モニタリングルームで試合観戦を堪能したオレは、キノコンに誘導されながらモニタリングルームを出てテーブルスペースへ移動した。
──*──*──*── テーブルスペース
キノコンからセロが座っている客席へ案内される。
セロの周りにもキノコンが大量に居て、世話しなく動いている。
キノコンは働き者なんだろうか?
キノコン
「 マオさま、どうぞおすわりくださいエリ 」
マオ
「 有り難うな 」
態々オレの為に椅子を引いてくれたキノコンに御礼を言って椅子に腰を下ろした。
流暢な喋り方だったのが元に戻ってる??
セロフィート
「 マオ、試合観戦はどうでした? 」
マオ
「 うん、どの試合も中々手に汗握る試合だったよ。
あんな試合をオレもしてみたいもんだよ。
無理だろうけどな~~~ 」
キノコン:A
「 セロさま、メニューですエリ 」
キノコン:B
「 マオさまはこちらのメニューをごらんくださいエリ 」
マオ
「 あ…有り難な。
えと…さ、何で喋り方を変えたんだ? 」
キノコン:B
「 なんのことですかエリ? 」
マオ
「 はぁ?!
だってさっき迄── 」
セロフィート
「 マオ、どうしました?
マオにも読めるメニューを用意してくれたみたいですね。
有能なキノコンです 」
マオ
「 本当だな。
エルゼシア語で書かれてる。
何でキノコンがエルゼシア語を知ってるんだろう? 」
セロフィート
「 マオの為に態々調べたのでしょう 」
マオ
「 オレの為に?
セロの命令だからだろ。
セロはキノコンの創造主様なんだからさ 」
セロフィート
「 確かに命令はします。
かと言って強制も強要もしません。
素直に従うか反発するかはキノコン次第です 」
マオ
「 そうなのか?
命令に従わなかったら〈 テフの源みなもと 〉に変へん換かんしちゃうんだろ? 」
セロフィート
「 貴き重ちょうなキノコンを〈 テ原げん質しつフの源みなもと 〉へ変へん換かんはしません。
“ きのこじる ” の原げん料りょうにします 」
マオ
「 何なんだよ… “ きのこじる ” って……。
怪あやしい響ひびきなんだけど?! 」
セロフィート
「 キノコンを搾しぼって作つくる汁しるです。
液えき体たいのままでも粉ふん末まつにしても使つかえます。
料りょう理りの隠かくし味あじに最さい適てきです 」
マオ
「 キノコンを搾しぼって作つくる??
それって……生いきてるキノコンを搾しぼる訳わけじゃないよな? 」
セロフィート
「 それに関かんしてはマオの想そう像ぞうに任まかせるとしましょう 」
マオ
「 何なんだよそれぇ!!
狡ずるいよ! 」
セロフィート
「 マオには未まだ教おしえてませんでしたね。
キノコンは食しょく用よう茸キノコです。
コリコリと歯は応ごたえが良よく、味あじも染しみ込こみ易やすくて美お味いしいです。
どんな料りょう理りにも合あいます。
キノコン料りょう理りのフルコース、食たべてみます? 」
マオ
「 ……………………遠えん慮りょしとく。
動うごいて喋しゃべってる可か愛わいいキノコンを食たべるなんて出で来きるわけないだろ!! 」
セロフィート
「 非ひ常じょう食しょくに持もって来こいの食しょく材ざいですよ 」
マオ
「 何なんで新しん種しゅのキノコンを食しょく用よう茸キノコにしたんだよ!!
食しょく用よう茸キノコならキノコドラゴンの茸キノコで十じゅう分ぶんだろが! 」
セロフィート
「 キノコンも食たべれるようにしたら面おも白しろいと思おもって♪ 」
マオ
「 セロ…… 」
何なにが「 面おも白しろいと思おもって♪ 」だよ!
そんな不ふ誠せい実じつな理り由ゆうで可か愛わいいキノコンを食しょく用りょう茸キノコに改かい良りょうするなんて、けしからん!!
セロらしいけど──、けしからん!!
けしからん──けど……キノコン料りょう理りのフルコースの内ない容ようが気きになるのは否いなめない…。
食たべたくはないけど……気きになるぅ~~~~!!
キノコン:A
「 セロさま、オシボリとおみずですエリ 」
セロへオシボリを渡わたすキノコンは首くびから綺き麗れいな宝ほう石せきが輝かがやく勲くん章しょうを付つけている。
光ひかりの加か減げんで虹にじ色いろに見みえる。
キノコン:B
「 マオさま、オシボリとおみずですエリ 」
マオ
「 有あり難がとな 」
セロの言いい付つけでオレの世せ話わをしてくれているキノコンが運はこんで来きてくれたオシボリと水みずの入はいったコップを受うけ取とる。
マオ
「 セロ、あのキノコンが首くびから掛かけてる勲くん章しょうって、どうしたんだ? 」
セロフィート
「 あれはワタシの専せん属ぞくパシリを任にん命めいしたキノコンです。
他ほかのキノコンと区く別べつを付つける為ために勲くん章しょうを授じゅ与よしました 」
マオ
「 パシリって……。
“ 御お世せ話わ係がかり ” って言いえば良いいだろ… 」
セロフィート
「 マオ、メニューを決きめましょう 」
マオ
「 そうだな… 」
キノコンが用よう意いしてくれたエルゼシア語ごで書かかれたメニューを見みながら注ちゅう文もんする料りょう理りを選えらぶ。
ボリュームは特とく盛もりだ。
美お味いしい料りょう理りとデザートを食たべ終おえたオレは、とある事ことをセロに相そう談だんしてみる事ことにした。
マオ
「 ──セロ、あのな…… オレの御お世せ話わをしてくれたキノコンなんだけどさ……、オレの専せん属ぞく御お世せ話わ係がかりにしてくれないかな?
オレにはキノコンの区く別べつが付つかないから変かわっても気き付づけないと思おもうんだけど……。
どうせなら同おなじキノコンに御お世せ話わしてもらいたいっていうか…。
良いいかな? 」
セロフィート
「 マオが望のぞむなら構かまいません。
キノコンに名な前まえを付つけてください 」
マオ
「 名な前まえ?
付つけていいのか? 」
セロフィート
「 マオも専せん用ようパシリが欲ほしいのでしょう? 」
マオ
「 パシらないから!!
──じゃあ…… “ マオキノ ” はどうかな?
オレの専せん属ぞくになるキノコンだから分わかり易やすく “ マオキノ ” って(////)」
セロフィート
「 ふふふ…。
良よい名な前まえです 」
マオ
「 セロのキノコンには名な前まえを付つけたのか? 」
セロフィート
「 付つけてません。
必ひつ要ようないですし 」
マオ
「 何なんだよそれぇ。
オレには『 名な前まえを付つけろ 』って言いったくせしてさ!
良いいよ、オレがセロのキノコンの名な前まえを決きめるよ 」
セロフィート
「 セノコンにします 」
マオ
「 え?
セノコン??
“ キ ” を “ セ ” に変かえただけじゃん… 」
セロフィート
「 名な前まえには代かわりないでしょう? 」
マオ
「 まぁ……それは…そうだけど…… 」
セロフィート
「 お前まえの名な前まえは “ セノコン ” です 」
キノコン:A
「 エリ?!
セロさま、おなまえをいただけますエリ? 」
セロフィート
「 お前まえにはマオ専せん属ぞくキノコンを任にん命めいします。
名な前まえは “ マオキノ ” です。
良よいですね 」
キノコン:B
「 ボクにもおなまえをいただけますエリ?! 」
セノコン & マオキノ
「「 ありがとうございますエリ♥♥♥♥ 」」
セロフィート
「 マオキノにも他ほかのキノコンと区く別べつを付つけましょう 」
マオ
「 区く別べつを付つけるって何なにをする気きだよ? 」
セロフィート
「 マオキノにも勲くん章しょうを授じゅ与よします。
蒼そう色しょくに輝かがやく宝ほう石せきを嵌はめ込こんだ勲くん章しょうです。
光ひかりの加か減げんで様さま々ざまな青あお系けいを見みられます 」
マオ
「 セロ、有あり難がとな!
マオキノ、これからも宜よろしくな 」
マオキノ
「 マオさま、ごしめいありがとうございますエリ。
これからもよりいっそうマオさまにおつくしさせていただきますエリ 」
マオ
「 何なんかさ、親しん近きん感かんがググッと増ました気きがするよ 」
セロフィート
「 良よかったですね、マオ。
これで【 サムシング・グレート 】も4名めいになりました 」
マオ
「 4名めい??
もしかして、セノコンとマオキノも試し合あいに出しゅつ場じょうさせる気きかよ? 」
セロフィート
「 そうですよ。
明あ日すの試し合あいは “ 戦たたかわずして勝かつ ” つもりです 」
マオ
「 戦たたかわずして勝かつ??
セロ……明日あしたの試し合あい、1人りで傍ぼう観かんする気きかよ? 」
セロフィート
「 違ちがいます。
“ 応おう援えんに徹てっする ” です 」
マオ
「 言いい方かたを変かえただけでする事ことは同おなじだろうが!!
まさか──、セノコンとマオキノだけに戦たたかわせて終おわろうって魂こん胆たんかよ? 」
セロフィート
「 如い何かにして楽ラクに試し合あいを終おわらせるか──。
それがワタシのテーマです 」
マオ
「 何なんだよ……そのテーマは……。
試し合あいにテーマなんて要いらないだろぉ…… 」
セロは明日あしたの試し合あい、完かん全ぜんに戦たたかわずして傍ぼう観かん──高たか見みの見けん物ぶつを決きめ込こむつもりだ。
どんなチームが対たい戦せん相あい手てになるのかスペシャルゲストには知しらされないって言いうのに、セロは相あい変かわらずのゴーイングマイウェイ過すぎる平へい常じょう運うん行こうだな。
セロフィート
「 さて、そろそろ宿しゅく泊はく室しつへ戻もどりましょうか 」
マオ
「 そだな。
今こん夜やはセロと『 いいこと 』するんだもんな!
折せっ角かくだし、一いっ緒しょに温おん泉せんに入はいろう! 」
セロフィート
「 はいはい 」
マオ
「 やったぁ♥️ 」
セロと一いっ緒しょに椅イ子スから腰こしを浮うかせて立たち上あがると、大おお勢ぜい居いるキノコンが左さ右ゆうに分わかれて、向むかい合わわせに整せい列れつしている。
セノコン
「 いちどう~~~~、セロさまへけいれいエリ! 」
キノコン
「「「「「 エリ!! 」」」」」
セノコンの掛かけ声ごえと共ともに左さ右ゆうに分わかれて整せい列れつしているキノコン達たちが一いっ斉せいにビシッと敬けい礼れいを決きめる。
見みていて気き持もちの良いい敬けい礼れいだ。
セノコン
「 セロさま、しゅくはくしつまでのあんぜんけいろをかくほいたしましたエリ。
どうぞ、おとおりくださいませエリ 」
セロフィート
「 宜よろしい。
マオ、行いきましょう 」
マオ
「 安あん全ぜん経けい路ろって……。
これが宿しゅく泊はく室しつ迄まで続つづいてるのか? 」
セロフィート
「 そうですよ。
何い時つ如い何かなる時とき、襲おそわれるか分わかりませんし。
〈 テ原げん質しつフの源みなもと 〉へ変へん換かんするのは反はん対たいなのでしょう? 」
マオ
「 まぁな…… 」
セロフィート
「 人にん間げんから見みればキノコンは茸キノコの姿すがたをした怪かい物ぶつモンスターです。
得え体たいの知しれない怪かい物ぶつモンスターに囲かこまれているマオとワタシにち・ょ・っ・か・い・は出ださないでしょう? 」
マオ
「 確たしかにな。
可か愛わいい容よう姿しをしてるけど、オレが倒たおせないぐらい強つよいんだもんな? 」
良よく良よく考かんがえたらオレって……自じ分ぶんよりも強つよいキノコンをパシる事ことになるんだよな……。
違ちがう!!
パシるんじゃない!
パシリに使つかうわけじゃないぞ!!
オレは自じ分ぶんに固かたく言いい聞きかせながら、セロの左ひだり横よこに並ならんで宿しゅく泊はく室しつ迄まで歩あるいたんだ。