道具ってなあに?
さて、あれで説明になっているかどうかはともかく、人間がアフリカ中央部で産まれたようです。
猿と原人と旧人類と人類の区分けが意外にはっきりしてないので「いつから」は明言出来ませんが。
そしてそのアフリカ中央部に「おれは人間だ」という人の特色はこんな感じですね。
火を使う、
道具を使う、
二足歩行、
脳の容量、
体毛が一部しかない、
社会を作っている、
言葉を使う
とか?
私が子供の頃は
「人とは何か」
とかの定義で争っていました。
やっぱみんな興味ありますもんね。
「火を使うのが人類である」
「言葉を使うことが人間である」
「いやいや道具を使うのが人間だ」
「脳が容量が~kg以上あることが人間だ」
とかありました。
べつに昔の人は現代の私たちにわかりやすいように進化したわけではないでしょうから定義などどうでも良い話ですが。
人の特色を図鑑みたいに正確にすることが正しいかどうかわかりませんし、
「火も道具も使ってなかったのは人間というか言わないか」
など現代人の勝手な理屈です。
どうしても説明したいものが何か?
どういう目的で区分けしたいか?
で、どうにでもなってしまいます。
ただ説明するための区分けとして一番わかりやすいのは「遺伝子」「ミトコンドリアイブ」みたいです。
ミトコンドリアの遺伝子は純粋に女性の遺伝子のみを引き継ぐので、その遺伝子の変化具合で男女交配した迷路みたいなルーツを辿るより楽に先祖を辿ることが出来る。
たとえばアルプスで凍り漬けになった狩人の子孫がイギリスで見つかったとかもその一つ。
そして人類を痕跡で辿ると、一番古いところまで辿れたのがアフリカ中央部の河川沿いで死んでいた女性。
17万年前±3万年。
これを辿るとこんな感じだと想像つくそうです。
1.アフリカの気候変動で猿が
ジャングルから追い出された
2.野原で生きるために猿は二本足で立ち、
手足が使えるようになった
3.二足歩行で脳が発達した
4.頭が良くなったので繁栄した
5.衣食住をつくり、世界中に広まった
6.社会が出来た
こんな感じ。
ただ実際はそんなきれいな順番でもない気がします。
例えば「衣」ってすごく人間が繁栄するのに寄与してます。
現代人に体毛が少ないって不思議と思いませんか?
それこそ水棲人だったと思えるほど大きな特徴です。
この特徴を有効活用し、熱帯地方では裸で暮らし、北極地方は毛皮をまとって暮らしてます。
鳥がペンギンになって南極で繁栄するまでにどれくらい時間がかかったでしょうか?
そして体毛が薄くなるのが最初?衣ができたのが最初?
本来、鳥が南極に住めるようになるまで何万年も進化を待つ必要があるのに、人間は数百年で熱帯地域から冷帯地域に移住出来ます。
皮膚がないことが最初から前提のように、それを有効利用して各地に散らばっています。
まあそういうのは「水棲人だったから体毛がないんだ、だから発展できた」とか本末転倒な気はするがまっとうな理屈にはなりましょう。
でも
散らばったのが最初?
体毛がなくなったことが最初?
衣服(というか布がなかった頃は毛皮か)が出来たことが最初?
たとえば道具ならどうでしょう?
「人間は弱弱しい生き物。虎やライオンに狙われて~」
そんなイメージありますが、結構古い時代からよっぽど狂暴だったりします。
私の認識でははじめっから人間はマンモスを狩る、はじめ人間ギャートルズ。
だって人間が行くごとに、アフリカ以外の大型動物は滅んでいきます。
#アフリカは、まあ人間に慣れていたのでしょうね。
一目散に逃げる
その大型動物はか弱い腕だけでぶっ倒したとは思えません。
人間より力の強い動物はたくさんいます。
象なんかは500kgの力でワニ吹っ飛ばします。
ライオンが人間を噛んだら一口でバラバラでしょう。
クマが250kgの材木を吹っ飛ばすとか。
そんな中でゾウみたいな大型動物をどう滅ぼしたのでしょうね?
たとえばアフリカで基本的な道具「投槍器」をつかえば、ちょっと練習すれば槍を数百メートル先まで飛ばせます。
古代と言われる前の大昔から狩りで行われていたことです。
「投げる」という行為を、例えばよっぽど人間より力の強いチンパンジーでもヘロヘロ球。
でも人間なら成人男子なら90km/hくらいはいけますかね。
モノを投げる時に肩はゴムのような役割をしています。
腕を後ろに引くと肩の筋肉が引っ張られ、エネルギーを蓄積し、投げる瞬間に溜めたエネルギーを一気に解放するのです。
動物園の動物係で「チンパンジーむかつく」という人のコメント、
チンパンジーは不満があると石、餌、糞、木の枝を投げるそうです。
その延長が早い時期から備わっていてもおかしくありません。
そして獲物を倒すために最初に投げた石が「道具」と言えるモノなのかもわかりません。
そして四肢の発達が最初なのか、「投げる」という行為はその次なのか、石を持ったのがその次だったのか、石より殺傷能力の高い槍が最後に出来たモノなのか。
最初期から人間は「投げる」ことをしていたのは容易に想像つきます。
だって強かったですもの。
そして、その投げるモノが人工かそうでないか、道具か拾ったモノか、そんなきれいな区分けはないでしょう。
映画とかでよくある、人間は猛獣に狙われる弱弱しい生き物...
とんでもない。
昔っから狩りが好きで、狂暴で、マンモスを滅ぼしたのは人間と言われ、アフリカ大陸に大型獣は人間を恐れ、アフリカ大陸に大型動物が多くてアメリカ大陸に少ない理由も人間のせいでしょう。
さて、そこで人間の発祥を遺伝子だけで定義づけようとする人達への問い。
人間は槍を使うのが先だったのでしょうか?
肩甲骨にエネルギーを貯める構造が先だったのでしょうか?
まあそんな感じの社会が先か、進化が先かのモノはいろいろあります。
焼肉とかの食スタイルもそうかもしれません。
きっと人間の最初の料理は焼肉でしょうからね。
人間がことさら「雑食」と言われるのもそうかもしれません。
食べ物は有機物を取ること、生物は口の大きさや顎の形、歯、胃、吸収する腸で摂取する有機物が制限されます。
肉食/草食の違いもそういうこと。
本来は成分が同じなのでどちらも食べれておかしくないです。
でも顎関節が決まっていて大きくて入らない、噛み砕けない、溶かせない、吸収出来ない。
しかし人間は包丁やナイフで切り裂いたり、石臼で磨り潰したり、焼いたり、煮込んだり、大抵の食べ物を消化器の前に四肢や道具で何とかしちゃうのです。
そして体もそのように作り替えている。
どっちが先なんでしょうね?
こんな感じで道具と生活スタイル、進化は実は一体です。
進化したから、脳が発達したから道具が使えるになった、
道具を使うようになったから脳が発達した。
それが、衣服、道具、肩甲骨、火、調理道具、私的には全てが曖昧なのかこの部分。
ま、それが何なのよと言えばそれまで。
衣食住をそろえて、けっこうぶいぶい言わせていた人間です。