見たゴミは俺のことなんて全く気にも留めていなくて、自分を綺麗に見せるので精一杯なように見えた。
俺の中にかすかに残っていた希望を全部吐き出すととても苦しくてもがいたが、既に俺の中に希望を入れる隙間なんてないと思い出して、絶望に身を任せた。
最期の最後に俺は、誰かにこの魂ごと喰い尽くしてほしい、と願った。




