今も昔も英雄
おはようございます!
こんにちは!
こんばんは!
咲ヶ丘ゆづきです!
【それでも君は僕を憶えていてくれますか?好きでいてくれますか?】です!
今回は、猫が好きな方はほっこり出来ますよ!(多分!笑)
ではっ!ご覧あれっ!(≧∇≦*)
学校が始まって早いもので一日、二日と時間は過ぎて行った。
あの忘れ去りたい事件は記憶にはあるけど、よくは思い出せない。【変態男】と呼んで、僕との接触を、回避していた女子達も何事もなかったように必要な時は話しかけてきた。
少し、平和になり始めたその日は、少し遅く起きてしまった。昨日夜更かししてしまったからかもしれない。アニメ一気見していたら朝になってる、なんてアニメオタクならきっと誰でも経験していると思う。
日本人形のように妹が張り付いていたような気もするが、まぁ、大丈夫だろう。
急いで制服に着替え、下の階に向かう。
調理場に行くとエプロン姿のみゆがいた。
僕の姿を見つけると笑顔、どころかふくれっ面で近づいてきた。
「お兄ちゃん!起きるの遅いよ!また夜遅くまでアニメみてたんでしょ!罰としてDVD売っとくね⭐みゆのお小遣いにしていい?」
「いい訳ないだろー僕時間ないから構ってる暇ないぞ」
「えー、せっかく作ったのに食さないの?もったいなくない?みゆこんなに食せないよ?」
調理場の方からとてもいい香りがしてくる。
味噌汁の味噌の香ばしい良い匂い。とても食欲が
そそられた。まぁ、食べる時間がない訳ではない。だが、今日は[ラブ!歌うライブミュージックアイドル]の特典完全生産予約限定10名の発売日なのだ。
ちなみに僕は、白米天使、黒の堕天使、眠り姫とボード少女推しである。
まぁ、予約はしてあるので、学校の帰りに取りに行けばいいだろう。
「ほらほら!お兄ちゃん!今日は自信作だよっ!召し上がれっ✨」
言われるがままにテーブルに着き、手を合わせ口に運ぶ。
メニューは、ご飯と、味噌汁、お浸しに、グラタンだった。
グラタンは僕の大好物だけど、確か作るの大変なんじゃ……。
「どぉどぉ?美味しい?」
「美味しい」
僕が言うとみゆは、嬉しそうに笑った。
「お兄ちゃんありがとう~。これで将来は完璧ね!」
「将来?」
「うんっ!お兄ちゃんと結婚しt……って
な、何でもない!!!」
なんか、結婚とか聞こえたのだが、追求するとまた怒られるのでやめておこう。
みゆを見てみると顔が真っ赤だ。
「そ、そう!わ、私、す、好きな人がいてね!?そ、その人の専業主婦になるの!」
言う前に自白してくれた。
「まじすか……みゆモテるもんな、ま、リア充楽しめよ」
専業主婦なのか。まぁ確かにみゆは家庭的なタイプかもしれない。僕は恋愛に無頓着なのでこの際意外とどうでもいい。
「なんかあったら言えよ~」
「うん。お兄ちゃんは……」
「みゆになんかあると親父に殺されるからね。……僕が」
「パパとママには言えないよ……誰にも言えない恋だもん……」
「先生とかか?」
ギィと涙目で睨まれたので驚きで黙ってしまった。
「ど、どうした……?」
嗚咽を漏らしながら、口を開いた。
「お兄ちゃんは……」
みゆが顔を赤くしながらもじもじしている。
「……好きな人いないの?」
愚問である。即答だった。
「いるよ。二次元じょs……」
身体が宙を舞い、吹き飛び痛みが伴う。
「ってぇ……」
もう、慣れすぎた為、タイミング掴んでいるので受け身をしたので大きなケガはなかった。
……家は壊れるが。だが、不思議なことに時間経過で直っていた。
「二次元女の子以外で❤」
「いないっす」
きょうもみゆ先輩は元気だった。
物音で起きたのか猫のみゃーちゃんが寄ってくる。
「みゃぁ~」
僕に近づくと手を舐めてくれる。うぅ、なんて可愛いんだ。誰かさんとは違う。
「何か言った?今度は腕一本行く?お兄ちゃん?」
なんで思ってること分かるんだよ!エスパーかよ!
「愛だよ!」
こんなのが愛だなんてたまったもんじゃない。普通に怖い。
「みゃぁ~」
この子、僕には懐いていない。今も舐めてるけど甘噛みしている。ただ、唯一の相棒だからな。懐く、懐いてないのレベルではない。
「ほら、みゆ、みゃーちゃんにご飯あげて。お腹空いてるって」
「何でよ……何で猫の気持ち分かるのに――――」
「みゃぁ~~」
あ~もうほんと可愛いなぁ。もうヒロイン枠だろこの子。……爪立ててるけど。
「いいもん!みゆは拗ねました!」
何で拗ねんだよ!?要素なくないか?!
「みゃぁ~ちゃんのご飯は、キッチンの下の所に置いてあるから」
そういうとプイとして自分の部屋に戻ってしまった。
「みゃぁ~?」
首傾げてる。可愛い。
みゆから言われた通り、キッチンの下を探していたら、見つけた。
皿を出してご飯を開ける。相当お腹空いていたのかすごい勢いで食いついた。
僕も準備するか~と思いみゆの手作り料理を喉に通し、食した。ご馳走様でした。
みゃぁ~ちゃんが駆け寄ってきてごろごろしている。遊んでいたいのだが、もう時間が微妙にない。
「みゃぁ~」(うまかった。ごち。)
「美味しかったなら良かったよ」
「みゃぁ~」(でも、これじゃあ、俺の血は収まらねえ……二億三千年前の力が解放する前に、最高級大トロマグロを要求する)
この子結構わがままなんだよね。
「はいはい、じゃあ、前払いで」
近づいて肉球を触ろうとすると、咄嗟にみゃぁ~ちゃんは逃げた。
「みゃぁ~」(悪いな、俺はそんな甘い猫じゃないんだ。この封印されし右手(肉球)が触りたければぁ……にゃああああああああ
はふはふ~)
普通に近づくと逃げるので猫じゃらしを出してみた。途中まで何か言っていた見たいだけど、お気に召してくれたようだ。
「にゃぁ~」(ご主人様しゅき~)
「ちょろインかな」
「にゃぁ~」(うへへ~~)
すごいにやにやして遊んでる。誰に似たんだろうね。
しばらく遊んでいるようなので僕は、二階に上がり、みゆの部屋をノックする。
「みゆ、拗ねてないで学校行けよ~」
「お兄ちゃんうるさい。お兄ちゃんはみゆの心を酷く傷つけました。みえんはぴえんです。新発売のプリンないと動きません」
新発売のって確か三百円くらいするやつだよな……。まぁ、買ってきてやるか。
「買ってきてやるから、ちゃんと学校行けよ。好きな人悲しむぞ」
そこから返事はなかった。代わりに扉越しの殺気と寒気を感じた。
下に降りて、靴を履く。
みゃぁ~ちゃんがトコトコと歩いて近づいてきた。
「みゃぁ~」(さっきは俺としたことが取り乱したな)
「まぁ、好きな物には勝てないよね」
「次、禁断の剣(猫じゃらし)出したらもう構ってやらないからな」
プイとみゃぁ~ちゃんもそっぽ向いた。猫はツンデレって言うもんね。
「はいはい、猫じゃらしじゃなくてボールがいいんだね」
猫じゃらしはとっておきにしよう。相当の
お気に入りのようだ。強がっているだけで本当は大好きなのだ。ただ、この子、前世は
【限られた血玉】の一人と言っていて
相当の猛者であり、英雄だったらしい(本人談)
なので人間に恥をさらすのが嫌いらしい。かわいい猫になってしまった事を後悔してるようだ。僕には何のことかさっぱりなんだけどね。
ちなみに僕は【白銀の翼を折られた勇者】らしい。と、言うことは、僕とみゃぁ~ちゃんは遠い昔会っていたことになる。以前この事をみゃぁ~ちゃんに聞いてみたが、「まだ、理解できない。刻ではない」と断られてしまった。
「相棒よ、聞いておるか」
「え、あ、うん」
何も聞いていなかった。
「――――気を付けろ……それと」
「ん?」
「俺はヒロインじゃねぇ……俺こそが、主人公だ!」
僕の相棒は今も昔もとっても格好よかった。
(猫だけど)
ここまで【それでも君は僕を憶えていてくれますか?好きでいてくれますか?】を見て頂きありがとうございます!
次の話数もよろしくお願いします。
(´・ω・`)good
ゆづきでしたっ三c⌒っ.ω.)っ シューッ