故郷は中国、国籍は台湾、生まれた場所は韓国 もうわけわからん
ニュースを見ていたら
...蓮舫議員のパスポートを見てびっくり。
発行:EMBASSY OF THE REPUBLIC OF CHINA IN SEOUL
中華民国駐韓大使館 (ソウル)
中身にどうこう言うつもりはないけど、えらい複雑な国関係が出てる書類ですね。
それが特権なのか尊称なのか差別なのかはわからんが、韓国華僑ってほんとにあるのにびっくりした。
「故郷は中国、国籍は台湾、生まれた場所は韓国。それが私たち韓国の華僑というものです」
現代の貿易民族ってこんな感じなんですね。
もちろん「息子が(日本から)帰国した」と言ってのける人が国会議員になれるかどうかは別問題として。
といっても15-17世紀のヨーロッパもなかなかに複雑です。
とくに王族が。
そしてようやく国境線が決まりつつあり、力関係をはっきりさせようや!
こんな感じなのが近世のヨーロッパ。
前回は結局、ロシアやドイツ(プロイセン)ができあがり「戦争、戦争、戦争、戦争、戦争、戦争」となっているところまで書きました。
といっても全部の戦争や次章を書く気はありません。
なかなか面白いですけど、長いし、似たような名前が延々とそれが「人間の歴史」にどう影響したかは疑問ですから。
ただこの時期は3つの理屈が焦点となって争いがおこります。
・ハプスブルク家が始めた血統による影響力の行使、
・カソリック、プロテスタントの争い、再編
・まともな国家でないところが介入し、介入され
現代の国家につながる何かが作られたこと。
まず、ここら辺の時代の力関係を述べる場合、北欧諸国とイギリスに注目しなければなりません。
中世の激震地であり、少数ながら強力な北欧諸国がカソリックになったこと自体が中世で常に火種でした。
ロシアしかり、ドイツしかり、イスラムとの貿易も含めて、イスラムと彼らの間の通り道というだけでヨーロッパ諸国は右往左往したものです。
そして一番影響を受けていたのがイギリス。
イギリスはローマ史になって初めて歴史が始まったような発言がヨーロッパ人にはたくさんありますが、近世になった直後でもそれが「イギリス国」なのか「イギリス地方」なのかは怪しげな状況です。
だって北の海からバイキングか北海帝国か、スウェーデン帝国か、バルト帝国か知りませんが常にちょっかいかけられる立場でしたから。
そしてキリスト教国と名乗りつつ、いまだにミッドガルド、ヴァルハラ、ヴァルキューレ、オーディンが跳梁跋扈する神話な国。
最後のオチは神々の黄昏にふさわしい勇ましい滅びの美学。
怖い人たちだったのでしょうね。
そしてその神話はドイツやらイギリスやらに常に発信される影響力の高い国でもありました。
しかしさすがに優れた文明国。
カルマル連合とかいろいろありましたが、周りが争う中で早々に自地方は民族として国境線を固め、デーン人のデンマーク、スヴィア人のスウェーデン、ノール人のノルウェイ、と大体は今の感じの国境線で固まりました。
その後はやっぱり強国。
30年戦争突入でドイツ方面に即時にちょっかいかけるような感じです。
宗教改革でカソリックとプロテスタントの争いに乗じた形で介入をかけます。
ここでうまくいったら、ドイツはデンマークかスウェーデンの一地方になった可能性だってあります。
イギリスだって北欧の一部になったかもしれないじゃん?
そこらへんは人員配置、その他大きく代えないとなかなかうまく歴史改変はうまくできまへん。
イギリスはエリザベス一世という奇天烈だが合理的、女性であること、結婚問題を微妙な武器にした女王がイギリスをまともな地にしようとします。
「うまく騙せるかも」
「うまくおいらの配下になれるかも」
「血縁結んで影響力を増やせるかも」
そんな感じで、イギリス王家を奪える、言うこと聞かせる、同盟できる、併合できる可能性を十把一絡げで匂わせつつ、うまく逃げていつの間に「イギリス正教会」という微妙な宗教をもり立て(一種のプロテスタントでしょうがカソリックに真っ正面から反抗するわけでもない政治的バランスの末の不純な宗教)、確立させ、なんかヨーロッパ中戦争が湧き出ている中、カソリックとプロテスタントの争いた血統によるへんな同盟とか競争とかを避け、なんとなく「イングランド」だけはうまーく確立させちゃいます。
#そしてその不純さはアイルランドを反抗させ、
それを強烈に叩いたため、IRAという遺恨を
残すことになります
そして、イングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランドという4つの地域が、少しづつ結びつきます。
元々原始人の国、「これからおまえらイギリス人なんだぜ?」と言われても困ります。
経済規模が拡大するにつれて富農と貧農にわかれ、カソリックとプロテスタントに分かれ、国王の権利と議会の力関係も探りつつ内戦が始まり、更にスコットランドという毛色の違う連中をどのように扱うかとか。
戦争に疲れて、イングランド・スコットランド同君連合と言うのが生まれ、グレートブリテン王国という厨二なネーミングの国を生み、なんとなく我々が「イギリスなんだな」という国が出来上がります。
更に名誉革命という形で議会政治が確立しますが、なんとなく他国からは放置プレイ気味。
その頃のイギリスはド田舎、国際語というか、ヨーロッパは弱者なんで国際語ではないヨーロッパ語っぽい何かは「フランス語」だったので、セレブ達はそんなところに行きたがりませんでした。
血統による影響力の行使という政治劇も、なぜかイギリスだけは無視気味です。
ドイツからステュアート家の血を引くイギリス王ジョージ1世を招きましたが、あんまいきたがらずドイツに入り浸り、政治はほとんど議会任せ。
ジョージ二世も同じく。
というかこの人達は英語しゃべれたのか?
ということで血なまぐさいことはたくさんあれど、なんとなーく出来上がったのがイギリス。
逆に各国から干渉されまくりで出来上がったのがオランダ、ベルギーといった国。
元々はドイツというか神聖ローマ帝国のもの。
しかしハプスブルクという怪しげな血統でスペインのものっぽくなっちゃいます。
で、スペインはカソリックの総本山。
オランダはカルヴァン派と言われるプロテスタントの国。
独立戦争が起こります。
で、ベルギーとルクセンブルクはカソリックの多い地域なんで、「おれらついてけません」とそこから離れ、オランダは戦い抜いてこの地方は3つの国に分かれることになります。
そしてその後はそのオラオラ系の国がそのまま海に出て、ポルトガルからインド洋を奪い、イギリスとタイマン張ってオラついた国になります。
特記事項としてチューリップバブル、チューリップ戦争、チューリップ狂時代とかありますね。
世界のバブルのはしりというか。
オランダは毛織物しか産業ないので、強大な科学先進国トルコからチューリップ球根を買い、育てます。
大した華やかなものがなかったヨーロッパで、その綺麗な花は絶大な人気を得ます。
さらに研究に研究を重ね、いろいろな色のチューリップに改良します。
そして日本の真似なのか、あるいは偶然なのか、チューリップの球根で先物取引が起こります。
いわゆる予約購入というか、先々に得られるチューリップをその時点の値段で予約購入し、実際にそれが届いたときに値段が上がってれば大儲け、下がっていれば破産という奴。
更に、販売元であるトルコまでオランダのチューリップを欲しがり始め、どんどん値段がつり上がり、さらに転売転売で大儲けしようとするモノが出始めて更に値上がりし、その狂乱の価格上げが崩壊して自殺した人いっぱいという事件。
こんなプレイヤー達が争い、ヨーロッパというモノがこの時代に出来上がります。
ついでに言うと、泣きっ面に蜂というか、踏んだり蹴ったりというか、よく考えてみれば当たり前ですが、この頃ヨーロッパはペスト大流行です。
ま、人口激増、衛生観念は最悪(というか中世より更に悪くなっている)なので当たり前ですが。
更に入浴がペストの原因であると都市伝説が蔓延し、ますます不潔になるヨーロッパ人。
まだまだヨーロッパの混沌は続きます。




