⭕ 禁止だらけの準決勝戦 1
──*──*──*── 3日後
──*──*──*── 試合会場
今日の準決勝戦の試合会場は屋根付きドームで開催される事になった。
屋根無しドームの掃除が未だ終わってないらしく、汚臭も完全に消えてないらしい。
酷い話だ。
いや、本当に酷いのはオレ達──【 サムシング・グレート 】の方だ。
何せ、試合に勝つ為に手段を選らばず、観戦客迄巻き込んでに勝利してるんだから……。
オレとセノコン,マオキノはリング外に居て、試合を観戦しながら仲間を応援する側だ。
リング上に立っているのは【 サムシング・グレート 】のリーダーでもあるセロだ。
何で最後に戦う筈のセロが、初っぱなの1回戦からリング上に居るのかと言うと、ルールの変更があったからだ。
セノコン,マオキノに関しては【 サムシング・グレート 】の選手である事は認められたものの、リング上にて対戦する事は禁止された。
リング外で大将のセロと副将のオレを仲間として応援する事はOKなんだけど、踊り,歌,変身,補食を禁止された。
如何なる理由が有ろうとも胞子を飛ばす事も禁止された。
不本意な禁止事項ばかりに思えなくないけど、準々決勝戦迄の試合を振り替えってみれば、当然のペナルティかも知れない。
セノコン,マオキノが “ オレよりも強い ” って事は開催者達や運営者達には全く知られてないみたいだ。
まぁ……愛くるしい容姿だからな。
変身とか胞子を飛ばすとか補食とかしなければ、可愛いマスコットとして売れそうだしな。
禁止事項を言い付けられて対戦者達と戦えなくなった事に対して、セノコンとマオキノは「 酷いですエリ! 」「 あんまりですエリ! 」「 横暴ですエリ! 」「 許せないですエリ! 」「 報復するエリ! 」「 天誅するエリ! 」「 もっと遊びたいですエリ! 」とか言って駄々を捏ねていた。
「 あれは遊びとは言わないからな! 」って言っても、セノコンとマオキノは余程不満だったのか駄々を捏ねるのを止めない。
だけど、セロが「 作戦通りです。お前達、良くやりました 」なんて言うと、円らな瞳をキラキラと輝かせながらコロッと態度を変えて「 セロさまの御役に立てて嬉いですエリ 」「 セロさま,マオさまを応援しますエリ 」と素直に言うようになった。
切り替わりが早いと言うか、現金と言うか……逞しいな。
そんな訳で、オレはセノコンとマオキノと一緒にセロを応援するんだけど、セロには声援なんて必要ないと思う。
どうせ直ぐに決着が付くだろうしな。
セロはどんな魔法を使って対戦者に勝つんだろう?
対戦者を傷付けない魔法なら睡眠魔法が1番だと思う。
睡眠魔法を使えば、秒で眠らせる事が出来るんだから態々対戦者と戦う必要なんかない。
正に “ 戦わずして勝つ ” 戦法に相応しいと思うんだ。
初めから──、第1回戦目から睡眠魔法を使っていれば良かったんだ。
そうすれば、大勢の観戦客達が【 サムシング・グレート 】のとばっちりを受けなくて済んだんだ。
問題なのはセロが睡眠魔法を使ってくれるかだ。
…………セロだからな、期待なんてのは出来ない。
だって、セロは心を持たない人形だからだ。
人形は誰の期待にも応えはしないし、裏切るなんて十八番中の得意技だ。
オレはリング外でセロがどんな選択をするのか見守る事しか出来ないんだ……。
◎ 訂正しました。
準優勝戦 ─→ 準決勝戦




