♥ カジノでカモるぜ! 1
──*──*──*── 施設内
──*──*──*── カジノ
レストランで物足りない昼食を終えて、今はカジノに居る。
セロは貴族と混ざってカジノゲームを楽しんでいる真っ最中。
オレはカジノゲームのルールはさっぱりだから、セロが言ってたテーブルスペースで注文した料理を食べている。
確かにレストランで食べた少量しか皿に盛り付けられてなかったフルコース料理と違って、カジノの料理は小盛り,中盛り,大盛り,特盛りとボリュームを選べるようになっている。
食べ盛りなオレには有り難過ぎるサービスだ!
メニューには料理名だけじゃなくて、ちゃんと料理の絵も描かれていて親切だ。
そんな訳で、オレは食べてみたい料理を特盛りで注文した料理を食べている。
食べ切れずに残したり、食べ過ぎ腹痛を起こす事もないから安心して美味しい料理を楽しめるって最高だよな♥️
マオ
「 セロ──、今は何のゲームをしてるんだ? 」
テーブルスペースで料理を堪能したオレは、カジノゲームを楽しんでいるセロを探す事にした。
セロは真っ白いし背が高いから直ぐに見付かる筈なんだけどな……。
カジノには貴族が多い。
真っ昼間からカジノ遊びに勤しむ貴族達って、試合を見ないのか?
何て思いながら歩いていたらモニタリングルームってドアプレートが貼られたドアを見付けた。
近くに居たカジノスタッフにモニタリングルームの事を聞いてみる事にした。
カジノスタッフによると、試合会場で行われている試合がリアルタイムで見られるらしい。
試合に参戦しているチームをスクリーンで見ながら勝つと思うチームにカジノチップを賭けて勝負を楽しむゲームなんだとか。
まさかカジノで試合が見られるなんて思わなかった。
セロは興味ないみたいだけど、オレは見てみたいんだよな。
セロからカジノチップを貰ってるし、試合が見れるならオレもゲームに参加してみようかな。
そんな訳で、オレはセロを探すのを一旦中断してモニタリングルームへ入る事にした。
モニタリングルームへ入る前にカジノスタッフが教えてくれたけど、途中入場も途中退場も自由みたいだから良かった。
──*──*──*── モニタリングルーム
室内に入ると、貴族達がワイングラスを片手に持ちながら優雅にスクリーンに映る試合を見ながら白熱していた。
結構盛り上がってるんだ。
取り敢えずセロを探してみるけど、セロらしい姿は見掛けない。
オレはカジノスタッフが居るカウンターに歩いた。
カジノスタッフにゲームに参加したい事を伝えると試合に参戦しているチーム表を見せてくれた。
どうやら賭けは1試合ずつ行われるようで、今現在スクリーンで対戦中のチームにも賭けれるみたいだ。
強いチームの倍率は低いけど、弱いチームの倍率は高くなっている。
チームに依って2倍 ~ 10倍の倍率が表示されている。
因みにスペシャルゲストの【 サムシング・グレート 】の倍率は10倍になっていたみたいだ。
初戦は誰も賭けてなかったみたい──でもなくて、1名だけ【 サムシング・グレート 】に賭けていた貴族が居たそうだ。
かなりのカジノチップを賭けていたみたいで初戦で儲けたカジノチップは既に現金へ換金済みらしい。
その貴族は「 【 サムシング・グレート 】が優勝する 」に全財産を賭けたらしく、【 サムシング・グレート 】が試合に勝つ度に賭けチップ10倍の莫大な金額が貴族の懐に入る事になっているそうだ。
ボロ儲けじゃないかよ。
どうやら2日後の2試合目からは【 サムシング・グレート 】の倍率は1.5倍に下げられるそうだ。
スペシャルゲストってのは本戦の前座で余興みたいなもんで、初戦で血祭りに上げられて死んじゃうのがパターンだったから、初戦で死亡が確定しているチームに賭ける馬鹿は誰も居ないだろうって事で倍率は10倍だったそうだ。
だから、1人の貴族が【 サムシング・グレート 】が優勝する事に国家予算並みのカジノチップを賭けた時は、大笑いの嵐が起きたらしい。
初戦で【 サムシング・グレート 】が勝っちゃたもんだから、賭けチップが10倍分のカジノチップが【 サムシング・グレート 】が勝つ度にカジノから消えていく事になったそうだ。
そんな訳で2試合目から倍率が一気に下げられて、【 サムシング・グレート 】に関しては賭けチップの上限額も決められたそうだ。
【 サムシング・グレート 】は相当な大打撃をカジノに与えてしまったみたいだ。
ところで一体どんな貴族が【 サムシング・グレート 】に賭けてウハウハガッポリしてるんだろうな?
気になるからカジノスタッフに頼んたら、あっさりと見せてもらえた。
良いのかな、それで……。
倍率10倍の【 サムシング・グレート 】が優勝するのに賭けた貴族の名前は────、タシルドレテク・セロッタ・ホームス伯爵令息……………何れも聞き覚えのある名前と見覚えのある美文字だった。
この貴族令息って──、セロだよ!!
試合前にカジノで自分のチームに賭けてたって事かよ!?
相変わらず抜け目なくちゃっかりしてんのな…。
既にカジノでガッポリしてたんじゃんかよ。
カジノで遊ぶ必要ないじゃんか!!
全く、セロめぇ!!
…………文句は後でセロに言うとしてだ、オレはどっちのチームに賭けようかな?
チーム【 ウラオット 】かチーム【 センプッハ 】か……。
【 ウラオット 】の倍率は5倍で【 センプッハ 】の倍率は2.5倍か。
賭けチップの上限額が決められてるから【 ウラオット 】には沢山は賭けれない。
オレは──、【 ウラオット 】にカジノチップ1枚を賭ける事にした。
セロがくれた袋の中には何れも同じ色のカジノチップが10枚入っている。
オレがカジノチップを出すとカジノスタッフは驚いたような顔をした。
賭けチップが1枚なのが拙いのかな?
【 ウラオット 】に賭けたチケットをカジノスタッフから貰った後、空いてるソファーに座って試合を観戦する事にした。
試合に買っても負けてもチケットはカウンターに居るカジノスタッフへ渡さないといけないルールになってるそうだ。
チーム【 ウラオット 】とチーム【 センプッハ 】の試合が開始されるゴングがモニタリングルームの室内にも響いた。