♥ 室内BARで酔っぱらう?
──*──*──*── 施設内
──*──*──*── 宿泊室
用意された宿泊室に入ると格安ホテル並みの部屋だった。
セロが秒で暮らし易い室内へ丸っと替えてしまう。
室内の広さも壁紙も室内の家具も全てが一新された。
バスルームは温泉に変わったし、新しく出来たドアの奥には本格的なBARを用意したみたいだ。
≪ ダンジョン ≫へ行けるドアと〈 創造主の館 〉にあるセロ専用の図書館と実験室に繋がるドアもある。
マオ
「 セロ、このドアは何処に繋がってるんだ? 」
セロフィート
「 此方はカジノで此方は試合会場です。
移動時間を短縮しました 」
マオ
「 便利ぃ~~。
あれ──、ドアは壁紙に描かれた絵なんだな 」
セロフィート
「 マオとワタシだけが通れるようにしてます。
開け閉めするドアの手間を無くしました 」
マオ
「 そうなんだ。
でもさ、防犯魔法を掛けてるんだろ?
其処迄徹底する必要あるのか? 」
セロフィート
「 念の為です。
番犬代わりにキノコンを数体配置させます 」
マオ
「 キノコンって──、200年前にブックカフェした時のキノコンか? 」
セロフィート
「 そうです。
ヒスさん,エレさんの子供達を改良して新種のキノコンを作りました 」
マオ
「 エレさん??
キノコンのヒスさんがヒストリスさんだったのは判明したけど、エレさんって誰? 」
セロフィート
「 エレさんはヒストリスさんの婚約者です。
エレトリアと言うので、エレさんにしました 」
マオ
「 は?
ヒストリスさんの婚約者??
セロ…………、ヒストリスさんの婚約者をキノコンに変えて、ヒスさんに会わせたって事か? 」
セロフィート
「 そうですよ。
ヒスさんも繁殖するなら婚約者が相手の方が良いでしょう?
キノコンへ変貌していたら諦めるつもりでしたけど、未だ人間でした。
間に合って良かったです 」
マオ
「 何してんだよ?!
セロがヒストリスさんの婚約者を誘拐してキノコンに変えてたなんて知らないぞ!! 」
セロフィート
「 内密に進めてましたし 」
マオ
「 ………………それで…?
ヒスさんとエレ…さんの子供を使って何をしたってぇ? 」
セロフィート
「 改良して新種のキノコンを誕生させました♪
全パラメーターを限界突破させて── 」
セロは新種のキノコンを生み出して、あらゆるドーピングをしまくった末に戦闘に特化したキノコンに改良したらしい。
ヒスさんとエレさんの子供達に何をしてんだよ……。
セロが魔法陣を発動させると室内にキノコンが現れた。
確かにセロの言う通り、キノコンの容姿が明らかに違う。
まるで──、巨大化したエリンギって茸に顔が付いててが動き回っている感じだろうか。
クリっとした円らな瞳でちょこちょこと動く姿が篦棒に可愛いんだがっ!!
マオ
「 セロ──、可愛さが増してないか? 」
セロフィート
「 ふふふ。
思わず油断してしまうでしょう?
見た目は可愛くても強いです。
マオでも倒せませんよ 」
マオ
「 おい、何でそんな危険で強いキノコンを作っちゃったんだよ! 」
セロフィート
「 『 番犬代わり 』と言いました。
弱いと番犬代わりになりませんし。
≪ ダンジョン ≫の中に≪ キノコン王国 ≫を作りました。
ヒスさんとエレさんには≪ キノコン王国 ≫を任せてます。
遊びに行ってあげてください 」
マオ
「 ≪ ダンジョン ≫に作った……。
じゃあ、地上に出来た≪ キノコン王国 ≫はどうなったんだよ? 」
セロフィート
「 丸っと≪ ダンジョン ≫へ転送させました。
綺麗な平地になった事で近隣諸国が取り合い合戦を始めてましたよ。
何処の≪ 国 ≫が平地を手に入れたのかは知りません 」
マオ
「 何してんだよ……。
ま、まぁ……もう200年も前の事だし今更だけどさ… 」
オレが知らないだけで、セロは人間の都合なんて考えもしないで、やりたい放題しまくってたみたいだ。
目の前に居る可愛いキノコンが強いなんて誰も思わないよな。
キノコン
「 セロさま、ベッドメイキングがすみましたエリ 」
マオ
「 はぁ?
しゃ…喋ったぁ!? 」
セロフィート
「 御世話係り兼任ですし、喋りますよ 」
マオ
「 え……凄っ…… 」
セロフィート
「 ワタシとマオはBARに居ます。
侵入者は排除しなさい 」
キノコン
「 おまかせくださいエリ 」
そう言ったキノコンは体を上下に動かすと分裂したぁ!!
3体に増えたキノコンの1体は窓を開けてベランダに出る。
もう1体は腕をミョ~~~ンと伸ばしてドアを開けると宿泊室の外に出た。
新種のキノコンは器用だな……。
キノコン
「 セロさま、はいちにつきましたエリ 」
セロフィート
「 宜しい。
頼みましたよ 」
キノコン
「 おまかせくださいエリ 」
セロに向かってビシッと敬礼したキノコンは室内の警備を始めたみたいだ。
セロフィート
「 マオ、BARへ入りましょう。
マオの為に作ります 」
マオ
「 有り難な、セロ(////)
どんなお酒を飲ませてくれるんだ? 」
セロフィート
「 先ずは飲み易いジュース割りを作ります。
度数の低いお酒から少しずつ慣れましょう 」
マオ
「 そだな 」
セロと一緒にBARへ繋がるドアの中へ入った。
◎ 訂正しました。
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