♥ カジノでカモるぜ! 3
カジノチップを現金に換金した後、セロと一緒にテーブルスペースで夕食を食べる事になった。
カジノにも立派なBARが在って、セロの飲んでる酒は全部BARの棚に並んでる酒だ。
オレが飲んでるのは1000%健全なジュースだ。
ボリューミーな料理を舌鼓みを打ちながら食べている。
マオ
「 ──セロ、この後は宿泊室に戻るのか? 」
セロフィート
「 そうですね。
今日は初日ですし、これぐらいにしときましょうか 」
マオ
「 明日もカジノで遊ぶのか? 」
セロフィート
「 勿論です。
明日も1日中カジノで遊びます 」
マオ
「 朝っぱらからカジノ三昧する気じゃないよな? 」
セロフィート
「 朝っぱらからに決まってます。
朝食も此処にします? 」
マオ
「 うん。
朝食もガッツリ食べたいからな。
それより──、臨時収入がたんまり入ったのにカジノで遊ぶ意味あるのか? 」
セロフィート
「 はて?
臨時収入…です? 」
マオ
「 惚けなくていいよ!
モニタリングルームで見たよ。
賭けチップ倍率10倍の【 サムシング・グレート 】に『 優勝する 』に賭けてたんだろ?
毎回試合に勝つ度に国家予算を遥かに超える10倍のカジノチップが手に入るんだろ?
全く……一体どの辺りが “ 健全 ” なんだよ。
“ お小遣い稼ぎ ” の域を超えてるだろ~~~。
カジノを潰す気かよ? 」
セロフィート
「 ふふふ。
カジノは潰れません。
多くの貴族から資金援助を受けてますし、地下の金庫には隠し財産も裏金もあります。
世に出せない “ いけないお金 ” を持っているカジノが簡単に潰れますか 」
マオ
「 潰れるだろ…。
──っていうか、何で地下に金庫がある事を知ってんだよ… 」
セロフィート
「 ワタシは吟遊大詩人です。
大抵の事なら分かります 」
マオ
「 …………さっき換金した金額も半端なかったし…。
十分過ぎるんじゃないか? 」
セロフィート
「 マオ、取れる相手から搾り取るのがカジノの醍醐味です。
仮に金庫の中身が空になったとしてもカジノは痛くも痒くもないものです 」
マオ
「 本当かよ… 」
セロフィート
「 それが違法カジノです 」
マオ
「 違法カジノ?
違法っ?!
マジで??
健全なカジノじゃないのかよ? 」
セロフィート
「 悪趣味な武術大会を貴族の道楽で開催している場所です。
全てが不健全なのですから、カジノが健全なわけないです。
昼間は健全なカジノを演じてますけど、夜間は違法カジノだけでなく、違法競売もされてます。
競売で目当ての商品を競り落とす為にカジノで資金を増やす貴族が多いです 」
マオ
「 そ…そうなんだ?
違法競売迄やってんだな…。
貴族ばっかりなのは、違法競売が目当てで居るって事か? 」
セロフィート
「 それもあるでしょうね。
この島は貴族達のリゾート地です。
海で泳ぐ事も出来ますよ 」
マオ
「 知らないのはオレだけかよ… 」
セロフィート
「 〈 器人形 〉に隅々迄調査させてますし 」
マオ
「 ははは…… 」
セロフィート
「 夜は宿泊室で揺ったり寛ぎましょう 」
マオ
「 そだな… 」
テーブルスペースで夕食を楽しんだセロとオレはカジノを出る事にした。
食事代や宿泊代なんかは “ 大会出場者 ” って事で1Usも支払わなくても良いらしい。
有り難いけど、最後の最後に全額請求とかされないよな??
セロなら踏み倒しそうだけど!
セロフィート
「 マオ、行きますよ 」
マオ
「 あ、うん… 」
セロに手を握られた状態でカジノを出た。