ヲタッキーズ114 彼女が網タイツの理由
ある日、聖都アキバに発生した"リアルの裂け目"!
異次元人、時空海賊、科学ギャングの侵略が始まる!
秋葉原の危機に立ち上がる美アラサーのスーパーヒロイン。
ヲタクの聖地、秋葉原を逝くスーパーヒロイン達の叙事詩。
ヲトナのジュブナイル第114話「彼女が網タイツの理由」。さて、秋葉原で話題のマジックショーの最中にマジシャンが消え、死体となって見つかります。
マジック業界の恨み辛み、怪しい元カレ、さらに怪しい奇術デザイナーなどが現れる中、有名になりたいヲタク達の欲望がドロドロと浮上して…
お楽しみいただければ幸いです。
第1章 燕尾服にレオタード
いつから彼女達は、レオタードでなくなったのだろう?
レオタードこそ燕尾服とベストコーディネートなのに←
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
とりあえず、両手に花…いや、両手にメイド!
「テリィたん、マジックショーが始まっちゃう!」
「話題のマジック御屋敷"タルマ&タニマ"ょ!」
「え。確か先週まで女忍者カフェだったょね?」←
左右の腕にベッタリ張り付くメイドはリンリとランラ。
小走りに走りながら僕を"タルマ&タニマ"へと誘う。
低身長の双子。どストライクだ(何?)←
「どうぞ拍手拍手拍手。ココで皆さんの前に姿を現すのはテルマテルマテルマ。変身変身大変シーン!」
既にショーは始まっており、MCは燕尾服に真紅のレオタードの助手。生脚に網タイツが艶めかしい…ん?か、彼女は…
エマソ・レイロだw
次の瞬間、炎を噴き出すオカマの中からタルマが登場!
コチラは燕尾服に真っ白なレオタード…と変身ベルト←
「次のマジックは皆さんを煙に巻く巻く巻く。究極の大変身大変身大変シーン!世にも不思議な変身をその目で、とくとご覧あれぇあれぇあれぇ」
サヴァン症候群のエマソは独特の喋り。ソレより俗称"褐色の深い谷間"が重いバストで胸を張れば誰もが生唾ゴクリ…
「す、すげぇ!いつの間に?」
ステージの照明がマバユく明滅するや、タルマは透明シリンダーの中にいる。瞬間移動?どよめく客席。僕も目を疑う。
「みなさんにお願いしたいコトはタダ1つ。お静かにお静かにお静かに…」
再び照明が明滅!シリンダーの中に花びら乱舞!
素晴らしい!どーなってんの?でも、ブラボーw
「目を離さないで。ココからが究極のライダーマジック"マーメイダー1号"変身変身大変シーン!」
舞い飛ぶ花びらは瞬時に消えシリンダーの中が水槽に?
そんなバカな。花びらもタルマも消えて熱帯魚が泳ぐw
「彼女こそ伝説の"マーメイダー1号"です」
再びフラッシュ!…が、何も起こらナイw
「改めてご紹介ご紹介ご紹介…タルマ!」
ヤハリ何も起こらナイ。拍手がパラパラと湧くw
「中でマジシャンが泳いでるハズなの?」
「そーみたいだな」
「失敗?巨乳MCが可哀想」
メイド達は口々に嘆く。僕も巨乳のピンチには心から同情w
「気を取り直して…タルマタルマタルマ!」
「トラ、トラ、トラみたい」
「気の毒に」
もはやマジックショーの失敗は明白だ。慌てて幕が降りるw
「テリィたん、ごめんね。良いショーだと聞いてたのよ」
「でも大失敗だわ。払い戻しとかアルのかしら」
「案外コレも演出だったりして」
その時、降りたカーテンの向こうでエマソの叫び声。
「誰か!ヲタッキーズを呼んで!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ヲタッキーズは、僕の推しミユリさんが率いるスーパーヒロイン集団。他には妖精のエアリとロケットガールのマリレ。
民間軍事会社で、一応、僕がCEOだ。
「何で私が自分の御屋敷で大学リーグのチアガールのコスプレしなきゃならないの?」
「だって…ミユリ姉様は賭けに負けたので…姉様のチアガール姿、激レア。きっと御主人様方は大喜びょ」
「確かテリィ様の元カノのミクス検事は学生の頃にチアを…スポーツって人を変えるから嫌い」←
今宵の"潜り酒場"。
御屋敷のバックヤードをスチームパンク風に改装したらヤタラ居心地良くて回転率は急降下。メイド長はオカンムリだw
「リンカ。貴女って"洪水の化学"の祭祀長だったわょね?教団に入れば悩み多き人生の答えは見つかるのかしら」
「ラギィ警部?うーん"司祭キラー"の汚名を着たママ教団を追い出されそうな私だけど。何かあったの?」
「私、礼拝堂に行ってみた」
2回目からは誰でも常連扱いの"潜り酒場"は、アキバのスクランブル交差点。いつも雑多なヲタクでゴッタ返してる。
「礼拝堂?ウチの教団の?気は確か?」←
「宗派はともかく礼拝堂に行くのはママの葬式以来ょ。その前だと13才の頃かな」
「どうして行く気になったの?潜入捜査?」
カウンターで話し込むのは、万世橋警察署の敏腕警部ラギィと、アキバ発の新興宗教"洪水の化学"祭祀長のリンカだ。
ソコへラギィのスマホが鳴動。
「あ、ごめん。リンカ、邪魔が入ったわ…え。テリィたん?双子メイドと3P浮気の最中だっけ?…わかった。直ぐ行くわ…ねぇ"タルマ&タニマ"だって。何処かしら。誰か知ってる?」
「ラギィ、マジックの殿堂ょ。コロナ後の秋葉原を代表するランドマーク。私も1度行ってみたかったけど…何かあったの?」
「さぁ。ミユリ姉様、マジシャンが消えたらしいの」
カウンターの中でミユリさんはキョトンw
「マジシャンなら…消えて当然でしょ?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
マジック御屋敷"タルマ&タニマ"。
「あ、ラギィ!マジシャン2人が舞台にいた。進行役とトリック担当だ。花びらが舞い飛ぶ中、苗字ナシのタマルが消えて、シリンダーの内部には水が残った」
「あ、テリィたん…ふーん良くあるシリンダー型のマジック装置ね」
「彼女のパートナーである"タニマ"ことエマソ・レイロの話だと…」
駆けつけたラギィ警部に"サラッと"説明して去ろうとしたけど、敏腕ラギィは、女の勘で鋭く話の要所を突いてくるw
「ちょっと待った!エマソ・レイロ?あの褐色巨乳のエマソ?テリィたん、未だ付き合ってるの?彼女、精神病でしょ?ソコが萌えるの?テリィたんって変態?」←
「待て!僕は若くてピチピチの双子メイドと3Pを狙う正統派だ!そしたら、彼女が偶然。燕尾服に真っ赤なレオタードで…」
「あのタワワな爆乳がレオタードに?」
話が前に進まないw
「エマソ、ってステージでは"タニマ"って名乗ってたけど、彼女の話では、フラッシュの後、相棒の"タルマ"は"マーメイダー1号"のコスプレでシリンダーの中を泳いでる予定だった。その彼女に+¥1000で1回"餌付け"が出来る」
「アジの生魚とか?」
「キルフェボンの"ティアラタルト"だ。期間限定でコラボしてる」
またまた話が進まないw
「相棒タルマはシリンダーから出るハズないないない。姿が消えた消えた消えた」
「あ。エマソ、じゃなかった、タニマ。君の相棒は、空気から水に瞬間移動、そして消えた?ソレって、生命の起源への回帰、逆進化じゃないか!…って、実は今も舞台の下に隠れてたりして」
「え!テリィたん、ソレはナイナイナイ」
警官らしく、タニマに鋭い視線を投げるラギィだが、どーしても視線は胸元の"褐色の深い谷間"へと吸い込まれてるw
谷間は視線のブラックホール←
「あのさ、エマソ…じゃなかった、タニマか。しかし、マンマのネームだなwこのシリンダー装置は一見完璧。でも、実際は見かけより180cmほどフロアより低く作られてるょね?」
「ソレ、トリックとは関係ナイナイナイ」
「でも、タルマが隠れるには充分だ…ねぇ落とし床を開けてみてょ」
ステージ脇の操作盤にいるトリック担当に声をかける。
「落とし床?何ソレ?ソンなモノがアルなら、直ぐに落とし床を開けなさい!」
吠えるラギィ。スイッチャーに小さく首を振るタニマ。
「ギャラの心配してるの?アンタ、マジシャンからもらうギャラのために警察に虚偽報告をすれば、即、捜査妨害で蔵前橋(の重刑務所w)行きょ?お正月を蔵前橋で過ごしたいの?早く開けなさい!」
ラギィ警部がドスをきかす。タニマは溜め息だ。次の瞬間シリンダーのフロアは、バネ仕掛けで勢いよく左右へと開く。
「お集まりのみなさん、奇術師タルマの登場です!」
ラギィは、おどけた仕草で無人の客席に深々と1礼し、フロアの下を覗き込むと…ソコは真っ赤な血飛沫で濡れているw
「この血痕も…何かのトリック?」
第2章 タルマ&タニマ
30分後。
「ウチの鑑識が言うには、血液の量は1〜2リットル。ココで間違いなく何かが起きたようね」
「悪い予感がスルなー…もう帰っても良い?」
「全然ダメ。テリィたん、重要参考人にスルわょ。タルマは、この血染めの奈落の底に潜んでたのかしら」
"マーメイダー1号"のコスプレで?ホタテ貝のブラ?
「今、血痕を鑑定中ナンだけど、タニマこと本名エマソ・レイロ、通称"褐色の深い谷間"さん!スゴい爆乳ね…じゃなかった、相棒のタルマは何処?」
「知らない知らない知らない」
「また嘘をつくの?貴女は、既に落とし戸の存在を秘匿しようとした。次のアウトでゲームセットだけど?」
やたらクリアに話すタニマこと…(以下省略)w
「弁護士弁護士弁護士、呼んで」
「この血、まさか小道具じゃナイでしょうね。血痕を残して姿を消せば、新しいマジックの宣伝になるモノ。ねぇコレ、売名目的なの?」
「…ラギィ警部、とりあえず、飛沫血痕三角法を応用して調べてみるわ。血痕とタルマがいたであろう位置との関連性を調べてみる」
スマホから声がスル。アプリでラボから捜査に参戦スルのは史上最年少で首相官邸アドバイザーになった超天才ルイナ。
「テリィたん。スマホをマジック装置に近づけて…そう。そのシリンダーの辺り。ふーん。このパイプから水を通すのね?コーナーに組み込まれたマイクロ送風機でシリンダー内の空気を循環させてる。テリィたん、血がつくからビニ手をして」
あ、忘れてたw
「ルイナ?あの超天才の?…とゆーコトは、貴方が国民的ヲタクのテリィたん?」
ん?今度は赤レオタードに燕尾服のマジシャンが登場だw
「私は"タルマ&タニマ"所属の理系マジシャン、ジレタ・クレタと申します。私、ヲタッキーズの大ファンです。特にルイナ。貴女の論文は全部読んでます」
ルイナは僕達の顧問もやってる。因みに車椅子にゴスロリ。
「貴女の名著"ヲタ友の作り方"も読みました。とても愉快な本でしたが、論文の出来には及ばない…私、裏でマジックの準備をしてたんです。しかし、お会い出来て光栄だわ」
「ジレタ。私も貴女のヲタクょ。2人組のマジックでしょ?」
「私を御存知ですか?ソレは光栄だわ」
理系だとマジシャンでも論文を読むのか。この世界も大変w
「私、"レッドタイガー"のマジックの動画を見ました。お気に入り登録してます…もう仕事に戻らないと」
「そうですょね。捜査中に失礼しました。確か"無限級数の認知的不協和"の論文も描かれてましたね?」
「あ。アレは私じゃ無くて…」
お。勇み足か?クスクス
「実は"レッドタイガー"のマジックも別の者です…いずれにせょマジックの世界には心得がアルので、お見知り置きを」
「ありがとう、ジレタ」
「それでは」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
どうやら今回は、燕尾服にレオタード系の知り合いがネズミ算式に増えそうだ。そういえば、リンリ達と出逢ったのも…
え?リンリ達…マズい!僕は御屋敷を飛び出すw
「リンリ!ランラ!寒空の下、待たせてゴメンな。突然調査が始まっちゃって…」
「しょーがないわ。ヲタッキーズのお仕事優先でしょ」
「また今度、埋め合わせを…」
リンリとランラは、首を横に振る。
「テリィたん。貴方は良い人。でも、御縁がなかったわ」
リンリは右、ランラは左の頬にキスしてくれる。その時!
「国民的ヲタクとして有名なテリィたんが、若くてお肌ピチピチ(死語w)のメイドと、あろーコトか殺人現場で3P浮気をしています!ところで、テリィたん。現場からは大量の血液が見つかったそうですが?」
マイク片手の翠髪キャスターにカメラクルー、照明に音響、プロデューサー的な女までいるw
マズい!アキバ発の大手メディア"ワラッタ・ワールドワイド"の"パパラッチ第6課"だ←
アキバセレブが最も恐れる"ワラッタ砲"の精鋭←
「今回もヲタッキーズは、万世橋に捜査協力スルのですか?!」
「警察が捜査中の案件にはノーコメントだ。いや、ノーコメントと逝うコメントも出来ない。失礼、通してくれ」
「…バーコード強盗団の一味"褐色の深い谷間"ことタニマさんを残して、エースマジシャンのタルマさんが行方を消しました。一方、レオタード好きのテリィたんは沈黙を守っています!」
毒電波を世界にお届けかょトホホ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
万世橋に捜査本部が立ち上がる。
「タルマは本名不明。運転免許もマイナンバーも見つからナイ。ダメ元で顔認証にもかけましたがヒットなし」
「ソレじゃ血液鑑定しても意味ナイじゃないの!あの血の海は誰の血だったの?他に何かわかったコトは?」
「月刊誌"明るいマジック"のバックナンバーを漁ったら、タルマは過去にも同じ失踪騒ぎをデッチ上げてます。2017年に高輪ゲートウェイで生き埋めのマジックをした時、彼女が入っていた棺が壊れ、45分後に築堤と共に掘り起こされた時、棺の中はカラッポでした。3ヶ月後、目黒エンペラーで事故発生、焔から脱出が出来なくなり…」
ラギィは蝿を追い払う手振りで話を遮る。
「当ててみよっか?2度とも後日、奇跡的にタルマは無傷で秋葉原に現れたとか?」
「ピンポーン!警部、すげぇ。罰金50万円に対し、マジックショーのチケットの売上げは2500万円…」
「坊主丸儲け…いや、マジシャン大儲けか!」
ラギィ警部は、溜め息をつく、
「誰か、正面のモニターに舞台下の隠し空間を出して」
「コレです。作りは頑丈で1人で出るのは不可能です。しかし、その時パートナーは舞台の上にいた…」
「も1人、アシスタントがいるのカモ」
マジック好きの刑事が語る。
「または、地下に潜るように見せかけただけカモしれません。前にリムジンを消すマジックを見たコトあります。消えたリムジンの正体は男14人と鏡と3枚のベニア板が作り出す錯覚でしたが」
「…過去1年間で2人がコラボしたマジシャンを洗い出して」
「そもそもコレ、犯罪なのかな?」
僕が鋭い洞察を述べた直後にワラッタの録画が流れるw
「…大量の血液が?」
「捜査中だからノーコメントだ!」
「…レオタード好きのテリィたんは沈黙を守り…」
僕は頭を抱える。
「あらあ。顔が売れちゃったわね、この浮気者。若いメイドと遊ぶからこーなるのょ。で、どーだった?やっぱりお肌はピチピチ(死語w)なの?」
「カラオケにすれば良かったょトホホ」
「今からでも遅くないわ。電話したら?有名セレブは好かれるわょ?」
刑事達の前で僕をイジメ倒すラギィ。良い姑になりそうw
「ソレからタニマが"blood type BLUE"で異次元人だから、本件はウチとSATOの合同捜査になったわ。"褐色の深い谷間"への情けは無用。事件解決に励んで頂戴」
南秋葉原条約機構は、アキバに開いた"リアルの裂け目"からヲタクを守る防衛組織。"ヲタッキーズ"を傘下に置く。
「被疑者が"BLUE"だからって、何でもカンでも合同捜査にスルSATOの姿勢は間違ってる。いつまでたっても所轄の警察に力がつかないょ」
「何言ってんの?SATOのレイカ司令官は、誰かさんが派手にマスコミに出たせいで巻き込まれたってカンカンだったわょ…ってか、ミユリはテリィたんがお肌ピチピチ(死語w)メイドと浮気してたの知ってるの?」
「わ、わかった。とにかく!タルマさえ見つかりゃ良いンだろ?ソレで万事解決だ。OK?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
一方、パーツ通りの地下深くつくられたSATO司令部に併設されているルイナのラボ。超天才は相棒のハッカーと協議。
「スピア。この事件、もう答えがわかってるけど」
「ルイナ、偏りのない真実を追求しょ?貴女は結果について先入観を持ってる。既にデータを選り好みしてるじゃないの」
「スピア。じゃ今回のデータ解析は貴女がやって」
ルイナの相棒スピアは、ストリート育ちのハッカーだ。
純粋培養のルイナにとり貴重な社会との接点なのだが…
「そもそも、マジックのアシスタントってヤタラとラブリーで、無意味にレオタードなのが悪趣味だわ」
「アレはね。男性客の目を釘付けにして、トリックが見破られナイようにしてるだけ。生脚に網タイツは万国共通の目くらましでしょ?」
「ソレがアシスタントが網タイツの理由?何なのソレ。私が車椅子だと思ってバカにして」
ソコかょと軽い疲労感を覚えつつ、スピアは溜め息。
車椅子とゴスロリはルイナのトレードマークなのだ。
「…私、マジックのタネが見破れないと、何だかホッとスルのょね」
「どんなマジックにも必ずタネはある。ねぇスピア、一緒にトリックを暴こ?」
「お断りょルイナ。私の楽しみを台無しにしないで」
今回2人の足並みは揃わないw
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
同時刻。万世橋の捜査本部。
「警部!隠しスペースの血痕鑑定の結果ですが、O+の人間の血液で、バー小体とケル抗原から腐女子のモノとわかりました!」
「当夜、ステージドアに落ちてた毛髪ですが、タルマとDNAが一致です。彼女に間違いありません」
「やはり被害者はタルマね?では、誰が彼女を狙ったの?」
ラギィ警部は頭をヒネる。
「彼女のラブリーなアシスタントでしょうか?」
「タニマは、サヴァン症候群を病むグラビア中心のグラマラス系。タルマと出逢うまでは、ロクにマジックもやってなかったハズだ」
「テリィたん、タニマのコトになるとムキになるのね…タマルは、企画単体の美人だし、誰に聞いても才能がアルと言うわ。なぜ自らシリンダーに入ったのかしら。本来は助手の仕事でしょ?」
ムダな感想を挟むラギィに真摯に助言スル僕。尊い行為だ。
「タルマがショーの目玉であるコトは確かだ。タニマがタルマを殺しても彼女には何の得も無い」
「テリィたん、グラマーを無罪にしようと必死ね…過去に2人とコラボした連中も、誰も口を割らないし。マジックの世界って秘密厳守が鉄則なのね」
「きっと今回も芝居だ。タルマの売名行為。ニュースに出て話題をつくり、マジシャンとしての名声を高め、ギャラを上げる。その内、国債の長期金利も上がり…」
お正月番組の受売りスル僕に、冷や水を浴びせるラギィw
「で、あの血はどうなるの?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ルイナのラボから捜査本部に報告が入る。
「三角法の分析では血痕の飛散パターンはモノホンでした。鋭的外傷に因るモノだって」
「あれ?ミユリさん?SATO司令部にいるの?」
「はい。ルイナの解析のお手伝いです。何かスピアとシックリ逝ってナイらしくて…」
会話アプリ経由でラボからルイナが解析結果をレク。
「血痕の飛散パターンの真偽を調べたの。地面が濡れていたとスルわね。コレは雨か、お隣さんの洗車の痕か。雨だとスルと、通常雲から垂直に落ちる雨滴は、地面に当たり外側にハネて、ホースから出る水の挙動とは異なる特質を持つ。ベクトル、速度、そして角度。最低でもこの3要素を関数比較すれば、ソレが雨か、お隣の洗車の痕かがワカル」
「うーん実は半分ぐらいしか逝ってるコトがワカラナイんだけど…結論は?」
「血液の飛散パターンや角度、速度を解析スル限り、タルマはホントに負傷してる。事故か争った結果なのかはワカラナイ。で、良ければ専門家の意見を聞いて確かめたいンだけど」
ラギィ警部は即決。
「聞いて。機密情報アクセス権は無視して」
捜査会議は終了…と同時に僕のスマホにミユリさん。
「テリィ様。3Pデートのお相手は?」
僕は、首を横に振る。
「ちゃんと電話はしたのですか?」
「したけど…出ナイ」←
「花束でもお持ちになれば?1時間差し上げます」
唐突に回線は切れるw
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
神田花岡町の界隈は、秋葉原駅前と逝う立地を生かし、高層タワマンが乱立スル摩天楼街へと変貌している。
その中層階の1角で、僕は花束を手に、ネクタイを直し、スマホにニカッと笑って見せてからドアをノック!
何とお婆ちゃんが出て来るw
「あら、お花をもらうのは50年ぶり。でも、どなた?」
「国民的ヲタクのテリィと申しますが…リンリとランラは?」
「リンリン、ランラン?恋するインディアン人形?」
お婆ちゃんは小首を傾げる。
「え。僕は、昨夜ココにお迎えに上がった者ですが?」
「今、留園から戻ったばかりょ?」
「…えっと、ちょっちお尋ねしますが、ロングのお下げ髪、アメリカ人の父に中国人の母を持つ一卵性双生児のハーフを知りませんか?…いや、コスプレは先住民族ではなくて、メイドですけどw」
嫌な予感。もしかして…ハメられたか?!
「どなたか存じませんが、さようなら…」
目の前でユックリとドアが閉まるw
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
その夜の"潜り酒場"。
「テリィ様。ロングのお下げ髪、アメリカ人の父に中国人の母を持つ一卵性双生児でメイドコスプレのお肌ピチピチ(死語w)の娘達と出逢ったのは、キャットファイト系のメイドバーだったのですね?」
「いや。バニーだった」←
「"ウサギの穴"ですか?コンカフェに名を借りバニーガールがプロレスショーやってる御屋敷でしょ?」
ミユリさん、良く知ってるなw
「うん。僕はハメられたらしい」
「消えたマジシャンの捜査にヲタッキーズが乗り出したとなれば、宣伝効果は計り知れませんからね…テリィ様、気になさらないで。若いお肌ピチピチ(死語w)のメイドとの3Pデートもタマには良いモノでしょ?クスクス」
「だから、バニーだょ…どうでアレ、コケにされたのは確かだ。も1度エマソ、じゃなかった、タニマの話を聞きに逝こうと思ってる」
カウンターの中で微笑みながら爆弾発言するミユリさん。
「今度は、私もお供いたします」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
同時刻。データ解析を終えて休憩中のルイナは、ラボのギャレーで理系マジシャンのジレタ・クレタとチャットしてる。
「ジレタはイカサマを見抜く天才との噂」
「脱出王フーデァーニも、トリックを看破るコトには熱心。特にイカサマ系の心霊術や霊能力」
「現場の血液の飛散はモノホン。万世橋は、タルマの失踪には第三者が関与したと考えてる」
一瞬の間がアリ、ジレタから返信。
「複雑なマジックには、必ず専門家がいる」
「デザイナー?」
「YES。実際にトリックを考え、ショーをデザインする。有名マジシャンだと30人もスタッフを抱えてる」
のけ反るルイナ。超天才でも知らない世界はアルw
「ぜひデザイナーと会いたい」
「難しい。見たトコロ"マーメイダー1号"には数千万円の価値。でも1度世に出せば、ソレは公共財産。直ぐに類似のマジックが乱立スル」
「そーゆーモノ?」
ジレタは即答だ。
「YES。先ずタルマの入る先が、シリンダーからプールや立方体、サメのいる水槽とかに変更。動画を貼るが30年前はTVでも注目された手品。今や何処のホビーショップでも買える。マジックの宿命」
貼られた動画を再生スルと、赤い粉末が水槽に撒かれ、攪拌される。赤く染まった水を掴んだ拳の中からは赤い粉末が…
「疎水性の砂」
「あら。マジックに詳しいのね」
「マジックに詳しいンじゃナイ。科学に」
ジレタの返信は、やや長文だ。
「デザイナーと逢うのは至難。デザイナーは、誰も自分の名前を明かさない。例えば、マジックのデザインを見るため、シンガポールの匿名オフショア口座に大金を入金スルなどが必要」
「無要。私達は、マジックを"逆行分析"するコトでデザイナーを特定出来る」
「ビルディングから設計者を特定スルように?」
「あら。科学に詳しいのね」
ジレタは、この回答で攻守チェンジだ。
「科学にじゃナイ。マジックに」
第3章 短くも美しく萌え
捜査本部の取調室。何でこんなコトに。まるでお弁当持参でレストランに来たようなモンだ。しかも、タニマは半狂乱w
「まさか、こんなコトになるなんて!もともとテリィたんは計画の内だった。ヲタッキーズが絡めば、マジックの良い宣伝になるから。でも、あの血痕は演出じゃない」
「ソレでどんなトリックなの?"マーメイダー1号"は」
「知らないわ。私は、マジシャンじゃナイもの。私は、単に男性観客の目をそらす爆乳生脚レオタード。マジックにお約束の"ラブリーアシスタント"に過ぎないの。何がウレしくて網タイツにレオタード?私だって露出狂じゃないのょ」
サヴァン症候群のタニマは、実は極めて独特の話し方をスルけど、面倒臭いので普通の話し方に変換してます念のためw
「タニマ。テリィ様が3Pデートした双子の本名を教えて」
「ミユリ、私は知らないの。ヲタッキーズが来るとタルマに聞かされ、テリィたんの目をそらせろと言われただけ。とにかく、隠し空間に近づけるなって。だから、あの落とし床が開いた時も、タルマは中にいると思ってた。だって、リハーサルの時は、いつもそうだったから」
「君は、マジックのトリックも明かされズ、本来の目的も教えられズ、今こうして警察に追求されてる」
僕の鋭い指摘に、タニマはシクシク泣き出し"褐色の深い谷間"がプルプルと小刻みに震え…僕の脳内には竜巻が発生w
コレはバタフライ効果?笑
「私は、マンマと利用された…男はみんな狼ょ!」
「おいおい。タルマは女だろ?で、彼女をシリンダーから脱出させたのは誰だと思う?」
「セトマ・イケル」←
ココで昨夜の予習が生きる。
「"奇跡のセトマ"か」
「あら。マジックの世界に詳しいのね」
「タルマがコラボした人間は、全て調べ上げた(ウソw)」
フッと遠い目になるタニマ。
「タルマとイケルは、熱々の恋人同士だった。でも、彼が純粋主義に走り、奇行が増えて2人は別れた」
「ピュアリストのセトマね?鼻にフックを引っ掛けて年が明けるまで24時間吊るされてた。正月特番で見たけど…アレってマジックなの?」
「いいえ。ミユリ姉様、アレはアートょ」←
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
白い部屋だ。
失踪したタルマの元カレ、ピュアリストの"奇跡のセトマ"は壁も床も天井も全てが真っ白な部屋の中で僕達を迎える。
「この"ホワイトコクーン"で6日間を過ごし、一切の感覚を遮断した後、私はマジックのステージに立つ。君達も入ってみるかい?」
「いや、遮断スル…じゃなかった、遠慮スルょ」
「7日目に出て来た時には、完全な"変性意識状態"になれるぞ?どんな音や色にも敏感に反応出来るのに」
マジシャンの滝行みたいなモノか?
「私は、今でもタルマのマジックの成功を祈っている。彼女と方向は違っても、マジックにかける熱量は変わらない」
「彼女は今、行方不明だょ念のため。夕べはどこに?」
「この"ホワイトコクーン"の中だ。監視カメラに記録が残っている」
監視カメラも白いのかな。
「タルマとは、もう何ヶ月も話してない。しかし、消えるマジックとは典型的だ。私との根本的な違いはソコだ。精神のステージを高めなければ、マジックとは呼べない。その点、タルマは行き詰まってた。ガラクタの山からアートを産み出そうとモガいていた」
「だから、タニマと組んだのかしら?」
「メイドさん、ソレもアルだろう。タルマは、あくまでマジックの中心にいて、マジックに触れて、マジックを実感していたかったのだ。ソコには私も共感スル」
"奇跡のセトマ"は、淡々とした口調で〆る。
「彼女は天才だ。現場には血痕があったそうだが、トリックのためなら、彼女は喜んで血を流す。ゆえに、タルマが再び姿を現す時は、きっと"短くも美しく萌え"るだろう」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ピュアリストとの不思議な会話を終え、SATO司令部に戻ると、併設されたラボでルイナとスピアが意見交換の最中だ。
「…だって、スピア。照明が数秒落ちた間にシリンダーに水が満ちルンでしょ?控え目に見て5秒で重力に逆らってシリンダーに注水スル時の水圧ってスゴいわょ」
「きっと、タルマの肉体には大きな圧力がかかるわ」
「ソレに耐える強靭なボディ。もしかして、彼女はスーパーヒロインかも…あら、ミユリ姉様。テリィたんも」
名を呼ぶ順番が逆だが、メゲズに自説を披露。
「ソコだょルイナ。このショーは、レオタードに生脚網タイツの女性を切断して来た男性主流のマジックに対するアンチテーゼなんだ。つまり、女体の美しさを称える、フェミニンなマジック。花びらに包まれた女性は、進化を遡って生命の源、母なる海へと回帰して逝く。まさに、海辺にたたずむビーナスの誕生だ。ブラはホッキ貝」
「テリィたん。ホンキでそう思ってるの?」
「ルイナは?」
車椅子の超天才の見解は、ミもフタもナイ←
「私には、パイプと送風機から花びらや魚がシリンダーから出し入れされてるだけに思えるけど…」
「まぁ。アートだとは思わないの?」
「え。ミユリ姉様まで…でも、なぜ毎晩毎晩水圧と戦うンでしょう?マジックのトリックって、いつも意外とショボくてガッカリで」
ルイナは、押収したシリンダーの設計図をモニターに映す。
「なぜ女体を毎晩逆進化させるのかしら。ミユリ姉様、シリンダーのこの部分を見て」
「シリンダートップのガラスと装飾の接続部ね?」
「YES。極細ワイヤーをこの2ヵ所に通して、ハーネスを着込んだマジシャンを吊り上げたら…観客にはシリンダーの中でマジシャンが飛んでるように見える。つまり、コレは逆進化のマジックじゃなくて、海から出て空へ、宇宙へと羽ばたく人類の補完、じゃなかった、進化そのものを現すマジックに思えルンですけど」
なるほど!目をキラキラさせるミユリさん…と僕←
「マジシャンが空を飛ぶのね?赤白歌合戦みたい!」
「人体浮遊だ!いやソレとも幽体離脱かな」
「でも、ちょっと待って。事件の夜のシリンダーには、極細ワイヤーは用意されてなかった。だから、あの夜は最初から飛ぶマジックは予定されてなかったと思うの」
シリンダーの中を舞うのは花びらだけじゃナイ?
「つまり、タルマのマジックショーには"パート2"が用意されてた可能性がアル」
「消えた女性が生還し、宙を舞いながら羽ばたく…ソレこそ"マーメイダー"マジックのクライマックスだ」
「でも、全部仮説だから。今からマジックショーの全てをデータ化して逆から検証かけてみる」
張り切る相棒ハッカーのスピア。
「逆向きの"逆行分析"ね?」
「YES。ハードな夜になるわょ」
「パーコレーターでコーヒー、淹れてあげるょ!」←
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
僕の淹れるパーコレーターのコーヒーは、実は余り評判が良くない。早々に追い出され、僕は万世橋の捜査本部へ逝くw
ラギィがギャレーで小休止してるw
「ラギィ。この前話した時、確か宗教のコトで、何か話したがってたょね」
「うん。テリィたん、実は…」
「基本的なコトだ。宇宙量子物理学によれば目の前にあるこの世界が、見た通り実在スルとすれば、ソレは外界に存在スル誰かが実在させたモノなんだ」
どーだ。何を話してるかワカラナイだろ?と思ったら…
「つまり、テリィたんは"神"の話をしてるのね?」
「え。か、神?…うーん逆説的には、包括的宇宙の外界に存在するモノなどナイ。ゆえに、神を探求スル道のりは、宇宙の神秘と密に絡み合っている。要は、真理を探求し続けろってコトに他ならない」
「なるほど」
タ、ダメだ。食らいついて来る。振り切れないw
「ホ、ホントに話わかってるのか?」
「夜中に勝手に呼び出しといて、こーゆーコト言うのもなんだけど…そんなコトを考えてて、毎晩、夜は眠れる?」
「いいや。目は冴える一方だ」←
ラギィ…前の職場では"新橋鮫"と恐れられた敏腕警部なのだが、目の前の彼女はまるで悩めるティーンエイジャーだw
「ねぇ話の要点は?」
「要点は…意味を探し続けるコトに意味がアルってコトさ」
「リンカもそう言ってた」
え。想定外の名前が飛び出すw
「リンカ?リンカ・リンダか?ラギィ、まさか"洪水の化学"にハマってるのか?よりによって、ソレは最悪の新興宗教だけど!」
「捜査本部に戻るわ。部下の報告を聞かなくちゃ」
僕はギャレーに1人取り残される。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「ラギィ警部!タルマは、身元不明ながら会社を所有してるコトがわかりました。有限会社"マーメイダー"は2週間前に"タルマ&タニマ"にシリンダー型のマジック装置を搬入してます!」
「待って。そのシリンダーは何処から運び込まれたの?」
「差出人の住所は、閉鎖された廃ビルでした。全くイカれた連中だ…」
ラギィは深い溜め息をつく。
「警察を欺くんだモノ。少しは用心したってコトょ」
「マーメイダー社は、地下アイドル通りの路面店も借りてます。通行量が多くて、ショー好きなインバウンドが集まりやすそうな界隈です」
「あのね。ルイナの話だとマジックには"第2部"がアルらしいの。誰か、付近のレンタル会社とか当たってくれナイ?」
ヲタッキーズのエアリ&マリレが手を挙げるw
「もう当たりました。椅子にテントに紅白スクリーン。マジックっぽい一式が、その路面店に貸し出されてます。行きますか?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
現場は地下アイドル通りの1本裏の路面店。
「潰れた御屋敷が隠れ家とは考えたな」
「中は、真っ暗です。ライトを…」
「まるで、お化け屋敷ねw」
メイド姿の2人を先頭に立て、暗闇の中にイスやテーブルが散乱スル店内を進む。奥にドアがあり、開けるとカーテン。
「テリィたん、照明スイッチがあるけど」
「点灯してょ」
「ROG。カーテンも開けるわょ…あら?シリンダー?」
そのシリンダーの中に…水死体が沈んでるw
「タルマだ!」
第4章 彼女がレオタードに着替えたら
目の前をタルマの水死体がストレッチャーに載って搬出されて逝く。駆けつけたラギィ警部も手を合わせ合掌で見送る。
「ラギィ。コレは…殺人かな?」
「ウチの検視官の所見では、未だ断定は出来ない。タルマが溺れたのは確かだけど、側頭部に打撲症も見つかったの」
「右大腿にも深い裂傷が残ってる。ソレで地下スペースが血塗れだったんだ」
検視官に何やら耳打ちされたラギィは、話を続ける。
「遺体の右大腿には包帯が巻かれ、応急処置が施されてた。シリンダー中の血液量も微妙。少なくともタルマの死因は、失血死ではナイ」
「警部。フロアにシリンダーの安全装置と思われる、壊れた排水弁の取っ手が落ちてました。丁寧に指紋が拭き取られてます」
「ソレから、シリンダーの表面にはヒビが入ってました。恐らくタルマの打撲によるモノと思われます」
ラギィは、首を傾げる。
「タルマは、誰かと争って頭を打ち、意識を失った。犯人は意識を失ったタルマを水中に捨てて溺死させた…」
「シリンダー外部のハンドルが壊れてるせいで、シリンダー内の安全装置も機能しなかった?」
「ても、最大の疑問が残るわ…」
その場の全員が異口同音。
「犯人は誰?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
同時刻。SATO司令部に併設されたルイナのラボ。
「マジックの装置って、普通の機械とはまるで作りが違うのね。不思議を見せるための不思議な設計が為されてる」
「飛ぶトコロは後で考えょ?ジグソーパズルみたいに、難しい真ん中は後に残して隅から埋めるの」
「シリンダーについて理解出来ればワイヤーに必要な抗張力が割り出せる。ガラスと継ぎ目の間の強度も」
モニターには図面化された"マーメイダー2号"が映る。
「先ず、シリンダーのガラスは、どれだけの量の水を保持出来るかしら。シリンダーの中は満タンだったらしいけど」
「容量的には1.5立方メートルぐらい?」
「1500リットルね。重さは1500キロ、つまり1.5トンょ」
トンでもない重さだw
「ソレだけの量の水と水圧に耐えられるガラスって、そうそうナイょね?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「その水圧に耐えるガラスを製造してるのは、世界でも2社だけ。日本の箱根ガラスとドイツのウンバーグラッセン。ウンバーグラッセン社は昨年、4トンの複層強化曲げガラスを秋葉原に出荷してるわ」
捜査本部に戻ったラギィ警部の下に続々と情報が集まる。
「タルマは、ココ5年ほど姿をくらましてるけどナゼかしら?」
「マジックショーの最中に、ボスのマジシャンが溺死してますね」
「ボスのマジシャン?誰?画像、出るかしら?」
本部のモニターにマジシャンの集合写真が出る。
「真ん中の燕尾服にレオタードの双子は?」
「マジック界ではお約束の"双子のアシスタント"です。とーやら死んだマジシャンの妹らしい」
「つながるカモ!業界誌で兄の死はタルマの責任だと主張してる…同じ溺死で兄の復讐を狙った?」
ラギィ警部は勢いづく。一方、僕は肝を潰すw
「その双子は僕の3Pデートの相手だ。リンリ&ランラ」←
「本名ジェネ&ジェニのカラン姉妹です」
「お肌もピチピチ(死語w)だわ!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
赤レオタードに燕尾服の理系マジシャン、ジレタ・クレタは北風が吹く神田リバーの浮桟橋の上で心の底から感心スル。
「ゲイラ・ヨンズに行き着くとは驚きね。彼女はマジック界では伝説のデザイナーです。以前は横須賀沖に廃棄された東京湾フェリーで仕事をしてたって話ょ」
「勝手に入って大丈夫?」
「ちゃんと連絡してアルわ。さぁマジックがお待ちかね。可愛いハッカーさん、どーぞコチラへ」
データ解析の結果、マジックデザイナーのゲイラ・ヨンズの存在が浮上。明らかになった住所は神田リバーの屋形船だw
「ギロチンの実験台になってみる?」
「前にやった時よりずっと良いギロチンだわ」
「さらば、マリーアントワネット!」
ほとんど朽ち果てた屋形船の中に、色々なマジック装置が並んでいるが、今、スピアの挟まれた首にギロチンが落ちる!
カチン!
「ギロチンの刃が上に巻き上がるの。角度に秘密がアルわ。ソレだけ言っておく」
アッサリ種明かしスル理系マジシャンのジレタ。
「お次は"カフカの箱"ょ。変身スル覚悟はOK?」
「卯年だからウサギに変えて。ゴキブリとかは嫌ょ」
「はいはい。この箱に入って。扉を閉めるわょ」
ジレタはスピアを箱に押し込み、その箱を半回転させる。
「お集まりのみなさん、ご覧ください!」
「…スゴい。消えちゃったわ」
「スピアを入れて箱を回転させて止め金をかけると、2枚の鏡が外れソレが45度の角度で外へ開く。箱の後ろの壁に見えたのは、実は鏡に写った…」
今度は、僕のスマホから"解説"が流れる。車椅子のルイナはラボで御留守番だが、会議アプリでショー?を観戦中だ。
「うるさいわょルイナ」
ボヤくジレタが扉を開けると、果たして消えたスピアが…
「あら。ジレタ・クレタ。お客さんも」
「ヲタッキーズのテリィです。コチラはハッカーのスピア」
「ヲタッキーズ?美しく才能豊かなタルマのコトで来たのね?でも、無駄足ょ。彼女はココにはいない。でも、然るべき時に、誰もが驚く鮮烈な登場を果たすハズ」
またまたレオタードに燕尾服の…老婆だw
「実はもう登場を果たしました」
「さぞかし鮮やかな…」
「遺体でした」
ゲイラ・ヨンズは恐らくアラ還。よく母娘2代のバニーガールが話題になるけど、ゲイラは母を超えて祖母って感じだw
レオタードが…痛い←
「タルマとは、最近会ったばかりょ。私が"マーメイダー"シリーズを設計したの」
「東秋葉原でマジックショーの"パート2"の準備中に溺死した模様です」
「まさか…そんなハズはナイわ」
ゲイラは顔をしかめる。
「何重もの安全装置を組み込んでアルし」
「シリンダーの外部ハンドルは、何者かによって破壊されていました。双子の元アシスタント、リンリ&ランラ…」
「留園行って中華を食べよー!」
中"国"では?
「間違えました…ジェネ&ジェニのアシスタント姉妹を御存知ですか?」
「モチロンょ。"マーメイダー"の見学に来てたわ。見学者名簿に名前がアル」
「見学者名簿?ソンなモノが?もしかして、双子の住所とかわかりますか。実は、本件は事故じゃないカモしれズ」
すると、レオタード姿の老婆はニヤリと笑う。
「モチロン事故じゃナイ。タルマは殺されたのょ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
同時刻。またまた休憩中のラギィ。
「ところで、礼拝堂には行ってるの?」
新興宗教"洪水の化学"祭祀長リンカからチャット。
「1度だけょ」
「ソレで?どーするの?」
「少し講座とか受講するカモ」
数秒、間が空く。
「私も力になろうか?一応、教団幹部だし」
「ありがたいけど…今は平気みたい」
「そっか。いつでも声かけて」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
神田宮本町は裏アキバの深奥部、清水坂下の交差点に近い。路駐したセダンの車内で、アシスタント姉妹の帰りを待つ。
「コレって張り込みに名を借りた、浮気相手の追跡調査ょね。アパートの前で待つナンて立派なストーカーだわw」
「テリィたん。私達、ミユリ姉様に言われてイヤイヤやってルンだからね!」
「うるさいなー。ホラ、双子のお帰りだ。しかし、レオタードのママで寒くないのかな」
ヲタッキーズのエアリ&マリレはメイド服。僕はセダンを降り交差点の方から歩いて来るレオタードの2人に声をかける。
「やぁリンリ&ランラ…いゃジェネ&ジェニかな?」
「え。やっべ!」
「アンタ、ストーカー?マジ、キモいンですけど!」
双子は一目散に逃げ出すw目撃したヲタッキーズは…
「あーあ。テリィたん"また"フラれたわw」
「ホラ、追っかけるわょマリレ」
「ハイハイ」
エアリは妖精、マリレはロケットガールだ。文字通り車から飛び出し、裏通りに追い詰める。メイド服 vs レオタードw
「2 vs 2?じゃタッグマッチね」
「私達"兎の穴"のチャンピオンだから!」
「ヲタッキーズをナメないで」
数分後、ジェネは卍固め、ジェニはロメロスペシャルをキメられピチピチタッグは口々に"ギブアップ"を連発してるw
「あらあら。チャンピオンベルトは没収ね」
「ギブ!ギブします。許して…」
「しかし、ホントに2人共お肌ピチピチ(死語w)なのね」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
そのママお肌ピチピチ(死語w)姉妹は、SATO司令部に連行される。SATOは準軍事組織なので、彼女達は捕虜扱いだw
「私達は、誰も殺してない!」
「あのね。ココでは誰が犯人かは関係ナイ。事実さえ明らかになればソレで良いの。貴女達2人は、死んだお兄さんの敵討ちをしたかったのね?」
「違うわ。兄は無茶な人で1度マジックに成功スルと、後はマジック装置の点検を怠った。実際、隙だらけのショーだったの」
さらに突っ込もうとするヲタッキーズを抑え、僕が問う。
「タルマが消えた、いや、殺された夜、僕と3Pデートしてショーを見た。アレは単なる偶然なのか?」
「私達は、兄の死から立ち直ったけど、逆にタルマは死に取り憑かれた。どんどん危険なマジックにのめり込むようになったの。私達は、タルマから頼まれて、テリィたんを誘った。彼女は、マジックの世界では大先輩。だから、引き受けざるを得なかった」
「彼女をシリンダー地下の隠しスペースから脱出させたのも
君達か?」
お肌ピチピチ(死語w)双子は揃ってうなずく。
「テリィたんがステージに呼ばれてから、直ぐ奈落の底に行ってハッチを開けた。中にいたタルマは、落とし床を通った時に何かで足をザックリ切ってて、血塗れだった」
「ソンな鋭利なモノは無かったけどな」
「落とし床の1部をタルマが持ち去った。出血の謎を深めるタメ。病院に行くよう勧めたけど、頑として応じなかった。とりあえず、応急処置で包帯だけ巻いたら、彼女は自分の車で帰ったわ」
タルマは最初からシリンダーに戻る気はなかったのかw
「タルマの帰った先は?」
「地下アイドル通りの潰れた御屋敷ょ。ソコで"マーメイダー2号"の作動確認をしに行ったわ…私達の仕事は簡単。誰でもいいからヲタッキーズを連れて来るコト。メイドさん達でも良かった。でも、私達は"兎の穴"でテリィたんが来るのを待った…バカだったわ」
「お姉ちゃん!お姉ちゃんは、テリィたんのために好きでも無いプロレスを…」←
どーやら僕がヤタラとオメデタイ存在に見える展開だが、この捕虜尋問の模様を、隣室からズッと見てたミユリさんは…
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「テリィ様」
とゆーワケで尋問を終えるとミユリさんが待ち構えてるw
「彼女達はウソをついてるでしょうか?」
「…どうかな。ソレは僕には聞かないでくれょ」
「でも…テリィ様にお伺いスルしかナイでしょ?」
やさしいが、1歩も引かない強さの滲む口調で…苦手←
「後はエアリ達に尋問させよう」
「あの双子、特にお姉ちゃんの方は、ヨホド嘘が上手いか、もしくはテリィ様のコト、好きナンですね。私よりお肌ピチピチ(死語w)で…バチバチ(ミユリさんの必殺技"雷キネシス"が指先でショートする音w)」←
「と、と、と、とにかく!僕は、双子の話を信じるょ。もし兄の復讐を望むなら、わざわざヲタッキーズを巻き込んで、僕に犯行現場を見せるハズがない」
話は聞かズに、正面から僕を見詰めるミユリさん。
僕は推しの直視に耐えられズ、つい目をそらすw
ミユリさんは溜め息をつき、急にサバサバした口調になる。
「わかりました。ラギィには何と話しますか?」
「うーん彼女達は罪を犯し、逃走した。その償いは、なされなければナラナイ」
「わかりました。テリィ様にお任せします」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
その頃、お隣のルイナのラボには万世橋が押収した"マーメイダー2号"が持ち込まれ…ルイナとスピアが分解してるw
「スピア、どんな具合?」
「外のパネルは全部取り外したわ。中心部は手付かズに残してアル。普段はステージ直下にあって、ケーブル類はトリックエンジニアの操作パネルへと接続されてる。因みに、操作パネルには安全装置のダイヤルがアル。シリンダーの内部にも隠れたスイッチが2つアル。高い場所と低い場所に1つずつね。いずれも排水弁に直結スル緊急時の安全装置だけど、作動した形跡は無いわ」
「タルマは意識不明で作動されられなかったのね」
車椅子でシリンダー装置の周りを行き来するルイナ。実際の分解作業は、スピアとSATOの戦闘工兵が執り行っている。
「給水パイプは3本?」
「私達のデータ解析に基づく復元モデルだと4本が妥当だけど…でも、安全を期すなら6本あっても困らナイ」
「ソレを実際には3本で注水?ソレも5秒以内で?」
ルイナは、頭を傾げる。
「どーやら、シリンダー内部には、私達が予測スルより、遥かに高い水圧がかかってたみたいね」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
今宵も眠らない捜査本部に重大情報!
「ラギィ!データ解析終了ょ。タルマは殺されたワケじゃなかった」
捜査本部の全モニターに興奮したルイナのドUPが映るw
「え。じゃ殺人事件じゃ無かったの!」
「ホントか?SATOのパツキン姐さん?」
「YES。解析結果に拠れば、タルマは想定外の高い水圧のせいで死んだコトがわかった」
捜査本部は騒然だ。署にいる全員がゾロゾロ集まって来るw
「じゃ事故だったのか?」
「注水システムの設計ミスね。シリンダー自体が欠陥装置だった疑いがアル」
「おいおい。実際にマジックショーを見たワケでもないのに、どーしてソコまで言い切れルンだょ?」
もっともな疑問だw
「今回は、ソフトウェア用に作られた設計復元を使った。もともと、秘匿性の高いソフトウェアシステムに組み込まれてる技術で、全体と部分の相関関係に着目した手法ょ」
スピアが交代w彼女は超天才と俗世間を結ぶパイプ役だ。
「万世橋のみんな、ホチキスの針をイメージして。細い金属片に見えるでしょ?どんな風にも曲がるけど、解析スルと、ある目的のために変形させてるコトがわかる。つまり、紙を束ねるために綴じる時に使うモノだってね。さらにデータを遡れば、元の形状を知らなくても、1本の針からホチキス機を復元するコトも出来る。コレが今回やった"逆行分析"ょ」
実は、半分ぐらいの者は理解してナイが話は先へ←
「タルマは作動確認で"マーメイダー2号"に入り、外部の"誰か"が装置を作動させた。でも、注水が急速過ぎて、彼女はヨロけて分厚い複合ガラスに頭をぶつけて出血、意識不明に陥ったの」
「だから、シリンダー内部の安全装置は2つとも手付かズだったのか!」
「でも、シリンダー外部についてた安全装置の説明は?なぜ"誰か"は、タルマを助けなかった?」
捜査本部からの質問は続く。
「"誰か"は、タルマを助けようとした。でも、恐らく安全装置のハンドルを引いたら壊れてしまった。ソレでも火事場のバカ力を出したら、構造解析上、最も弱い部分からヒビが入り、ハンドルは折損w」
「シリンダーの複合ガラスに入ったヒビは、タルマの頭がぶつかったのではなく、外の"誰か"がハンマーで叩き割ろうとした跡。殺人じゃなく、助けようとした痕跡だったの」
「で、ソコまで"マーメイダー"装置に精通してるのは、恐らくタルマ以外ではタダ1人」
最後まで聞かズ、捜査本部の全員が一斉に走り出す!
「今、ヲタッキーズが現場に急行中。みなさんも急いで!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
神田リバーに浮く古びた浮桟橋に、とっくに廃船になった屋形船が係留されている。ゲイラ・ヨンズの仕事場&住居だ。
「マジックのデザイナーって、陽の光を嫌うのね。まるでドラキュラみたい」
「ソレでも夏なら未だ許せるけど真冬ょ?」
「ハックション!ゲイラ・ヨンズ、大人しく出て来て!」
ミユリさんを先頭にエアリ&マリレが続く。みんなライトと銃口がラッパ型に開いた音波銃を構えて船内の暗闇を進む。
僕は最後尾←
「お昼間なら、未だ少しは暖かいのに…」
「もうギブアップしなさい、ゲイラ!」
「あ。あの箱、ナンだっけ?」
突然、目の前に"カフカの箱"が現れる。
箱に入ったレオタードの助手が消える奴。
「試しに扉を開けてみて」
「はい、ミユリ姉様…誰もいません」
「じゃ、半回転させて…みなさん、犯人です!」
ミユリさんが扉を開け、エアリとマリレが左右でポーズ。
「見つけたわ」
「出てらっしゃい、ゲイラ・ヨンズ」
「身柄確保!」
さっきまで空だった箱の中に、小さくうずくまった老婆(痛いコトにレオタードw)が隠れてる。その瞬間、照明が点灯。
「万世橋警察署!万世橋警察署!」
ラギィ警部を先頭に警官隊が突入して来る!
「私はタルマを助けようとしたの!デザイナーにとって装置の故障は悪夢ょ!」
観衆を前に老いたマジシャンは途端に雄弁となるw
「でも、シリンダーの中でタルマが気を失い、注水を止めようにも安全装置が…」
「OK OK。わかってるわ。続きは署で聞くから」
「タルマは…タルマは、私の目と鼻の先、数cmのトコロで息絶えたの!」
ミユリさんが訊ねる。
「でも、事故でしょ?通報すれば済んだのに」
老いたデザイナーは、ガックリと首を垂れる。
「私のデザイナーとしてのキャリアはどーなるの?マジシャンが事故死するマジック装置のデザイナー?コレが知れたら私の名声はお終いよっ!」
ラギィ警部は老婆の肩に手を置き、後ろ手に手錠をかける。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
その夜の"潜り酒場"の片隅。ラギィとリンカ。
「ラギィ。事件も一件落着ね…今宵は、どんな質問で教団を責め立てるつもり?」
「リンカは、何でソンなコトを聞くの?」
「ホラ、私って教団を信じてナイから」
2人は、肩を振るわせて笑う。
「私はね。いつだって自分で考えて行動して来た」
「ソレで、ウチの教団の礼拝堂に答えはあったの?」
「今の仕事に答えが無いコトだけは確かょ」
その答えに溜め息をつくリンカ。
「ソレは謝る。教団は、迷える貴女に神の話もせズ、道を示しもしなかった」
「あら。でも、私はちゃんと礼拝堂に行ったわ」
「ソレもそうね。じゃ話は終わり。今宵は呑もう?」
2人は乾杯スル。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「テリィ様。私が変身するスーパーヒロインのムーンライトセレナーダーですが、今回は変身シーンが"作者の都合"でカットになりました。でも、お正月も明けたし、ココで新コスプレを御披露目したいのですが」
「果たして、ソレは"作者の都合"なのか?ま、とにかく新コスプレには期待でワクワクだ。またまたセパレートに回帰だと良いな」←
「いいえ。セパレートだと、またテリィ様の元カノ達が腹パンチして来るので…旧年中はメイド服に生脚レオタードでしたが、今年は飛躍のウサギ年!」
おぉ!ミユリさんのバニーガール?
「網タイツにしてみました!"ムーンライトセレナーダー 絶対領域が網タイツバージョン"なのです!」←
「え。網タイツ(だけ?)?」
「今回は変身しなかったので、今回は最後に新コスプレをお披露目です。テリィ様は、操作パネルのスイッチ7番をお願いします」
僕とミユリさんは、ルイナ達が半分分解した"マーメイダー2号"を前にしている。ミユリさんは変身してステージへ。
「装置の機能は御存知ですょね?7番は花びらが舞うギミックです。私、1度、花びら舞う中を飛んでみたかったの」
「7番、オン!」
「わぁ。素敵、素敵ですょテリィ様」
ムーンライトセレナーダーは、コスプレのイオンクラフトで浮き上がる。花びら舞う中で、両手を広げて軽く膝を折る。
永遠に大人になれないピーターパン?でも…
推しは、メイド服にレオタード。そして、網タイツ。
案外、僕は幸せなスーパーヒロインヲタクなのカモ。
この瞬間を僕は生涯誇りに思うょ。
「どーですか?」
「その絶対領域、太陽系で最強だ!」
「コレ、パンストなの」←
21,916枚の花びらが舞い飛ぶ中、イオンクラフトで飛ぶミユリさんを見ながら、彼女の言葉を脳内リターン。
ロケットパンツ、ロケットパンティ、ロケットパンティストッキングか…どんどん言い辛くなるな、なんてねw
すると、彼女は微笑みながら、こう逝ったのさ。
「でも、脱がしづらく…ナイですか?」
おしまい
今回は、海外ドラマによく登場する"マジシャン"をテーマに、孤高のマジシャン、マジックにつきもののラブリーアシスタント、理系マジシャン、純粋主義のマジシャン、お肌ピチピチの双子アシスタント、奇術のデザイナー、事件を追う超天才やハッカー、ヲタッキーズに敏腕警部などが登場しました。
さらに、ヒロインの網タイツの理由、マジック業界の裏面、敏腕頚部の宗教上の悩みなどもサイドストーリー的に描いてみました。
海外ドラマでよく舞台となるニューヨークの街並みを、年が明け、ますます元気なインバウンド達が闊歩する秋葉原に当てはめて展開してみました。
秋葉原を訪れる全ての人類が幸せになりますように。