メディアにこの単語が出たら疑ってみましょう「少年」「少女」「身体が不自由」「自由」「平和」「市民」「戦争反対」「災害」「かわいそう」
微妙に日本はせっかくのお盆なのにしけた天気だそうですね。
私は相変わらず出張で現実逃避で書いてます。
やれやれ。
かわいい娘と妻とUSJいきたいお。
フランス革命で処刑されたルイ16世ほど悲しい人生はありません。
人格者、知識豊富、キリスト教徒としても王族としても使命感に燃え 実行力もあり、etc,etc...
あれ、史実ではこんな感じに書いてあったけど。?
「人が良いけど阿呆」
「貴族にいいように騙され、断頭台に登るまで自分が死刑される意味が分からなかった阿呆」
ここら辺の評価、まず後世、歴史という奴はバイアスがかかると理解した方が良いです。
弱者に打ち勝ち、権力を手に入れた強者は、最初に自分の正義をアピールして統治しやすくするのは当たり前のこと。
まあこれはこうなる理由と同じ
↓
・第二次世界大戦以前の日本帝国は極悪非道な国
・ヒトラーは無能でオカルトで悪魔の使い
・江戸時代は年貢取り立てで悲惨な時代
・イスラム教徒は昔っから野蛮で粗野
・ローマ帝国で殺戮される剣闘士、周りで民衆がけらけら笑いながら
残酷なショーを見物
・エジプトで鞭でビシビシ叩かれる奴隷たち
どれも共通点は、その直後の勝ったプレイヤーが 「俺ってすげぇ」と言ってほしいための宣伝戦略ですね。
・日本帝国については、当初は連合国全員が正当性を示すため
・ヒトラーについては連合国の正当性を示すため
・江戸時代の悪口は、はなはだ正当性に乏しい明治政府が自分たちの正義を示すため
・イスラム教、ローマ帝国、エジプトについては、はなはだ自分たちの優秀性に疑問があるキリスト教徒が信者を誤魔化すため。
ま、言われた本人達を擁護するつもりもありません。
バイアスをかけられた人が実は正義だったと極端から極端に言う人も多いですが、現実はそんなに正義と悪なんて図式はできないものです。
ついでに、ここらへんの無理矢理の矛盾した理屈の隙間に入り込んでくる利益集団も集まってきます。
80年頃から力をつけた東アジアが諸国が、終戦後50年たってから慰安婦だの南京だの731部隊だのを騒ぎ始めているのはここらへんの矛盾をついて自分たちを利したいからですね。
慰安婦だの売春が合法なら当たり前の行為ですし、略奪が不法で徴発が合法という当時は当たり前だけど現代では考えられないわかり難さをついたものです。
もちろん現実は勧善懲悪でもなし、「良い事だった」とも言いませんが。
南京はそれこそ戦時中の宣伝戦、プロパガンダを引っ張り出して利用したモノですね。
731部隊に関しては、それこそ森村誠一さんの娯楽小説以前には一言も出ない概念です。
そういう目でNHKを視るのは楽しいかもしれません。
ナチが隣人でお友達だったユダヤ人を虐待した。
優しくて親切だったのに。
ドイツ国民は被害者だ。
ヒトラーはUFOとか超科学を持っていたから逆らえなかった!
ここら辺は1970年代から突然流行した概念ですね。
妙に日米欧のメディア、ハリウッド等に蔓延した概念です。
ユダヤ人の利とドイツ人の罪悪感、ちょうどユダヤ人が幅を利かせてマスコミを牛耳り始めた1960年代以降というのがポイント。
中身の前に、どういう経緯で誰が行って、誰が利益を得たか。
証言だのにどういうバイアスをかけているか。
バイアスの部分に耳心地良い言葉が使われていると典型的です。
「少年」「少女」「身体が不自由」「自由」「平和」「市民」「戦争反対」「災害」「かわいそう」
日本の平和主義や障害者団体は、結構な割合で食い込まれてます。
なんとなく日本国民と善良な人は利用しやすい民族性なので。
ある人が、両親が震災で死なれた息子を引き取ります。
新聞に載るような美談としてアピールすると、誰も逆らわなくなるので好き勝手出来るようになります。
少年は亡くなった両親の財産を食い尽くされ、労働力として無料働き、虐待その他を5年間気づかれませんでした。
美談はとっても誤魔かしに有効ですね。
これ、たった5年前の出来事ですよ?
そんな感じでフランス革命をみるといろいろな面白い予想が出来るものです。
そもそも最初のバイアスが「勧善懲悪」。
こういったニュースを書く人はおもしろおかしくわかりやすくというのが基本なので、正義の民衆が悪の王を倒したと物語風がちょうど良いわけです。
新聞、ニュースは「正義」「情報公開」とかかっこよい役割を前面に出しますが本質は「娯楽」なのです。
少なくともフランス革命前後で新聞ができたときは大衆の娯楽でした。
個人の感想ですが、現代でもそうと思っています。
フランス革命で勧善懲悪の図式に学者はたくさん異論を唱えていますが、そんなの面白くないから黙殺されるわけです。
なにせ本質は「娯楽」ですから。
そして現在、勧善懲悪話が飽きられてきたという娯楽を楽しむ聴衆の都合で、「実は悪は違う奴だったんだよ」と学者の意見が取り上げられてますが、その流れも本質は「娯楽」。
どんなバイアスがかかっているか?
そもそも基本的人権はルター宗教改革の後から脈々と育ってきた西ヨーロッパ、北欧全体に既に広がった思想なのです。
それを勧めたのは王族、貴族、宗教家から。
当たり前だけど、この概念は教育をきちんとした人からはじまるのが当然です。
フスの反乱も、貴族への反抗も男爵とかの地位が上の人
改革は王家から始まってます。
次のバイアスも勧善懲悪の一部に入りますね。
敵は「悪」「愚」。
実際のルイ16世の「暗愚」評価は相当おかしい。
そもそも「錠前つくり」が趣味と言うだけで暗愚にはほど遠い。
そもそもみなさん作れます?
私には無理です。
時計作り、宝石づくり、アクセサリー作り、模型作りと意識を共有出来そうなかなり高級なクラフト趣味です。
いまや錠前は装飾品ではないですし、100円ショップで売ってますので趣味としての価値はありませんが。
それ以外にも彼の高度な博識さが記録に残っています。
地政学や博物学、農業、アメリカの独立を望んだのも彼です。
ちなみにギロチンの発明も彼と言われてますね。
「なんて残酷な!」
というのはご無体なモノ。
前回の話の通り、死刑は娯楽だったのです。
撲殺、投石、縛り首、火あぶり、じわじわと人が死んでいくのを楽しむ処刑法を、人道的にした機械が「ギロチン」
ついでに拷問の廃止とかもやってます。
そしてジャガイモの奨励。
「悪魔の実」
と忌み嫌われていた食べ物です。
ヨーロッパではない、蛮族のいるアメリカ大陸からの食べ物。
芽を出すと毒性がある。
キリスト教徒的には悪魔が誘惑している食べ物というデマがはびこっているときに、支持が下がる可能性があっても民衆のために理性的にそれを認める、それは典型的な優良な為政者に見えます。
それ以外にも未開地の探索、商業の奨励、農業振興、ローマの共和制のような三部会の設立奨励。
一般的に言っても優秀な政治家ではないでしょうか?
彼の様々な業績、とくに政策掲示は膨大ですべて記録に残っており、非常に評価は高いです。
農奴制の廃止
プロテスタントやユダヤ人の同化政策
科学や地理探検の奨励
第一身分、第二身分の特権をなくして効率の良い政治をおこなう
本当のフランス革命政府より、ルイ16世が目指した政策の方がよっぽど現代人の私らからすると近代国家な気がする。
よーするにルイ16世は本当の革命をしたかったんでしょうね。
ふざけた実際の史実の革命政府と比べると皮肉を感じます。
そして奥さんのマリーアントワネット。
贅沢でアホな世間知らず。
典型的なバカなお嬢様の代名詞とされちゃってます。
「パンがなければケーキを食べればいいじゃない♪」
実際、事実だけ並べるととっても良い奥さん。
自らの実家も流儀も生活も捨てて夫に尽くす良妻。
・もう生粋のお嬢様なのに、ルイ16世に嫁ぐために必死にフランス語を習う
後から出た醜聞をのぞいた記録は夫婦仲はよいという話ばかり
・夫の趣味に合わせてクラフト趣味。
・王家の責務としての対外的な姿以外は夫婦そろって質素。
別宅や城とか私邸はお断り
貧困にはボランティアとかカンパの活動を積極的に行う
子育ては廃屋をリサイクル。贅沢は敵!
夫の農業の知識にあわせて自らは家畜とか育てる
こんな良い奥さん欲しいものです。
ルイ16世は側室も作らず、彼女を生涯愛し続けました。
フェルセン愛人説。
どうなのでしょうね?
その頃の高級師弟のモラルは血統維持のために無理矢理結婚はしてもらうが、その分愛人はいくら持っても良いよ(男女とも)という感覚だったので、あってもおかしくはないですね。
でもフェルセン、普通にルイ16世とも親友だったしマリーアントワネットに至っては愛どころか崇拝だったりするので、そうではないという考え方もあります。
そこらは想像と好みで。
そもそもルイ16世が死刑になった直接の原因は、夫を助けようとした彼女の愛です。
どう考えても。
でもねぇ。
この夫婦、まるで日本のNPOとか慈善団体みたいにとってもつけ込まれやすい典型ですよね。
実際の世間はとっても悪意に満ちている。
善意が賞賛されるのは、世の中が悪意に満ちているから。
まずそもそも。
最初の悪意はルイ15世とオルレアン公が作った宮廷。
贅沢三昧、高尚な趣味、エレガントな生活。
「貴族」と称する領地を持たない=仕事がないニート達。
しかもなんともびっくり、フランス政府の為に彼らは贅沢三昧している正義と信じていたりします。
「対外的な体面はボクチャンがエレガントに過ごしていることが大事なんだよ!」
そして保身が大事な宮廷官僚や仲間は「だよねぇ」。
真実を述べてしけたことを言うルイ16世、良い子ちゃんのマリーアントワネットは、無粋なことをやるフランス政府の泥を塗る「悪」なのです。
次の悪意は既得権。
ニートがニートでないように見せるのは、なんと仕事しているように見せるのが一番ですね。
無職が評判わるくてもカジテツならちょっとだけ対面を保てます。
それなりの家格なら「行儀見習い」「花嫁修業」で良いわけです。
そんな役職
王妃にプレゼントを渡す係
花壇を管理する係(世話はしていない)
行列を作ってX番目に跪く係
楽団が入るのを合図する係。
何チャラを管理する係り、なんちゃらの噂を聞いておく係、多分小学生の「窓開けかかり」みたいなものっすかね?
そして、たとえば王妃にプレゼントを渡したければ当然のように袖の下。
何ともいじましい特権なことか。
そういった誰かの既得特権が無くなるとそのたびごとに王家への悪口が増えていきました。
ルイ16世の評価が変わるのは、王が政策を出した直後。
ルイ16世はそもそもとっても人気があったのです。
しかし、彼の出す聡明な政策、それで不利な立場になった身分や団体がとたんに豹変して不満や悪口、その延長の醜聞を言い始めます。
貴族、取り巻き、既得権益を持つもの
最初はルイ15世に比べて傑物との評価でしたが、無駄なものをなくそうと少しづつ法律を改変すると、どんどん悪口が増えていく。
最初の「聡明」「有能」が、現代の「暗愚」にちょっとづつひっくり返っていきます。
次の悪意は宮廷政治とマスコミですね。
ルイ15世とその取り巻きは、財政逼迫しても丸無視です。
というかそんな苦しい中、自分たちがエレガントに過ごすことこそが体面を保つこと=「正義」!!。
そんな価値観の連中は、王家が贅沢で奔放なルイ15世の娘たち、愛人に苦言を言った途端にどんどん豹変していきます。
ルイ16世夫婦が謙虚な生活を送っているのに、 なぜか現代の漫画やらのように
・マリーアントワネットは権力欲絶大、
・デュ・バリー夫人にいじわるする
・マリーアントワネットの取り巻きがはばきかせてる
・贔屓!
根も葉もない噂が流れたのはこの直後ですね。
ちなみにデュ・バリー夫人はルイ15世の寵姫だったばばあ、彼女をかばった正義の味方ヴィクトワール、ソフィーバリー夫人とやらはルイ15世の娘ととりまき。
フランスを傾けさせた堕落の元凶ですね。
そして、その情報を面白おかしくして事実にしてしまう連中がプロレタリアート、ブルジョア、革命の時の「民衆」とやらです。
本当の民衆はルイ16世の恩恵をうけ、貧乏ながら農奴から解放されて一生懸命耕してます。
最終的に重農主義でフランスが立ち直ったのはここら辺の種まき。
そしてその似非な「民衆」とやら、通称「パリ市民」は一次産業バリバリな後進国ヨーロッパで都市部に住んでいる典型的なブルジョアです。
ニートな貴族と同じく、大して責任もなく、とてもわかりやすく言うとアメリカ大陸でインディアンを殺しまくったスペイン人とかのなれの果てです。
要は農奴から抜け出して一旗揚げた商売人ですね。
こういう連中がカフェでお茶を飲み、新聞や風刺、ゴシックを見ながらその噂に尾ひれをつけます。
そして新聞はその娯楽。
真実を知らせるためのモノではなく、娯楽です。
真実など知らせるわけありません。
面白おかしく王家の悪口を書いています。
これだけは現代と同じですかね。
ちなみに私の妻は医者なのですが、中途半端な噂を流すのは中途半端なインテリゲンチャ(気取り)だそうです。
「あの医者は名医だ。すぐに直す」
..実は副作用が大きめな劇薬気味な薬を配るからすぐに直るけどリピーターとなるとか
そして本当の名医は即効性のある薬剤など処方しないので評判が悪くなると。
中途半端な知識は現実を反映しないことが多いのでこんな評判になってしまいます。
私はビジネスの一つとして農業をやっていますが、「有機野菜」とか「無農薬」とかいう単語が大っ嫌いです。
あと「脱サラ」「スローライフ」「助け合い」とか。
中途半端な知識でサラリーマンやって農業やろうとする見通しの甘い連中。
まるで騎士気取りで農協の閉鎖性だの、古い農業だのを論ずるわけです。
そしてバカがやる無農薬栽培ほど迷惑なモノはありません。
害虫の発生源がそのバカ。
周辺にその害悪をまき散らすわけです。
そして想像と違うスローライフで文句までまき散らし、機械だの人足だの「助け合う」と言いだし。
農業は遅れてるだの役に立たない知識を並べたて。
本当のプロや農大の研究員が有機農業や無農薬をするのは別ですよ?
でも中途半端なアホは間違いなく迷惑です。
まさに「パリ市民」もそういう立場ですね。
中途半端な知識しかない。
当時のお金持ち階級だった「民衆」はカフェでお茶を飲み 面白おかしく書いた新聞で好き勝手なことを言ってました。
そして貴族たちはそれに媚を売り、醜聞はさらに拡大されます。
ついでに、こういう連中も自分たちは正義と思っているわけです。
閉鎖されたフランス王家と貴族達より、本当のフランスは俺たちだ!
お金持ってたしね。
でも本当の経済を握っているのは元農奴達なのですが(経済総量と人口が圧倒的)、そんな下々の連中などバカで考えない軽蔑すべき連中だそうです。
王家、貴族、パリ市民、フランス革命のプレイヤー三者はこんな感じです。
実際に手を動かしていた元農奴とそこで一緒に頑張っていた貴族達、領主達、官僚達は除外されています。
そしてその三者のうち、王家以外はこう考えていたでしょう。
「やべー、この国やべーや。何とかしなきゃな。
いろいろと改革しなきゃならんよなぁ
ただし俺以外。」
こんな俳優達で行われたフランス革命の経過を次に。




