めぐり逢い
おはようございます♪
こんにちは♪
こんばんはっ♪
咲ヶ丘ゆづきです!
【それでも君は僕を憶えていてくれますか?好きでいてくれますか?】です!
新キャラ登場です!
過去に一体何が!?
続きはお話で!
よろしくお願いしますっ♪(。・ω・。)
家の猫は英雄だったことを改めて認識しながら僕は玄関を出て、外の世界へ出た。
「行ってきます」
ここ、畑木家では出掛けるときは何があっても挨拶するという掟がある。なお、決めたのは父であり、父も昔は研究者とかなんとか、すごい人だったらしい。
三年前不慮な事故で父と母は共に死んだ。何者かに崖から落とされたらしい。らしいというのは、当時僕は中学一年生で、突然のことでよく理解が出来ていなかった。高校になった今でも不可解だと思っている。
僕は泣かなかった。いや、分からなくて泣けなかった。でも妹のみゆが、すごく泣いていた。朝も、昼も、夜も、夜中も。幼かったから精神へのダメージも大きかったのだろう。
今思えばいつもいた人間が急に死ぬ、もう二度と会えない。そんな事この世の中、毎日起きているのかもしれない。
僕は犯人を許してはいない。だけどすごく冷静だった。復讐したい、そうはとても思えなかった。それよりも何か引っかかる……。母も父も普段崖なんか、ましてや外出など行かないのに……。その謎は、三年経った今でも解らないままだった。
そんなことを歩きながら考えていると、ポケットに入っているスマホに震動が走った。開いて見てみると、妹からの通知でアプリ【コイン】の通知音で現実に戻った。
【行ってらっしゃい】とみゆが可愛く言っていて表示されているスタンプと
【プリン忘れないでね】とチャットに書いてある。
僕は、「了解」と打ち、再びポケットにしまい、学校へ向かった。
校門をくぐり抜け、正面玄関で靴を履き替えて教室に向かう。
「あ、あのっ!」
廊下を歩いていると、女子生徒から突然声をかけられた。
「き、君、あ、あの時の、男の、子だよね?」
「え?え、えっと……?あの時って……?」
声をかけてきたのは、背中まで伸ばしている青色の髪は二つに結ってツインテールにしていて、目がぱっちり開いていて、ふっくらとしたピンク色の唇に、星の髪留めを付けて、
自己流にアレンジしているのか星のアクセサリーがついた制服を着こなしている女の子だった。
初めて見たけどかなり可愛い。こんな女の子、陰キャの僕なんかが知り合いのはずがない。名前も顔もしらなかった。ツインテールにしている為、見た目に対して少し幼く見える。リボンの色が紫だから……先輩?なのだろうか。
「私のこと、憶えてる?生きてたんだ!死んじゃったって聞いてたから……」
「憶えてる……って……?え?」
女の子はどんどん距離を近づけてきた。
僕は訳が分からず天パってしまう。こういう事態に僕はなれていない。そもそもこんな美少女から話しかけられることが初めてだった。
「ずっと、ずっと!逢いたかった!」
僕の言葉が届いていないのか彼女は話し続けていた。
「わ、私……貴方のこと……ずっと……!!」
顔を赤くして、手を握ってきた。女の子は
目に涙を溜めている。僕の頭は困惑で埋め尽くされて心臓はバクバクだった。
「え……!?えーー?!」
とても近くで目を見つめられる。シャンプーのいい匂いが鼻を擽る。女の子の顔がここまで近くにある。はち切れそうな心臓を何とか抑える。
僕と女の子は手を握っている。ここは廊下なので、当然僕たちは通行する生徒達の注目の的になっていた。
いきなりのことで愕然して頭が回らない。
まさか手を握られるなんて思ってもいなくて、心の準備をしていなかったから心臓が苦しい。こんな美少女に手を握られて何も思わない男子なんていないだろう。
巡り先輩今日も可愛いなぁー。
めぐりぃ~……ってあれ、取り込み中?
誰?あの男の子。
めぐりんに触れた男共は灼熱のフライパンで焼いてやるごんす!親衛隊、ごーんすー!
憧れ、友達、野次馬、さらには親衛隊の人までが集まってきた。
そんな人気者の彼女が僕を……?!
いやいやいや、女の子の何かの記憶間違いだと思う。
「ひ、人違いなんじゃ……」
やっとの思いで口を開く。足がカタカタと音を立てるように地面に立つが足がおぼつかない。
「え……わ、私だよ……!あの川で愛の告白してくれた男の子だよねっ?!」
人違い、だというと女の子は悲しそうな眼をして俯く。それでも諦めずに僕の眼を見つめる。
「本当に違うの……?」
頭にはてなマークが浮かぶ。頭をフル回転して思い出すが、やっぱりそんな記憶はないし、こんな女の子今まで知らなかった。
女の子は涙を落とした。せっかくの再会、だと思ったら人違いだった。無理もないだろう。
こんな女の子を泣かせてしまう僕はなんて最低なんだと思った。だけど、僕には何もしようがない。
涙を落としながら、僕を見つめる女の子は、手を離した。
女の子はポケットからハンカチを取りだして涙を拭っていた。
「ご、ごめんね……人違いだったみたい……。
すごく似ていたから……本当にごめんね」
「い、いえ……大丈夫ですよ」
女の子は、すごく落ち込んでいるようだった。
「あ、あの……」
「そ、そういえば、名前言っていなかったね!私は星巡り 巡。あなたは?後輩君」
雨の後の青空のように、
にこっと笑う星巡り先輩はとても可愛かった。
「畑木、優です」
「畑木君かぁ。ご、ごめんね。それで私に何の質問?もしかして……惚れちゃった?」
てへっと舌を出して笑う先輩に思わず胸が高まる。
「その、男の子とはどんな関係だったんですか?」
それを言うと星巡り先輩の表情は少し曇った。本当は聞くべきではないんだろうけど……。
「私の、儚い、一瞬だけの初恋の相手だよ」
先輩は悲しそうに言う。
「そうなんですね……」
「忘れることにするよ。もう逢えないから……」
「そんなこと、ないですよ」
寂しそうに俯く先輩をみて勝手に口が動いていた。
「え……?」
「僕達だって出逢えたじゃないですか。星の導きでも、神様からのすごろくでも運命でもない。僕達の一つ、一つの選択が、先輩に逢わせてくれた。自分の意思で巡り巡り、辿り着いた道なんです」
初対面だけど、何か引っかかる物はあった。
失う痛み、苦しみ。それが僕には分かってしまう。だけど、その傷もいつかかさぶたになり、消えていく。消してはいけないけど前を向いて欲しくてと思ったら口が勝手に動いていた。
「僕には……何も言えないし、何も……できないけど……」
今度は僕から手を握った。信じて欲しくて。その未来を。
「その男の子にも……」
星巡り先輩は僕の目を見つめる。
「いつか、また、出逢えるといいですね!」
そう言うと、女の子はふっと顔が赤くなった。
「こ、後輩君のくせに、な、生意気なんだからっ!」
少し立ち止まって先輩は言った。
「私との巡り合わせに、感謝、しなさいよね?」
先輩の目から一粒の透明な涙が流れた。
光る涙は太陽に反射し、綺麗な線を描く。
嬉しさなのか、はたまた寂しさなのか、
僕には解らない。
「バイバイ、後輩君。また、巡り逢おうね」
無邪気な顔で笑う彼女は、どこか神秘的で、美しくて、でもちょっぴり儚くて。切なくて。
四月に咲く桜のようでとても、綺麗だった。
【それでも君は僕を憶えていてくれますか?好きでいてくれますか?】をご覧頂きありがとうございました!(´;ω;`)
先輩なのに幼いって萌えますよね
いや、燃えますね(物理)
次も頑張ります!
またよろしくお願いします(∩´∀`∩)
ゆづきでした~(。・ω・。)
(´・ω・`)good