カナユニカフェの人々
貴女が今も居てくれたなら
パルフェ・オ・ショコラが今も頂けただろうに
なにか急に
貴女を
思い出した
5月の雨の日
貴女と同じ舞台に立ったのは
もう四半世紀以上前のこと
貴女の音は
物憂げで
優しく
艶やかで
貴女が今も生きていたなら
この憂鬱な人生も
もっと色鮮やかに
なっていたかも
僕と貴女は
きっと
何度も出会って
何度も別れ
物語を
織りなすはずだった
もう誰も居ない
この店も
あの人も
貴方も
貴女の奏でる
あの音も
さようなら
今、やっと
貴女との別れを
受け入れます