⭕ 大波乱の3回戦 3
セロフィート
「 マオキノ、良くやりました 」
マオキノ
「 セロさま、有り難う御座いますエリ 」
セロフィート
「 マオ、呆けてどうしました?
マオもマオキノを褒めてください 」
マオ
「 ……………………一寸……オレには何が何だか……分からなくて………… 」
セロフィート
「 マオキノが対戦者のチーム【 セインムソエ 】を1人残らず倒しました。
チーム【 サムシング・グレート 】の勝利です 」
セノコン
「 次は4回戦ですエリ 」
審判実況者のドミコさんが状況している声すらも耳に入って来ないぐらいオレは動揺していた。
試合の勝ち方が普通じゃなさ過ぎるからだ。
──っていうかさ、普通の試合って、どんな感じを言うんだっけな??
試合中のリプレイ映像が会場内に設置されているスクリーンにデカデカと映し出されている。
リプレイ映像なんて見せなくて良いのにな!
ついさっきの試合なもんだから、当然無修正映像になる。
モザイクも湯気も一切ないから、グロくてエグい映像と骨が砕ける音やマオキノが喰べてる時の咀嚼音が大音量で試合会場内に響く。
審判実況者:ドミコ
「 ──3回戦の勝者はチーム【 サムシング・グレート 】ですっ!!
チーム【 サムシング・グレート 】の4回戦は本日より2日後──明後日の14時からで~~~す!!
本日の試合は早いですが、閉幕となりま~~~す!
忘れ物しないよう、注意してお帰りくださ~~~い! 」
リプレイ映像が終わると審判実況者のドミコさんの声が試合会場に響く。
可愛いマオキノが巨体な筋肉ゴツモリムキムキマッチョな体になって──、一体何処から出してるのか分からないような聞いた事のないオッサンみたいな野太い低音ボイスで物騒な言葉を吐き捨てて──、対戦者達を凶器と化した筋肉でムキムキな拳でグーパンチして──、頭と足を掴んだら身体を捻らせて雑巾絞りして全身の骨を粉々に砕いて──、意識を失って戦闘不能状態になった対戦者達を1人ずつ頭からバリボリと喰べ始めて────。
オレは夢を見ていたのかな??
夢は夢でも悪夢を見ていたんだよな?
……だって、ほら、今のマオキノは何時も通り可愛い姿をしているし、可愛い声で話しているじゃないか。
筋肉ムキムキマッチョなマオキノなんて──、居なかった。
オレは何も見てないし、何も聞いてない。
そうだ──、さっきの戦いは無かった!!
対戦者達はゴングが鳴った後、戦う事を拒否してリタイアしたんだ!
セロの宣言通り【 サムシング・グレート 】は3回戦を “ 戦わずして ” 不戦勝で勝ったんだ!!
そうだ、そういう事にしよう!!
──今のオレには衝撃的過ぎた事実を素直に受け入れる事が出来ないから、こうするしか仕方無いんだ。
自分で自分の記憶を改竄して正気を保つしか今のオレには出来ないんだ……。
マオキノ
「 マオさま、どうされましたエリ? 」
マオ
「 …………何でもないよ…。
………………凄かったな、マオキノ。
色んな意味で…… 」
マオキノ
「 マオさまの為に20%の力を出しましたエリ 」
マオ
「 うん?
20%の力??
あれでか? 」
マオキノ
「 今回のステッキは20%用でしたエリ 」
マオ
「 …………えと…使うステッキに依って強さが変わるのか? 」
マオキノ
「 はいですエリ。
ステッキは使い切りですエリ。
使用したステッキは消えてしまいますエリ 」
マオ
「 そ…そうなんだな…… 」
セロフィート
「 マオ、何してます?
宿泊施設へ戻ります 」
マオ
「 あ……うん。
そだな… 」
マオキノと横に並んでセロの後ろを歩く。
セノコンが「 4回戦は、ボクに遊ばせてくださいエリ 」なんてセロにおねだりしている。
“ 遊ぶ ” レベルじゃなかったぞ!!
明後日の4回戦──、セノコンは一体どんな戦い方をするつもりなんだろう?
明後日の試合…………リング上に立つのが怖いな……。
試合会場を出ると、会場内へ入れなかった観戦者達が、ザワザワとザワ付いて騒いでいた。
セロが姿を現した途端に観戦者達がバッ──と素早く左右に分かれて道を作った。
物凄く脅えているのが分かる。
どの妖怪達も目を合わせないように顔を背けている。
セロに対して──と言うよりもセノコンとマオキノに対して脅えているのかも知れない。
…………あんなキノコンを見たら誰でも萎縮しちゃうよな??
まるで “ モーセの十戒 ” の1シーンを彷彿させるような状態の中央を悠々とセロ,セノコン,マオキノが歩いて先へ進んで行く。
流石はセロとセロに生み出されたキノコンだよ。
オレは感心しながら、セロの後ろを歩いて試合会場を離れた。




