♥ 作戦会議はランチ中に
──*──*──*── 施設内
──*──*──*── カジノ
──*──*──*── テーブルスペース
昼食をしながらセロと作戦会議をする──って事だったけど、特に「 これ 」と言った内容は出ていない。
正直言って今の今迄、セロと作戦会議らしい話し合いなんて1度だってした事が無かったからだ。
オレは出される料理に舌鼓を打ちながら食べ続けるだけだし、セロは料理をツマミにして酒を飲んでるだけで……。
マオ
「 セロ……どんだけボトルを空にすれば気が済むんだよ… 」
セロフィート
「 ワタシには味のする水のような物です。
酔う事もないですし、飽きる迄飲みます 」
マオ
「 何時飽きる気だよ…。
そろそろ飽きたらどうだ?
そのボトルで20本目だろ? 」
セロフィート
「 残念でした。
23本目です 」
マオ
「 飲み過ぎだろ!!
部屋にもBARがあるんだからさぁ、その辺にしとけよ… 」
セロフィート
「 あのBARはマオ専用です 」
マオ
「 気持ちは嬉しいけど……。
ボトルは今ので最後にしろよ! 」
セロフィート
「 はいはい… 」
マオ
「 ………………セロ、もしかして機嫌悪い? 」
セロフィート
「 はい?
機嫌が悪い…とは? 」
マオ
「 だってさ……。
セロがオレの為に出してくれた剣が通じなかったじゃんか。
何でも斬れる万能な剣だったのに… 」
セロフィート
「 マオ、 “ 絶対 ” と “ 万能 ” は無いです。
誰かに言われても鵜呑みにしてはいけません。
微妙な角度,力加減で斬れない場合もあります。
全く通用しなかった訳ではなかったでしょう 」
マオ
「 うん…確かにな…。
深くは斬れなかったけど浅くは斬れたよ。
でもさ回復力が半端なかったし… 」
セロフィート
「 恐らく薬物の効果でしょう。
一時的に傷を癒す再生力を活性化させているだけです。
貴族も面白い薬を使って来ましたね 」
マオ
「 セロ……明日の試合もあんな奴等が出て来るのかな? 」
セロフィート
「 スペシャルゲストが試合に勝ち続けるのは面白くないでしょう。
【 サムシング・グレート 】が勝ち続ける限り、貴族達が賭けているチームが勝つ可能性は0です。
あらゆる方法を使って妨害して来ます 」
マオ
「 妨害か…… 」
セロフィート
「 番犬も居ますし、大事にはなりません 」
マオ
「 …………キノコンな~~ 」
オレはカジノスタッフが運んで来てくれたデザートを食べる。
う~~~~ん、デザートも最っ高に美味い♥
オレはレストランの料理よりもカジノの料理が好きだ♥
マオ
「 は~~~あ♥
アイス山盛りプリンパフェ、おかわりしちゃおうかな?
チョコチップとスライスアーモンドを多目にしてもらって── 」
セロフィート
「 マオも未々ですね 」
マオ
「 何がだよ? 」
セロフィート
「 ふふふ…。
マオが食べた料理にも今食べているデザートにも毒が入れられてます 」
マオ
「 へ…?
毒…… 」
セロフィート
「 気付きませんでした? 」
マオ
「 分かるかよ!
本当に毒が盛られてるのか? 」
セロフィート
「 本当です。
人間は何処の世界でも毒薬,薬物を使うのが大好きですね 」
マオ
「 マジかよ……。
また毒かよ…。
こんなに美味しいのにな… 」
酷い事するよな……。
こんなに美味しいのに毒入りだなんてさ!
まぁ、セロと旅を続ける為に人間を止めちゃったオレには毒なんて効かないから入ってても別に良いんだけどさ……。
“ 毒を盛られてる ” ってのは悲しいもんだよな……。
セロも言わないでくれたら良いのにな!
セロフィート
「 マオ、今夜はワタシと『 いいこと 』しましょう 」
マオ
「 いいこと?
………………うん(////)
セロと『 いいこと 』するの久し振り…だよな? 」
セロフィート
「 ふふふ。
今夜は可愛いマオを見せてください♪ 」
マオ
「 馬鹿っ(////)
こんな所で言うなよ(////)
勘違いされちゃうかもだろ!(////)」
セロフィート
「 はて?
勘違いです?
好きなだけさせれば良いです。
スキンシップは大事なのでしょう? 」
マオ
「 まぁな…(////)」
セロフィート
「 マオはワタシとイチャイチャしたくないです? 」
マオ
「 セロ!
真っ昼間から “ イチャイチャ ” とか言うなよ(////)
…………したい…けど…(////)」
セロフィート
「 マオの照れ屋さん♪ 」
マオ
「 ………………(////)
それより、作戦会議だろ!
明日の17時から3回戦だしさ 」
セロフィート
「 マオが “ 頑張る ” で良いでしょう。
ワタシの分も確りファイトしてください♪ 」
マオ
「 それ!
作戦会議になってないからな!
真面目にっ! 」
セロフィート
「 マオ、ワタシは何時如何なる時も真面目です 」
マオ
「 嘘吐け! 」
セロフィート
「 ワタシはカジノを楽しみます。
マオはどうします? 」
マオ
「 ん~~、オレはモニタリングルームで試合を見たいな 」
セロフィート
「 別行動になりますか。
マオ、ワタシの代わりにキノコンを傍に置いてください 」
マオ
「 えぇ~~~。
オレ…キノコンに護衛されるのかよ… 」
セロフィート
「 御世話係り兼任だと言いました。
パシリが居れば楽でしょう? 」
マオ
「 パシリって…… 」
セロは笑顔で魔法陣を発動させる。
床から1体のキノコンが現れた!!
キノコン
「 セロさま、およびでしょうかエリ 」
セロフィート
「 ワタシの代わりにマオの護衛をしなさい。
ワタシのマオに真心込めた誠心誠意の御世話も忘れずに 」
キノコン
「 かしこまりましたエリ!
マオさま、よろしくおねがいいたしますエリ。
セロさまにかわり、おつくしさせていただきますエリ 」
マオ
「 よ、宜しくな~~ 」
セロフィート
「 マオの事は任せました。
マオ、夕食迄、御互い楽しみましょう 」
マオ
「 お、おう…… 」
椅子から腰を浮かせて立ち上がったセロは、召喚したキノコンにオレを任せるとテーブルスペースを離れて行った。
ドリンクを飲み終えたオレも椅子から腰を浮かせて立ち上がる。
マオ
「 じゃあ、オレもモニタリングルームへ行こうかな? 」
キノコン
「 マオさま、料理に毒を盛った料理人を絞めますかエリ? 」
マオ
「 何で急に流暢な喋りになるんだよ…。
オレ達を良く思わない貴族に脅されたか買収された口だろ?
オレは平気だし、放っといて良いよ。
美味い料理が食べれなくなる方が嫌だしな 」
キノコン
「 畏まりましたエリ。
キノコンにしてマオさまの専属料理人に致しますエリ 」
マオ
「 何言ってんだ?!
そんな事しなくていいよ!! 」
キノコン
「 左様で御座いますかエリ… 」
マオ
「 不貞腐れないでくれないかな!? 」
キノコン
「 モニタリングルーム迄護衛させて頂きますエリ 」
そう言って執事のようにオレヘお辞儀をした器用なキノコンは体を上下に動かしながら何度かピストンすると分裂した。
キノコンが4体に増えた。
1体がオレの背後へ回る。
2体はオレの左側と右側へ移動した。
最後の1体はオレの前を歩くみたいだ。
キノコン
「 配置に付きましたエリ。
マオさま、モニタリングルームへ御案内致しますエリ 」
まるでVIP扱いじゃないか…。
可愛い外見をしている4体のキノコンに護衛されながら歩くオレって浮いてるよなぁ……。
カジノで遊んでる人達の視線が痛くて恥ずかしい(////)
オレは大切な何かを失ったような気持ちになりながら、モニタリングルームへ移動する事にした。
◎ キノコンと会話が出来るのは、セロフィートとマオだけになります。
セロフィートとマオ以外には「 エリギャー 」とか「 エリエリギャー 」と聞こえています。
◎ 訂正しました。
マオが “ 頑張る ” で ─→ マオが “ 頑張る ” で