♥ 試合会場にズームイン 3
対戦者:A
「 ヘッヘッヘッ。
初っぱなから弱っちそうな奴等と当たったな! 」
対戦者:B
「 運が良いぜ、ラッキーじゃねぇか! 」
対戦者:C
「 吟遊詩人と剣士だっけか?
吟遊詩人って戦えたかぁ? 」
対戦者:D
「 剣士なんて未だガキじゃねぇか!
ガキの肉は柔らかくて美味いんだよなぁ……。
涎が垂れてくるぜぇ~~ 」
対戦者:E
「 吟遊詩人の方は杖で戦う気かぁ?
杖で何が出来るんだぁ?
あれで俺様達を叩くつもりなのかぁ? 」
なんだろう……対戦者達がセロとオレを見ながら笑ってるんだけど……。
下品な笑い方をするんだな。
セロ……オレに5人の相手をさせる気じゃないよなぁ?
対戦者:C
「 なぁ、アンタ等、初っぱなから災難だよなぁ。
たったの2人で俺達と戦わないといけないなんて可哀想だ 」
セロフィート
「 可哀想ですか。
そう思うなら降参してください 」
対戦者:C
「 降参?
おぃおぃおぃ寝言は寝てから言えやぁ!
降参するのは俺達じゃねぇ。
お前達の方だぜ!
降参しても殺すがな!
ギャハハハハァ~~~~ 」
対戦者:E
「 ガキの肉が食えるなんて御褒美だぜ! 」
マオ
「 えぇ~~~、オレを食べたいの?
オレはセロ専用だからなぁ(////)
セロ以外に食べられるつもりはないよ 」
対戦者:A
「 戦えなもしねぇ吟遊詩人をスペシャルゲストに呼ぶなんて、主催者も粋な事をしてくれるもんだぜ!
吟遊詩人なら何か歌えよ!
死ぬ前に1曲ぐらい歌わせてやるよ 」
セロとオレが対戦する男達は思ったより、お喋りみたいだ。
ペラペラペラペラと本当に良く喋る。
きっと自分達が負けるなんて微塵も考えてないんだろうな。
セロなんて満面な笑顔で品定めしてるみたいに対戦者達を見てるし……。
司会者(?)のお姉さんが思わず顔を引き吊らせてしまうぐらい下品な言葉でセロとオレを罵り、侮辱する対戦者達の言葉に観戦客達も賑わいでいる。
対戦者の1人が尻をセロとオレに向けると──、「 テメェの持ってる杖の先をテメェ等の尻穴へブッ刺してアヒアヒ言わせてやるぜぇ!! 」とか「 観戦客の前でお前等の●●●●を●●●●して●●●●で●●●●の●●●●して笑い者にしてやるぜ!! 」とか「 白いの! テメェの前に先ずはガキをズタボロにして食ってやるよ!! 」とか放送禁止用語を乱用して愉快そうに吠えている。
観戦客達も賛同して歓声を上げていて実に煩い。
セロフィート
「 皆さん、お喋りさんですね。
弱い輩程──何と言いました?
ね、マオ 」
マオ
「 あはは…………オレに振るな~~ 」
対戦者:D
「 何だと?!
俺達が『 弱い 』って言うのか!
弱そうな吟遊詩人のくせに偉そうにお高く止まってんじゃねぇぞ! 」
セロフィート
「 吟遊詩人が “ 戦えない ” とか、吟遊詩人が “ 弱い” とか──、一体誰が決めました?
相手を油断させる為に態と “ 役立たず ” な吟遊詩人の装いをしているだけ──とは思いません? 」
対戦者:B
「 テメぇ──、戦えるって言うのか、ああん! 」
セロフィート
「 戦うのはワタシではなくマオです。
ワタシは疲れる事をなるべくしたくないです 」
マオ
「 セロ!
オレに押し付けんなよ! 」
セロフィート
「 駄目です? 」
マオ
「 駄目に決まってるだろが! 」
対戦者:C
「 泣いて命乞いするなら、死ぬ迄俺達のペットにして可愛がってやらぁ!
切り刻まれたくなかったら土下座して命乞いしやがれ!! 」
不細工な対戦者達が大声でセロとオレに向かって言うと、観戦者達のボルテージは更に上がる上がる。
鼓膜が破れそうなぐらい煩いんだけどっ!!
セロフィート
「 土下座…ですか。
それは中々面白そうです。
地べた──いえ、リング上に張り付くヒキガエル擬きを見てみたいです。
マオも見たいですよね?」
マオ
「 え?
あぁ……まぁな? 」
セロフィート
「 上手く調節が出来るか不安ですけど……。
5名も居ますし、失敗しても構いませんよね? 」
セロが何かをしようとしている。
何だろな?
魔法でも使う気か?
セロフィート
「 対戦者の皆さん。
全員で襲い掛かって来てくれて構いません。
と言うか、襲い掛かって来てください 」
マオ
「 セロ?!
急にどうした? 」
セロフィート
「 不細工で吠える事しか能のない弱腰なヒキガエルさん達は……ノロマさんみたいですから、マオとワタシを捕まえる事は出来ませんか?
出来ませんよね?
口先だけの●●●●●●●●●ですから? 」
マオ
「 セロぉ?!
突然どうした?
本当にどうした!? 」
セロが対戦者達を挑発してる!?
放送禁止用語迄使ってマジでどうした??
何を企んでるんだよ、セロ……。
セロフィート
「 ──でしたよね、マオ 」
マオ
「 何でオレに振るんだよ! 」
セロフィート
「 挑発…ですか?
ワタシはした事ないですし 」
マオ
「 セロは突っ立ってるだけで十分過ぎるぐらい相手の神経を逆撫でして挑発してるよ! 」
セロフィート
「 はて……そうです? 」
マオ
「 自覚しろぉ~~!! 」
因みに対戦者達はと言えば、セロの挑発を真に受けたのか浮き出ている血管をピクピクさせている。
爆発寸前なのか、メッチャ殺気立ってるし、確実に殺りに来る気でいるのが見ていて分かる。
散々セロとオレを馬鹿にして笑い者にした自分達の事は棚上げしといて、まるで自分達の方が被害者みたいに振る舞って煩く喚いている。
そりゃないだろう……。
対戦者達は各々が得意な武器を手に持っている。
怒りたいのはオレ達の方だって言うのに、対戦者達は恐ろしい形相で、セロとオレに向かって走り出して襲い掛かって来た!!