──*──*──*── 施設内
──*──*──*── レストラン
武術大会なのに武術らしい対戦をしないで割りと簡単に試合を勝ち抜いたセロとオレは、昼食をする為に施設内にあるレストランに来ていた。
レストランで働いているホールスタッフに案内された客席の椅子に腰を下ろして座ったら、渡されたメニューを開いて中身を見る。
メニューに書かれている文字が読めないオレは、エルゼシア文字に変換してくれる便利な翻訳ルーペを左目に付けて料理を選んでいる。
料理名だけだとどんな料理なのか想像が付かない。
絵が付いてないメニューってマジで困る。
マオ
「 セロ……レストランのメニューって、絵が無いから不親切だよな。
料理名だけじゃどんな料理が運ばれて来るのか分からないしさ。
セロは食べてみたい料理ってあるのか? 」
セロフィート
「 レストランを名乗っている以上、御客が食べれない料理は出さないでしょう 」
マオ
「 それは…そうかも知れないけど…… 」
セロフィート
「 フルコースがありますね。
アヴァンきアミュ出だーズし,アミュ突つーズきブー出シュし,オード前ぜんブル菜さい,スープ,ポ魚さかなワソ料りょうン理り,ソ口くちル直なおベし,ア肉にくント料りょうレ理り,サ生なまラ野やダ菜さい,チーズ,アント甘あまいル菓かメ子し,フル果くだーツ物もの,カフェコーヒー・カブテ小しょうィフ菓かール子し──。
量りょうも多おおいですし、これにしましょう 」
マオ
「 セロに任まかせるよ。
パンの種しゅ類るいがないのは残ざん念ねんだな…。
ドリンクも付つける? 」
セロフィート
「 ワタシはワインにします。
マオはジュースにしてください 」
マオ
「 オレもワインが飲のみたい!
セロが居いるんだから良いいだろ? 」
セロフィート
「 マオ、ワインは宿しゅく泊はく室しつで飲のんでください。
レストランでは駄ダ目メです 」
マオ
「 何なんでだよ……ケチ… 」
セロフィート
「 ワタシがマオの為ために愛あい情じょうを込こめて作つくります 」
マオ
「 セロ…(////)
しょうがないな!
そう言いう事ことならジュースで良いいよ。
先さきに言いっとくけど、毒どくとか入いれんなよ? 」
セロフィート
「 ………………はいはい。
善ぜん処しょはしましょう 」
マオ
「 その間まは何なんだよ!
入いれる気き満まん々まんかよ!! 」
怒おこるオレを余よ所そにセロはホールスタッフを呼よぶと2人り分ぶんのフルコース料りょう理りの注ちゅう文もんをしてくれた。
後あとは運はこばれて来きた料りょう理りをひ・た・す・ら・食たべるだけだ。
どんな料りょう理りが運はこばれて来くるのか楽たのしみだけど、一寸ちょっとだけ怖こわかったりする……。
マオ
「 そう言いえばさ、試し合あい会かい場じょうで人にん間げんの姿すがたは見みなかったけど、施し設せつに入はいったら人にん間げんも結けっ構こう居いるんだな。
一寸ちょっとだけ安あん心しんしたよ 」
セロフィート
「 安あん全ぜんな場ば所しょでモニタリングでもしてるのでしょう。
施し設せつ内ないにも妖よう怪かいとやらは居いますけど、試し合あい会かい場しょうに居いたような血ちの気けの多おおい野や蛮ばんな輩やからは居いなさそうです 」
マオ
「 だよな。
人にん間げんもやたら着き飾かざってる人ひとが多おおいし、金かね持もちかな? 」
セロフィート
「 貴き族ぞく達たちでしょう。
此こ処こはカモるのに最さい適てきな場ば所しょです 」
マオ
「 …………セロ、悪わるい事こと考かんがえてるだろ? 」
セロフィート
「 はい?
ワタシは善ぜん良りょうな吟ぎん遊ゆう大だい詩し人じんです。
悪わるい事ことなんて考かんがえてません 」
マオ
「 本ほん当とかよ…。
だったら『 カモる 』なんて言いうなよ… 」
セロフィート
「 はて……そんな事こと言いいました? 」
マオ
「 言いってたろ~~。
カジノでも勝かつのは程ほど々ほどにしとかないと問もん題だいが起おきそうだよ。
金かね持もち貴き族ぞくって奪うばえるだけ奪うばう強ごう欲よくの塊かたまりなのに此方こっちがカモると逆ぎゃくギレするだろ。
絡からまれると面めん倒どうだし疲つかれるからな… 」
セロフィート
「 態わざ々わざ相あい手てをする必ひつ要ようもないです。
〈 テ原げん質しつフの源みなもと 〉へ変へん換かんすれば良よいですし 」
マオ
「 〈 テ原げん質しつフの源みなもと 〉に変へん換かんするのは止やめないか? 」
セロフィート
「 何な故ぜです?
問もん題だいを起おこす原げん因いんを排はい除じょすれば終おわります 」
マオ
「 問もん題だいの原げん因いんを作つくるのは何い時つもセロだろ~~ 」
セロフィート
「 マオ……酷ひどいです… 」
マオ
「 セロの方ほうが酷ひどい事ことしてるだろ~~ 」
セロと他た愛あいのない話はなをしていると、ホールスタッフが料りょう理りを運はこんで来きてくれた。
セロが注ちゅう文もんしてくれたのはフルコース料りょう理りだったよな。
サービスワゴンに乗のせられて運はこばれて来きたのは、高こう級きゅうそうなワインボトルとジュースとアヴ突つァンきアミュ出だーズしAとアミュ突つーズきブー出だシュしBみたいだ。
オード前ぜんブル菜さいの前まえに2品しなも出でて来くるなんて豪ごう華かじゃん!
ホールスタッフがテーブルの上うえにアヴ突つァンきアミュ出だーズしAとアミュ突つーズきブー出だシュしBを並ならべてくれる。
セロはワイン,オレはジュースで乾かん杯ぱいした。
カフェコーヒー・カブテ小しょうィフ菓かール子しを食たべ終おえた。
フルコース料りょう理りの皿さらは何どれも立りっ派ぱだけど、肝かん心じんの料りょう理りは少しょう量りょうだった。
美お味いしいんだけど少すくな過すぎて食たべた気きがしないんだ。
腹はらの足たしにもならないよ…。
マオ
「 セロぉ~~~~。
フルコースだけじゃあ全ぜん然ぜん足たりないよ。
もっと食たべたい! 」
セロフィート
「 はいはい。
夕ゆうディ食しょくナー迄まで待まってください 」
マオ
「 えぇ~~~~。
オレ、1人りで頑がん張ばったじゃん!
そのオレに対たいして料りょう理りがこ・れ・だ・け・で終おわりはないだろ~~ 」
セロフィート
「 カジノにもテーブルスペースはあります。
行いきましょう 」
マオ
「 本ほん当とか?
カジノでも料りょう理りが食たべれるのか? 」
セロフィート
「 レストランと違ちがいボリュームも変かえれます 」
マオ
「 本ほん当とだな?
よし、カジノに行いこう!! 」
セロフィート
「 はいはい 」
レストランで物もの足たりない昼ちゅうラン食しょくチを終おえたオレは、セロと一いっ緒しょにレストランを出でるとカジノへ向むかった。