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人間の歴史。  作者: TAK
人間ってなあに
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社会ってなあに?

人間が狩りの上手い凶悪な獣だとして、あるいは道具/投げるという遺伝子だけに限らない強さを身に着けた生き物だったとして、それがアフリカでどのように生きてきたのでしょうか?



その生き物が強力になる場合、それが卵が先か/鶏が先かはともかくたくさんのエネルギーを消費します。

強いからエネルギーがたくさん消費できる動物になったのか、あるいはエネルギーがたくさん消費できるから強くなったかはともかく。




エネルギーはあまり種類は問いません。


あごや翼や脚が強力にという化学(筋肉は化学反応です)エネルギーなのか、どこでも住めるような体温コントロールという熱エネルギーなのか、あるいは人間を一番殺したであろう哺乳類「カバ」は質量(位置エネルギー?それを支える筋肉?)なのか、あるいは狡猾な狼や人間は脳みそをぶん回す電気エネルギーか(これも元をたどれば化学反応ですね。


脳みそはセンサー、とくに視力でも重要になります)、ともかくいろいろなものを消費します。



エネルギーを入手するのに手っ取り早いのは、というか普通の動物だったらそれしかないのですが「食べる」ことです。



単純に縄張りという生存圏をつくって同じ獲物を取り合う同族を寄せ付けず、自分の獲物を確保します。

まあ人間が良く行う「戦争」はこれの一形態という人がいますね。


「戦争の原因はいつだって経済」


というのが真実ならばその通りです。


経済とはエネルギーも購入できる金銭を入手する活動ですから。

(「宗教」「正義」の戦争は微妙にそれから逸れている気がしますが)



縄張りの広さは、自分の嗅覚といったセンサの範囲、獲物の種類、必要な数で大きく変化します。


豊饒な場所だったら数キロ圏内ですみますが、シベリアだの北極だのはカロリーを確保しても自分の嫁さんを確保するだけでも大変そうです。


まあそれと完全に別な考え方というわけではありませんが「群れ」をつくって集団行動でという手段もあります。

 #「完全に別ではない」考え方という部分は、

  たとえば結婚して子供を産んだ暫くは

  「家族」という集団行動する場合が

  ありますし、逆にゴリラみたいに

  群れそのものがそもそも家族の延長と

  いう考え方もあります。

  (リーダーとその側室の女性たちが核。

  だからリーダー交代をした

  場合はその家系から外れた子供たちは殺す)


まあ遺伝子を健全にするための交配、出産という一過性のものという考え方もありますが、どちらにせよ同じ生存圏内でより効率よく獲物を捕る考え方です。

あるいは子育てという面でも配偶者の調達という面でも有利だったり。

一日中卵を温めて最後に親が死ぬような子育てより、交代で温めあう方がきっと良いでしょう。

白熊が一生に一度会えるかどうかわからない嫁さんを探すより、狼が同じ群れの幼馴染を嫁さんを選ぶ方が効率良いですよね。





後に「社会」という言葉をつくった人間は、当然のように群れをつくることを選んでます。

これも道具と同じように、遺伝子が先か、道具が先かと同じような問題にぶちあたりますが。



群れをつくる最低条件はなんでしょう?


それは序列をつくることです。

人間の「法人」という考え方がわかりやすいですが、たとえば集団で生きるにせよ、集団行動の目的を定めるにせよ、達するためにはどうしても人格が必要です。

複数の人間の意思は、当然複数の選択肢が出てくるわけで。



それを一つにまとめるためには「リーダー」「酋長」「ビッグマン」「村長」「学級委員」なんかがこれにあたりますかね。


複数の意思が混じりあった法人を一つにまとめる法人格は、一つの人格です。

社印は社長が認めた、あるいは社長が委任した社員が認めた、あるい社長が認めたルールに沿った、どれにせよ「社長」なわけです。

話し合いどうのこうの、平等、民主主義、多数決、「みんなで」などという背景は決定した中身の問題で、決定することそのものが一つの意思でなければ法人格は存在できません。

群れをつくる動物は必ず「リーダー」がいる、これが最低条件なのはよくわかります。



普通の動物は単純に一番力が強いものが選ばれます。


守も攻めるも集団で寄り集まり、自分より大きかろうが強かろうが複数の牙で攻めれば、単独では勝てない獲物も獲れるようになる。




だがより効率よい集団を目指すと別な観点が産まれます。

視力が高いものを中心に置くとか、外周に大きい蹴り役を据えるとか、足が速い役とかみ殺す役を変えるとか。

ウマ科、ネコ科、ウシ科なんかは多少分化してますね。

「強い」は変わりませんが、「どう強い?」という部分で変化が見られます。




もう少し複雑な狼なんかは力が強いだけではリーダーになれません。


自分より力が強いだけではなく、自分より速い、地形を利用してより効率よく、待ち伏せ、あるいは子育てのように新しい役割を分化させるとか。


強い以外にも、


「大人しい」

「美しい」

「忍耐強い」

「狡猾である」

「忍べるほど小さい」

「独断性が低い」


こういった資質も認められるようになります。

むしろ狼は勇ましくないリーダーが多かったりする。

友好という概念が出来てたり。



囮を使う、側面に周りこんで追い込む、監視する、長時間の活動で交代する、等で複数のリーダーが必要にもなります。


「サブリーダー」

「相談役」

「役員」

「係」


狼ぐらいになると結構群れも複雑です。

小学校のクラスより複雑かも。



また一匹狼という余剰戦力、群れを集めるたり分化させたりするきっかけ、集団にゆらぎをもたらしたり縄張りを変化させるきっかけになったり...

あるいは最低層なので誰いがじめても良い相手をつくってガス抜きするという残酷な説を唱えている人もいます。

皆がイメージする江戸時代の村社会並みの社会を形成してますね。

「いじめはなくならない」

と唱えるのはこういうことが根拠。

個人的には弱いものを叩きまくる習性はなくならないは賛成しますが、それを避けようとする社会、法律を見ると、「いじめはなくならない」は避けられる気がしますが。



さらに人間になると別なベクトルの集団形成を発生させます。

道具というメリットで複数の食糧調達手段を持てたりするとどうなるでしょう?



他の動物は今まで昆虫を食べていた体を魚を採る体にするためには進化で何万年も使いますが、人間は虫取り網を釣竿に変えるだけ。

女性は木の実をとり、狩猟役はマンモスを狩り、魚釣り役も子守役もいて...


あるいは今まで食べられない植物を食べれるようにするための磨り潰すといった加工役も必要になったり。



わお!


どんどん「社会」っぽくなってきましたね。

人間様は力が強いだけのリーダーは珍しいくらいです。

暴走族でさえ力だけじゃ無理なので、こういう力自慢ができるのは中学生の不良くらいですね?

最近はゲームがうまい、成績が上とかに変わってきているところもあるらしいので中学生でもやばいか。



そして群れを効率よく活動させるためのコミュニケーションも必須に近いでしょう。

ネコ科なライオンでも、ウマ科なシマウマでも、牛でも何らかの意思表明を必ずします。


「獲物が来た」

「敵が来た」

「集まれ」

「離れろ!」

「休め」


程度ですが。




狼、あるいは遺伝子的には同義な犬になると、ほぼ喋ってるんじゃないかくらいの複雑なコミュニケーションが出来てます。

罠まで行かなくても、


崖に追い詰めろ

高みに追い上げろ

高所からの突撃せよ

待ち伏せせよ

包囲せよ


どういうコミュニケーションをとっているのかは、犬語翻訳機でも手に入れて是非知りたいものです。

ちなみに方言とか、かなり離れた地でもある程度コミュニケーションがとれる共通語とかもあるらしいですよ。


嘘か誠か。



シャチや鯨、イルカは手もなければ光も通りにくい海なので音声だけ!


こうなると相当複雑でしょうね。



で、人間になるとさらに複雑なコミュニケーションが必要になり、声帯も複雑な音を出せるようになって言葉が生まれてきました。

今ほど語彙は少ないでしょうが。


脳が大きい=視覚が優れている

道具を使う=細かな作業ができる


でさらにいろいろな手段が。



壁画だので後世のために残したり、人形だの模様だの、あるいは絵そのものを識別子にして言語を絵で表現したり(漢字、アルファベットってそういうものです)。


あるいは遠隔地に狼煙や光だのを送り始め、さらにそれをやりやすいような新しい記号化が始まり..

それらを処理するために脳が発達し、脳が発達したからさらに細かな作業が産まれ、さらに仕事が分化し、新しい語彙やコミュニケーション手段が産まれ



そしてそれがシミュレーションなのか、練習なのか、遊びなのか、試しなのか、集団で追いかけっこしたりじぇれついたり、喧嘩したり、競争したり。


「遊び」という名目で原始的な群れでも行っているようです。

きっとこの行動には教育も含まれてるんでしょうね。

で、またまた新しい「コーチ」「教師」という職能が分化されると。



そして序列はいつでも可変します。


老いる

病む

傷つく

新しい能力を持った新参者が入る

新しいアイデアで違う能力が必要になった

環境が変わる


常に自分の序列を確認し、争い、その組織を健全に保つと。


政治家が行うパワーゲーム、会社での出世争い、覇権、夫婦喧嘩、クラスでの上下関係、これも人間に限らず群れをつくる動物がやっています。

で、殺し合いも何だからある程度ルール化し(鹿が嫁取りでやってますね)、また新しい道具や語彙や記号が生まれ...



人間の社会ってどういうの?


ということについて、農耕を始めて定住すればさらに複雑になるでしょうが、まだアフリカで狩猟採集しかしていない頃はあんま動物と変わりません。


あくまで動物の延長。

でも道具という遺伝子にとどまらない能力があるので、延長と言ってもとっても複雑。

それでも根っこは狼(犬)と比較できる程度だったりします。


今日はここまで。



後になるほど複雑になってきますが、社会ってそんなものです。

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