♥ ピカチ●ウも吃驚でチュウ 2
最後の5体目はセロに任せる事にして、オレは黒焦げになって倒れてたままピクリ──ともしない変わり果てた姿の対戦者達の首を斬って胴体と離した。
首は炎魔法で燃やしても消し炭にならないから、切り刻んだ。
身体はどうしような?
マオ
「 セロ──、頭を斬り落としたけど燃えないんだけど? 」
セロフィート
「 マオ、5体目の首も斬り落としてください。
身体はワタシが凍らせて砕きます 」
そう言ったセロの行動は早かった。
オレが5体目の首を胴体と斬り離すと、身体と首が一瞬で凍った。
間髪入れずに凍った胴体は粉々に砕け散ってリング上から消えた。
セロフィート
「 今日は綺麗に片付きましたね。
今回はリングも汚れませんでした 」
マオ
「 そだな…… 」
セロフィート
「 審判さん、判定をお願いします 」
審判実況者
「 ──あっ、はい!
えぇと──、勝者は【 サムシング・グレート 】の御二人です!!
チーム【 サムシング・グレート 】の3回戦は明日の午後17時からとなりま~~~す! 」
マオ
「 セロ、今日の試合は苦戦しちゃったな 」
セロフィート
「 そうですね。
マオの剣が通じないとは想定外でした。
昼食を食べながら作戦会議をしましょう 」
マオ
「 作戦会議かぁ!
いいな、作戦会議!
それっぽくなって来たじゃんな 」
セロフィート
「 マオに任せて楽が出来ないのは死活問題です 」
マオ
「 おい、こら!
自分だけ楽するなよ!! 」
セロと一緒にリング上から下りると、観戦客達からは以前のような野次が飛んで来ないし、ゴミも投げ捨てられたりしない。
急にどうしたんだろうな?
マオ
「 セロ、観戦客が異様に静かなんだけど、どうしたんだろうな? 」
セロフィート
「 唖然としてるのしょう 」
マオ
「 唖然って?
何でだ? 」
セロフィート
「 薬物投与で身体が変化しましたし、驚くでしょう 」
マオ
「 確かにそうだよな…。
あんな化け物染みた容姿に変貌するなんて誰も思わないもんな 」
含む所は色々あるけど──、オレと違ってセロは余裕だったみたいだしな。
セロが余裕なら大丈夫だな。
静まり返っている試合会場をセロと一緒に出た。