ゲームオーバーはもうすぐなアメリカ大陸
今回は、中世で取りこぼしているアメリカ大陸を書きます。
昔の思い出。
Q)アメリカ大陸を始めて発見したのは誰ですか?
↓
A)コロンブス
とかの話を信用していたの幼少の頃。
ちょっと考えればとっても馬鹿馬鹿しい話だったのに。
コロンブスがアメリカ大陸を発見した時に、
彼の相手してくれたインディアンは誰や?
って話に気づかなかったんですよね。
ちなみに、まあ16万年前か、7万年前か、4万年前か、2万年前か、氷河期でベーリング海峡の水位が下がって
「ベーリンジア陸橋」
の状態の時に渡った人を除くと限定したらどうでしょう?
シベリアにもグリーンランドにもいたというイヌイット(エスキモー?)が一番可能性高いかな。
狩猟民族なのでセイウチがいる場所はどこにでも!
北極圏限定ですが、大陸間を渡るのは簡単だったでしょう。
文明人と限定したら多分、北欧のヴァイキングな人。
9世紀ごろに記録あります。
860年にアイスランドに進出、入植。
982年にグリーンランドに植民。
985年に舟を流されて遠く南西に漂流して、見知らぬ土地を目にしたとか。
カナダのニューファンドランド島北西端で、1000年ころの北欧の建物と同じ建築様式の建物群が発見されたので証拠もあるし正確です。
その後、海賊ではなくて貿易人なヴァイキング、北米の人と貿易しようとしましたが、あまりに戦闘的な部族にあたってしまったようで撤退したようです。
ちなみにグリーンランドの入植も、あまりに寒冷で過酷で失敗しました。
グリーンランドの「グリーン」は、アイスランドの「アイス」があまりに不評だったので工夫しました。
全滅するほど過酷な環境に「グリーン」とはひどい名前を付けたもんだ。
イスラムも大西洋側のアメリカ大陸を書いた航路図を持ていたようなので発見はしていたようです。
アフリカにまで入植していたのにアメリカ大陸は無視なのでお金にならなそうだっからでしょうか?
ちなみに南極大陸の航路図もあったようなので、初めての世界一周はイスラム系の商人かもしれません。
南極大陸一周を世界一周と呼んでよいならば。
中国でも15世紀に太平洋側のアメリカ大陸は発見していたようですね。
古文書を見つけたとかそんなニュースを見かけました。
その頃になると中国の船は2000tクラス突破の大型船なので不思議ではないです。
でも中国も手は出さなかったようで。
まあ彼らの目的は冒険や征服と違って「貿易」なので無視も仕方ないのかもしれません。
どちらにせよ、ヨーロッパ人に荒らされる前の中世の頃はアメリカ大陸は手つかずだったようで、ユーラシア大陸、アフリカ大陸に関係なく独自の文明を築いています。
コロンブスが来る以前は。
中世の頃のアメリカは大別して
北アメリカ、中央アメリカ、南アメリカの3つに分かれます。
各々の気候帯で分かれていて、特に大きな交流はなかった様子。
(細かな交流はあったよう。北アメリカの遺跡が中央アメリカに影響受けてそうとかあるので)
ユーラシア大陸と違って縦に長い陸地、しかも社会が混じるような主食になる農作物は多くはなかったので仕方ないです。
では北から行きましょうか。
<北アメリカ>
アデナ文化といった起源前の古墳しか見つかっていない文化、中央アメリカほど人口集中はうまく行っていないがトウモロコシで定住しているミシシッピー文化、オハイオあたりの細工物とかやってたホープウェル文化とか。
通称は「アメリカインディアン」と呼ばれています。
定住もしているし様々な穀物を栽培していますが、北アメリカに適した穀物はあまりなくトウモロコシを積極的に栽培したミシシッピー文化以外はメインは狩猟採集民族っぽいですね。
部族もいくつも別れ、分散し、広範囲に広がって狩猟採集、工作/工芸、交易を行うのが一般的でした。
イロコイ連邦(六部族連邦)が政治的に優れていて、最初のアメリカ合衆国13州の連邦国家を作る時に大いに参考にしたと言われます。
<中央アメリカ>
トウモロコシの品種改良で大人口を抱えることが出来たアメリカ大陸の中心です。
トウモロコシ以外にもひょうたん、カボチャとかはこちらから。
なので、ヨーロッパ人が北アメリカに入植した時にかぼちゃの品評会とか盛んですし、ジャックオーランタンといった妙に有名だがよくわからないお化けが出来たり、そしてそのうち日本生きてNHKでチョコランタンというわけのわからないぬいぐるみになったり。
紀元前から続いているマヤ文明の絶頂期。
大都市テオティワカン、ティカルとか。
巨大人口を抱え、壮麗な建築物、石彫、石細工、土器など豊かな芸術、天体観測に基づく暦や文字、絵文書、巨大な商業都市も多数。
2012年の冬至にマヤの歴史が終わって滅ぶとか騒がれてましたが嘘でしたね。
ちなみにこんなに進んでいても金属を持たず石器時代。
彼らは9-10世紀頃に滅びました。
滅びの理由は謎ですが、ありすぎて不思議ではありません。
地力を失いやすい:
トウモロコシの栽培はイモと同じで土の栄養分を吸い取ります
都市国家の乱立による戦争:
マヤはマヤ帝国とかでなく、マヤっぽい各都市国家の総称。
戦争たくさん
気候の激変:
エルニーニョとかラニーニョとかもろに影響する。
王様も殺されてばっか
自然破壊:
都市国家にあまりに人が集まると伐採、し尿処理、伝染病、いっぱい問題おこります。
実際、中途でも頻繁に都市を捨ててました。
その後トルテカ文明とか言われたりプトゥン人後に残りますので文化、技術は残っている様子。
ケツアルコアトルとか同じ神っぽいし。
ちなみに車輪とかも発明していますが家畜いないんですぐに失われました。
大型動物がいないこともアメリカ大陸の不利なところです。
あとアステカ/メシーカ文明/タラスカ王国が有名ですね。
アステカやトルテカが衰退している時期に伸長した文明。
12世紀にできたらしい。
イーグル戦士、ジャガー戦士。
そこらじゅうに戦争を仕掛け、儀式は捕虜400人を惨殺、階段に血が流れて滝になる姿。
古代のアッシリアに比すべき惨たらしい国でした。
この国を滅ぼしたのが、後のスペイン人の唯一の善行かも。
<南アメリカ>
南太平洋に大きく影響を受けている様子。
ジャガイモ、タロイモ、サツマイモ
石造りの建物
黄金の国!
アンデス文明、インカ帝国が超有名ですね。
紀元前7500年からあると言われていますが謎文明です。
1200年ごろのクスコ王国から歴史がわかり始める。
1483年にインカ帝国へ。
帝国と言いつつ、一種の連邦国家です。
チリ沿岸で漁業、高地でイモの栽培。
各種野菜もアンデス山脈の低地から高地まで、高さ毎に多種多様な農業をします。
高地にすむことでエルニーニョ、ラニーニョなどの天候の激変を避けたのかもしれません。
とにかく植物学について造詣が深く、各種農業試験場は現代に引けを取りません。
各種栽培技術も高度。
あと石積みの建築技術もすごいです。
ナイフが入らないほど密に積み上げることが可能な石工はすごい。
濡れた砂と砥石で正面をしっかりと磨き上げ、「ほそ」「ほそ穴」で組み合わせる。
太平洋沿岸は地震多いところなのですが、そういう災害でも倒れないための高度な技術なのかもしれません。
工芸も巧み。
金細工。
二枚貝のアクセサリー
優れた植物学者らしく、染料もたくみ。
焼結合という高度技術でプラチナまで加工していました。
現代で宇宙船建造の際に必要な炭化タングステンとか炭化チタニウムという超硬度金属を作るのに用いらる方法。
すごいですね。
医療も外科技術がすごい。
脳外科までやっています。
こちらも植物学の延長でのコカの葉や、ビールのような酒や麻酔とか。
まあ生贄にもつかっているんですけどね。
6,730mの山に子供を連れて行き、酒とコカで意識を失わせて子どもたちを殴打・絞首。
なかなか残酷な儀式。
雰囲気的に日本で行われていた儀式に似ているそうな。
強烈です。
ということで中世の頃、唯一切り離されている文明であるアメリカ大陸はこんな感じでした。
さて、切り離された状態のアメリカ大陸を書くのは最後です。
この後、近世が来てヨーロッパ人が押し寄せ、全ての文明がリセットされます。
ゲームオーバーはもうすぐ。
そんなアメリカ大陸でした。




