異世界転移者を狩る者たち
一人の少年が騎士たちを剣で薙ぎ倒していく!
「オラオラどうした!天下の最強騎士団様はこの程度なのかよ!」
少年の名前はユウヘイ。1年前に日本から異世界転移してきたものだ。
「すごいユウヘイ!!本当に私たちだけでこの国を落とせるかも!」
ユウヘイには仲間がおり、若い女剣士と美しい女魔法使い、そしてエルフ族の女盗賊がいる。
彼女たちは皆、ユウヘイが転移してきたから、この世界で出会ったのだ。
ユウヘイ
「よし!このまま国王討伐に行くぞ!」
彼らは今、フシダラ国の国王アサインの暗殺をクエストとして引き受けていた。
このクエストはフシダラ国の敵対国フンボルト国の要請である。国王を暗殺して混乱状態に陥れ、戦争を優位にさせることが目的だ。
このクエストはアサインを暗殺することが条件だが、ユウヘイは己の力に過信し、国王在中の城へ真っ向から戦いを挑んでいたのだ!
ユウヘイは次々と騎士団を壊滅させ、城内の奥へ奥へと進んでいく!
女剣士
「まさか私たちがここまで来れるなんて………」
女魔法使い
「弱小冒険者の私たちが今じゃ一国を攻め落とそうとしてる………!」
女エルフ
「どれもこれもユウヘイのお陰だわ!」
ユウヘイ
「………お前ら本当に俺一人のお陰でここまで来れたと思っているのか?」
女剣士
「え………?」
ユウヘイ
「ここまで来れたのは皆がお互いに助け合い、力を合わせてきたからじゃないか………!」
女魔法使い
「ユウヘイ………」
ユウヘイ
「お前たちがいてくれたからこそ!俺も皆もここまで来れたんだ!!」
女エルフ
「そうね………そうよね!」
「本当にありがとうユウヘイ!私たち………まだまだ先を行ける!」
ユウヘイ
「当たり前だ!!」
「よし一緒に行こう!!まずはここで名声を一気にあげてやる!ついてこい皆!!」
ユウヘイと愉快な仲間たち
「おー!!!」
ユウヘイ
(まあ本当は俺のお陰でここまで来れたんだけどな………)
(いやしかし………この世界はチョロいぜ。神から授かったこのチート能力を使って簡単にクエストをこなせてきたし………何せよステータスがカンストしている俺を倒せる敵はいない!)
(そして元の世界では絶対叶うはずの無かった念願のハーレムを構築し、さらに次々と仲間を増やしてはギルド内でも超有力な組織を作り上げることができた!)
(最高だ………!1年前のサラリーマン生活とは比べものにならないほど俺の人生は充実している!)
(いやあ………一度死んで良かった本当に………これからも俺の人生は円満だ!!)
雄平は希望に満ち溢れたキラキラした目で仲間たちと共に国王のいる部屋へと向かっていった。
一方、国王の部屋では騎士が30名身構えており、国王は玉座で緊迫した表情で座っていた。
国王アサイン
「ぐ……まだ侵入者を仕留めた連絡は無いのか!?」
側近
「ハッ……まだ討伐した連絡はございません」
アサイン
「どういうことだ………?」
「まさか世界最強を誇る我が騎士団が手間取っているのか!?」
騎士A
「国王!大変です!!」
アサイン
「何事だ!?」
騎士A
「冒険者たちが……ここまで攻め込んできております!?」
アサイン
「何!?親衛隊はどうした!?敵はそんなに数が多いのか!?」
騎士A
「ここはもう危険です!早く避難を……」
ドカア!!
国王の部屋のドアが打ち破られる!
ユウヘイ
「さあ観念しろ!国王!!」
アサイン
「ぬう!?なんだあの少年は!?」
国王の周りにいた騎士団が一斉にユウヘイへ襲い掛かる!
しかし、ユウヘイの圧倒的な魔力に騎士団たちは次々と倒れていく!
騎士B
「馬鹿な……」
騎士C
「こんな……こんな少年に……我が騎士団が……」
ユウヘイ
「国王!観念しろ!!ここがお前の死に場所だ!!」
騎士D
「させない!!」
国王の前に一人の騎士が立ちはだかる。
騎士D
「国王には一本も指を触れさせない!!」
アサイン
「マフィ!!」
マフィはこの国随一の凄腕の剣士。
彼がこの国の最強の騎士であることは間違いない。
マフィは剣に魔力を込め、雄平に斬りかかる!
雄平は人差し指でその剣技を受け止めた!
ユウヘイ
「フッ………甘いぜ(どやあ………)」
マフィ
「な………何!?ならばこれならどうだ!!」
マフィは連続で剣をユウヘイに突きつける!
しかし、この攻撃もユウヘイは全て避ける!
ユウヘイ
「なかなかいい突きだ………しかし残念だが俺の敵ではない!」
「冥土の土産に見せてやる!究極魔法アンデットエクスドライブ!!」
ユウヘイの体内から莫大な光魔法が放出される!!
マフィはその魔法に直撃し、吹き飛ばされていく!
マフィ
「ぐわああああああ!!」
アサイン
「ま………マフィ!?」
マフィは壁にぶち当たり、その場で倒れてしまった………。
アサイン
「ば………バカな………あのマフィが………!?」
ユウヘイ
「観念するんだな!!国王!!」
ユウヘイは国王に剣先を向ける!
アサイン
「だ………誰か!?誰かおらぬのか!?」
「私はまだ………死ぬわけにはいかない………私にはまだやるべきことがある!」
「私は国民を導かねばならない!私はまだ死ねないのだ!」
アサインは剣を抜き、ユウヘイと対峙する!
ユウヘイ
「ほう………単なるへっぽこな王様ではないというわけか」
「いいだろう!苦しませること無く葬ってやろう!!」
ユウヘイは強力な魔法を剣に宿らせ、アサインへ斬りかかっていく!
あまりの早さにアサインは反応できず、ユウヘイの攻撃を防ぐことができない!
アサイン
「ぐう!?」
ユウヘイ
「虚無へ帰れ!!アサイン国王!!」
ガキイイイイイイイイン!!
ユウヘイ
「!」
アサイン
「!?」
ユウヘイの剣はアサインの額の前に止まっていた………。そしてユウヘイとアサインの横から一人の男が剣でユウヘイの攻撃を防いでいた………!
ユウヘイ
「な………なんだお前!?」
男
「お前………異世界転移者か?」
ユウヘイ
「!?」
ガキイイイイイイイイ!
男はユウヘイの剣を弾き、アサインの前に立つ!
その男は黒いマントとマフラーを羽織っており、黒紫のゴツい鎧を身に付けていた………!
男
「もう一度問おう」
「貴様は異世界転移者か?」
ユウヘイ
「な………何故それを!?はっ!!まっまさかお前も俺と同じで別の世界から………」
男
「了解した」
「お前が異世界転移者であるとしかと聞いた」
ユウヘイ
「な………何を!?」
男
「エンゲージ!!」
男の周りに複数の魔方陣が現れる!!
女魔法使い
「何!?この魔法陣の数!?」
フイイイイイイン!!
魔方陣が輝きだす!!
男
「異世界転移者の証言確保!及び対魔法領域の展開を申請!」
ユウヘイ
「お………おい!?なんだこれは!?」
どこからか声が聞こえてくる………!
「対魔法領域展開承認………異世界転生者のデータを送信する」
男
「データ受信確認!対魔法領域展開!!」
バチイイイイイイ!!
この部屋一体に魔方陣が展開していく!!
アサイン
「こ………これは!?」
男
「佐藤雄平。21歳。昨年11月ごろに地球の日本国から転移。神とやらにチート能力を授かり、本来成らざるその力で難関クエストをこなし、今年度にクランを結成」
ユウヘイ
「!?」
「なんで俺の情報を!?」
男
「性格は小心者であり、元の世界では何の取り柄もなく、その上何も努力せず、職場を辞めてはニート生活を送っていた」
ユウヘイ
「おい!やめろ!」
男
「また女ぐせも悪く、元の世界では女性の下着を盗撮したり満員電車で痴漢スレスレの行為をして女性に対して嫌がらせをしていた」
ユウヘイ
「おい!!いい加減に………」
男
「また転移後もその癖は直らず、女性しかクランに勧誘せず、クラン内でセクハラやモラハラの連続。そして一部では弱味を握り夜な夜なエッチな行為をしており………」
ユウヘイ
「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
男
「ふん………その神とやらにチート能力を得て、さぞこの世界を満喫しているようだな」
女剣士
「ユウヘイ………まさか」
ユウヘイ
「ち………違う!!あいつの言ってることはすーべーてーデタラメだ!!」
「あいつの言うことなんて信じるな!!」
女エルフ
「………そうね………まさかユウヘイが浮気だなんて………」
女魔法使い
「ちょっと………浮気って何のこと?」
ユウヘイ
(まずい………!?)
「おいお前!!いい加減にしろよ!!デタラメなこと言ってるんじゃねー!!」
男
「デタラメも何も真実を述べたまでだ」
ユウヘイ
「証拠を見せてみろよ!証拠をよ!!」
男
「………いいだろう」
ユウヘイ
「え?」
男
「おいディーバ!奴の記憶から映像を流してくれ!」
またどこからか声が聞こえてくる………。
「了解。データ送信」
ババババ………
部屋内に巨大な映像が突然現れた!
アサイン
「………なんだこれは………映像?」
ユウヘイが女エルフとベッドの上でイチャイチャしているところが映し出されていた。
女剣士
「な………何よこれ!?」
女魔法使い
「え………嘘!?」
ユウヘイ
「嘘だろ………おいやめろ!!」
女エルフ
「あ………ごめん皆………実は私ユウヘイと結ばれてるの」
女剣士と女魔法使い
「はあ?」
女エルフ
「クラン内で恋愛は禁止ってなってるけど………ごめん!私ユウヘイとできてるの!!」
女剣士
「ちょっと………ユウヘイ!!どういうことよ!?」
ユウヘイ
「………え」
女剣士
「えじゃないわよ!!秘密で私だけとつきあってるんじゃないの!?」
女魔法使い
「おい!!あんたまさかこの二人にも手を出していたの!?」
女剣士
「二人にもって………まさかあんたも!?」
ブオオオオオン………
映像には先程の映像に加え女剣士とユウヘイがベッドで寝ているシーンや女魔法使いとユウヘイが家の玄関でキスをしているシーンが流れ始めた。
ユウヘイ
「やめろおおおおおおおおお!!」
女エルフ
「ユウヘイ………」
女剣士
「あんた………1人じゃ飽きたらず、2人にも………」
女魔法使い
「私だけ愛してるって言葉嘘だったのね!?」
ユウヘイ
「違う!!違うんだ皆!!これは!こいつが作り出した罠だ!そうだ罠なんだ!!罠に違いないんだ!!」
女剣士
「はあ?あんた何を言ってるの!?この2人があんたと付き合ってるって言ってるの!罠とか意味不明なんだけど!?」
ユウヘイ
「あ………やべ」
女エルフ
「ユウヘイ!!」
ユウヘイ
「ご………ごめんなさいいいいいい!!」
男
「お姉さん方………どうやらこいつ3人では飽きたらなかったみたいだぜ?」
ユウヘイの愉快な仲間たち
「は?」
映像には3人以外にも様々な女性とユウヘイが寝ている映像が流れ始めた。
女性3人はポカーンと口を開きながら映像を見ていた………。
女魔法使い
「ユウヘイあんた………」
女剣士
「ここで死んでみるか!?このヤロー!!」
ユウヘイ
「う、うるせえええええええええええ!!」
バチイイイイイイ!!
ユウヘイから凄まじい魔力が流出する!
周りにいた女性たちは魔力によって弾き飛ばされる………!
ユウヘイ
「あーだりいだりい」
女エルフ
「ゆ………ユウヘイ?」
ユウヘイ
「やってられるかチキショーめ!!」
バチイイイイイイ!!
ユウヘイは強力な魔力を剣に宿らせる………!
ユウヘイ
「あーそうだよそうだよ!どうせ俺は甲斐性なしで臆病者で………」
「チート能力が無ければカス当然だよ!!」
「でもなあ………どういわれようと今の俺は最強なんだよ!!」
「レベルもステータスも魔力もカンスト!!残念だったな!!俺には負ける要素はねえんだよ!!!」
「おいそこのカラスみてえな野郎!!てめえが誰だか知らねーが、お前のせいで全て台無しだど阿呆!!」
男
「ふん………最強の力を持っていたとしても所詮は腑抜け。遅かれ早かれいずれこうなっていたさ」
ユウヘイ
「ほざくな!!テメーをブッ倒して、俺はもう一度やり直すんだ!!はじめからよ!!!」
男
「いかにもダメな奴が言いそうな言葉だな」
ユウヘイ
「うるせえ!!殺してやる!!」
ユウヘイは最大魔力を込めて、光の早さで男へ斬りかかる!!
ガッッ!!
男は剣でユウヘイの剣を抑えつける………!
バチイイイイイイ!!
ユウヘイの剣と男の剣がぶつかった衝撃が大きく、その衝撃は周りの者たちを吹き飛ばす!!
女剣士
「な………なんてパワーなの!?」
ユウヘイ
「な………バカな!?俺の技が!?」
男
「残念だったな………」
「お前は俺と出会った時点で詰んでいたんだ」
ユウヘイ
「なんだとおおおおお!?」
男
「お前を倒す前に一つ聞こう」
「お前にチート能力を与えた神とやらはどこにいる?」
ユウヘイ
「しらねーよ!!神の居場所なんて知るわけねーだろ!!」
男
「そうか………ならもう用はない」
この部屋に広がる魔法陣がまた光だす!!
男
「この魔法陣はお前らのような神とやらに授かったチート能力に対抗するもの!!」
「このテリトリーに入った魔法陣はお前のチート能力を無効化させる!!」
ユウヘイ
「なんだと!?」
男
「リミッター解除!!」
男の剣が容姿を変えていく………!
剣は先程の剣の2倍ほど大きくなり、禍々しく妖しく光だす!
男
「そしてもう一つお前たちに対抗するための武器がある………それがこれだ!!」
ユウヘイ
「!?」
男
「対異世界討伐剣!!斬殺剣だ!!」
男はユウヘイに向かって斬殺剣を振り落とす!
ユウヘイはそれを防ごうと剣で防御しようとするが、男の剣はユウヘイのそれを叩き割り、そのままユウヘイを真っ二つに斬りつけた!
ユウヘイ
「ぐわああああああ!?」
「お………俺は………死ぬのか!?」
男
「安心しろ………死にはしない」
「ただ元の世界へ戻るだけだ………!」
ユウヘイ
「い………嫌だ!!戻りたくない!戻りたくないいいいいいい!!」
「あんな死んでいるような辛い世界に戻りたくない!!」
ユウヘイは体が崩れながらも男へと斬りかかる!
男
「甘えるな!!元々お前はこの世界にいてはならない人間なんだ!」
「お前が起こした罪の数々………そしてお前のチート能力でこの世界の住民を大勢傷つけてきた!これ以上この世界のバランスを崩させはしない!!」
ユウヘイ
「バランス!?何様だお前!!バランスも何もあるか!!この俺が………この俺の力が最強なんだ!!」
男
「ふざけた神とやらが与えたその力はお前には過ぎた産物なんだ!その力はやがてお前も世界も滅ぼす!」
「人間に度が過ぎた力なんぞ使いこなせるわけがないんだ!」
「ただお前のように力に溺れるだけなんだ!!」
ユウヘイ
「うるさいうるさいうるさい!!」
「俺は絶対戻らねーぞ!!あんな世界に!絶対に戻らねえ!!俺はもう一度やり直すんだ!!この世界で!!この力でえ!!!」
男
「寝ぼけるな!!その力は本来のお前の力ではない!!」
「もう一度やり直すというのなら!自分の足で頭で本来の自分の力でもう一度お前がいた世界で頑張ってみろよ!!」
ユウヘイ
「嫌だああああ!!これは俺だけの力だ!!ここは俺の居場所なんだ!!それを奪うなあああああああ!!!」
男
「ここにお前の居場所は無い!!」
「消えろ!!この世界から!!!」
ガシャアアッッ!!!
男はもう一閃ユウヘイを斬りつけた!!
斬られたユウヘイの体は崩れていき、螺旋を描いて徐々に消えていく!!
ユウヘイ
「嫌だああああ!!戻りたくない!!助けて!!皆!!」
ユウヘイは仲間たちに助けを求める………。
しかし、仲間たちは哀れみやひきつった顔でユウヘイを見て立ち止まっていた………。
ユウヘイ
「………あ」
ゴオオオオオオ!!
ユウヘイは螺旋と共に消えた………。
女エルフ
「ユウヘイ………?」
男
「大丈夫だ………あの男は帰ったよ………あいつのいるべき世界へ」
男は背中を向けて部屋の出口へと向かって歩き出す。
アサイン
「ま………待たれよ!?そなたは………一体誰なんだ!?」
男
「………俺か?」
「そうだな………一言で言うとすれば」
「異世界ハンター………異世界転生、異世界転移者を狩るものだ」
男はそう一言残して去っていった。




