第26話 笑う門には福来たる・来年の話をすると鬼が笑う
えー皆様、異世界ニュースのお時間です。
この季節、某異世界、某国の皆様にとって伝統ある行事『未来の夢を語って福を呼ぼう! 2020』が今日、開催されました。
『桃島鬼城』の城内で毎年行われ、老若男女問わず誰でも参加できる『未来の夢を語って福を呼ぼう! 2020』は、審査員である五名の鬼を笑わせる事により、逆に福を呼び込もうというのがこの大会の趣旨で、より多くの鬼を笑わせた方が優勝となります。
大会が始まるとみんな鬼を笑わせようと、自分の将来の夢を語る者、来年の抱負を叫ぶ者、更には小さな子供が告白をする姿などが見られましたが、その度に鬼はお腹を抱えて大笑いをしたり、皆で爆笑したりしていました。
今回優勝したのは、公衆の面前でまさかの逆プロポーズをした、『梅押蓮守』さんと『畔暦子』さんの男女二人組で、『畔暦子』がプロポーズした時、城内には鬼達の笑い声が響き渡ったという事です。
今回逆プロポーズして優勝した
『畔暦子』さん
「あの人ったら、普段はバイオレンスな発言しかしないくせに、いざとなったら何も言えなくなるんだから……。本当の所、私の事は何も考えていないんじゃ無いのかな? って。だから、自分の方から思い切って言ってみたんです。『結婚して!』って。そうしたらあの人、舞い上がっちゃって。とんでもない跳躍力を見せて、天井に頭めり込ませてたわね。こっちが恥ずかしいわ」
逆プロポーズされた
『梅押蓮守』さん
「いやぁ、まさかこんな所でプロポーズされるなんてね、夢にも思わなかったよ。え? もちろんOKしたよ。本当は俺もサプライズでプロポーズするのを考えていたんだけど、無駄になっちゃたね。因みにどんなを考えていたかって? それは、成層圏ぎりぎりから、飛び降りて……冗談だよ、冗談。……なんか、頭頂部が痛いな、どうしてだろ?」
『畔暦子』さんと『梅押蓮守』さん、優勝おめでとうございます。
なお、大会の年号が来年になっているのは、皆が未来に希望を持てるようにする為、一年多くしているそうです。
皆さんの将来の夢は何でしょうか? 因みに私の将来の夢は……秘密です。
異世界ニュースのお時間でした。
続いて、某異世界で勃発している『バナナはおやつに入るか戦争』で『300円までならおやつに入る軍』が勢力を拡大したというニュースです。




