日常と妹
初めまして!咲ヶ丘ゆづきと申します!
皆様と共に書いて良かった!って読んで良かった!って思えて頂けるように頑張ります!
よろしくお願いします!(`・ω・´)
春の桜が舞う季節。
気持ちのいい小鳥のさえずりと、窓から差し込む太陽の光で目が覚めた。横にあるスマホもアラームが鳴っている。曲は今流行りのアイドルの曲だ。中学生の時の時から追いかけていて、数少ない僕の趣味であり、強みだ。まぁ、ただ、それのせいで女の子との関係は皆無なんだけどね。
もう、中学生じゃない。今日から僕は高校生になった。
高校では、友達作って、出来れば彼女も作りたいなぁ………。
彼女、作りたいなぁ……。(大事な事なので2回言いました)
なんて……こんな僕の彼女になってくれる人なんていないよね。
顔は中の下、成績普通、特技は特になくて、趣味はアニメ鑑賞と猫と遊ぶ事と音楽を聴くことくらい。平凡より少し劣ってる僕に彼女なんて、夢のまた夢の話。そんな自分に嫌気が差している。変わりたいと思ってる。でも、変わったところで僕を見てくれる人なんているのだろうか、なんて考えてしまう。ダメだ。
またネガティブになってしまう。
僕は一階に降りて洗面台で顔を洗う。嫌な気持ちは水に流そう。
鏡に自分が映る。冴えない自分だ。笑顔を作ってみる。
そうすると少しだけ気持ちが楽になってきた。笑顔は人を幸せにするとどこかで聞いたことあるけど、自分の嫌な気持ちも
払拭してくれるんだね。ちょっと気持ち悪いけど。
そうやって鏡を見てにやにやしていると、後ろにいた小さな女の子からドン引きされていた。なにを隠そう、妹だ。
「お兄ちゃん…………朝から自分の顔見てにやにやしてるとか、マジ引くんだけど。消えてくれない?」
今時の女の子らしく、「マジ」とか「引く」とか流行語を使い、さらにちゃっかり僕を罵倒している思春期の女の子である。
この警戒心剥き出しの猫みたいな妹は畑木みゆ。
中学生、つまりJCだ。兄の僕が言うのもあれだけど、
かなりかわいい。性格は強気で容赦ないけど、
本当は優しいんだ。………僕以外には。
ある時は、高熱を出して苦しんでいた僕の為に雑炊を8合作って食べろと言ったり、一緒に歩いていて僕が車に引かれそうに
なった時
「引かれればよかったのに」
と罵倒されたり。ツンデレなのか!?と僕も考えた事はあるが、多分違うだろうという自己解決な結論に至った。
だって、現実にツンデレな妹なんていないよ。しかも妹だし。
「お兄ちゃん大好き!」
なんて言う妹なんてはいるんだろうか。全国の兄貴に
聞いてみたい。
こんなやりとりいつもことだけど学校行く前にアニメ見よう
くらいは傷ついた。
どうして僕は妹にさえ嫌われているのだろう……。自分が情けなく思える。僕に、僕に春は訪れないのだろうか。
泣きたいのを堪え、俯いていると、みゆが顔をのぞき込んできた。
「お、お兄ちゃん……?ご、ごめんね……?」
ちょっとドキドキして可愛かったので気にしないことにした。
✴✴✴
そんなことをしている間にも時間は過ぎていた。一度部屋に戻り、新品の制服に袖を通す。新品の独特の香りが漂ってきた。新しい生活への希望が詰まっている感じがした。
時間を見るとさすがにもう時間がない。朝食は簡単なのでいいかな。
下に降りて冷蔵庫から保存していた食パンを取り出し、
食パン機に入れる。起動したことを確認するとフライパンを取り出し、油を引き卵を落とす。蓋をして、放置。
少し時間が空いたので、インスタントだけどコーヒーを入れる。一息入れながらいい焼き加減になった目玉焼きを皿に移し、
チンと電子音がなった食パン機から食パンを取り出し、同じ行程で皿に移す。テーブルについて手を合わせ食べようとしたその時、みゆから声がかかった。
「お兄ちゃん、私の分も作って」
毒舌の次はわがまま妹だ。
「もうあんまり時間ないんだよ。自分で作ってよ。てか、みゆの方が時間あるよな?」
時計を見ると七時四十五分になるところだ。まだ時間はあるはずだ。
……皿が飛んできた。その皿は僕に直撃し、椅子から倒れる。プラスチック製だったので割れはしなかったが、椅子から倒れる衝撃で僕の頭が割れるかと思った。
「ほんっとお兄ちゃんは女の子の心が分かんないのね!あのね!女の子は外に出るのにお化粧、オシャレ、身支度、髪セット……と、とにかく色々あるの!だから――――」
「お前可愛いんだから化粧なんてしなくても――――」
……皿が二つになった。
「可愛いとか言うな!お兄ちゃんは黙ってて!」
褒めたのに怒られた。もう女心ってほんと分かんない。
「とにかく女の子はね、外に出るのも冒険なの!たくさんの人に……特に好きな人に……可愛いって思われたいの!分かる?
毎日が勝負なの!それが女の宿命なの!」
一瞬小声で何を言っていたか聞こえなかった。
「もう充分可愛いって思われてると思うけど……てか、あんまり可愛くなりすぎると変な男が目につけたりするかもしれなくて
僕いやなんだけ――――ど!?」
……十枚になった。しかも包丁混ざっていてほぼ包丁だし。
「次はないわよ?」
「は、はい。もう何も言いません。ごめんなさい」
褒めて、兄ちゃんとして心配してるって言ったのに殺されかけた。……分かったことは、女の子は怖いと言うことと、可愛い人でも可愛くなりたいんだなーっと言うこと。
「か、かわいいって言わないでって言ってるでしょ!……ときめいちゃうじゃん……。それにさお兄ちゃん、私が危ない男から襲われる?空手、剣道、柔道、プロレス、レスリング全て全国大会優勝の私が?逆に一生消えない思い出にしてあげるわ!」
怖い。
「もし、もしそんなことがあってもお兄ちゃん助けてくれるから怖くないもん!」
「そんな奴いるのか?え、誰?」
ふと疑問に思ったことを言葉にしてしまった。
みゆは顔を赤くしてプルプル震えている。
地雷を踏んでしまったようだ。
「―――――っ!!だからぁーー!!うぅ――――」
「あ、ごめん、口出して」
「そうじゃなくてぇーー!!お兄ちゃんのシスコン!マジキモイ!エモイ!マジ卍!」
エモイとかマジ卍ってそういう時に使うんじゃないと思うんだけど……。結局罵倒されてるし。あとちょっと古い。
みゆはぴえんぴえん、ぴえん通り越してぱおんよ、お兄ちゃんは――――とブツブツ独り言を言っていた。
結局、妹の女の子講座により、時間がなくなってパンはおろか、目玉焼きも食べれなかった。妹が食べたから。
ということで、お腹が空いたまま、準備を整え学校に向かった。
【それでも君は僕を憶えていてくれますか?好きでいてくれますか?】を読んで頂きありがとうございました!
評価していただけると泣いて喜びます!
感想も頂けたらとっても嬉しいです!
これからもよろしくお願いします(`・ω・´)b